ゼミ生が夏休みに国内で視察・体験

 夏休みに塩路研究室3年生が国内で視察・体験しました。富士登山に挑戦したり、京都の外国人観光客の多い場所に出かけて観光の現状を観察しました。今回はそれらの体験に関して報告します。

山の学校、富士山
国際観光学部 3年生 陳 劭桓

 富士山は美しく、世界的にも珍しい3000メートル級の独立峰です。「富士」や「FUJI」や「富士山」の形を名称として使っている企業も多数あります。富士山は日本人のシンボルと言っても過言ではありません。
 しかし、わたしはこの独特の山に対して、ただ観賞していた程度でした。美術が好きなわたしは、小さい頃から日本の浮世絵に興味を持っていました。特に葛飾北斎の富嶽三十六景が好きです。様々な場所で見た富士山を絵にした彼は日本一富士山が好きな人かもしれません。台湾にいた時に、よくサーフィンをしていました。その時、使っていたサーフィンボートのブランドはQuiksilverで、葛飾北斎の富嶽三十六景の神奈川沖浪裏を現代風のイメージにして大きな波と富士山を組み合わせたマークのオーストラリアのメーカーです。富士山のイメージやシンボルは、わたしにとって特別な存在でもあります。
 ひとりで日本に留学に来て以来、わたしは毎日の生活をほとんど自分一人でしています。食事や買い物はもちろん、旅行やアドベンチャーも一人で決めて、出掛けます。このライフスタイルで暮らしていると、逆に行動しやすく、他人の意見やスケジュールを気にせず、自分が思う事ややりたい事をすぐ計画、実行できます。これまで、日本で様々な一人旅をしてきました。今年の夏に富士山に登りたい、山頂の空気を吸いたい、山頂から景色を眺めたいと富士登山を決めました。
 人々がよく知っている富士山は3776メートル、日本一高い山ですが、3000メートル以上の場所での酸素は普段生活している地上の三分の二である事や、登山道が五つあってルートによって登山計画をたてる事や、山登りの正しい姿勢や、高山病の予防と処理対策など、やはり命に関わる事なので登山者は富士山の事を詳しく勉強しなければなりません。体力に自信があり、スポーツが得意なわたしも油断することができません。
 1ヶ月をかけて下調べや計画を立て、準備万端で登山予定日を迎えました。あいにく、登山予定日の登山指数は「C」の「天候不良で登山オススメできない」でした。富士登山の五つのルートのうちで最も火山風景が楽しめる、そして、最も険しい富士宮口登山道から登りたかったので、心配していましたが、現地の登山ガイトさんに連絡した結果、計画通りに登山することで決まりました。

 朝8時に登山口に着いてから、強い風雨の天候と体の筋肉疲労、酸欠症を耐えて、やっと午後6時頃に、富士山頂の一歩前の九合五目の山小屋にたどり着きました。この山小屋で食事、仮眠をして、体力を回復した後、翌朝の四時に富士山頂を攻める予定でした。
 それから晩ご飯や持っていた補充食を食べてゆっくり休憩するはずでしたが、食べ物より酸素が欲しかったです。晩ご飯のカレーライスをちょっと口に入れただけで、寝ようと思っていましたが、体の酸欠で頭が痛くて眠れなかった結果、気温が5度にもかかわらず、山小屋の外で深呼吸していました。朝四時までずっと寝たり外で深呼吸したりしていました。
 しかし、眠気と体の酸欠と寒気を耐えても、山頂の変化しやすい天気に負けました。翌朝、土砂降りだったため、登山した時のルートで下山する事になりました。朝7時に無事下山しました。富士山登頂を断念したときのガイトさんの言葉は今も心に響いています。彼は、「富士山は観光地ではない、富士登山に来て絶対この山を攻めようと考えるのがいけない、自然に敬意を払って共存する事が正しい」と言いました。
 富士山が世界遺産に登録されて以来、多くの人が訪ねて来て、弾丸登山や軽装での無謀登山でただ山を征服してやろうと考えて、富士山を観光地扱いしている人も少なくないです。人間は「人は自然に必ず勝つ」と考えば、今自分が生活している周りの自然を大切にする事ができません。自然や景勝地はもちろん、全ての観光資源も永遠の人類の資産として、保護、経営すべきです。わたしは、来年も富士山に登って再び「山の学校」で勉強したいと思いました。

外国人に人気の「伏見稲荷大社」
国際観光学部 3年生 三田 剛志

 8月24日、知人と二人で京都の伏見稲荷大社まで京橋から電車で行きました。伏見稲荷大社は駅から徒歩数分の距離にありました。伏見稲荷大社に入る前、大きな看板が立てられており、そこには大きく「外国人満足度No1」という文字が書かれていました。最初はあまり信じていませんでしたが、看板に書いている通り外国人の数は日本人の半数近くいて驚きました。
 大社の中にはちらほらと店が数件ある中、着物を1500円で試着出来るお店もありました。試着している海外からの観光客は何名かいましたが、流石にきつい坂道や階段を着物姿で歩いている人はいませんでしたが、着物を試着出来るところは少なくなってきているので、これも海外からの観光客にとって人気の一つなのだと思いました。中に入る前に柄杓が置いてあり、手水舎があり隣には柄杓の正しい使い方を目につく位置に看板があり、文字だけではなく海外からの観光者にもわかるように絵も描かれていました。海外からの観光客のみではなく、日本人にとっても正しいやり方を知らない人がいると思うのでとても良い機会だと思います。
 柄杓で手を清めた後は本殿に行きました。知人によると、重要文化財に登録されているらしく、ちょうど最近大学の授業で習ったため、重要文化財を理解した上で初めて自分の目でみました。そして千本鳥居を通りました。千本鳥居を歩いていると吸い込まれそうな感じがして、歩いていてとても長く感じました。海外からの観光客の方も動画撮影をしながら楽しんでいました。鳥居は二つに分かれており、どちらが長いか二手に分かれて徒歩で検証してみましたが、左から歩いたほうが少しだけ早く出てきました。気温が高い暑い日でしたが、降りているときは大きな木がたくさんあり、涼しく感じました。
 鳥居を抜けてしばらく歩くと稲荷山最高峰にある一ノ峰に到着しました。人が通れる鳥居ではなく、ストラップの少し大きいサイズ程の鳥居がたくさんありました。多すぎて数えることはできなかったのですが、千本以上あるように思いました。自分の願いが叶うかどうか分かると言い伝えのある石があり、実際に試してみました。石の重さは重くもなく軽くもないという重さだったので自分次第なのだということがわかりました。観光客や地元の方々に人気の絵馬は普通の神社にある長方形ではなく、狐の形をしていて可愛らしい印象を受けました。
 伏見稲荷大社は日本人、海外からの観光客を問わず、一度は足を運ぶべき観光地であると思いました。