国際観光学部の松村教授(松村研究室)の新今宮での取り組みが評価され、「第16回なにわ大賞」を獲得しました。

7月28日(日)に開催された贈呈式(も〜て〜しき)で、松村教授(松村研究室)が「第16回なにわ大賞」を獲得!!

 国際観光学部松村嘉久教授(松村研究室)が「第16回なにわ大賞」を獲得しました。
 同賞は「大阪一のいちびり※」を発掘し、町衆同士でたたえ合うもので、今年で16回目を数え、これまで様々なジャンルで著名な方々が受賞してきました。今回は自薦・他薦を含め、85件の応募があり、その中から9件のテーマが受賞対象となりました。
 2013年7月28日(日)、「なにわ(728)の日」にちなんで、贈呈式(も〜て〜しき※)が住吉大社吉祥殿にて開催されました。この日は9つのテーマの中から大賞1件、準大賞2件、特別賞6件が選ばれます。
 贈呈式には、松村嘉久教授のほか、5名の学生も参加して、発表を今か今かと待ちわびました。まず、特別賞の発表6件があり、ここでの松村教授の出番はありませんでした。これで、準大賞以上が決定しました。次はいよいよ大賞の発表です。ここでいきなり読み上げられたのは、「松村教授」の声。この瞬間、今年度の「なにわ大賞」に松村教授が決定しました。
 松村教授には、「なにわ名物開発研究会」の会長である野杁育郎会長と選考委員長の難波利三氏(直木賞作家)から賞状と記念品が贈呈され、会場は大きな拍手で包まれました。
※「いちびり」は、せり市で手を振って値の決定をとりしきる「市振る」に由来し、転じて物事のリーダーシップを取ることを指します。「も〜て〜しき」は、町衆同士が互いに称え合うという賞の趣旨に沿って、賞をもろてもらいます!ということで呼んでいます(主催する「なにわ名物開発研究会」資料より)。

同賞の概要については、以下の「なにわ名物開発研究会」Webサイトを参照してください。

  • 難波氏(選考委員長・直木賞作家)からの表彰

  • 野杁会長からは副賞を授与

  • ゼミ生と共に喜びの受賞

感動は記念パーティの席へ

 贈呈式(も〜て〜しき)の後に行われた記念パーティでは、松村教授が鏡割りに参加、受賞者のインタビューでは今回の受賞内容が詳しく披露され、大変な盛り上がりを見せました。
 以下は、今回受賞した活動紹介文(なにわ名物開発研究会の案内パンフレットより抜粋)です。
●大賞:阪南大学国際観光学部教授 松村嘉久
 新今宮を国際化させ、バックパッカーの集まるゲストハウス街へ発展させるために努力しておられます。新今宮TIC(ツーリストインフォメーションセンター)を自らのゼミの学生主体としてボランティア運営。新今宮を世界中からバックパッカーが集まるゲストハウス街へ変えるべく、地元のホテル中央グループさんとコラボして地域を盛り上げています。その結果、年間1万人にも満たなかった外国人宿泊客は、最近では年間10万人を超えるまでに伸びてきました.外国人向け「ありふれた日常のまち歩き」の仕掛けにも取り組み、大阪をはじめとする観光戦略を担うキーマン。
  • 受賞者による鏡割り

  • ゼミ生の村上さんも壇上に上がってのインタビュー

  • 会場風景

「なにわ大賞」の受賞にあたって

松村嘉久教授

 このたび,7月28日(日)に,栄えある第16回なにわ大賞をいただき,心より喜ぶとともに,これまでお世話になった方々,協働いただいてきた方々,ご指導いただいた方々に感謝申し上げます。表彰式当日は「入賞者の9組に入っている」,とだけ知らされての気楽な参加。何の賞をいただけるのか全くわからず,普段着のままゼミ生5名らと新今宮TICから阪堺電車に乗り,贈呈(もーてー)式会場の住吉大社へ向かいました。
 ゼミ生らとのんびり住吉大社を参拝して回り,冷房の良くきいた表彰式会場へ入りました。不覚にも打ち合わせの集合時間に遅れたので,表彰式はぶっつけ本番。表彰式進行担当者からは,「松村さんは最後の方なので,みなさんのマネをしてください」とアドバイスをいただきました。
 そうそうたる「いちびり」が集結するなか,「大賞は別の人やろうなあ」と期待すらせず,私は華やかで和やかな表彰式を楽しんでいました。ところが,何と,司会者が「なにわ大賞」で呼ばれたのは私の名前,動揺するなか私はみなさんのマネをして正面へ。そこで,西成・てんのじ村の恩人でもある難波利三先生から「あんたはエライ」と表彰状を,旭堂南陵師匠からはトロフィーを,観光まちづくりの大先輩の野杁育郎さんからは副賞をいただき,本当に驚き嬉しく夢のようでした。
 私は何事にも物怖じしない性格なのですが,なにわ大賞の持つ意味や値打ちや重みをひしひしと感じています。いただいた人間が言うのも何ですが…,大阪の,なにわの地で地道に活動してきた者にとって,「なにわ大賞」で「いちびり」と認められることは,この上もない栄誉なのです。と言うのも,歴代入賞者が偉大な方々ばかりで,私が尊敬し目標とする先輩や友人らが数多く入賞されています。
 例えば,平野町づくりを考える会・川口良仁さん,應典院・秋田光彦さん,大西ユカリと新世界・大西ユカリさん,澤野工房・澤野由明さん,東西屋代表・林幸治郎さん,法善寺横丁復興委員会委員長・川久保建明さん,からほり倶楽部代表・六波羅雅一さん,NPO法人水辺のまちフォーラム代表理事・中谷ノボルさん,山本能楽堂・山本章弘さん,堺のチンチン電車を愛する会,江弘毅さん,通天閣,『さいごの色街 飛田』著書・井上理津子さん,シェアサイクルHUB chari 川口加奈さんなどなど。この他にも,敬愛すべき人物や手本としてきた組織が入賞されていて,そこへ名を連ねられることを喜んでいます。
 これまで入賞された方々もおそらく同じでしょうが,私の場合は特に,色々な仲間や戦友の協力なくしては,活動そのものが成り立ちません。新今宮での活動はゼミ生や地域の方々に支えられ,長年経験を積み重ねるなかで余裕ができてきたからこそ,色々と次の可能性へ挑戦できる状況が生まれています。今回,私は個人として「なにわ大賞」をいただきましたが,決して私ひとりの力で成し得たものではないことは重々承知いたしております。ええところどりしてほんますいません。改めて,仲間や戦友たちに感謝いたします。ありがとうございました。
 この受賞を励みとして,私自身は一層「いちびり」に磨きをかけたいと思います。と同時,ゼミ生や子供たちには「いちびり」の精神や能力を伝えていくよう心がけます。

松村ゼミ・山下喜央さん(国際観光学部3年)

 松村先生が「なにわ大賞」に入賞されたということで,山下喜央(3年),松川和矢(3年),袁麗萍(3年),許善美(3年),村上恵美(4年)の5名で,贈呈(もーてー)式へ出席することになりました。3回生4名は7月28日(日)の新今宮TICのスタッフ,新今宮TICにランチブレイクを掲げての出席でした。贈呈式会場の住吉大社吉祥殿は,マスコミや関係者ほかで,100名近い方々が集まっていました。
 「なにわ大賞」受賞者は9名で,このうち6名は特別賞で2名が準大賞,1名が大賞ということでした。まず始めに特別賞から発表があり,個性的溢れる受賞者が紹介されるたび,会場からも自然と笑顔がこぼれるような和気あいあいとした雰囲気で贈呈式は進みました。
 特別賞6名の発表が終わり,大賞と準大賞の発表にうつりました。そこでいきなり,「第16回大賞は,松村嘉久君!」と告げられ,私たちゼミ生だけでなく,会場から盛大な拍手が巻き起こりました。松村先生は満面の笑顔で大賞を授与され,その後の懇親会にも出席されました。本当におめでとうございます。

松村ゼミ・村上恵美さん(国際観光学部4年)

 私はなにわ大賞贈呈(もーてー)式とその後の懇親会に,松村先生と一緒に参加させていただきました。7月25日(木)のゼミで,松村先生からなにわ大賞入賞の知らせがあり,たまたま都合のついた4回生の私が,懇親会パーティーへゼミ生を代表して同行することになりました。その際,松村先生から「さすがに大賞はあり得んわ」と伺っていました。贈呈式ではとてもアットホームな感じのなか発表が進み,残るは大賞と準大賞2組の発表となりました。松村先生も全く結果を知らされず参加されたようで,大賞の発表で名前が呼ばれた時,明らかに「え,俺? ほんまに?!」とおっしゃり,驚いた様子で正面へ進まれました。
 贈呈式後の懇親会は,松村先生ら受賞者の鏡割りからスタートしました。通常の酒樽での鏡割りではなく,木槌で叩くとクラッカーが弾けたように,会場の天井近くまで紙吹雪が舞い上がりました。
 パーティーは立食形式だったのですが,松村先生と一緒に,審査委員長の難波利三先生と同じテーブルに陣取らせていただきました。難波先生はとても気さくな方で,私とも色々とお話をしてくださいました。難波先生の書かれた小説『てんのじ村』の碑文は,私たちの新今宮TICから歩いて2,3分のところにあり,とても話が弾みました。このような機会はめったとなく,とても貴重な体験でした。
 パーティーのなかで受賞者インタビューがあり,大賞受賞者の松村先生も壇上へあがられました。そこで,インタビューを受けていらっしゃったのですが,司会の野杁育郎さんが「せっかくなのでゼミ生の方も壇上にどうぞ」と,私もあげていただきました。
 そこで「ずばり松村先生はどんな人ですか? ひと言でどうぞ。」との質問。私は,「松村先生はいい意味で先生らしくなく,地域密着型でまちづくりをする行動的な方です。」とお答えしました。いきなりだったので,少し緊張しましたが,良い経験をさせていただきました。パーティーでは受賞者の方々とも話すことができ,想像していたよりも堅い感じではなく,このような場で人脈や世間が広がるのだと実感しました。
 松村先生,なにわ大賞の受賞,本当におめでとうございます。