2024年1月27日(土)に阪南大学4学部(経営情報学部、経済学部、国際コミュニケーション学部、観光学部)の5つのゼミ(三好ゼミ、櫻井ゼミ、永田ゼミ、福本ゼミ、李ゼミ)が参加し、2023年度ゼミ研究活動の報告会を行いました。以下、その研究内容についてご報告いたします。

経営情報学部 三好ゼミ

三好ゼミでは、ゼミ活動で得た知識や技術を他者へ伝えるためのトレーニングとして阪南大学内の他学部ゼミと合同で開催されるゼミ発表会に参加しています。今回は、2年生3グループ12人が、ゼミ発表会に参加しました。
2年生ゼミでは、ワンボードコンピュータの1つであるRaspberry Piを使った画像処理認識や音声認識のシステムアップに取り組みました。 AI技術を用いた音声認識や画像処理技術が近年急速に進展しています。また、それらがオープンソースとして利用可能になっています。
 

オープンソースとは、インターネットに公開されているプログラムやデータで、それらをダウンロードして実行すると音声認識や、画像認識ができるようになります。
2年生3グループアは、後期のゼミで取り組んだ「オープンソースをダウンロードして実行できる環境を作る課題」に関して下記のテーマで発表しました。
テーマ:音声認識サービスとその応用の提案
テーマ:ワンボートコンピュータを用いた画像処理
テーマ:オープンソースを用いた画像処理とその応用の提案
 

経済学部 櫻井ゼミ

経済学部櫻井ゼミの2年生は、毎年、奈良県吉野町でフィールドワークを実施しています。今年度は吉野町の上市地区・国栖地区・吉野山地区のまちあるきを実施し、吉野川の河川利用、割箸作りや和紙の伝統産業、観光地や地元グルメの現状や問題点を体験しました。そうした課題として、それぞれの地区の現状や課題として取り上げ、各テーマをゼミで学修しました。その結果を、各グループで報告しました。

1. 櫻井ゼミAグループ

2年 大野、苑田、先本、向井、多田、船津
テーマ:吉野観光における課題と展望その解決策

 吉野町は、春の桜の花見や世界遺産の金峯山寺など観光資源に恵まれている。近年では、外国人観光客が増えており、フランスやシンガポールなど日本全体の観光客の国籍構成とは異なります。そのため、吉野の観光の課題として多様な宿泊施設の整備、花見以外の楽しみ方の発掘、それに対応可能な人税の育成を挙げました。

2. 櫻井ゼミBグループ

2年 古澤、新賀、佐方、篠原、歳原、川村
テーマ:吉野町の特産品の魅力と展望について

 吉野町は古い歴史や多様な観光資源により、特産品も多いです。発表では、柿の葉寿司、葛、日本酒を取り上げました。柿の葉寿司は、元々は郷土料理であり各家庭で味が異なる食べ物が名産品として発展しました。葛は、どこにでもある多年草を「吉野本葛」というブランド力を高め、様々な特産品に使われています。日本酒は、3つの酒蔵がコラボして新しい銘柄を作るなど地域おこしに努力しています。

3. 櫻井ゼミCグループ

2年 大前 松本 酒井 伊藤 平野 大島
テーマ:吉野町の伝統産業-その課題と対策

 吉野町の伝統産業である、割りばしと和紙つくりを体験して、今後の課題解決について発表しました。割りばしは、木材の端材を利用することで近年ではSDGsとして話題になっています。和紙は、奈良時代に製法がつたわり長い歴史があります。しかし、最近は後継者不足などで、作り方を伝える人が激減していることが問題です。そうした課題の原因として、職場が自然豊かではあるが生活環境としては不便なことをあげました。

4. 櫻井ゼミDグループ

2年 村田・横山・森岡・木寅・笠原・松井
テーマ:吉野町における豊かな自然の利活用と鳥獣被害対策

 吉野町は、豊かな自然に囲まれており様々な活用がされています。町の中央部を流れる吉野川は、水遊びが可能で、バーベキューや駐車場も完備しており、駅からも徒歩圏内と利用しやすい環境です。一方で、豊かな自然は鳥獣被害をもたらしており、年々、その被害は拡大しています。そのため、耕作放棄地にニンニクなどの動物が嫌う作物を植えたり、居住地と森林の間に電気柵を設けたりしています。

国際コミュニケーション学部 永田ゼミ

永田ゼミ(2回生)は、「異文化理解のためのてがかり 他文化と自文化の同質性-「米」をKeywordに」というテーマで発表を行いました。
 大阪・日本橋に広がる「ガチ中華街」と鶴橋・桃谷のコリアンタウンでのフィールドワーク、道頓堀での日本食に対する訪日外国人の意識調査の結果、他文化理解、自文化理解のKeywordとして「米」が浮上しました。そこで、永田ゼミでは、「「食文化」を手がかりとした異文化理解の促進」を掲げ、日本の米食文化(自文化)と他の米食文化(他文化)の比較を通して、自文化への理解はもちろん、他文化への理解を深めることを目指します。
 本発表では、今後予定している活動として以下の二点を報告しました。

①他文化における米食文化についてのフィールドワーク

・国内:ガチ中華街・チャイナタウン/コリアンタウンでのフィールドワーク
・国外:フィリピンマニラでのフィールドワーク
 フィリピンの米食文化
 フィリピンのチャイナタウン・コリアンタウン
 フィリピンの和食の調査(食の現地化

②自文化における「米」文化/米生産の現状把握

・農業従事者が激減し、米の自給率が急激に低下するであろう5年後を見据え、調査
(兵庫県加古郡稲美町の米生産の実態をレポート)
⇒状況を地元の高校と連携して調査
⇒現状を情報発信
※農業に興味を持つ若者と高齢化し米生産が難しくなっている米生産者とを橋渡しする情報を発信
⇒他文化における米料理と日本の米の融合

国際観光学部 福本ゼミ

1.福本ゼミ A チーム

2年:山本康太・緒方鉄太・五弓新也・前田大翔・西野里音・山田知奈 
テーマ:「~商いの街~大阪満喫ツアーの提案」

【発表要旨】

 私たちのゼミでは、修学旅行の一部行程に帯同し、大学生目線から大阪の魅力を修学旅行生に案内しています。「大阪」の魅力を自ら探りながら、修学旅行(観光ビジネス)の現場で活動しています。【JTBとの連携事業「大阪B&S事業」】
私たちのチームは、商業科(全国1341高校)の高校生をターゲットに、商いの街といわれる「大阪」の魅力を満喫いただくツアー(大阪滞在時間:6時間想定)を今回発表しました。「大阪」の商ビジネス(食・芸能・金融)を学び、多文化共生の街を肌で感じられるツアーを企画しました。
①天下の台所でお腹いっぱいツアー(中座くいだおれビル・黒門市場・新世界)
②大阪歴史の足跡巡りツアー(なんばグランド花月・日本銀行大阪支店・万博記念公園)
③Z世代大集合ツアー(コリアンタウン・アメリカ村・梅田スカイビル)
商いの街「大阪」の魅力を満喫いただきたいと考えています。

2.福本ゼミ B チーム

2年:新枦稜太・大関棟善・河上碧斗・加藤真維・吉村旭未
テーマ:「モノづくりの街『大阪』ツアーの提案」

【発表要旨】

 私たちのゼミでは、修学旅行の一部行程に帯同し、大学生目線から大阪の魅力を修学旅行生に案内しています。「大阪」の魅力を自ら探りながら、修学旅行(観光ビジネス)の現場で活動しています。【JTBとの連携事業「大阪B&S事業」】
私たちのチームは、工業科(全国520高校)の高校生をターゲットに、モノづくりの街「大阪」に触れていただくツアー(大阪滞在時間:6時間想定)を今回発表しました。商いの街「大阪」は全国に知られていますが、モノづくりの街としてはあまり知られていません。モノづくりの街「大阪」として印象に残る、見学可能な施設を選定しツアーを企画しました。
①エジソンもびっくり!パナソニックミュージアムコース
(Panasonicミュージアム・企業家ミュージアム)
②わくわく造幣局コース(造幣局・大阪下水道科学館)
③グリコもぐもぐコース(グリコ工場・食品サンプル体験)
モノづくりの街「大阪」の魅力を実感いただきたいと考えています。

国際観光学部 李ゼミ

李ゼミでは、「地域の魅力が発信できる体験型宿泊プランの提案による地域活性化」を活動テーマとして、以下の取り組みを行っています。
今年度は、福井県あわら地域の温泉旅館や(株)関電アメニックスが運営するホテルエルシエント大阪を対象に、ホテルや旅館のサービスの特徴を学ぶとともに、新たな顧客獲得に向けて、地域の魅力が発信できる宿泊プランの企画提案を行いました。
あわら温泉旅館の宿泊プランの企画にあたって、まず、夏期休暇中に旅館でのインターンシップ体験を通して、宿泊サービスや旅館を円滑に運営するための仕組み等を学ぶところから始めました。また地域の活性化に向けて、地元の一大イベントである「湯かけ祭り」の運営に地域住民とともに参加するなど、地域住民とのコミュニケーション等を通じて地域観光資源についても理解を深めることができました。
他方、韓国で開催された清州大学校との合同研究発表会での発表を通じてゲストとしての立場からのプランの評価や、韓国清州市地域での訪韓日本人観光客誘致のための日韓合同調査プロジェクトへの参加(ホストとゲスト両者の視点を交えたプランの作成等)などを通じて、自らが企画した集客に向けた宿泊プランの内容について、多面的に検討できる機会を得ることができました。