「ラ・れっとる」2年間の歩み

 本学が給付型の学部奨学金制度を始めて、4年目となる今年も、各学部で奨学生の選考が進んでいます。学部を元気にする学生の育成をめざす奨学金ではありますが、選び方には学部の特色が現われています。国際観光学部はゼミのフィールドワークや連携事業が目立って多く、それが学部の特徴となっています。一方、学生会による活動も盛んで、年間6回のイベントを企画運営しています。そこで、国際観光学部では、ゼミや行事で活躍する学生たちを取材し、魅力的な記事にする決意をもつ学生を学部奨学生に選んでいるのです。「おたより」のフランス語「La Lettre」から名づけたHP広報誌「ラ・れっとる」はそのような学部奨学生が広報部員となって編集しています。2015年の8月5日に創刊号が掲載されてから、すでに37号を編集し終えました。
 「ラ・れっとる」の特徴は、徹底したインタビュー記事であることです。学生が尋ね、学生が答える。言葉のキャッチボールから、ひとり一人の個性が浮き上がる。同じ目線や発想で心が通じるため、学生が学生の思いをみごとに汲み取ってゆく。その効果は当初の予想を上回り、実に魅力的な記事の数々が生まれました。しかしながら、HP上の記事は新しい記事に押され、次々とサイトの深層に落ちてゆくのが定め。すばらしい記事が隠されてしまうのは、いかにも残念。という思いから、「ラ・れっとる」をパンフレットにしてオープンキャンパスで配り、高校生や保護者の方々に読んでいただこう、という企画が生まれました。
 編集にたずさわってくれたのは、国際観光学部3回生の新留由来 (しんどめゆき/写真左) さんと、氏原麻祐(うじはらまゆ/写真右)さんです。彼女たちへのインタビューを通じて、「ラ・れっとる」を振り返ります。(来村多加史)

※この広報活動は、阪南大学給付奨学金制度によって運営しています。

編集の苦労がわかります

来村:パンフレットの編集、本当にご苦労さまでした。
新留:マイペースでやりましたので、大丈夫ですよ。
来村:どういう記事を制作されているのか、読者のみなさんにご説明いただけますか。
新留:記事は「ラ・れっとる」そのものです。ご指導をいただいているのは森重先生ですが、先生からは「オリジナルの記事を尊重しなさい」と言われていましたので、勝手に削ったりはしていません。
来村:「ラ・れっとる」はHPに掲載する記事なので、紙幅は気にせず、広報部員から預かった原稿のままに編集しています。なので、記事の分量は、かなりばらつきがあったような気がしますが。
新留:ありましたね(笑)、記事によって文章量が全然違う。
氏原:なのに、パンフレットは紙幅が限られているものですから…
来村:大変だったと…。申し訳ない。
新留:こういう作業をしていますと、編集の大変さがよくわかりますね。
氏原:原稿を書くよりも大変かも。
来村:出版社や雑誌社の仕事の大半は編集ですから、その方面に進まれる人には、いい勉強になるかも知れませんね。実際、学部奨学生の広報部員をめざす学生の中には、執筆や編集の技術を身につけたいと望む人もいますからね。
氏原:奨学金をいただいて、技術も身につくなんて、羨ましいですね。

オープンキャンパスのスタッフとして

来村:それはそうと、君たちはなぜこの作業を?
新留:私たちはオープンキャンパスのスタッフなんです。
来村:いつも学生たちに助けてもらってばかり。ところで、スタッフは何人くらい?
氏原:30人以上はいますね。
来村:明るく元気な学生が多いですね。どのようにして募集するのですか?
新留:AOのクラスが担当します。
氏原:AO入試で入ってきた学生は、学部をぐいぐいとひっぱってゆくことが務めなんです。
来村:それで元気なんだ。で、君たちは?
新留:私たちはその代表として、オープンキャンパスのスタッフをまとめる役目です。
来村:リーダーのお二人なんですね。
新留氏原:その通りです。
来村:期待してますよ。ところで、「ラ・れっとる」に話を戻しますが…。
新留:「来村先生が編集している広報誌を紙にして配ってみては」と、森重先生から勧められたのがきっかけですが、楽しい記事が多いので、私たちもガゼンやる気に。
来村:ありがとうございます。で、どのように?
氏原:この1年間の記事にしぼり、私たちの目線で、これは特に高校生をひきつけるのではないか、という記事を選びました。
新留:ひとつの記事ごとに二つ折のパンフレットにして配ります。
来村:枚数は?
氏原:ひとつのパンフレットごとに数百枚を印刷するつもりです。
来村:それは心強いですね。たくさんの高校生や保護者の方々に読んでいただけそうですね。ところで、どんな記事を選ばれました?

才能とやる気のある学生の多いこと

新留:「ラ・れっとる」を読んでいますと、いくつかのジャンルがあることに気づきました。
氏原:クラブ活動や学生会が進めている年中行事で頑張る学生、産学連携事業のプレゼンで受賞した学生、留学したりイングリッシュスペースを使ったりして語学のスキルを高める学生、そして、実社会で頑張っているOB・OGの先輩たち。
新留:ほかにも、勇気をもって世界旅行に出かける学生とか。
来村:「ラ・れっとる」を編集していて、学生たちの才能や頑張りように感動することが多いですね。こんな学生がいるのかと、驚かされることばかりです。
氏原:そうなんです。刺激されます。
来村:「学生力」という言葉が出てくるのですが、オープンキャンパスでは、それを前面に出したいですね。
新留:私たちも思いきりPRします。ところで、先生にも工夫いただいているようで…。
来村:君たちばかりに任せては申し訳ないと…。
氏原:何かLINEを使って「ラ・れっとる」を読める方法と、お聞きしましたが。
来村:逆に私がインタビューを受けていますが、せっかくですので、少し説明しますね。
新留氏原:ぜひ。

来村:君たちが進めてくれている紙媒体での広報は、今も王道でして、オープンキャンパスの帰りや家でも手軽に読んでいただけます。ご家族にも手に取ってもらえるかも知れない。いいPR手段です。ただ、学生はもちろん、社会人たちも、今や全スマホ時代に突入していますので、そこにも訴える広報が必要です。かといって、わざわざウェブ検索して何回もタップをしながら「ラ・れっとる」のページを探していただけるかと言えば…
氏原:難しいですよね。
来村:そこで思いついたのが、LINEのQRコードリーダーです。LINEは若い人たちなら、ほとんどすべてが使っていますので、それを利用しようと。一方で、記事のURLをハイパーリンクさせた索引の画像をHPに揚げておき、QRコードを作って提示する。
新留:なんだかややこしい話ですが。(笑)
来村:試しにどうぞ(2人にQRコード入りのマニュアルを提示)。
氏原:あっ、ほんとに早くて簡単。
新留:慣れると、10秒程度で記事に飛びますね。
来村:索引のPDFをKeepしておけば、いつでも好きな記事が、あっという間に見られると。
新留:これはいいですね。ちょっと感動します。
来村:パンフレットとスマホの両輪でPRを、という感じですね。
氏原新留:これで、私たちもぐいぐいと高校生を惹きつけます。
来村:期待しています。すべてを込めて、ありがとう。