2022年7月6日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、大阪市生野区にある株式会社現代工業を訪問し、代表取締役社長の大橋玲子さん、専務取締役の李洋希さん他にお話をうかがいました。
 株式会社現代工業は平成2(1990)年創業、主に建築金物を板金加工し顧客に納品しています。現社長が就任して以降思い切った設備投資を行ったことで、プログラミングからシャーリング・レーザー加工・曲げまでの一貫生産体制を確立しました。令和3(2021)年には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。

(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業局、地方独立行政法人大阪産業技術研究所で構成

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

【経済学部2年生 山本 海月 さん】

 現代工業へ企業訪問に伺って『とてもいい会社』というイメージが今でも残っている。社長さんが女性ということもあり、企業の雰囲気が今まで伺った企業とは違うところがあった。また、その雰囲気の違いには色々な経験を経て専務になられた息子さんの力もあると感じた。私が現代工業さんに惹かれた理由を述べていこうと思う。
 まず1つ目は社長さんの理念や想いに惹かれた。『社員一人一人のカラーを出してワクワクできるような会社へ、女性でもできるような会社へ』という想いだ。これから、私は社長さんの従業員への想いの強さがすごく伝わった。この想いが社長さんだけで留まることなく社員さん全員に伝わり、社員の皆さん一人一人がイキイキと仕事をしているのが工場見学の際に感じることが出来た。実際に、私たち学生のためにCADオペレーターの方から現場の方々までおもてなしを考えて披露してくれた。“私たちのために”一生懸命考えてくれた。私はこの些細なおもてなしから“お客様のために”も一生懸命取り組んでくれる企業さんなんだろうなと感じることも出来た。
 2つ目は『5s活動』を積極的に取り組んでいるところだ。いろいろな企業へ訪問した際にも同じく5s活動というワードを何回も耳にしたり工場内に張り紙されている場面を目にした。私は、いろいろな企業で5s活動が取り組まれているのだと改めて実感した。しかし、企業のホームページを開いて5s活動について詳しくかかれているページがある企業は初めてだった。5s活動をアピールする上で、それをきっかけに入社した方がいることを聞き、実際に効果がある事なんだと感じることが出来た。それと同時に、自分や企業全体として行っている取り組みや物事を発信していくことの大切さに気づいた。そうすることで、企業のイメージが湧きより興味を持ってくれる方がいると感じる。
 3つ目は企業として成長が止まっていないという事だ。取引社数や売上、社員数などいろいろな場面で企業として成長し続けているという部分に惹かれた。それは、社員全員が仕事に取り組み、一人一人が目標とやりがいをもって仕事している事なんだろうと思う。社員さんから聞いた話で、「先輩社員さんも同期の方もみんなフレンドリーだから分からないことも聞きやすい」「ミスをした時は、全体でカバーしてくれるから成長していける」などと声を上げて言っていた。このような社員一人一人の成長が企業の成長へと繋がっているんだとより感じることが出来た。
 社員さんだけでなく、社員さん全員の想いが通じ合って成長していくことの出来る現代工業さんはとても素敵な企業であると私は今回の訪問で感じた。


【経済学部2年生 田中 大智 さん】

1.はじめに
 今回我々は現代工業を訪問させていただき、製造面などの観点からモノづくりの技術の素晴らしさを再認識することができた。技術の高さはもちろん、人間関係や様々な活動などから見えた現代工業の魅力を本レポートではまとめていく。
2.現代工業で感じたこと
 現代工業では主に建築金物加工を行っていて、この加工を一品注文から即対応をしている。これを踏まえたうえで企業訪問を行い、感じたことが4つある。
 まず1つ目は自社の技術に自信を持っている点である。今回の企業訪問はいつもよりも工場見学が長かった。説明をするのではなく、実際に加工技術を見せるのは本当に自信があるからだと感じた。
 2つ目はSNSを活用している点である。SNSを活用することで加工技術に詳しくない若者がこの魅力に触れることができ、更に現代工業の魅力も発信できるので一石二鳥であると思う。
 そして3つ目は5S活動を行っている点である。5S活動とは整理、整頓、清掃、清潔、躾の5個を目標とした取り組みであり、ただ商品を加工するのではなく社内の雰囲気を良くし、清潔さを保つことで社員の自主性の向上や良好なチーム作りなどが目的となっている。これを行うことで、安全に作業ができるようになり、必要な在庫だけを持つようになるなど様々な成果が窺えていることから非常に良い活動であると感じました。
 最後に4つ目は社員同士のコミュニケーションがしっかりしている点である。どこの作業場に行ってもしっかりと意思疎通を図り、安全に作業を行う事を心掛けていて安心して作業ができる環境づくりができていると感じました。
 以上が現代工業で私が感じたことである。
3.まとめ
 今回の企業訪問では、技術の素晴らしさだけではなく、人と人との関係性がいかに大切であるか学ぶことができた。ただ商品を顧客に提供するのではなく、それまでの過程や社員の働き方を非常に大切にしている企業であると感じた。

【経済学部2年生 藤原 寿莉 さん】

 今回、私たちは「株式会社 現代工業」に訪問した。
 はじめに、企業について、専務取締役である社長の息子さんが説明してくださった。社長の息子さんは会社のために、アメリカや韓国に語学を学びに行ったり、大学院にいって勉強したりなど、とても会社のことを大事にしていることが伝わってきた。それだけではなく、この会社では終わりなき改善活動の循環として5S活動を行っており、この5S活動によって効率的に働くことができ、実際にはじめる前よりも売上も伸び、残業はほぼなく17時半に帰ることができている。
 次に、工場見学ではマイクを使って社員の方が一つずつ丁寧に説明をしてくださった。マイクを使って説明してくださったので、声が聞き取りづらい工場内でも、しっかりと説明を聞けた。そして、今回私たちが訪問するということのために、製品を作ってくださって、沢山準備をしていてくださっていてとても親切だった。そしてなにより、工事見学を楽しめたしとても記憶に残っている。
 その後、若手の社員の方にインタビューを行った。たくさん質問をしたが、どんな質問にも丁寧に答えてくださった。3名の方にインタビューしたが、1人ずつ詳しく答えてくださり、目標とやりがいを聞いたときにも、しっかりとした内容で答えてくださって、社員の方からも会社を大事にしていることが伝わってきた。そして、1番伝わってきたのが人間関係の良さだった。分からないことがあっても、上司に聞きやすい雰囲気であり、難しい仕事がきても団結力によって乗り越えられているという。社内では食事会の他にも、アトリエでの社内イベント(たこ焼きパーティー)があり、交流がさかんである。また、社長とも距離が近く、社員によるがご飯に行ったりする人もいるという。
 この会社からは、社長や専務取締役以外にも、社員からも意欲や、向上心が見受けられた。私たちのためにたくさん準備してくださり、楽しく濃い時間が過ごせた。

【ご参考】