昨秋、阪南大学から東に歩いて数分のところにセブンパーク天美がオープンしました。そのセブンパーク天美の1Fのスペースを借りて、本学の学生たちが、コミュニケーション・ロボットSota(ソータ:ヴイストン製)を使って、実証実験を今年2月22日から5月1日までの予定で実施しました。
 Sotaは音声による認知機能と回答機能を持ちますが、今回は来客者と会話を行い、店やイベントの紹介など、セブンパークに関する様々な質問に答える機能を持たせました。そのための、セブンパークの情報をSotaに与える作業や、事前に膨大な音声データに対してSotaの音声認識が正しいかの確認作業も学生たちが行いました。実験期間中はSotaの近くに待機して、来客者が利用する際のガイド役も行いました。
実験では、いかにすれば、より多くの来客者がSotaを利用し、喜んでもらえるかについて探りながら、利用状況の統計を取りました。気が付いた点、発見したことも多かったようです。さらに今後次のような分析も可能だと考えています。
i)Sotaに質問した内容をテキスト・データに変換して、その内容の特徴と傾向を分析する。
ii)取得したデータから、曜日や時間帯による違いや傾向、共通の因子はないか、また言葉同士の関連性
が強いものはなにかを要因分析や回帰分析によって探る。

 この実証実験を行うことになった経緯は、昨年後期に開講した経済学部の専門科目である「ビジネス統計分析特講3」(青木博明担当)でExcelソルバーについて、関西デジタルソフト株式会社(本社:大阪市北区中之島)社長の沖上俊昭氏を招き、AI(Artificial Intelligence:人工知能)について基礎的知識や入門的な実習、またAIの様々な活用事例等の講義が行われ、その一例としてSotaが紹介されました。
そして、この講義を受講していた経済学部の福井駿希君、村上亮哉君がAIに強く興味持ち、さらにその技術を学ぶために、自主的に関西デジタルソフトでのインターシップを希望し、それを沖上社長に快諾いただきました。その後、大型商業施設でのSotaを用いた実証実験の機会を探していたところ、今年の1月に本学と産学連携協定を締結した株式会社セブン&アイ・クリエイトリンクが運営するセブンパーク天美に会場を提供いただくことになり、経済学部の勝山大輔君や経営情報学部の鈴木彩莉さん、北山夕月さんも実験に参加することになり、実証実験が実現しました。
 AIは、現在ビジネスや生活の様々な場面で展開されている技術ですが、Sotaのようなコミニュケーション・ロボットにも応用されています。今回はそれを大型商業施設で利用する実験をしたわけですが、学生たちは、より詳しい店の情報を提供することで、もっと多くの人に店に興味を持ってもらい、来客者を増やすことができると考えています。学生の皆さんは休日もセブンパーク天美で実験を行うなど大変だった思いますが、得ることも多かったと思います。今後さらに知識と技術を身に付けて、将来に活かしてほしいと思います。なお、今回の実証実験のことは2022年4月18日の大阪日日新聞にも取り上げられました。

<参加学生>
福井駿希、村上亮哉、勝山大輔(以上、経済学部ビジネス統計分析パッケージの村上ゼミ所属)
鈴木彩莉、北山夕月(以上、経営情報学部前田ゼミ所属)

※セブンパーク天美を運営する株式会社セブン&アイ・クリエイトリンク様には、今回の実験の場を提供して頂き、様々な調整や助言をいただくなど大変お世話になりました。また関西デジタルソフト様にはSotaの利用技術を提供して頂き、熱心に学生に技術指導をして頂きました。この場を借りて皆様方に御礼申しあげます。
  • ※写真撮影時のみ、マスクを外しています。