本学経済学部では、公務員を志望する学生のために、公務員試験対策に特化したパッケージ(公務キャリアパッケージ)および選抜ゼミ(公務キャリアプロジェクトゼミ)が設けられています。
 今年度も同パッケージ・ゼミに所属する学生が各々の志望する職種の公務員試験に挑戦しました。
 以下では警察官・消防士の採用試験に合格したゼミ生の体験記を掲載します。

田中夏生 警察官採用選考(大阪府警)合格

公務員を志望した理由

 私は、地元である大阪府をより安全・安心にしていきたいとの想いから、警察官になることを志望しました。なぜ警察官であったのかというと、子どもの頃から柔道を習い、その中で接した警察官の方々の礼儀作法や責任感に感銘を受け、警察官としての職務に興味を抱くようになったからです。中学・高校・大学を経るにつれて、大阪府で警察官になり地域全体をより安心できる場所にしたいという想いが強く明確になっていきました。

試験直前まで

 大学入学後は、警察官という夢を実現すべく着実に力を磨き続けるために、公務員試験対策を授業内容としている公務キャリアパッケージ・プロジェクトゼミに所属しました。ゼミでは公務員を志望している学生がほとんどだったので、常にゼミの仲間と切磋琢磨しながら学習に励むことができました。また、パッケージ・Pゼミ担当の先生が公務員試験合格者でもあったことから、数的推理や判断推理の授業などを通じてさまざまなアドバイスを受けることができました。
 さらに、公務員試験や将来において資格が役立つと考え、2回生では日商簿記2級を取得、3年生では英検準1級の勉強もおこなっていました。これらの資格試験では公務員試験と共通している部分もあるので、そのまま公務員試験対策にも活かすことができました。
 なお、勉強時間については、2回生の頃は1日2~3時間、3回生では警察採用試験の勉強を本格化させたので1日4~5時間、試験直前の4回生では1日6時間勉強していました。徐々に勉強時間を増やしていったことで長時間の勉強になっても集中が続くようになりました。

試験直前~試験当日

 試験直前は体力試験に向けて肉体労働関係のアルバイトや自主的なランニング・トレーニングを通じて身体を鍛えるとともに、1日1時間半の短期集中で筆記試験対策の勉強をおこないました。また、論文試験の対策として府警のホームページを閲覧して施策を把握しつつ、面接試験の対策としてゼミの担当教員や大学のキャリアセンターの職員に何度も助言を仰ぎました。さらに予備校が主催している模擬試験も受けて自分の弱点を分析克服するとともに、記述試験対策のオリジナル模擬答案を作成して実践力を強化するようにしました。以上のようにすべての試験の準備をおこなうことで、万全の状態で本番に臨むことができました。

将来取り組んでみたいこと

 私は将来的に刑事の仕事に携わっていきたいと考えています。そのために、今後は法律など犯人を捜索するにあたっての知識を職務内外を通じて習得していきたいと思っています。まずは警察学校で基礎鍛錬や勉学に積極的に取り組み、責任をもって職務を全うしていきたいと思います。

宮本流佳 大阪市職員(消防吏員A)採用試験合

公務員を志望した理由

 私は火災や災害から多くの人々を守りたいという思いから消防官、より具体的には大阪市の消防官を志望しました。大阪市は私の地元ではありませんが、大阪市の消防局は関西最大規模の消防組織であり、大規模災害発生時には府内のみならず、全国に緊急消防援助隊として数多くの隊員を派遣していることから、人命救助の最前線で社会の安全に貢献でき、また様々な研修制度が充実しており自己成長にもつながるとも考え同市の消防官として働くことを目指しました。

試験直前まで

 まず、公務員試験に合格できる確率を上げるべく、公務員試験対策を活動内容とする公務員プロジェクトゼミに入ることを考えました。Pゼミは選抜制のゼミで入学後1年間の成績が重要な選抜要素になるため、入学当初から大学の授業に真剣に取り組み成績が最低GPA3.0以上になることを目指し、無事にPゼミに入ることができました。Pゼミの授業では公務員試験の練習問題をゼミ生同士の教え合う形式でおこなわれていたので、問題に対する理解度を上げることができました。
 また、4回生の授業は時事問題対策の演習でしたが、この授業を通じて試験直前までに起きた社会情勢を詳しく知ることができました。自治体によっては時事問題が多く出題されるところもあり、論文試験や面接試験でも最近の社会情勢を聞かれることが多かったので、試験本番でも焦らず実力を出し切れることができ、合格を確実なものにすることができたと思っています。
 さらに、Pゼミや大学の授業以外にも、2次試験の面接で話せるようなエピソードを作るために、ボランティア活動やアルバイトを通じて幅広い世代と積極的に交流するようにしました。

試験直前~試験当日

 試験直前は主に2つのことを意識的におこなっていました。1つは今までやってきた勉強の復習です。試験直前1か月前頃になると勉強は一通り完了していたので、今まで勉強してきた内容を忘れてしまわないことに注力しました。具体的には、今まで解いたことのある問題を以前よりもハイペースで解き、1日に多くの問題に触れるように努めました。そのような勉強をおこなったことで、忘れかけていたことを思い出すだけでなく、「問題を解けた!」という達成感も得られ、合格への自信にも繋がりました。
 もう1つはモチベーションの管理です。公務員試験の勉強は1年以上前から始める人も多く、私もその1人でした。長期戦になるので、どうしてもモチベーションの維持が難しく、何のために勉強しているのかわからなくなることも多々ありました。そこで、ゼミ等で友人と将来自分がしてみたい業務について話すなど、お互いに向上心を高めるようなことをよくおこなっていました。

将来取り組んでみたいこと

 将来、取り組んでみたい業務は救助活動です。日本は災害大国と言われ、南海トラフ巨大地震をはじめ、いつどのような状況で人命を脅かす大規模な自然災害が起こるかわかりません。そのため、有事の際に誰よりも早く救いの手を差し伸べ、人々の生命や財産を守る救助隊に加わりたいと思っています。今後は救助隊の一員になれるよう訓練や業務に日々励んでいきます。
 以上、今後も公務キャリアパッケージ・プロジェクトゼミでは公務員を志望する学生をサポートするためにさまざまな取り組みを試みていきたいと考えています。