産学連携先:三島合同タクシー株式会社
 これまでの熱海は、旅館に行き決まった食事を取り、その他の娯楽も旅館の中で過ごすしかありませんでした(昭和の旅館業スタイル)。一方で近年駅前には都市型ホテルや若者にとっても魅力的なお店ができており、昭和(レトロ)と現代が入り混じった魅力的なエリアに変化してきています。しかしながらそのような情報はあまり世の中に流れておらず、特に関西人にとっては熱海の古いイメージが残ったままで、変化し続けている熱海の姿を十分理解できていません。この活動では、変化し続けている熱海の姿を学生目線で発信し、また若者にとって熱海のどのような部分が魅力的なのかを連携先に伝えることで、熱海の旅行需要拡大に貢献します。
経済学部4年 美淋 麗乃

学生活動状況報告

 私たち三木ゼミ4年生は2023年11月に熱海を実際に訪問し、熱海駅前商店街をはじめとする観光スポットを調査、また現地の交通空白地をなくすための取り組みを視察しました。また見学・視察終了後に連携先への報告会を実施しました。
今回熱海に訪問してみて、私たちの率直な印象は、マスコミが大騒ぎするほど若者向けの店が多くないということであります。若い人は来ているものの、若者向けのアクティビティや施設は限られており、従来の熱海とは異なる雰囲気を持っていると感じました。
また、昔ながらの温泉旅館も団体旅行が少なく苦戦しており、施設も古くなってきているのではないかと思われます。商店街のお店も少なく、同じようなお店が並んでいる印象があり、繁盛しているお店とそうでないお店に大きな差があるように感じました。
さらに、観光地へのアクセスも安定しておらず、観光客にとって不便な要素もあり、観光スポットも早くに閉まってしまうため、夕方以降の遊ぶ場所が少ない印象を受けました。
総じて、熱海の魅力が若者向けには不足しており、新たなアピールポイントや改革が求められていると言えます。
経済学部4年 森田 菜摘

参加学生一覧

川久保 陽登、 池田 奈美、 大田 真美、 曽我部 桃菜、 有住 真歩、 宇井 源一郎、 菅生 雄誠、 森田 菜摘、 美淋 麗乃

連携先コメント

三島合同タクシー株式会社
代表取締役 古知 愛一郎 様

 熱海でも京都でも、高いホテルは予約が取れなくなっている。外国人は1泊数十万円~100万円のホテルを選ぶが、日本人は格安ホテルを探す。宮古島でも現地で建設が進む超高級ホテルは外資で、客も外国人富裕層、そこで低賃金で働くのが日本人という状況も。それが現実だ。そういう中で皆さんがどう考え、行動するかだ。
世界は二極分化している。中国は1%の富裕層と99%の貧困層、アメリカでも10%程度の富裕層がいて90%が貧困層と富が偏っている。アメリカでは年収2000万円で止まり、その上はビリオネアで真ん中がない。日本では物価高が問題視されているが、世界各国では20%、30%インフレが当り前で戦争があれば100%になることも。ほとんどの人が食べるのも苦しいというのが普通になっている。アジアの若者はアメリカの大学で学びアメリカや自国の有力企業に就職を目指す。そうしたことを考えていかねば今、日本の企業に就職したとして将来も安泰ということはないと思う。

教員コメント

経済学部 経済学科
三木 隆弘 教授

 現地調査及び報告会お疲れ様でした。このテーマは、マスコミを中心に熱海に若者が多く訪れているというテレビ報道を見て、そんなに大きな変化があるのであれば実際に自分たちで確認しようという「現場現物主義」から生まれたもので、実際現場に行ってみるとテレビ報道とは大きくかけ離れた現実がありました。若者は確かに多く訪れているがほとんど日帰りで、若者向けの店も点では存在するが線や面にはなっていない、それ以外は旧態依然とした昔の熱海で老朽化も激しい、という現実がありました。皆さんは間もなく卒業ですが、卒業後社会人になっても三木ゼミの「現場現物主義」を忘れず実践してください。