2023.6.1

奥谷さんと振り返る「Jリーグ30周年」

5/25(木)3限 スポーツ組織論

 今回は昇陽高校サッカー部総監督でJリーグマッチコミッショナー(※)を務める奥谷彰男さんとJリーグ30年の歴史を振り返りました。奥谷さんはJリーグの主審として208試合を担当し、1998年シーズンから5年間は国際審判員として世界中の試合を担当してきました。審判員を引退後は、審判員を指導するインストラクターとマッチコミッショナーを兼任し、今なおJリーグの発展に尽力し続けています。そんな奥谷さんはJリーグと共に歩んできた30年間に何を感じたのか。貴重な現場の実体験からその感性を存分に聞かせていただきました。
※マッチコミッショナーは、試合において試合会場における全ての出来事に関して、運営上の最終的な判断を行い、これらの事柄に関する報告書を派遣元の機関に対して報告する者

  • 写真1:奥谷さんのJリーグ最終戦

学生コメント

 立石 蓮さん
今日の講演を聞いて、まずはサッカーのことについて学べました。たまにJリーグを観に行くのですが、毎回スタジアムの画面にマッチコミッショナーの名前が出てきていましたが何かわかりませんでした。しかし今日でマッチコミッショナーの存在、仕事内容が分かりとても良い勉強になりました。他にもサッカー以外の人間的な部分の話や余談などもとても興味深かったです。個人の感性がどんなことに対しても大事なのだなと思い勉強になりました。
 
前田 純さん
これまでの大学生活で試合の裏側などを知る機会がいくつかありましたが、今回もJリーグの表側を知ることが出来たのですが、どれも知らないことばかりで興味が湧き続けていました。特に、奥谷さんの行なっている仕事について初めて知る言葉や、初めて知る仕事ばかりでした。試合前には両チームと審判団を呼んで会議をしていることや、その時にWBGTなどの近況を話していることは驚きました。そして、試合が終われば仕事も終わりではなく、そこからレポートを提出することにも驚きました。試合が行われる裏側には様々なことが行われていることを知ることが出来たので、試合を観る時はただ観るだけでなく多くの人が携わり成り立っていることに感謝する気持ちを持ちながら観ることにします。
 
正木 初花さん
日本人である奥谷さんが、昔国際試合の審判をやっていたと知り、私は何点か疑問に思ったことがありました。まず1つ目は、海外ならではの挑発や表情に気を取られなかったのか。また、海外の方とのコミュニケーションはどのようにしてとっていたかと言うことです。昔は、今ほどグローバル化の社会では無いですし、英語をしゃべれることが当たり前と言う事はなかったと思います。なので、この奥谷さんは凄い方なのだと感じました。また、テクノロジーも発展していないため、AIが審判をするといった事はなく、人力で審判をしていたのが凄いと感じました。その審判には、本当に人情や情が入っていないのかと疑問にも思いました。
 
平田 倖大さん
今回の授業で、Jリーグの歴史について学ぶことができました。Jリーグはサッカーだけを盛り上げるのではなく、色々なスポーツ業界に影響を与えていることが分かりました。子供から高齢者まで、体を動かす大切さを広めたり、昔はJリーグのチームが10チームだけでしたが、今では、60チームもJリーグに加入していること、これは、スポーツを広げるために行った結果30年間の成果だと自分は思いました。
何十年も、サッカーを広げるために携わってくれて、ありがとうございます。自分もサッカーをやっていて大好きなので、そのような人がいてくれるから、日本サッカーは成長し、2年連続ワールドカップベスト16という素晴らしい結果を収めたのだと自分は思います。
これからも日本サッカーの為によろしくお願いします。
 

奥谷さんから学生へのメッセージ

◆人との繋がりを大切にする
◆旅に出る
◆本を読む(時にはYou Tubeも)
  • 写真2:旅に出る

教員コメント

 1993年5月15日に10クラブで始まった日本サッカープロリーグ「Jリーグ」が、どのような理念(※)を掲げてここまで発展してきたのか。現在では全国60クラブに広がるJリーグの発展の歴史と現在の姿をマッチコミッショナーという視点でご説明いただきました。マッチコミッショナーは90分の試合の観察のみならず、試合前後のイベントや、時にはファン同士のトラブルやクラブ同士のもめごとの際に双方の言い分を聞く役割も果たします。安心安全でフェアな戦いを実現するためには、現場の責任者であるマッチコミッショナーとリーグ、クラブの連携が必要不可欠なのです。
 講義終盤にはこれまでJリーグで活躍してきた選手や功労者のエピソードを紹介しながら、学生たちにメッセージを送ってくださいました。学生に負けないバイタリティとその学ぶ姿勢に、学生諸君は「レジェンド」とも言うべき奥谷さんの話に聞き入っていました。
Jリーグ30周年の記念すべき年に、奥谷さんのお話を聞けて光栄でした。今後とも様々な場面で協力させていただけると幸いです。
【※参考】Jリーグの理念
一、日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進
一、豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与
一、国際社会における交流及び親善への貢献
  • 写真3:奥谷さんの好きな言葉