経済学部 経済学科

王 凌
(オウ リン)

[職名] 准教授
[出身地] 中国江蘇省
[出身校]
京都大学大学院経済学研究科博士後期課程
[学位]
博士(経済学・京都大学)
[担当科目]
金融論1・2、ファイナンス論
[研究テーマ]
・東アジアにおける金融システムの構造変化
・経済と文化・社会との相互作用
[主要業績]

  • Modern Japan as Revealed in Buzzwords: Volume 2 (2011〜2015)【Japanese-Chinese Bilingual Book】,南京大学出版社,2016年.
  • Unconventional monetary policy and aggregate bank lending: Does financial structure matter? Journal of Policy Modeling, 38, pp.1060-1077, 2016.
  • 「非伝統的金融政策と銀行の収益性:日本における市場型間接金融の進展をめぐる一考察」(平成27年度大銀協フォーラム研究助成優秀賞受賞)

メッセージ

 →【英語サイト】English page is here.

 小学校三年生からの十何年間、ずっとバレーボール漬けの毎日だった。厳しい先生および監督に恵まれて、体力の限界に挑戦しながら、学業を怠ることがなかった。今は、脳力の限界に挑戦している毎日だが、体力の重要性をしみじみと感じている。
 新入生のみなさん、これからの四年間の中で、長い人生を楽しめるには十分な脳力と体力を鍛え上げてください。

自己紹介

 小さい頃から、符号・記号(symbol)に敏感で、数字・文字・絵などを読んだり、意味を考えたりするのが好きだった。一方、歴史・社会など、簡単に規則性を見いだせない科目が大の苦手だった。
 最近、やっと、われわれが生きている現実世界には、歴史の繰り返しや社会的装置が数多く存在していることを意識し始めた。今は、学生時代の勉強不足を後悔しながら、関連知識・教養の穴を埋めるようにしている。
 ポスト・ドクター研究員の時、指導教官からいただいた『一生勉強、一生青春』という言葉は刺激が大きかった。
 何歳になっても、成長を実感したい。

Let's research!

 大学は「知」を創出する(研究)・伝授する(教育)場所とされている。「知」を生み出すことは難しいが、それなりのスリル感が伴う。(それに比べると、「知」を破壊するのは恐ろしいほど簡単である。余談ではあるが。)
 王ゼミでは、ゼミ生の好奇心と個性を最大限尊重しながら、知的探求心を育むことを実践している。ゼミ生は、ゼミの1年目から、自分の知りたいテーマについて勉強した専門知識を使って自分の言葉(日本語・英語)で表現するという「訓練」を受けている。それによって、ゼミ生は、素朴な疑問から「自分の知」を創出するという研究の醍醐味が体験できる。
 英語においても中国語においても「先生」のことを「蝋燭(ろうそく)」で表現する。「わが身を燃やしながら、啓蒙の光で周りを照らす」という意味からすると、とても考えさせられる巧みなメタファーであるが、少し悲壮的なニュアンスを感じ取ってしまう。自分の経験をいうと、ゼミ生のみずみずしい感性と奇想天外な発想にインスパイアされることが多々ある。彼(女)らの知的探究心を育むなかで、自分の研究者としての自覚も高めたと言ってもよい。
 研究の醍醐味は、研究をしたことのある人にしかわからない。“Let's research!”というシリーズは、卒論や研究発表などゼミ生の研究記録である。Enjoy the pleasure of finding things out!

研究活動

1.金融に関する理論的・実証的研究をしている。実証の場合、近現代の金融理論が東アジアにおける妥当性を検証し、経済のグローバル化による東アジアの金融システムの構造変化を定量的に分析している。具体的な研究関心は、金融機関、企業金融、地域金融と金融政策などである。

2.経済と文化・社会との相互作用メカニズムを研究している。経済現象にはどの国にも通用する普遍的なものと、各国それぞれ自国なりの固有文化によって規定され、それぞれの社会形態によって制約された個別的な側面がある。新古典派経済学が捨象した人間・文化・社会の多様性・異質性を考慮に入れ、経済と文化・社会との相互作用を探求したい。今、試みている手法は、ことわざや流行語を取り上げて、その背後にある経済的意味・経済学的インプリケーションを検討することである。

新著紹介

透過流行語看現代日本:第二集(2011年〜2015年)【日中対訳】
Modern Japan as Revealed in Buzzwords: Volume 2 (2011〜2015)【Japanese-Chinese Bilingual Book】
南京大学出版社,2016年10月
ISBN: 9787305176289

This book is the 2nd volume of Modern Japan as Revealed in Buzzwords. Through a comprehensive and in-depth analysis of the economic phenomena revealed by newly coined buzzwords over the past five years (2011-2015), it attempts to grasp the recent economic changes in contemporary Japan and to further explore the mechanism of interaction among economy, society and culture. --Excerpt from “Buzzwords: A New Lens through Which to View Economic Dynamism in Contemporary Japan (Introduction to the 2nd Volume)”

中日文化的互動与差異(王述坤氏との共著)
Cultural Interaction and Contrast between China and Japan
南京大学出版社,2014年8月
ISBN: 9787305138003

本書では、古代から現代にいたる長い歴史の中での中国文化と日本文化の相互作用プロセスおよび両文化における相違を考察する。客観的文化現象・社会的事実に焦点を当てるというアプローチを用いて、中国と日本両国間の文化的つながりを検証するとともに、文化要因が如何に人々の経済行動や経済観念に影響を及ぼすかを分析する。

透過流行語看現代日本(日中双語)
流行語から見た現代日本(日中対訳)
中国科学技術大学出版社,2012年3月
ISBN: 9787312029400

本書では、流行語というユニークな視点から、現代日本における経済・社会の構造変化を多角的に分析し、経済と社会・文化との相互作用メカニズムを考察する。現代的文脈においてどのように日本の経済社会を読み解いたらいいかという問題についても、読者に一定の示唆を与えうる。

講義紹介

 今年度は、専門科目の『金融論1・2』と『ファイナンス論』を担当している。講義を行う際に、特に心掛けているのが次の二点である。

1.金融は経済学の応用分野なので、ミクロ経済学・マクロ経済学の理論基礎が不可欠である。講義中、金融の専門知識だけではなく、関連する経済学のポイントも解説している。これにより、学生は、金融世界の奥深さと幅広さを理解し、体系的に金融の専門知識を身につけることができる。

2.勉強したポイントを使って現実世界について考えることを重視している。講義の後、唯一の正解がない練習問題を出題する。学生からもらった多様なアイデアを分類し、専門的な観点からコメントを加え、次の講義では、面白いアイデア、ユニークなアイデアおよび先生のコメントなどを学生全員にフィードバックする。このような学生同士から知的刺激を受けることによって、考えることの面白さ、考えることから得る達成感を学生に実感させ、学生の勉強意欲・思考意欲を喚起し、現実問題を柔軟で複眼的に考える能力を養うことができる。この方法は学生とのコミュニケーションを図る手段でもあり、講義に対する学生の理解度はこの方法で把握できる。

ゼミ活動

王ゼミでは、金融教育と英語教育を融合する教育を行い、金融業のプロフェッショナルおよび大学院生(金融関連)になるための必要な知識や技能について全般的に学ぶ。

現在、専門知識、金融英語、金融数学の三つのパートに分けて、ゼミを進めている。また、世界の金融情勢や外国の経済文化などを随時に紹介し、広い視点から学べるよう工夫している。

・金融の専門知識
金融・ファイナンスのことについて教科書を読みながら、全員が納得するまで議論し、考えを深めていく。
・金融英語
金融分野の英語について勉強する。このパートでは、ゼミの「公用語」が英語になる。
・金融数学
金融分野でよく使われる数学・統計学について勉強し、練習問題を解く。

Journal of Our Journey

 いつもゼミ生に言っているが、若い諸君には無限の可能性が潜んでいる。色々な絵が描かれる白紙の如きである。しかし、自ら画筆を取り絵を描かない限り、白紙はいつまで経っても何もない白紙のままである。無限の可能性を確かな「実力」に変えられるようになるために、絶えない努力が必要である。
 幸いなことに、ゼミ生はみんな学業・資格・クラブなどに一生懸命に取り組んでおり、その頑張っている姿を見てこちらも元気付けられている。そこで、ゼミ生が自分自身の努力によって成長を遂げた様子を記録したら、本人の大学生活の貴重な思い出にもなるし、ほかの学生にとっても励ましになるのではないかという考えが出てきた。
 “Journal of Our Journey”というシリーズは、その考えを現実にした試みである。

Study Abroad Adventures

 このシリーズは、ゼミ生の長期留学体験集である。1年間、親元を離れ、外国語を使って異文化の中で生活・勉学することは色々大変だが、自分の長期留学の経験から言うと、新鮮さ・楽しさ・刺激もいっぱいある。
 長期留学は、いろいろな意味で、実力をつけると同時に自分の実力を試す素晴らしい機会だと言える。語学力は言うまでもなく、国際感覚、自立精神、視野の広さ、思考の柔軟性なども養成できる。
 王ゼミでは、ゼミ生の留学を積極的にサポートしている。ゼミ生に海の向こうで逞しく成長して帰って来て欲しい。

自主金融ゼミISOF(Independent Seminar of Finance)を定期的に開催します!

自主金融ゼミ(ISOF)

王研究室では、学生の自主的な学習を支援するために、そして、金融についてもっと知りたい学生に学びやすい環境を用意するために、“Independent Seminar of Finance”(ISOF,学生自主金融勉強会)を毎年開催しています。ISOFは、学生が自発的に企画する勉強会で、金融に興味があれば、誰でも自由に参加できます。参加者は、自ら選んだ金融関連の本を一緒に読みながら、互いに議論したり、質問したりします。

金融の専門知識だけではなく、自分の意見・考えをわかりやすく他人に伝える力も身につけられます。さらに、同じ関心・興味を持つ仲間たちと密に交流することで、学生の自信を深めることもできます。

2011年度春休みのISOFに参加した学生の感想を紹介します:

「勉強会は先生も含めて参加している1人1人が一緒に考えていき、自分たちで発言しあい、議論をかわしあい、問題を解くという事をするのでとても有意義な時間だと思いました。」(2年生 Nさん)

「春休みの勉強会は私にとって大変勉強になったと感じています。勉強会で同じ興味を持っている友達と金融について意見を交換し、お互いの金融知識を深めながら学習を進めていったのが本当に楽しかったです。これからも参加し続けたいと思います。金融に興味を持っている方が是非参加してください。」(2年生 Tさん)

「私は全く金融の知識が無い状態でしたが、興味だけはあったのでISOFに初めて参加しました。学生主体で進めていく勉強会なので、普段の授業とは違った刺激が得られます。少しでも金融に興味があれば参加することをお勧めします!」(1年生 Iさん)

やる気のある皆さん、ISOFへの積極的な参加を期待しています!