堀内准教授が担当する若桜町フィールドワークをお届けします
 9月26日(木)から28日(土)にかけて、堀内ゼミは人口減少地域が抱える課題を発見し、その解決策を考えるため、鳥取県若桜町でフィールドワークを実施しました。若桜町では毎年2回フィールドワークをおこなっており、今年度は1回目です。
 いま中山間地の多くが人口減少に伴う様々な課題に直面しています。若桜町も、人口減少はもちろんのこと、獣害や観光客の減少などの問題に悩まされています。若桜町でフィールドワークを行うことで、地域が陥っている課題や解決策について、机上の空論ではない物の見方を身につけ、そして自分の考えを他人に伝えていく能力を身に付けることがフィールドワークを行う目的です。
 今回のフィールドワークでは昨年度の2月に引き続いて国立大学法人鳥取環境大学の学生(遠藤由美子教授ゼミ)との交流を行いました。両ゼミ合同で街歩きを2日間かけておこない、空き家の利活用方法やSNSをつかっての観光客誘客などについてアイデアを練り、そして3日目に若桜町で継続して実施している「若桜町未来ビジョン懇話会」に参加して、住民との意見交換を行いました。なお、今回のフィールドワークについては、日本海新聞の地域版(9月27日)に紹介されています(注)。
以下、はじめて若桜町を訪れた2回生たちの感想を紹介していきます。

国際観光学部2年 加藤諒人

 私はこのフィールドワークに行く前から鹿肉に興味を持っていたのでフィールドワーク中の食事ではできるだけ色んな調理方法の鹿肉料理を食べた。また鹿肉を誰でも好き嫌いや抵抗なく食べてもらうにはどうすればいいかを考えた。鹿肉が一般家庭でも食べられるようになれば若桜町に訪れてくれる人が増えるのではないかと考えたからだ。鍋の肉に鹿肉を使った時は鹿肉の独特な肉の臭みが少し残ってる感じがして好き嫌いが別れると感じた。しかし肉の臭みを消すような調理方法であればこの問題は解決できるのではないかと考えた。次に鹿肉を使ったカレーライスを食べた。カレーライスにした時には鍋の時に感じた独特な肉の臭みと鹿肉の肉感が分からないくらい自然な仕上がりであったことには驚いた。調理方法は分からないが肉を煮込む形であれば鹿肉は好き嫌い別れずに誰でも美味しく召し上がれるのではないかと感じた。最後に鹿肉のステーキを食べた。これも肉の臭みや肉感があまり気にならなかった。3つの料理のうち1番美味しく感じられたのがこの鹿肉のステーキだ。念入りに焼いてハーブなど肉の臭みを消す効果を持つ調味料を使えれば一般家庭に浸透できるのではないかと感じた。しかし鹿肉の調理は難しいと若桜町の人々は仰っていたので特別な調理方法を簡単にし、安価で鹿肉が買えるような世間にならなければ鹿肉が一般家庭に浸透するのは難しいのでは無いかと感じた。

国際観光学部2年 雪本菜央

 今回初めて若桜町で鳥取環境大学の環境学部の学生と街歩きをして、若桜町の現状を調査してみて若桜町に何が必要なのかなどを環境大学の学生だけでなく若桜町に住んでいる町民の方ともワークショップで話すことができていい経験になりました。私たちは観光の視点でしか考えることができなかったので、鳥取環境大学の環境学部の学生の視点や若桜町に住んでいる町民が考えている将来の若桜町の話をワークショップで聞いたことなどを今後のフィールドワークに活かしていくことができればと思います。

国際観光学部2年 藤本実希

 若桜町に行って、3日間ずっと大自然の中で過ごしていました。星空がとても綺麗だったので、星空ツアーを作るなど、何か自然を活かした観光が出来るのではないかと思いました。他にも空き家が多く、宿泊施設として利用するなどの観光による活性化ができるのではないかと考えました。そこで私達は「観光」に重きを置いて様々な提案を住民とのワークショップで提案しました。しかし現地の人たちの考えでは、観光では食べていけない。仕事を増やして住んでもらう事が大切だと言われました。その時、短期間では現地の人の気持ちや悩みは分からないなと感じました。今回の経験は次回からの何か提案の場で活かしていきたいです。

国際観光学部2年 川島桃香

 若桜町に行って、地元の方々とお話しをして、現実的な問題がたくさんあるなと感じました。私は観光客が増えることによって若桜町が豊かになり活気づくと思ってました。ですが、実際若桜町に住んでる方々と話をしていると、たしかに観光客が増えることで活気づくかもしれないけど、若桜町に住む住人が増えないと若桜町に税金が入ってこないし、仕事も増えないし、少子高齢化が進み、町そのものがなくなってしまうから問題の解決にならないなと考えていらっしゃいます。地元の方々とお話し、このような考えを聞く機会をもらえてとても勉強になりました。今回のフィールドワークで学んだ経験を様々なところに活かしていきたいです。

国際観光学部2年 神竹優花

普段自分達の生活では感じられない不便さや、住民が気づかない若桜町の良さをワークショップで話し合うと、私達が考えていた観光という点での町の活性化には程遠かった。住民の望む町と私達の考えが違っていたからだ。話を聞いてみると、納得が多く住民が人口を増やすことを完全に諦めているわけではない事がわかったし、逆に住民から私達への提案もあり、次の課題や調査するべき事も見つけられてかなり有意義な話し合いだった。地域創生は観光地化だけでなく、定住化も考えていかないといけないと実感した。