2023年12月2日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、社会連携事業「タクシーが足りない! その影響分析と解決策立案」プロジェクトの一環として、連携先である交通論壇社小北社長のご尽力のもと都タクシー本社(京都)を訪問し、代表取締役社長(京都府タクシー協会会長)の筒井基好様よりお話をいただき、意見交換を実施しました。また繁忙期(紅葉シーズン)の週末午後の京都駅タクシー乗り場状況視察、及び実際にタクシーに乗車し運転手にインタビューするなどの調査活動を行いました。
 筒井代表からは、タクシー供給不足がマスコミで騒がれている一方でごく一部の時間帯以外はタクシーが充足している状況であること、運賃値上げによりドライバーの収入が増えたため以前では考えられない数の運転手への応募がありタクシーの供給不足は急速に改善していること、などのご説明がありました。実際に繁忙期週末の京都駅タクシー乗り場は、利用客も並んでいましたがそれ以上にタクシーも並んでおり、タクシー不足の問題というよりはタクシー乗り場の処理能力の問題という印象を受けました。筒井社長の「運転手をコストではなく大切な人材として労働者の価値を高めたい」という主旨のお話にゼミ生一同聞き入っていました。
 指導教員の三木からは、ライドシェアを巡る各議論の中でタクシーとライドシェアが全面的なライバル関係になりかねないという懸念を示しつつ、世界のLCCを見ると日本ではANAがPeach、JALがジェットスター・ジャパンという形でLCCを内製化し役割分担を明確化することで一定の成功を果たしたことと対照的に、LCCと全面対決に陥ったマレーシア航空(2015年国有化)、タイ航空(2020年経営破綻)が苦境に陥っていることを指摘し、ライドシェアの解禁が不可避なのであればタクシー業界が先手を打ってライドシェアを取り込んでいくという判断の必要性について論及しました。