2024年4月10日(水)、経済学部の三木ゼミ3年生は、大阪市西淀川区にある鹿島化学金属株式会社を訪問し、代表取締役社長の鹿島祐二さん他にお話をうかがいました。
 鹿島化学金属株式会社は昭和28年創業、樹脂と金属の融合をめざし主に樹脂ベアリングの製造販売を行う会社です。無潤滑・無給油で使用することができ、かつ水や薬品に強く、軽量、非磁性、絶縁性といった特徴を持つ樹脂ベアリングの豊富なノウハウを有しています。令和4(2022)年には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2・3年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。
(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業局、地方独立行政法人大阪産業技術研究所で構成
 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部3年生 山中 夏妃 さん

 今回は、鹿島化学金属株式会社に企業訪問しました。鹿島化学金属株式会社は、プラスチック製品の製造・販売を行っている企業である。主な事業内容としては、機械の回転を助け、摩擦を少なくし、回転を滑らかにする役割と、回転を支える部分を守る役割を果たすベアリングを樹脂で製造しています。プラスチックベアリングの製造は、トップレベルの技術力があります。
 企業訪問でお話を聞いて感じたことは、ペアリングとは何か、どこに使用されていて、どのような役割を果たしているのかを知らなかったので、身近なもので使用されている物や場所の説明が写真やイラスト付きの説明だったので丁寧でとても分かりやすかったです。
 鹿島化学金属株式会社のベアリングは、素材がプラスチックなので、金属と違って無潤滑・無給油でも使用することができるので、摩耗や錆び、腐食の心配がないので定期的に点検をしなくても安心して使用することができます。また、磁力を帯びてはいけない物に使用できるメリットがあります。そのようなメリットから、食品の生産ラインでは、オイルやグリースの混入がなくなります。また、水の中に含まれているカルキは乾燥すると固まる性質を持つので、普通の金属は使えないレトルトパックの洗浄などに使用されています。錆びない、腐食しない性質は雨や日が当たり続ける、駅のスマートドアの内部に使用されていることを学びました。また、高温・ドライ・冷凍・冷蔵、あらゆる場面、環境で使用されるお客様に対応するために、多種多様な素材を取り扱っていたり、自社の製品を使いたいと言ってくださるお客様に対しては少ない数からでも注文ができたり、自社の製品では対応できなかった場合でも、アドバイスやアフターフォローあったりと、人の役に立つためにいろいろな取り組みを行っていることを学びました。
 最後に、説明を聞いて、普段は人の目にみえない機械の中の部品であるので、どのように使用されているのかどのような役割を果たしているのか知らなかったですが、身の周りに見えていないだけで生活に必要な物だと学ぶことができました。また、ニッチな業界なので、ライバルが少ないことで、自社の製品の製造や営業にやりがいを持って仕事ができるのではないのかと感じました。
 

経済学部3年生 木村 優耀 さん

* 概要
 鹿島化学金属株式会社は大阪市西淀川区にある中小企業です。東京とヨーロッパにも営業所を置いています。18人でヨーロッパ営業所には3人の企業です。ここでは主に、プラスチックでベアリングを製作しています。導入実績が多くあり、取得認証もある優れた企業です。
 
* 感想
 私が今回フィールドワークを行って感じたことは、まずプラスチックでベアリングを作っているところに目がいきました。私は課外活動でベアリングに触れたりその他の作業に触れたりすることがありますが、金属のベアリングしか見たことがありませんでした。ある程度時間が経つとメンテンナンスを行うため外してオイルを塗るなどの作業をします。ですがここで見たものはプラスチックのベアリングでした。メンテナンスフリーで耐水があり、他にもメリットがたくさんあるので汎用性が高いと感じました。私自身ベアリングを触ることがあるのでこのベアリングを使ってみたいと感じました。
 他には、社長の熱さが伝わってきました。本当の会社説明会のようにしていただいたみたいななのですが、商品を一から説明して頂いたり、事業を丁寧に説明して頂いたりとても熱心にお話しをしてくださりました。
 また、整った働きやすい環境づくりができていると感じました。若手の社員の方とのインタビューの時間の際、残業がほとんどないことや有休をとりやすい他に、社員同士の中の良さも垣間見えました。プライベートで会うこともたびたびあるようで働きやすさはとても高いと言えます。
 鹿島化学金属株式会社は独自の強みを持ち、海外にも事業を伸ばしています。その中で働きやすい環境もあり、優れた企業だと感じました。このような働きやすい環境に身を置けることは幸せなことだと感じます。そして将来の就職活動に活かしていきます。

経済学部3年生 吉本 昂生 さん

 鹿島化学金属株式会社へ企業訪問に伺い、人間関係から営業理念まで、社長と社員の方々からお話を聞かせていただきました。
 まず、企業に訪問させていただいた際、強く印象に残った事があります。それは社員間の人間関係の良さです。社長と社員の関係性は勿論のこと、年齢性別関係なく社員同士のコミュニケーションがとても取れていると感じる場面を多々目撃しました。実際、社員インタビューの際にも歩幅を合わせてくれる人の多さや、困った時に助けてくれる人の多さを挙げられ、それらを「あたたかい」と表現していた。強制参加の飲み会があったり、過剰なコミュニケーションを強いられたりする事はなく、社員それぞれが互いに寄り添い、適切な距離を保っている姿は、まさしく「あたたかい」人の多い職場なのだと、確かに伝わってきました。
 次に、鹿島化学金属株式会社ならではの特色として、強く言及したい事があります。それは、斬新な営業方針です。扱っている商品がニッチな事もあり、飛び込み営業が無く、製品を問合せのあった企業に営業をするスタイルです。加えて「物を買ってもらうのではなく、物の命を買ってもらう」が営業の理念である事から、お客様ヒアリングの結果、自社製品を使わない方が良い場合でも、適切なアドバイスやアフターフォローを行うらしいです。
 また、企業の将来性として、リスク管理の徹底にも言及したいです。取引先との販売構成比を各社10%以下に抑える事で極端な依存関係を避け、また自社利益より”役立つ”を最優先にすることで、不要な衝突を避けるなど、極めて適切なスタンスだと感じます。また、海外にも支店を置き、営業範囲を広く保っている事から、企業としての将来意識がとても高いと感じました。加えて、海外への事業展開に際し、若手の社員が積極的に関わっているらしく、老若男女関係なく社員の意見を大いに取り入れ、重要視している事に感嘆しました。
 最後に、鹿島化学金属株式会社への企業訪問と社長や社員の方々との交流を通して、会社の魅力はもちろんのこと、社員同士の人間関係や斬新な営業理念から、令和に生きる企業としての価値観が極めて出来上がっていると感じました。事業内容にしても、お客様一人一人に寄り添った営業方針、徹底したお客様ファーストな姿勢は素晴らしいと感じます。その上で、社員それぞれの個性や成長を大切にする企業の姿には感服しました。
 今回の企業訪問で、学んだ事は自身の中小企業へのイメージにおいて大きな価値観の更新に繋がった。今後の学生生活、並びに就職活動にしっかり活かしていこうと思います。

ご参考