阪南大学経済学部では、「キャリアアップ」枠並びに「リーダーシップ」枠という学部独自の給付制奨学金制度(2・3・4年次生各5名、1名につき年間給付額40万円)を用意して、学生の成長をサポートしています。
 「キャリアアップ」枠は、公務・金融・国際という三つのキャリア分野を設け、学業成績が優良で主体的に進路目標の実現をめざして資格取得等に励んでいる学生に給付される奨学金です。
 「リーダーシップ」枠は、学業成績が優良で経済学部や大学が主催する行事等の企画・運営で中心的な役割を果たした学生に給付される奨学金です。
 今回は、2019年度「リーダーシップ」枠奨学生である小根田侑雅さん(2年生)、中島千尋さん(2年生)、東田寛太さん(2年生)の活動成果を紹介します。

経済学部2年生 小根田侑雅さん

 私にはこの春から芸術大学に進学予定の妹がおり家庭の経済状況に余裕がなく、昨年はアルバイトを増やさなければいけない状況でした。しかし、経済学部奨学金をいただくことができたので、アルバイトを増やさなくてもよくなり、学内・課外活動の幅を狭めずに不自由なく活動することができました。
 私が今年、主に活動したことは4つあります。1つ目は経済学部企画委員会での活動です。大学を知ってもらうためのオープンキャンパスに力を入れたのはもちろんですが、学生主体で取り組まれたスポーツイベントでも準備を行いました。その中で感じたことは、運営する先輩方の計画性でした。私は、下級生とのコミュニケーションを大切にすることでリーダーシップをとろうと努めましたが、先輩方はコミュニケーションだけでなく計画性をもって組織を運営することでリーダーシップをとっていました。次回の学生主体のイベントでは、計画性をもってさらにリーダーシップをとれるように活動していきたいと感じました。
 2つ目はゼミでのフリーペーパー作成です。フリーペーパーの作成にあたり、取材を行いましたが、以前の私では取材を活かしきれるフリーペーパーを作成することができませんでした。そこでフリーペーパーデザインの勉強をし、情報としても視覚的にも見る人に伝わるものを製作することができました。また、自分の担当分だけではなくデザインにいてのポイントをゼミメンバーと共有することで自分自身の学びを深めることもでき、切磋琢磨をするなかでより良いフリーペーパーを作成することができました。
 3つ目は就職活動の準備です。主要企業の多くは3年次の6月に選考に関わる中・長期インターンシップの応募を始めるため、その期間までに主な就職の準備を完了しなくてはなりません。まず第1段階として自己分析を行いました。この自己分析により、過去か現在までで自分の根底にある大切にしているもの・興味のあることを知ることができました。そして、第1志望の業界を決定することができました。しかし、第2希望、第3希望の業界は好きなこと・興味のあることだけでは決められず悩んだ末、自分にできることと収入で決定しました。ほかにも企業分析や筆記対策も行いました。3年次では面接対策やOG・OB訪問を行い、これからも就職活動の準備を進めていこうと考えています。
 4つ目は課外のバンド活動です。主にライブを中心とした音楽活動を行いました。オーディションにも積極的に参加し、悔しい結果もあるなかで結果と反省を活かしながら活動の幅を広げました。CDの作成も行い、自主企画のライブイベントも開催しました。金銭のやり取りやスケジュール管理、出演者やライブスタッフとの打ち合わせなどを行うなかで、コミュニケーション能力と主体性を向上させることができました。
 奨学金をいただいたことでアルバイトしていたかもしれない時間をこれらの活動にあてることができ、1年間で多くの経験をさせていただきました。これからも向上心、探究心をもって大学や社会に貢献できる人材になれるように日々精進していきたいと思います。

経済学部2年生 中島千尋さん

 私はこの1年間、いただいた奨学金を活用し、学校生活の中で主に2つのことを意欲的に取り組みました。
 1つは「資格の取得」です。阪南大学では、学内で資格講座を開講しており、資格の種類も多く、自分の興味のある資格にチャレンジすることができます。1年次は日商簿記3級の講座を受けましたが、2年次は奨学金を利用しMOSのWord講座を受けました。私はパソコン操作が苦手で、初めは講義についていけるか不安でしたが、わからないところも講師の方が分かりやすく教えてくださり、資格を取得することができました。春休みに講座が開かれる資格もあるので、奨学金を利用しMOSのPower pointとExcelの講座を受けようと考えています。さらに3年次では私の目指している観光業界の知識に関する国家資格である旅行業務取扱管理者の資格講座を受けようと考えています。
 2つ目は「経済学部学生企画委員会」の活動です。奨学金をいただく前は委員会の活動とアルバイトを両立することが困難でしたが、奨学金をいただいたことで時間に余裕ができ、委員会の活動に積極的に参加することができました。委員会では1回生のオリエンテーションのスタッフやフリーマーケットの企画運営など様々な活動をしてきましたが、その中で特に印象に残っていることは、オープンキャンパスのスタッフとして活動したことです。私は「カフェ班」に所属しました。カフェ班の仕事はカフェに来てくれた高校生や保護者の方にパンフレットや自分の大学生活をもとに、阪南大学経済学部について説明したり、高校生の質問に答えたりなどをしました。私はとても人見知りで初めのころは緊張してしまい、高校生や保護者の方と上手くコミュニケーションをとることができず、自分の伝えたいことを説明できませんでした。しかし、先輩方からアドバイスをいただくなどして回数を重ねるうちに、自分から阪南大学や経済学部の魅力を伝えることができるようになりました。私はこの経験をゼミ活動や就職活動、将来の仕事などに活かしていきたいと考えています。
 このように私は、頂いた奨学金を有効に活用し、学業や学内活動など様々な活動に取り組んできました。3年次も自分の目標を達成するために様々な活動に積極的に参加していきたいです。

経済学部2年生 東田寛太さん

 このたび学部奨学金をいただきました、経済学部経済学科2回生の東田寛太です。この学部奨学金をいただけたことで、アルバイトする時間を減らすことができ、以前より学業以外の様々な学内活動に積極的に取り組むことができました。
 学内活動の内容としては、経済学部学生企画委員会という組織で副委員長として活動しました。経済学部に関わる行事や、オープンキャンパスの企画、運営を行いました。具体的には、4月は新入生オリエンテーションキャンプ、6月~9月にかけてオープンキャンパス、10月にふれあいフェスタ、11月にはオープンキャンパス慰労会とフリーマーケットを企画、運営しました。どの行事も副委員長としての立ち回りが難しい中で、自らで試行錯誤をすることや先輩方、教員の方々からの助言をいただくことで行事を成功させることができました。
 これらの行事の中で特に印象に残っているものは、フリーマーケットです。フリーマーケットでは、来年度に委員長として先頭に立って指揮をとる練習として企画班のリーダーに任命されました。普段は副委員長としてリーダーの補助を行っていましたが、自分がリーダーとして動いていく中で委員会メンバーや大学の事を考えながら企画や運営することの難しさを知りました。先輩方や教員の方々に助けていただきながら、フリーマーケットのメンバーのシフトを作り、宣伝用看板や募金箱を作成・設置、参加していただくゼミの補助、募金活動を行いました。結果として前年を上回る寄付となる、フリーマーケットでの寄付金「8,035円」と募金活動での募金総額「12,160円」を合わせた総額「20,195円」を日本赤十字社「令和元年8月豪雨災害義援金」に寄付することができました。フリーマーケットの経験で、様々な人の協力のうえに経済学部学生企画委員会があり、コミュニケーションと自分自身の行動でその協力を促せるということを学び、来期の委員長として活動していくための自信に繋がりました。
 今年度の学内活動を通して、前年度より企画の提案力やコミュニケーション能力、運営していく中での臨機応変さ、時間の効率的な配分についての成長を感じました。これも全て、アルバイトの時間を減らすことにより学内活動に集中することで様々な経験ができたおかげです。学部奨学金をいただけたことに改めて感謝します。来年度は、委員長として組織や経済学部、阪南大学の更なる飛躍に貢献していきたいと考えています。