【金剛山活性化プロジェクト】金剛山で2回目の来訪者調査をしました

金剛山の来訪者を対象に2回目の調査を実施しました

 金剛山活性化プロジェクトでは、昨年10月に来訪者を対象としたカウント調査とアンケート調査を実施しました。今回は、季節によってどの程度来訪者数や来訪者の特徴が異なるかを把握するため、8月31日に2回目の調査を実施しました。今回は12名のプロジェクトメンバーが参加しました。
 前回と同様、今回もロープウェイ金剛山駅、千早本道下山口、伏見林道下山口の3ヶ所で、午前7時から午後5時までカウント調査を行いました。一方、アンケート調査については、前回ご協力いただいた来訪者と重複しないよう確認を取りながら、新規来訪者が比較的多いと思われる「ちはや園地」で、午前10時から午後5時まで実施しました。夏休み最終日ということもあり、前回よりも来訪者数は少なかったですが、それでも午前中を中心に多くの方々が金剛山を訪れていました。
 調査の実施にあたっては、ロープウェイの関係者の皆さま、登山道周辺の皆さま、千早赤阪村役場の皆さまに多大なるご協力を賜りました。また、多くの来訪者の皆さまにアンケート調査にお答えいただきました。ここに記して、感謝の意を表します。
 今後はアンケート調査の集計作業を進めるとともに、前回調査の結果と比較しながら、金剛山活性化に向けた提案を具体的に取りまとめていく予定です。(森重昌之)

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当日の活動の様子

  • 伏見林道での調査の様子

  • 千早本道での調査の様子

  • ちはや園地での調査の様子

参加学生の報告

気軽に来ている人もいることがわかったロープウェイでのカウント調査
 国際観光学部4年 浦上絵梨香

 8月31日に金剛山で下山者数のカウント調査と、初めて金剛山に来た人に向けてのアンケート調査を実施しました。調査は昨年の10月に引き続き2度目で、下山者数カウント調査は前回に引き続き、金剛山ロープウェイ駅、千早本道下山口、伏見林道下山口の3ヶ所で行い、前回と同じく金剛山ロープウェイ駅は9時から17時まで、千早本道下山口と伏見林道下山口は7時から17時まで調査を行いました。
 一方、アンケート調査は昨年度の調査結果から、初めての来訪者はリピーターに比べて観光目的で訪れることが多く、金銭的な利益を求めやすいのではないかと考え、山カフェやビアマウンテンなどで金剛山の魅力づくりやPR活動を行うことが効果的ではないかと考えました。そこで、今回は来訪回数が10回未満の人びとを対象に、金剛山に来た目的やビアマウンテン、山カフェなどの実現可能性についての調査を行いました。アンケート調査は10時から17時までちはや園地で行いました。
 その中で、私は金剛山ロープウェイ駅での下山者数のカウント調査を担当しました。9時台の下山者数は8人で、10時台、11時台、12時台は28人と横ばい状態でした。13時台には74人、17時台52人、15時台66人とお昼過ぎに下山ピークを迎え、16時台は30人で、当日の合計は314人でした。16時台になると、登ってくる人も降りる人もいない便があり、ロープウェイを動かしていないこともありました。前回の調査結果を見ると、下山者数が351人で、13時台に71人、14時台84人、15時台に87人が下山していました。前回も今回も13時台から15時台にかけて下山者が多いという結果になりました。参考にカウントしていた登山者数は11時台に45人、12時台50人、13時台24人、14時台46人と、下山者よりも少し早くピークを迎えており、2〜3時間ほど金剛山を楽しんで帰る人が多いと予想しました。
 私は前回、千早本道下山口でカウント調査を行いましたが、千早本道に来る人が大きなバックパックを背負い、ストックをついて登山しているのに比べ、ロープウェイではワンピースやビーチサンダルで来ている人が何人か見られ、地元の人にとっては健康目的で登山しなくてもふらりと気軽に来ることができる山なのかと感じました。そのような格好で来られている人びとが山でどのように過ごしているのかまではわかりませんでしたが、健康目的で来ている人ばかりではないとわかり、山カフェやビアマウンテンを実現できる可能性があると思いました。

山のあるべき姿
 国際観光学部1年 荻原 駿

 8月31日の日曜日に金剛山で、7時から17時までの来訪者数のカウント調査と、10時から17時までの間、ちはや園地でアンケート調査を行いました。私は前日の30日から山上の香楠荘に宿泊し、31日の朝7時から来訪者数のカウントを行う「前泊組」として今回の活動に参加しました。
 私は今回の活動で初めて金剛山を訪れました。30日、18時発の最終便のロープウェイに乗って香楠荘へ向かいました。初めに私を驚かせたのは、なんといっても宿泊客の多さです。金剛山活性化プロジェクトの中間報告書を読んで以降、自分の勝手な想像で、宿泊客が少なく廃れている宿泊施設のイメージがあった香楠荘でしたが、実際訪れてみると活気のある賑やかな場所でした。施設内のレストランは19時というピーク時間帯であったこともありますが、8割ほどの席が埋まっており、若いカップル、家族連れ、年配の夫婦など、幅広い年代の人びとが鍋や御膳を楽しんでいる風景が見受けられました。他にも施設外のキャンプ場でテントを張って楽しんでいる家族もおり、その一帯は賑わっているように見えました。
 31日、私は千早本道の登山口で調査を行いました。そこで目にとまったのが、登山口の手前で、明るいおばちゃんが営業している売店です。調査している最中にも回転焼きは登山者にどんどん売れていて、豆腐以上の名物に思える勢いでした。それ以上に気になったのが、その売店が登山者の憩いの場となっていたことです。登山者のほとんどが、登る前におばちゃんと挨拶を交わし、降りてきてからまた会話をするといったコミュニケーションの場としてその売店があるように思えました。そして、長い間同じところで調査をしていると、長年金剛山に登り続けている人と会話する機会が何度かあり、話をうかがっていると、「仕事が休みの日は金剛山に登り、売店のおばちゃんのところへ顔を出すのがお決まりのようになっている」とおっしゃる方が何人かいらっしゃいました。
 今回の調査では、話を聞かせていただいた人びとのように、山登りを人生の一部に組み込んでいるような登山者がとても多かったように思います。そのような点から、前回視察に行った六甲山のようなテーマパーク感覚の「山」と、金剛山のような健康づくりや、登ることを生きがいとして訪れる「山」では、それに適している形があると思いました。今回、話を聞かせていただいた常連さんたちが口を揃えておっしゃっていたことは、「金剛山は活性化してきている」という言葉でした。現在行っている活性化プロジェクトの活性化という意味と、常連さんが口にするという活性化というのはおそらく違う意味でのものであると思いますが、私自身今のままでいいのではないだろうかと思った1日でした。

金剛山活性化に向けて新たなデータを収集できた第2回アンケート調査
 国際観光学部4年 水野巧基

 金剛山活性化プロジェクトでは、8月31日に前回の六甲山視察の結果を踏まえてアンケート調査の内容を少し変更し、昨年度に引き続き、第2回金剛山現地アンケート調査を実施しました。今回のアンケート調査では、昨年の秋季調査と同様、カウント調査とアンケート調査を実施しました。しかし、前回の結果から金剛山ではリピーター登山客の来訪が圧倒的に多く、金剛山の活性化に向けて観光目的で登山をする人びとの誘致が必要であると考え、リピーターではなく金剛山への来訪回数が少ない登山客を対象に、ちはや園地のみでアンケート調査を実施することにしました。カウント調査は前回と同様、金剛山ロープウェイ乗り場、千早本道、伏見林道の3地点で実施しました。今回のアンケート調査の大きな目的としては、1つ目に金剛山に初めて来訪する登山客の来訪目的とニーズを明らかにし、金剛山に観光目的で登山をしてもらうしくみを考えることがあげられます。2つ目には、前回とは異なる夏季にアンケート調査を実施することで、季節により登山客数が変動するのかどうか、来訪目的など登山客の特徴に変化が見られるかを明らかにすることがあげられます。
 私は、ちはや園地でのアンケート調査を担当しました。実施日が夏休み最終日の8月31日であったことから、家族での来訪者が比較的多く見受けられました。一般的に家族の来訪者はロープウェイでちはや園地まで行き、アスレチックなどで子どもたちと遊び、ちはや園地にシートを敷いて昼食をとる方が多くおられました。しかし、家族連れの多くが金剛山への来訪歴が何度かあるリピーターで、自然鑑賞や家族の親睦を深めることを目的として来訪しており、六甲山のように観光施設が少ないことから、消費目的の方は見受けられませんでした。また、ロープウェイの運行時間が夕方までということもあり、17時頃には多くの方が下山し、六甲山のように夜景を鑑賞する方はおられず、滞在時間はお昼前から夕方までの方が多いと感じました。
 今回のアンケート調査票は、?満足度の項目に理由の記入欄を設けたこと、?金剛山の登山回数を明確に記入してもらうようにしたこと、?金剛山にあれば良いと思う施設の項目に星空観察を自由にできる施設として「星空シート」の設置を追加したことが、前回からの変更点です。これらの質問内容の変更や追加によって、登山客の具体的な声やニーズを明らかにできるのではないかと考えています。また、後期の授業が始まった際にメンバーで集まり、アンケート調査票の集計と分析を行う予定です。今回で2回目となる金剛山アンケート調査の結果を分析することで、金剛山の来訪者の特徴をより具体的に分析したうえで、今年度の金剛山活性化プロジェクトの最終報告を作成していきたいと考えています。
 最後に、調査を実施する上で、ご協力いただいた千早赤坂村役場の方々と森重先生、アンケートにご協力いただいた登山客の皆さまに、この場を借りて感謝申し上げます。

金剛山の現状とリピーターの方とかかわって実感したこと
 国際観光学部4年 増森千絵

 今回、金剛山にてアンケート調査とカウント調査を行いました。私は千早本道を下山する方をカウントし、集計するという役割として取り組みました。カウント調査組だけは朝7時から調査を行うため、私たちは前日に金剛山に入り、金剛山にある宿泊施設「香楠荘」に宿泊しました。香楠荘はこれまで昼食をとる際に利用したことがありますが、宿泊するのは初めてでした。香楠荘にはいくつかの部屋があり、夏休みという時期であったこともあり、多くのお客様が宿泊されていました。夕食は「金剛山会席」で、地元で採れた新鮮な「ますの塩焼き」や山の湧き水を使って作った「手作りこんにゃく」など、千早赤阪村の名物料理がぎゅっと詰まったものでした。どの料理もとても美味しくいただくことができ、また新たに金剛山・千早赤阪村の魅力に触れることができました。その夜は次の日に備えて少し早めに就寝し、調査日当日の朝はまず金剛山を下ることから始まりました。
 日が昇ってすぐの時間でしたが、私たち以外にも多くの下山者がおり、その多くが香楠荘に宿泊している方々でした。また、登山者の方とも何度もすれ違いました。千早本道でのカウント調査を始めた7時台は、特に高齢の方々が多く、後半になると徐々に下山者数が増えてきました。最も下山者数が多かったのが10時〜11時の時間でした。このことから、やはり金剛山を登山する方の多くは朝から登って午前中には下山するということがわかりました。当日は日曜日ということもあり、家族連れや遠方から訪れた方も多く見られて、私には千早本道が非常に賑わいある道のように見えました。また、私たちがカウント調査を行う中で、リピーターの方からお声を掛けていただくことも何度かありました。「金剛山にはかつてリスやモミの木がたくさんあった」「金剛山へのバスは朝と夜しかなかった」「冬の金剛山が一番おすすめである」など、さまざまな情報を得ることができました。リピーターの方は口を揃えて「金剛山の登山者数は増えているし、活性化している」とおっしゃっており、やはり健康のために登っているので、毎回金剛山にお金を落とすという考えはないことがわかりました。今後はさらに観光客の方に向けた名物やお土産品を増やしていくことや、香楠荘やちはや園地、また周辺の売店など、金剛山にある施設を利用して期間限定のイベントを開催することを具体的に考えていきたいと思いました。こういった現地での調査は毎回多くの気付きや発見があるので、今回もとても充実して良かったです。

金剛山ロープウェイの利用状況から推測した利用者層の特徴
 国際観光学部2年 吉田知奈

 調査当日、天気は曇りで、山頂は20度と長袖を羽織る程の涼しさでした。リピーターの登山者はもちろんですが、夏休みの最終日ということで、家族連れも多く見られました。
 私は初めて調査に参加し、4回生の浦上さんと一緒に山頂のロープウェイ乗り場で、ロープウェイを使った登山者と下山者のカウント調査を行いました。金剛山ロープウェイは15分おきに運行されています。私たちは10時から17時まで調査を行いました。私も実際行き帰りでロープウェイを利用しましたが、約5分間の乗車時間、説明を聞きながら山の景色を楽しむことができます。特に紅葉や雪のシーズンなら絶景が見られること間違いなしだと感じました。
 カウント調査では、登山者数、下山者数どちらもお昼にかけてロープウェイを利用する人数が増えていたので、早い時間帯に下山をする人はリピーターで、朝から自分の足で山に登り、帰りはロープウェイを利用しているのではないか、前日から宿泊施設に滞在していた人の下山も多いのではないかと、推測することができました。お昼前後にロープウェイを利用する人びとを見ていると、家族連れや年齢も若そうな人が多い印象を受けました。
 ロープウェイを利用して登山した人が一番多かった時間帯は12時から13時の間で、1時間に50人いらっしゃいました。昼食をとって散歩がてら登る人も多いのか、ラフな服装の人も多く、荷物も手提げ鞄のようなものだけを持っている人も多く見られました。一方、ロープウェイを利用した下山者が多かった時間帯は13時から14時の間で、74人おられました。こちらは朝から山頂まで歩き、弁当や香楠荘などで食事を済ませてからロープウェイで下山する人が多かったのではないかと感じました。その後、登山者も下山者も徐々に減っていき、15時を過ぎると誰も乗っていないロープウェイが運航されることもありました。昼食を取るため14時頃に香楠荘に向かうと、登山者の利用者が目立ちました。宿泊もでき、温泉もあるので、登山で疲れた体をゆっくり休めるのには最適な場所だと感じました。最後のロープウェイ登山者のグループは親子連れだったのですが、明らかに登山をするような服装ではなかったので、香楠荘に温泉を楽しむために来ているのではないかと感じました。
 今回の調査を通して、年齢や性別、どのような目的で登山をしているのか、ある程度推測することができたので、どのような客層をターゲットにして金剛山に呼び込むかなど絞ることができたと感じています。次のミーティングでは、調査報告を確認し、その中で提案されたイベントを1つでも多く実現できるよう努めたいと考えます。

改めてリピーターの大切さに気づいた現地調査
 国際観光学部4年 小山明日香

 私たち金剛山活性化プロジェクトは、8月31日に第2回アンケート調査および来訪者数カウント調査を実施しました。アンケート調査は親子連れや登山者たちの休憩所やちはや星と自然のミュージアム、香楠荘などがあるちはや園地で行いました。また、カウント調査は1回目と同じくロープウェイ金剛山駅、千早本道下山口、伏見林道下山口の3か所で、下山者を対象に行いました。前回は10月下旬ということもあって金剛山は気温が10度前後と寒く、本格的な登山を楽しむ人が多い印象がありましたが、今回は過ごしやすい気温で、幅広い年齢層の方が遊びに来ていました。私は、ちはや園地にてアンケート調査を行い、12時頃から千早本道でカウント調査を行いました。アンケート調査で気づいたことは、初めて金剛山を訪れたという人が本当に少ないことです。金剛山はリピーターの方に支えられていることが改めて実感できました。特に年配の方が孫と一緒に金剛山に登っていたのは印象的で、小さい頃から両親や祖父母から金剛山の魅力を伝えることで、親しみがあり地元から愛される山になっていると感じました。今後、小学生などから金剛山への理解を深められる活動を行うことで、高齢者だけではなく、若者も足を運ぶような山になるのではないかと思いました。
 午後からのカウント調査では、親子連れや運動部の体力づくりの集団など、目的のバラバラな人びとが次々と下山していました。調査場所の近くにはお土産や食事をとることのできる金剛山麓まつまさや金剛山名物の回転焼きなどを販売している高城茶屋などがあります。この場所は登山者の集いの場になっていました。リピーターの方や茶屋のおばちゃんは楽しそうに金剛山の野鳥や自然について情報交換を行ったり、ビールを飲んだりと、仲間に会うために金剛山に登っている方もいると感じました。とてもよい人ばかりで、椅子を貸してくださったり、回転焼きをごちそうしてくださったり、本当にありがとうございました。ここに集う方々は本当に金剛山が好きで、多くの魅力をご存知でした。例えば、金剛山は毎日登っていても違う表情を見ることができる、季節によっておすすめの登山コースが変化するから飽きないなど、何度登っても飽きることのない金剛山の魅力を教えていただきました。リピーターの方が金剛山の現状維持を望む声が多い原因の1つはここにあるのかなと感じましたし、今のままでも十分活気のある山であると思います。
 今後、私たちは新たな提案を行うことで今あるものを失わないような策を考えなければ、今よりも良い山にはならないと考えます。そのためにも、もっとリピーターの人びとの意見も反映するべきではないかと考えさせられる調査になりました。

新規顧客獲得を掲げて
 国際観光学部3年 磯野 晃

 今回、私たち金剛山活性化プロジェクトチームは現地にてアンケート調査を行いました。アンケート調査を実施するのは今回が2度目であり、前回とは内容が少し異なる調査となりました。前回と違った点は、まず夏季に調査を実施したことです。前回は秋季で金剛山の状態も今とは異なっており、観光客が訪れる目的や自然景観、気候などが今回とは異なる条件下で実施しました。また、実施時間、アンケート調査場所の変更、前回は行わなかった時間帯別の下山者数も合わせてカウント調査を行い、その結果以下のようになりました。
 客層や登山目的ともに前回の調査とは大きな変化は見られず、年配の客層が最も高く、健康づくりや自然鑑賞が最も多く見られました。今回は新規顧客に的を絞ってアンケートを行いましたが、ご協力いただいた方々のほとんどがリピーターの方でした。訪れている方の出身地も大阪府在住の方々が大半を占め、地方から訪れている方は私が確認した中では1人だけでした。ここまでは前回と得られた情報が同じでしたが、今回の調査で発見したことがありました。
 それは、アンケートの項目にある「今後あると良いイベントや施設」などを問われると、多くの人が星空の観察できるブースを設置してほしいという声が多く見られました。その理由を聞くと「前回の星空ミュージアムがすごくよかった」や「自然の空気を吸いながらきれいな星空を見られるのは嬉しい」という回答でした。今後もぜひ星空をテーマにしたイベントを実施し、さまざまな新しい工夫も取り入れて行ってほしいと思いました。また、同じ質問項目の中で、ビアマウンテンも星空に次いで多くご回答いただき、山でビールを飲むのは気持ちがいいとおっしゃっていました。今回調査をしている中でも、ちはや園地で休憩時にビールを何倍も飲む年配の方が多く見られました。また「登山で体を動かした後に下で飲むお酒はうまい」という声も聞き、今後ビアマウンテンの設置も視野に入れ活動を行えたらよいと思いました。他の難易度の高い山に比べ、金剛山は比較的登りやすい山ですので、ビアマウンテン利用者には何杯までと制限をかければ、実現も可能なのではないかと考えます。また、このビアマウンテンが実現されれば、訪れる登山者の大半を占める自家用車で訪れている登山者が南海バスや金剛バスを利用するきっかけにもなり、地域にお金が落ち、そのお金で土地に再投資することができるのではないかと考えます。
 今回の調査で学んだことは、リピーターが満足することを追求すれば、それが話題になりうること、そしてそれが新規顧客獲得につながる可能性があることです。今回学んだことを今後の金剛山活性化プロジェクト、ゼミ活動につなげていければよいと思いました。

香楠荘という観光資源の発見
 国際観光学部3年 谷口真帆

 金剛山活性化プロジェクトでは、2013年3月に現地視察、2013年10月に来訪者へのアンケート調査、2014年3月に冬の地域資源調査と、これまで3度金剛山でフィールドワークを行ってきました。そして今回は、8月30日から31日にかけて、第2回のアンケート調査を実施しました。
 前回のアンケート調査では、金剛山にはどれくらい人が訪れているのか、また訪れた人はどのようなニーズを持っているのかを調査するために、3か所の登山道で下山者のカウント調査とアンケート調査を行いました。今回は、カウント調査は以前と同じ方法で行い、アンケート調査は場所をちはや園地に変更し、対象を金剛山に訪れたことが10回未満の人としました。
 私はカウント調査の担当になったので、朝7時からの調査に備え、30日に香楠荘に宿泊しました。宿泊の予約をする際、じゃらんと楽天トラベルの宿泊予約サイトを見ましたが、1週間程前にはすでに空きがない状態でした。夏休み最終日の土日ということもあってか、この日は宿泊客が多かったようです。そこで直接香楠荘に電話し、なんとか部屋を予約することができました。
 そして、私たちは30日の午後5時に河内長野駅に集合し、南海バスで金剛山ロープウェイ前まで行きました。ギリギリで最終のロープウェイに乗り、午後6時半頃、香楠荘に到着しました。香楠荘は、宿泊プランが和室か洋室か、食事の内容が分かれており、食事は7つのプランから選べるようになっています。宿泊料金は大人1名1泊2食付き8,940円から15,110円です。私たちは千早赤坂村の地産のものが食べたいということで、金剛会席プランにしました。地元でとれる新鮮なマスの塩焼きや、山の湧き水を使ってつくった手作りこんにゃくなど、山の恵みいっぱいのボリューム満点な晩ご飯でした。お風呂はひのき風呂で、サウナも完備されていました。標高1,000メートルに建つ宿とは思えないほど、立派なつくりとなっていました。
 今回香楠荘に宿泊して、「香楠荘に泊まる」ということが金剛山に訪れる目的になりうるのではないかと感じました。「標高1,000メートルに建つ自然に囲まれた宿で、美味しい山の幸がいただける」ことは、とても魅力的な観光資源です。そこに、ちはや園地や星のミュージアムだけではなく、もう少し違った観光客が喜びそうなものがあれば、登山目的以外の、観光目的での来訪者が増えるのではないでしょうか。それが、カップルや若者に好まれそうな山カフェなのか、それともビアマウンテンのような多くの人を集めることのできるイベントがよいのかについては、これから考えていきたいと思います。

金剛山満足度の源は何か
 国際観光学部3年 福崎美帆

 私たち金剛山活性化プロジェクトチームは、8月31日(日)にアンケート調査と登山客数を数えるカウント調査を行いました。アンケート調査は昨年の秋季に一度行いましたが、今回は夏季にアンケート調査をすることで、登山者の求めるものが季節によって異なるのかを探ることが狙いです。私はアンケート調査を担当し、山上にある「ちはや園地」という子どもの遊ぶ遊具や食事のできる休憩場所がある広場で調査を行いました。
 私たちは金剛山に初めて来た人を調査対象とし、こうした方が多いと想定してちはや園地を選びましたが、実際の登山客は何百回も登山をしているお年寄りや親子で、自然を楽しむために何度も来ているという人が多く、初めて金剛山を訪れた人は数えるほどしかおられませんでした。また、8月30日は「ちはや星と自然のミュージアム」で星空観察会が開催されており、金剛山にある宿泊施設「香楠荘」に宿泊したという方も数組おられました。今回調査した場所が広場だったからかもしれませんが、家族連れが多く、登山が目的というよりも家族で自然を楽しむと言うグループが多かったです。特に幼稚園児くらいの子どもを連れてきている家族が多かった印象を受けました。金剛山は自家用車で麓まで行くことができ、ロープウェイもあるため、登山というよりもハイキング感覚で遊びに来ることができるのだと考えられます。
 今回のアンケートには「金剛山に満足しましたか?」という項目を設けました。これには金剛山の満足度を測り、不満な点を探り出すという意図があります。調査日はあいにくの曇天だったためか、不満点に曇天と書く人が多く見られました。しかし、ほとんどの人が満足という項目を選択しており、山自体への不満点はない様子でした。この点から山を取り巻く環境も快適さの重要な要素の1つであり、登山客の満足度が左右されることがわかりました。今後アンケート調査の分析をする時により詳しく分析したいと思います。
 金剛山は親子数代にわたって登り続けている家族や毎朝の習慣として何年も登山を行う人が多いなど、地元住民にとって欠かすことのできない山です。しかし、より金剛山の活性化をめざすためには、若者やカップルが訪れるためのしくみが必要だと考えます。金剛山の大きな魅力は自然が豊富に残っていることです。森林浴のような昼間の魅力だけではなく、夜の魅力を高める活動を提案できるように、今後も調査を続けていきたいと思います。

金剛山の魅力を感じた日
 国際観光学部4年 岡村綾佳

 8月31日に金剛山にて2回目のアンケート調査、カウント調査を行いました。千早本道、伏見林道、ロープウェイ金剛山駅では下山者のカウント調査、ちはや園地ではリピーター以外の方へのアンケート調査を行いました。当日は天気があまり思わしくなかったため、夏休みの日曜日でしたが、金剛山に訪れた方は比較的少なかったようです。しかし、私たちは早朝7時から伏見林道で調査を行っていたのですが、近くの駐車場は満車で、入り口付近にたくさんのバイクが停まっていたほか、路線バスを利用した登山客が次々に登っておられ、驚きました。朝からこんなに多くの人びとが金剛山に集まっていることが予想外でした。本当に人がいない金剛山しか想像しかしていなかったのですが、調査を始めた時間に登山する人もいて、「金剛山調査するんやったら、もっと早くから来ないと」と登山客に言われるほどでした。
 前回の調査では、私はロープウェイ金剛山駅を担当したのですが、子ども連れの方や登るのが困難な方がいて、比較的新規の登山客が多い印象でした。また、金剛山のことについて詳しい人は少なく、登山目的というよりも観光目的の人が多かったのが印象的です。今回は伏見林道を担当しましたが、毎日の日課のようなリピーターの方が多く、何回ぐらい金剛山を訪れているのかと尋ねると、10年以上ほぼ毎日登られている方がたくさんおられ、回数にすると3,000回以上と答えた登山客もおられました。
 前回と今回の調査場所で、大きく登山客のニーズが異なりました。新規の登山客の気持ちは私にも理解できますが、リピーターの方にお話を聞くのは、とても新鮮でした。金剛山の3,000回登山を記念して、金剛山についての論文を書くという方もおられました。ちなみに、その論文は誰かに見せることが目的ではなく、自身の思い出に残しておくというものでした。まだまだ、登山経験がほとんどない私たちが調査できるのは、登山回数などの数字的なものばかりです。しかし、金剛山の魅力をもっと伝えていくには、こういった登山回数を重ねている方の力が必要だと感じました。
 また、前回の調査場所のロープウェイ金剛山駅ではほとんど見られなかったのですが、登山客同士がすれ違うと、必ず「こんにちは」と声をかけ合っていました。自然とこのような行動を行える空間こそが、登山の魅力だと感じました。調査をしている最中にも声をかけてくださる方や、他の山を紹介したり、これからの金剛山について、長い時間話してくださったりする方がたくさんいて、長時間の調査も楽しく過ごすことができました。
 今回、ご協力いただいた登山客の皆様、ありがとうございました。