2023年度海外インターンシップ ベトナムクラスの14名が、9月17日(日)にホーチミンから関西空港に無事帰国しました。
 日本では得難い様々な経験を積むことにより、一回り大きな人間となって帰国したと思います。今後、何回かに分けて参加学生の感想・気付きを紹介します。今回はその第1回となります。

ベトナムクラスのスケジュール(基本パターン)

8月18日(金) 関空→香港乗換→ホーチミン移動(キャセイパシフィック航空)
8月19日(土) 日本語を学ぶ学生との交流会、生活設営
8月20日(日) 生活設営
8月21日(月) オリエンテーション
       午後から派遣先企業にて研修(~9月15日(金)、4週間)
9月17日(日) ホーチミン→香港乗換→関空

経済学部3年 岸 麻美 さん

1.はじめに
 私がベトナムインターンシップに参加したきっかけは、自己成長につながり自分自身の視野が広がると考えたからです。一か月知らない土地で暮らすのは不安でしたが、日本に戻ってきた今ではベトナムでの一か月を恋しく思います。このレポートでは、インターンシップで何をしたか、海外と日本の働き方の違い、そして、今回の経験を通してどのように感じ学んだかを述べていこうと思います。
2.インターン先での仕事内容
 私のインターン先は、Frontier Consulting Vietnam(FCV)でした。インターンシップを受け入れてくださった吉越さんと指導者の石坂さんが主に一緒に行動してくださった方たちです。
 Frontier Consultingは、主にオフィスの内装をデザインするコンサルティング会社です。その中で、私の担当は営業でした。石坂さんに同行し、オフィスの内装工事の現場確認、お客様と見積もり・デザイン・サンプル確認などの打ち合わせ、デザイナーさんとの打ち合わせなどを経験しました。建築の知識が一切ない私に優しく教えてくださり、アドバイスも沢山していただきました。私自身も分からないところや感じたことなどは、常に言うように心がけていました。お客様にもなぜこのようなデザインにしたのかなど気になるところは、仕事の邪魔にならないときに質問するようにしていました。
 デスクワークでは、ベトナム人の社員の方へのインタビュー、ベトナムについてのプレゼンテーション、Sketch upを使いFCVのオフィスのレイアウトを図面で作成、自分の理想のオフィスレイアウトの図面作成を行いました。私は、英語が他のインターンシップ生よりも苦手でしたが、分かる範囲で考え話し、翻訳や日本語が出来るベトナム人の社員さんがいたので、手伝ってもらいました。
3.日本とベトナムの働き方の違い
 日本で象徴的なものは、電車で疲れ切った顔をしているサラリーマンです。日本人の労働者は、仕事は丁寧で他国からも技術を褒めてもらうが、それと同時に活気がないと言われます。それに比べてベトナム人は、疲れた顔をせず楽しく仕事をしている印象でした。街中でも日本のような静けさがなく、全体的に活気で溢れていました。
 ベトナム人は、自分の仕事さえできればいいという精神が多く技術を気にしない労働者ばかりです。これは私の考えですが、このような考えだからこそ仕事も全てが楽しく過ごせるのかなと感じました。しかしベトナムでも日系企業では、技術を大切にしながら働いていたので、ベトナム人社員の皆さんは、そのような面にも誇りを持ちながら働いていました。
4.学んだこと
 私は、ベトナムでインターンシップを体験し、沢山の国に行き視野を広げ考え方も変えていこうと考えました。なぜそのように考えたかというと、ベトナムと日本の働き方の違いが大きかったからです。私には、日本の働き方に納得しきれていないため、他の国を体験して自分にあっている国を探します。
 FCVの社員の皆さんとコミュニケーションをとるのに英語が必須で、喋れなかったためもっと英語を話せたら良かったと後悔しました。なので、ベトナムから帰ってきてからも英語と触れ合うようにしています。良いきっかけになりました。
 他には、私はインターンシップに行く前は、ずっと家具のバイヤーになりたかったため、家具のメーカーなどばかり視野に入れていましたが、内装やインテリアデザインなどにも興味を持ち、視野に入れ始めました。
 もっと日本という狭い環境の中だけではなく、色んな国に行き沢山の人に会い価値観を広げていきたいです。

経済学部 3年生 中村 優希 さん

 今回、私は8月17日~9月17日の約1か月間ベトナムインターンシップに参加しました。このベトナムインターンシップに参加した動機はいくつかあります。1つ目は今回のベトナムインターンシップの担当先生がゼミの先生で安心して任せられると考えたこと。2つ目は、海外で働くとはどういうことか、働いていけるのか、海外で働いてこそ知ることのできる気づきあるのではないかと考えこと。そして3つ目は学生の間に海外で働いた経験を生かして、就活の時に役立てたいと考えたからです。
 私がインターンシップをさせていただいたのはNASK VIETNAMという会社でした。この会社では日本製の浄水器や浄水シャワー、空気清浄機などの水回りの衛生管理商品を取り扱っています。私の仕事内容はNASK VIETNAMの商品で、コロナ渦で売り上げが伸びたがアフターコロナで伸び悩んでいる除菌消臭液「JIAMOVER」を日本語が少し話せる23歳ベトナム人(以下「相方」)と共にホテル、レストラン、カフェ、個人事業主などにアポなしで営業に向かい、商品サンプルを使用していただいた後、商品改善用に作成したアンケートに答えてもらいどういう結果だったかを報告するというものでした。
 この仕事の中で難しかったことの1点目は言葉が通じないことです。インターンシップ前半では言葉が通じる日系のホテルやレストラン・カフェなどを中心にアンケートの訪問に行こう、と回っていたのですが、当然ながら店員はベトナム人でした。日系企業なのだから、店員は日本人だろうと考えていたのですが全然甘い考えでした。その後、日系企業狙いをやめて、観光客の多いホテルやレストラン・カフェを選ぶようにしました。観光客の多い所だと日本語が通じずとも英語が通じるので、私がカタコト英語と日本語を使って説明した後、相方がベトナム語で翻訳して話してもらう状況を作り、ファーストタッチをベトナム人の相方ではなく日本人の私から話し始める方が聞き入れてもらえるのではないかと考えました。しかし相方も日本語が完璧ではないので先にどんなことを話すのかWordに打ち込んでセリフを作成しました。このセリフを作ることによって臨機応変とまではいかずともある程度の対応はできるように変わっていきました。
 難しかったことのもう1点はアポなしで訪問することです。カフェやレストランでは、お店に入り飲食をしてからお店の人に話をするという、少し古い昭和スタイルの戦法が驚くほどに刺さりました。しかしホテルは全く話が違い、入ることすらできない所も多々ありました。私たちはバイクを使って訪問していたのですが、ホテルの前にベトナム人とスーツを着た日本人が止まるとまず怪しまれます。そしてホテルのセキュリティーが近づいてきて、追い返されます。また、入れたとしてもホテルスタッフは「マネージャーに話をしてくれ」の一点張りで会いたければアポを取れとのことでした。どうしたらうまくいくか考えたところ、追い返される点についての改善は、ホテルが多く点在する場所にバイクを止めて、観光客を演じて中に入り、セキュリティーではなくスタッフに話を通すのがより正確だったのではないかと考えました。しかしこれをしてもマネージャーに合うことができないと話は進まないので、アポイント電話かメールを送ろうと考えました。しかしベトナム語の分からない私は電話できるわけもなく、相方にアポイント電話をしてもらったとしてもベトナム人同士の電話になるので断られるだろうと考え、メールを送ったとしても帰ってこない、そもそも見ないだろうとも考えこの選択はしませんでした。ホテルの訪問をするときは、取引したことのある、旅行会社や浄水器・ウォシュレットを付けたことのあるホテルを訪問し紹介してもらうのが先決だと考えました。インターンを経てベトナム人は人のつながりを大切にする文化があると感じたので直接ホテルに行くのではなく、外堀から埋めていくことが大切になってくるのではないかと考えました。
 この1か月のインターンシップで私は何でもやる精神で考え動いてきました。また当初はアンケート5件を目標にスタートし、結果9件回収という結果になりました。最初の1週目や2週目に改善できていれば二桁回収できたのではないかと思えば、後悔が残る結果となりました。海外で働くことの不安と難しさが身をもって知ることができ、今後の学生生活でやらないといけないことがまだまだあると考えることできました。また、日本とベトナムでは常識やルールが全く違いその中で生活するのが楽しく、もっと色んな国のことを知りたいと思いました。考えて自発的に動くこの経験は自分にとって大きな財産となりました。