4年生の後潟美月さんがキムチに関するレポートを書きました。キムチの歴史や種類を調べ、実際に、自分でキムチを作ってみるそうです。数回に分けて連載します。

国際観光学部4年 後潟美月

はじめに

 韓国料理といえば、”キムチ”を想像する人が多いのではないだろうか。キムチは、韓国の食卓には欠かせないものである。韓国では、「一人当たりのキムチの年間消費量は、22キロ」(2020)言われている1)。すなわち、毎日、毎食のように口にしているのだ。
 このレポートでは、韓国でのキムチの存在感やキムチの種類について文献をもとに述べていく。

キムチの存在感

 料理の人間文化財・黄慧性氏によると、キムチのない食事は考えられないと言う。「キムチは初めからしまいまでお膳にのっています。そこが日本の漬物とちょっと違うところだと思います」と述べている2)。私たち日本人にとっては、漬物のような存在のキムチだが、日本人にとって、キムチは、どういった印象があるだろうか。「赤い」「辛い」といった印象が強いのではないだろうか。
 日本のスーパーでは、日本人向けに作られた辛さ控えめなキムチから韓国直輸入の本格的なキムチがある。日本人向けに作られたキムチは、辛味のなかにうま味もあり、少し甘味も感じるような辛さ控えめなものであった。本場の韓国のキムチは、韓国旅行に行った際に、食堂で出てきたキムチである。酸味があり、辛さが後から追いかけてくるようなキムチで、なかなか口の中の辛味が消えないものであった。

キムチの種類

 韓国のキムチのなかで代表的なものは白菜のキムチである。おそらく白菜のキムチは誰もが1度は口にしたことがあるのではないだろうか。白菜のキムチは韓国でももっとも食べられている基本のキムチである。他に代表的なキムチとしてダイコンのキムチ(カクテキ)やきゅうりのキムチ(オイキムチ)が挙げられる。キムチは漬け方や野菜、味付けによって全く違ったキムチになる。例えば、「白菜のキムチは丸ごと漬け込むトンペチュキムチが有名だが、ザクザクと刻んでから漬ける方法もあるし、発酵過程を経ずに、漬けてすぐ食べるコッチョリキムチもある。大根の場合もさいの目に切ったカクトゥギ(日本ではカクテキと呼ぶ)をはじめ、千切り大根のキムチ、葉大根のキムチ、10センチほどにしか育たない小さな大根(チョンガク大根、またはアルタリ大根)のキムチ」など、種類豊富である3)。

キムチ作り

 韓国の家庭では、常備菜としてキムチを手作りする。それぞれの家庭によって味が異なる。”家庭の味”、”母の味”といったようなものは、母から子へ、子から孫へと代々受け継がれるのがキムチ作りである。韓国ドラマを見たことがある方は、家族みんなでキムチ作りをするシーンを見たことはないだろうか。これは、「キムジャン」と呼ばれる韓国の一大イベントである。11月下旬から12月上旬ごろに長い冬に備えて大量にキムチを漬けるのだ。冬になると、新鮮な野菜が獲れにくくなるため、冬に先立って野菜を塩漬けし、たくさんキムチを漬けておくが起源となっている。

おわりに

 今回はキムチの存在感、キムチの種類、キムチ作りについて調べてみた。韓国の人々にとってキムチは欠かせない存在であり、毎食のように食べられていることがわかった。次回はキムチの作り方について述べていこうと考える。
 私のキムチ日記は続く…

【注】
1)https://news.yahoo.co.jp/byline/morisayaka/20201023-00204159 森さやか「韓国で深刻なキムチ不足:背景に「長梅雨」と「記録的台風」」 (採録日:2021年7月22日)
2)黄慧性・石毛直道(2005)『新版・韓国の食』平凡社ライブラリー,p.181.
3)八田靖史(2006)『魅力探求! 韓国料理』小学館, p.19.