活動テーマ:統合型リゾート(IR)の魅力増進へ貢献する着地型観光事業プランの提案
産学連携先:大阪府市IR推進局


 2020年2月6日(木)、大阪府・大阪市他多数の関係者が見守るなか、「大学生によるIRに関する提案・研究発表会」が由緒ある大阪市中央公会堂(中集会室)に於いて、溝畑理事長(公益財団法人大阪観光局)を迎え開催されました。参加大学は、大阪経済大学人間科学部、四天王寺大学経営学部、立命館大学経済学部、流通科学大学人間社会学部、阪南大学経済学部・阪南大学国際観光学部、5大学6学部が多様な視点から発表を行いました。
 私たち3年生ゼミは、「統合型リゾート(IR)の魅力増進へ寄与する着地型観光事業プランの提案」へむけた学官連携プロジェクト(単独型キャリアゼミ)に参画、訪日外国人旅行者(ビジネス客層・家族客層)をターゲットに設定、関西圏に現存する観光素材を有機的に結び付けた学生(若者)目線の着地型観光事業プランを発表しました。

学生活動状況報告

 2月6日、大阪市中央公会堂で大阪IRに関する提案及び発表をさせていただきました。
 今回の提案に際し、ターゲットを「ファミリー層」と「ビジネス層」に分け、各グループが調査を行いました。そして、IRの建設候補地である夢洲を拠点とし、関西地方の魅力をコンテンツとした、関西各地に送り出す観光に関する案を考えました。「ファミリー層」のグループは台湾人の家族層にターゲットを細分化し、衣食住を体験するツアープランを提案し、「ビジネス層」はMICE参加者に注目した産業マップアプリとアプリに関するモデルプランを提案しました。発表について理事長から「リピーターの多い台湾人が魅力に感じるディープな日本のコンテンツが必要だ。またMICE参加後、産業の現場をより見たい人と日本文化であるお祭りを体験したい人等に分かれ、MICE参加後に何をしたいか、MICE参加者の中でも年代によってターゲットを細分化できる。」といったお言葉をいただきました。
 他大学の提案には、IR誘致のための交通やスポーツに着眼した案などがあり、大阪IRへの興味・関心が深まる発表会となりました。
国際観光学部 政義 彩加

 今回私たち福本ゼミは、大学生による「IRに関する提案・研究発表会」に参加しました。この発表会には阪南大学のほかにも4つの大学が参加しており、観光とは異なる視点からの発表も多く、貴重な経験となりました。
 私たち福本ゼミは、ターゲットを「海外のファミリー層」と「海外からのビジネス客」の2つに分けてチームを作り、それぞれの発表を行いました。私はビジネス層をターゲットとしたチームに参加していましたが、資料を作成するにあたり海外のビジネス客の方は何を求めているのか、大阪にIRを誘致するには何をアピールすべきなのか、といった点を導き出すことにとても時間がかかりました。その中で私たちは近畿地方の発展産業に目を向け、外国の方にもわかりやすく可視化した「産業マップアプリ」の提案を行いました。
 今回の発表会で大阪という都市の魅力や将来の可能性などを様々な論点から学ぶことができました。ここで得た経験をこれからのゼミ活動へと生かしていきたいと考えています。
国際観光学部 久井 昇太郎

ゼミ集合写真

参加学生一覧

榎本 理沙、岡本 美由、武本 実玖、中島 朋香、中野 幹矢、仲程 沙希、濱田 真央、久井 昇太郎、廣部 明日香、藤井 佑和子、藤井 瞭、前原 拓歩、政義 彩加、山崎 安未紗

連携団体担当者からのコメント

大阪府市IR推進局
推進課課長補佐 高木 隆介 様

 特定複合観光施設区域整備法においてIR(統合型リゾート)に設置されることとなっている施設の一つである送客施設に着目され、大阪IRの魅力を高める、夢洲を拠点とした二つの着地型観光プランを提案いただきました。
 家族連れの訪日外国人を対象とした提案では、インバウンドの国・地域別の特性を踏まえたターゲットを設定し、複数のテーマに沿った観光プランを内容だけではなく、行程や予算も含めて、具体的なものとなっていました。また、MICE参加外国人を対象とした提案では、企業見学等のマッチング、予約を行うアプリの開発に加え、アクセスにも目を向けるなどきめ細かい提案でした。
 いずれの提案も、現在の大阪の状況、今後の施策の方向性を踏まえ、よく練られた素晴らしい提案であったと思います。
 今後も、引き続き研究を続けられ、大阪・関西の魅力のさらなる発掘、発信に取り組んでいただくことを期待しています。

教員のコメント

国際観光学部
福本 賢太 教授

 私共3年生ゼミは、大阪府・大阪市IR推進局と連携、「統合型リゾート(IR)の魅力増進へ寄与する着地型観光事業プランの提案」へむけた学官連携プロジェクト(単独型キャリアゼミ)に参画しました。統合型リゾート(IR)の魅力増進へ貢献することを目指し、関西圏に現存する観光素材を有機的に結び付けた着地型観光事業プラン(夢洲発着)の提案発表にむけて、この一年間諸活動に取り組んで参りました。
 本キャリアゼミは、2019年5月、大阪府・大阪市IR推進局担当者に大学へお越しいただき、IRにつ関する知識を学ぶことから始まりました。10月には、咲洲庁舎を訪問、大阪府・大阪市がIRにどのような思いや期待を抱いているのか、IR推進局の方々と意見交換を交えながら思考を深めました。又建設予定地(夢洲)の現地を視察するなど、大変貴重な機会をいただきました。特に、咲洲庁舎50階から眺めた夢洲の広大さは今尚鮮明な記憶として残っています。2020年2月6日、「大学生によるIRに関する提案・研究発表会」が開催され、訪日外国人旅行者(ビジネス客層・家族客層)をターゲットとした学生(若者)目線の着地型観光事業プランを発表、年間事業を終えることになりました。
 当初目標とした、①関西圏に現存する観光素材を有機的に結び付けた着地型観光事業プランの提案(舞洲発着)を通じて統合型リゾート(IR)の魅力増進へ貢献すること、②論理的思考力・プレゼンテーション力・コミュニケーション力を学生に身につけさせること、何れもほぼ達成、学生の成長に繋がる事業となり得たことを大変嬉しく思っています。変容期を長期的に迎える関西圏、新たな国際観光地域の形成へ向けた諸活動を今後も進めていきたいと考えています。
 最後になりましたが、御支援・御協力いただきました皆様へ、この紙面をお借りして厚く御礼申し上げます。