経済学部三木ゼミ 2年生(3期生)夏季海外研修レポート(香港・広州)②

 2016年8月9日(火)〜14日(日)、経済学部の三木ゼミ2年生(3期生)は夏季海外研修(訪問地:香港・広州)を実施しました。
 三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。
 経済学部三木ゼミ2年生(3期生)は8名で、今回の香港研修では4名ずつの2グループに分けグループ毎に活動を行う時間を設けました。グループ毎の2回に分けて学生の感想・気付きを報告していますが、今回はその2回目になります。
  • 香港フードエキスポの大阪府ブースで

  • 広東外語外貿大学日本語学科の学生との夕食交流会

【飯尾 梨紗 さん(経済学部2年生)】
 8月9〜14日、私たちはゼミで香港研修を行いました。
 香港についてすぐ京都銀行香港駐在員事務所を訪問し、香港に展開した日系飲食店の経営戦略についてのお話を伺いました。また、近くの高級食品スーパーであるCitysuperにも連れて行っていただきました。そこでは日本と同じように商品が並べてあり、刺身や、日本酒といった日本ならではの商品もたくさん置いてあり、一瞬日本に帰ってきたのかな?? という錯覚に陥るほどでした。ただ、値段を見ると日本でみるより比べ物にならないくらい高くて、一番驚いたのが果物全般で特にスイカが日本円にすると1万円以上の値段で売られていたことです。日本ではありえないこと過ぎて思わず声がでました。
 翌日は中国の広州に行き、広東外語外貿大学の学生と交流しました。新学期は九月からということや、遠くから入学し寮生活をしている学生がたくさんいること、中国人はお洒落にあまり興味を示さない、という話がとても印象に残りました。今の中国の若者の様子が目の当たりにできて面白かったです。沙面島という観光スポットにも案内してもらいました。とてもここが中国だとは思えないほど西洋の雰囲気が流れており、不思議な気持ちになりました。晩御飯は本場の中華料理で、日本の中華料理が日本人の口に合わせて作られていることを身にしみて知ることが出来ました。食事の前にお皿を熱いお茶で洗ったり、お茶を注いでくれた人に感謝を示すときは指で机をトントンと軽く叩いたりといったまず日本でやったら叱られるという習慣がありとても興味深かったです。最後は珠江新城の夜景もみせてもらいたくさんの大きな建物がピカピカ輝いていてとても綺麗でした。これだけで広州にこれてよかったと思うほどでした。
 香港フードエキスポで大阪府ブースのお手伝いもしました。お客様にアンケートをとるという内容で、最初はやはり、言語が通じないことや、思わぬハプニングもあり難しかったのですが多くの国の人とコミュニケーションできたことは滅多に体験できることではないので、とても良い経験になりました。いろんな国の食べ物も食べることができ、お土産も買えました。
 夜には100万ドルの夜景にも連れて行ってもらいました。フェリーに乗り下から眺める夜景はとても綺麗で広州とはまた違う綺麗さだと思いました。その後バスに乗り山頂に向かい上からの夜景を見て美しすぎて、ここから離れたくないなと思うほどでした。正直これを観ることができ日本に帰ってもいいと本当に思いました。香港のタイムズスクエアにも行きほとんどの階がブランドショップだということに衝撃をうけました。モンコックでは女人街という出店が立ち並ぶ一本道があり、そこでは、値切る前提で値段をふっかけられお互い電卓を叩き合ってお互いの納得のいく値段で交渉成立という感じで買い物しました。同じような店がたくさんあり、そのほとんどが日本語を少し喋れることや、日本人観光客が多くいたことがとても印象的でした。
 高い建物が立ち並び新しい建物の真横に工事中の建物があり、自転車やバイクがほとんど走っておらず代わりに車がいっぱいで、バスは2階まであり、上半身裸の人が普通にいる。電車は日本よりわかり易くホームの前は電車が来るまでドアが張ってあり安全だが、電車のドアが閉まるのが早く乗りそびれることもある。街を少し歩くだけでこんなに刺激があるなんて思ってもなかったです。この6日間があっという間でもっとたくさん海外に行きたいと思うことができました。

【武村 勇汰 さん(経済学部2年生)】
 今回私たちは、日系食品・外食企業が海外でどの様に発展していけるのかを調査する為に香港へ研修に行きました。
 香港フードエキスポには様々な国々の食品を紹介するブースがあり、私たちは大阪府ブースでお手伝いをさせていただきました。内容はデラウエアを試食してもらい、簡単なアンケートに答えてもらう事でした。最後に「このデラウエアを何ドルで買いますか?」と言う質問があったのですが、予想していた以上に値段を安く買いたいと言う方が多くいらっしゃいました。その理由として、粒が小さい事や、普段から大きい粒のサイズの物を食べているため物足りないなどの意見があり、小さい粒のブドウは海外では売れないと感じました。生鮮食品を売るには、何かしら工夫をしないといけないと考えました。
 また、フードエキスポ内を散策していると、日系企業が出している食品が多くあり日本の物が海外でも通用していると実感しました。
 別の日には香港に展開するカレーチェーン店に行き、日本の店舗とどの様に違うのか調査しました。外観や、清潔さは日本と変わりは無く、メニュー表も、英語、中国語、日本語の表記があり分かりやすく、良い感じだと思ったのですが、いざ注文しようとすると、呼び出しボタンがなく、店員が近くに来るまで待たないといけない状況になっていました。これでは効率が悪く、外で待っているお客様もいらっしゃるのに、注文も出来ないのでお店の回転が悪いなと感じました。また、メニュー表を見て、期間限定のメニューが少ないと感じました。日本だと3〜4品は期間限定のメニューがあるのに対して、香港では2品しかなく、それも昔のメニューの復刻版だったので、新しいものを取り入れていけばもっと良くなると感じました。接客の面では丁寧な対応で、日本語で「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と聞いた時は、凄くマニュアル化されているなと感じました。日本のお店と香港のお店では大まかな点では、変わりないですが、細かいところまで見ると日本との違いを感じました。
 香港のスーパーには、日本の食品や物が多く商品に並べられていました。普通のカボチャが日本円で、千円弱で売られていてとても驚きました。また、半分や四等分されているカボチャが多く、他の国のカボチャでは、その様な事はなく、日本製の食品が人気だと感じました。
 日本製のブドウを見て感じた事ですが、日本でも少し高めのブランドのブドウが多く置いてある事に気づきました。私達が普段食べているブドウを、海外に展開していけば、まだ安価で提供出来るかもしれないですし、日本の第一次産業がより発展する良い機会ではないかと考えました。
 最後に、日本ではチョコしか売っていない某メーカーが香港ではアイスも売ってあり、その土地に合わせて商品化されていて工夫をされていると感じました。
 日本の企業が海外のマーケットに、多く進出していますし、日本企業のグローバル化が当たり前の時代になったと感じ取れた香港研修でした。

【石原 夏帆 さん(経済学部2年生)】
 8月9日から14日、私たち三木ゼミ2年生は海外研修で香港に行きました。
 その中でも最も印象に残ったプログラムは、香港フードエキスポで大阪府ブースのお手伝いをさせていただいたことです。デラウエアという柏原の葡萄についてのアンケート調査です。実際に現地の方々に試食してもらい、口頭で簡単なアンケートに答えてもらうという内容でした。英語も中国語もまともに話せない私は不安でいっぱいでしたが、大阪府の池野さんが英語・中国語のフリップを作製してきていただいたおかげでとても助かりました。アンケートに答えてくれる人は思ったより多く、協力的な人が多いのだなと思いました。フリップ以外の質問は私たちが口頭でしていたのですが、こちらの話すことを初めのほうは聞き取ってもらえませんでした。というのも、香港の人はせっかちな人が多いらしく話すのも速いそうで、私たちが聞き取りやすいように話していたスピードは香港の人からすると遅かったようです。実際に話さないとわからないことが知ることができてよかったです。葡萄を食べた感想では甘いや食べやすい、見た目が美しいなど好印象な回答をしてくれる人が多かったのですが、葡萄の粒が小さいと言われることもあり、大きい粒を好む人も多々いました。一房だといくらで購入するかの回答で買わないという厳しい意見もあり、デラウエアをどうしたら香港で受け入れてもらえるかが課題だと思いました。言語が違う場所でこのような貴重な体験ができてよかったです。
 ご飯は最初の3日までは全員で食事していて、香港の中華料理を食べた時、湯呑にお茶を入れてそのお茶で自分が使う食器を洗うということに驚きました。日本だと行儀悪いと言われそうだなと思いました。お茶を誰かに入れてもらった時は机を小さく叩くということも知りました。料理自体は日本人でも美味しくいただけました。少し脂っこいかな?と思いあまり多くの量を食べることができなかったのは残念です。自由行動の日の食事は日系のカレーチェーン店に行きました。店内も日本と同じような内装で、メニューも日本語表記もあり頼みやすかったです。メニューはオリジナルメニューもありとても興味深かったです。ただ日本のように店員さんの愛想はよくありません。料理の提供時も雑におかれた印象でした。日本のサービスの質が良いことが改めてわかりました。他にはマクドナルドに行き、タッチパネルで注文できるシステムもありましたが現金払いができないのが残念でした。マクドナルドの店内で食べた場合、日本だとトレー上のゴミは自分で捨てるというのが普通ですが、香港ではそれをすると店員さんの仕事を奪う行為になるそうでそのまま席を立つのが普通です。私たちも食事を終えそのまま席を立つと店員さんがすぐに来て片づけてくれていました。仕事の質は良いとは言えない部分を見てきましたが仕事の速さは日本よりも速いと思いました。
 今回私は初めて海外に行き、全てが初めてのことばかりで見るもの一つ一つに興味がわきました。気づいたこともたくさんありましたが一番はやはり英語を話せるようになりたいと強く思いました。世界は広く私はそのちっぽけな人間の一人でしかありませんが、私にしかできないことを見つけ活躍していきたいと気付けた海外研修でした。

【田中 瑠羽 さん(経済学部2年生)】
 8月9日に私達三木ゼミ二回生は毎年恒例行事の香港研修に出発しました。因みに6日間の研修は余りにも内容が濃すぎたため、このレポートでは香港はどういった場所であったかという点に焦点を当てて書いています。
 朝10時に関西空港を出て、機内食のビーフ弁当に安心感を覚えながら3時間のフライトで香港空港に到着です。3時間というと新幹線で大阪から東京に行くのと大体同じ時間です。電車を乗り継いで途中で昼食なんか食べて神戸の友達の家に行った時も大体そのくらいでした。飛行機なら香港も近いものです。
 香港に着いてはじめに思った事。何か汚い。関西空港はどこもピカピカに磨かれていて一切の汚れやくすみが無く、白さと相まって近未来感を出していましたが、香港空港は床や白い壁にも汚れが目立つのと、照明が少し暗いです。天候が悪かった事もあるかもしれませんがどこか荒廃した雰囲気が漂っています。空港から抜け出すと外、すごく湿気ています。ミストサウナ並みです。前から二階建てのバスが走ってきました。周りのアジア人が日本語を喋っていません。案内や看板も当然読めない。うわっバスの裏側煤まみれやないか。空港から出ただけでかなりのカルチャーショックを受けました。
 空港からホテルに向かうバス、キャリーケースを一階の荷物置き場へ、人間は二階へ。前から二番目の席に着きました。前の窓にモニターがついています。香港の観光地の案内、ニュース、ポケモンgoはこっちでも流行している模様。一階の荷物置き場の監視カメラの映像。なるほど。これなら二階からでも自分の荷物を見張ることができます。窓の外には広い工場と窓が規則正しく大量に並んだ背の高いマンション? 窓の間隔を見る限り一部屋が凄く狭そうです。
 地下鉄に乗ってホテルの最寄駅の香港大学駅へ。駅からホテルまで少し歩きます。あたりの建物は背が高いです。一戸建ての家は見当たらずさっき見た様な窓の密度の高い年季の入ったマンションの様な建物が所狭しと並んでいます。コンビニは幾つかありますがセブンイレブンが殆どで、たまにサークルKがある程度です。ホテルは綺麗でした。ここは日本のホテルとあまり変わりが無く、慣れない異国の地では一番の精神的な支えでした。
 ここまでの香港の印象はやはり海外、日本に綺麗さで勝てるわけがないと思っていたのですが都会に出ると一変。少なくとも大阪のどこよりも都会です。しかも道行く人々がすごーくお洒落。若い香港の人は身長が高くて小顔な方が多い様に思えましたが香港がグローバルな都市である事と関係があるのでしょうか? タイムズスクエア等大きな商業施設に立ち入ると彼方此方に有名ブランドのお店が。この辺りの雰囲気は日本の物と全く差がありません。見知った日本のお店の看板も所々に見えます。特に夜景は100万ドルだとかの比喩がぴったり似合う絶景でした。写真も撮りましたがこれらの華やかさはカメラでは捉えきれませんでした。この街と夜景はテレビや雑誌で見るよりも実物の方が美しいという数少ない例だと思います。
 そしてホテルのあるエリアに戻った時に一つ気がついた事があります。路面電車、バス、地下鉄と足が多くあるのも要因なのでしょうがそれにしても人が多い。見上げると蓮の様にも見える古い不気味なマンションが立ち並んでいて、人がいなければゴーストタウンとも呼べそうな場所であるのに活気に満ちています。日本だとこうはいきません。大阪の街では綺麗な道から外れ少し裏路地に入ると途端に人気がなり、シャッターの閉まった建物だらけになります。古くなった町はどんどん価値を落として行くのです。しかし香港では違います。細い道の古びたお店にも多くのお客さんが訪れ賑わっています。この辺りは日本人と香港人の感覚の大きな違いが見受けられます。また工事中の建物が多く、おそらくまだまだ再開発が行われているのでしょう。街の寿命は尽きそうにありません。
 次に物価ですが、何もかも高いです。大体日本円に直すと日本での値段の1.5倍〜といったところでしょうか。デパートで売っている安いカバンなんかはメイドインチャイナとメイドインインドネシアが多かったです。食品ではメイドインチャイナとメイドインホンコンと表記が使い分けられていた事からホンコン品質はチャイナ品質と別物と考えられます。ブランド物は日本よりも少し安いそうです。
 個人的に強い不安を抱いていた食べ物に関してですが、白米を食べる機会が一切ないという点以外全く問題ありませんでした。美味しかったです。現地の外食は日本人のイメージ通りの回るテーブルに料理が運ばれ、それをみんなでつついて食べるというスタイルです。食べ慣れないものも多いですが、未知の味というだけで不味いものではありませんでした。野菜、肉、魚、炭水化物とバランス良く色んな種類を食べられるのと全体的に油が多いので元気が出る食事でした。それとお茶がとても美味しいです。料理の油をお茶で中和するといった感覚です。いくらでも飲めます。日本人にも馴染み易いお茶でした。こういったお店では日本の飲食店と違い、コーラやオレンジジュースはほとんど売れないと思います。
 デパートやスーパーでは日本産の食材が大きく日本産と書かれてたくさん売られています。値段も1.5倍から高いもので10倍にも設定されていて日本産ブランドの強さを改めて実感しました。ホテルの近くのサークルKでは 好物のSOYJOYとその他日本のコンビニでも売られているお菓子が数多く売られていたのにはとても助かりました。ホテルでゆっくり知っている味とリラックスできます。しかし日本生産と書かれているもののパッケージの文字が少し滲んでいる様に見えました。表記も現地向けになっていたのでパッケージングは向こうでやっているのではないでしょうか。それと向こうのコンビニではパン屋の様にパッケージングされていないパンも売られていました。クロワッサンは美味しかったです。メイドインホンコンのオレンジジュースとサンドイッチも置いてありました。これも美味しい。香港は食べ物には全く不自由しない場所です。
 楽器屋にも行きましたが、世界シェアNO.1の日本のメーカー、Ibanezがとこれまた日本のメーカーESPの系列のギターが大半で残念でした。しかも日本生産でないモデルばかり。そこそこ大きいとはいえデパートの中の楽器屋だからでしょうか。現地の面白いギターがあればと期待していたので少し残念です。もっと大きな楽器屋に行けば品揃えも変わると思います。
 最後にですが、向こうのお茶は向こうでしか楽しめません。気分による現地補正ではありません。ホテルに備え付けられていたパックのお茶を良く飲んでいたのですが、最終日にペットボトルの水を切らしてしまい、水道水を使うわけにもいかず念の為日本から持ち込んでいた「いろはす」でお茶を入れたところ、いろはすで淹れたお茶の方が味気なくて美味しくなかったです。お茶の味は現地の水に合わせて進化してきたのだと思います。
 香港に行った感想をざっくり書きますと、お茶の文化や町並みなど日本のものと少し似ている所があるものの細かな違いがあり、何が違うかを事細かに書いていくとキリがないというほど違う場所でした。都会のセンスはどちらも完全に欧米の模倣でしょう。町中の広告、テレビのCMやバラエティ番組だけは本当に日本とセンスが近似していました。音を聞かずに文字も見なければ何の違和感も感じないと思います。
 まとめると、香港は近所だからと言って日本の感覚で行くとあまりの違いに衝撃を受ける国ですが、似通った文化があるので馴染むのにはそう時間のかからないと思いました。欧州やアメリカに行くよりは香港のほうが苦労は少なくて済みます。海外旅行に不慣れな方には是非ともお勧めしたいです。
  • スターフェリーから夜景をバックに

ご参考