キャリゼミ2016最終報告 経営情報学部 福重ゼミ 2年生

活動の概要

 大学生の教育支援や就職支援を目的とした商品・サービスを試用し、授業で学んだ分析枠組みを用いてその分析を行うとともに、普及のための新たな商品の形と戦略を提案するという活動に取り組みました。

活動の目的と具体的な活動内容

 まず学生たちは、提供された説明書を読みながら、実際に商品・サービスを試用します。そして、商品・サービスのターゲット、ターゲットに提供される価値、価値を提供するための仕組みについて、理想と現実のギャップを明らかにしていきます。
 個別の分析とチームでの議論を繰り返しながら分析を深めていき、チーム全体の分析結果としてまとめます。そして、その分析をもとに、新たな商品・サービスの形を作り上げ、普及のための戦略とともに提案しました。
 当初は分析も戦略も稚拙なもので、提案できるレベルに到達するかどうか、随分不安に感じましたが、ディスカッションを繰り返していく中で少しずつ質が高まり、最終的には提案可能なレベルに到達できました。連携企業からも高い評価を頂き、学生たちも達成感を味わえたようです。
 2016年度の活動目的は、授業で学んだ理論を実践に生かす能力の修得に加え、社会的事業を展開するベンチャー企業との協働を通して、起業家精神を体得してもらうことがねらいでした。
 連携先である株式会社ヒューマンインキュベーションは、2015年4月にパソナグループの社内ベンチャーで設立された、起業後間もないベンチャー企業です。もともとは、新卒未就職者を雇い入れてキャリア形成を行うという、パソナが手がけた革新的な仕組みによる就労支援事業が母体となっています。
 ベンチャービジネスを専攻する学生たちにとって、このような社会的課題解決に挑むベンチャー企業との産学連携活動は大変貴重な体験であり、教科書からは学ぶことのできない起業家精神を体得することができたことと思います。

代表学生の感想

 大学に入り、就職のことを考えている人は多い。しかし、何をすれば就職のためになるのかがわからない人がほとんどであると思う。これは私の考えだが、就活を有利に進めたり、就職後に優れた実績を残すためには、自ら考え、自ら行動し、その行動に責任を持つことが必要ではないだろうか。キャリアゼミの活動は、そうしたことを身につけるためのものだったのだということが、1年間の活動を終えて実感できた。
福重ゼミの特徴の1つとして、学生主体という点をあげることができる。一般的な授業とは違い、先生の指示のもと動くわけではなく、すべて学生がゼミ運営を行う。そうしたゼミ活動によって、自然と自ら考え、行動し、責任をもつことができるようになった。
 私はゼミに入る前は、意識の低い学生だった。しかし、キャリアゼミでの活動を通じて、責任をもって仕事をできる楽しさや、やり遂げたときの達成感を知ってからは、あらゆる面で意識が向上し、ますますゼミ活動の魅力に惹かれていった。私のように、学校や就職に対する意識が低い学生でも、実際に行動することで変われるのだ。
 私たちのゼミ活動は外部から見るとわかりにくいと思うが、非常に素晴らしい活動をしていると自負している。今後は自分たちの活動に、多くの学生を巻き込んでいきたい。

経営情報学部 2年生 若城 大輝

参加学生一覧

畔川 真悟、新井 義樹、上田 琢磨、河合 孝修、北山 裕樹、田中 敦也、中原 和也、端野 直希、花崎 大輔、古川 駿介、本屋敷 郁実、松井 昭斗、山口 真依、米田 政道、若城 大輝

連携団体担当者からのコメント

株式会社ヒューマンインキュベーション 取締役 中森 豊氏

 産学連携のお話を頂いた当初は、弊社が提供するサービス・商品を実際に試してみての「感想」や、学生視点での普及「提案」を頂ければと十分と考えていました。
 しかし、皆さんの「分析」は授業で学んだフレームワークを使った、本当にしっかりした「分析」でした。また、「戦略」も自分たちの分析をベースに構築されていて、さらにオリジナリティもありました。
 皆さんから示されたものは、「感想」や「提案」をはるかに超えるレベルで、とても2年生とは思えない質の高いものでした。私は福重ゼミの学生さんを少しみくびっていたようで、今となっては申し訳なく感じているくらいです。
 これからも皆さんと一緒に活動できることを楽しみにしています。

教員のコメント

経営情報学部 福重 八恵 准教授

 2年生で、最初は「産学連携」も「ベンチャー」も、何もわからないところからのスタートですから、企業関係者に大変気を遣ったことでしょうし、プレッシャーや、時にはストレスもあったかもしれません。しかし、社会に出れば年齢も立場も考え方も異なる様々な人たちと関わりながら仕事をしなければなりません。キャリアゼミの活動を通して、その訓練になったことと思います。
 また、この活動の中で心がけたことは、2年生が実施主体となる取り組みではありますが、可能な限り3・4年生にも参加してもらい、問題が生じた場合などは、教員に助言求めるのではなく、自分たちから先輩に依頼し、状況を説明してアドバイスをもらうということです。ゼミに入ってきた当初、「困った時は先生が何とかしてくれる」と考えていた学生が多かったと思いますが、そうした考えは1年間のゼミ活動で払拭されたことと思います。
 最後になりましたが、学生たちの成長に惜しみないご協力を賜りました関係者の皆様に、心よりお礼申し上げます。

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