ポスターセッション

標記の学会全国大会での12月2日のエクスカーションの報告をしましたが、翌日12月4日に行われたポスターセッションにて、清水ゼミから3年生のゼミ生18名が3チームに分かれ、春から行ってきた調査の報告をしました。
2チームが旅行会社の店頭におけるサービスに関する調査報告、1チームは堺市における観光とまちづくりに関する調査報告です。ここに至るまで、学生たちは現地に何度も足を運び調査を重ねてきました。この調査に協力し、快く対応してくださった多くの関係者の方に心より感謝をいたします。またポスターセッション発表時には、多くの先生方より貴重なアドバイスをいただき、学生たちの今後の研究の大きな励みになりました。

日本旅行の顧客サービスにおける問題点 -人員不足が顧客サービスにもたらす影響-

小林稚子さん

清水ゼミ 3年 小林稚子

私たちのチームは、「日本旅行の顧客サービスにおける問題点—人員不足が顧客サービスにもたらす影響—」というテーマでパネルディスカッションを行いました。研究を進めるにあたって、まず、旅行会社の店舗見学を行いました。自分たちでチェック項目を作って見学に行ったのですが、人員不足を解決することは本当に難しい問題なので、私達はスタッフが関わらなくてもできる顧客サービス(物的サービス)を中心に考えて、解決策を見つけて行こうと決定しました。

その考えを基に、パネルディスカッションでは、順番待ちをしているお客様が苦痛にならないように、旅先の情報を検索できるパソコンを設置するといった案や、パンフレット を持ち帰る時に使用する袋を用意するといった案など、スタッフが接客しない場合でも、お客様に快適に過ごしてもらえるような環境の改善策を提案しました。私達の発表を聞きに来てくださった方に、「学生らしい意見だね。今度、旅行会社に行ったらそういうところも注目して見てみるよ。」と言われた時は、今まで頑張って研究してきてよかったなとうれしくなりました。

質疑応答では、「従業員が足りていないのであれば、アウトソーシングなどは利用していないのか。」など、私達が研究していなかった事についても指摘され、その時は戸惑ってしまいましたが、指摘されてみて、なるほどこうすればもっと良い調査になるのかと改めて実感しました。

今回の学会では、観光を研究されている方や、それを仕事としておられる方が大勢参加され、そんな方々に貴重な意見を貰い、鋭い指摘をされ、とても良い勉強になりました。この学会に参加したことで、これからの研究に活かす事のできるスキルを身につけることができました。またこの様な機会があれば、ぜひ参加したいです。

集客のための旅行会社における店内環境の改善

篠原つぐみさn

清水ゼミ 3年 篠原つぐみ

ポスターセッションを終えて、「やり切った!」というのが私の率直な感想です。テーマ決定から調査方法、全てにおいてが試行錯誤の繰り返しでした。実際に研究の調査で旅行会社のデータをいただきたくても社内秘で現状把握が難しかったり、ヒアリング調査に行かせていただいた時、双方での連絡の確認ミスで旅行会社や先生に迷惑をかけてしまったこともあります。ヒアリング調査にあたってはしっかり自分たちが確認することができていなかったのが詰めの甘さだと感じました。

しかし研究を進めていくなかで、チームのみんなが「どうにかなる」から「やらなきゃいけない!」という気持ちに変わり積極的に行動してくれたことが、この半年間での最も印象的なことです。チームのみんなも成長したと思います。
 
発表当日は「難しい分野から自分たちのアイディアを活かし、よく研究できている」という言葉をいただいた時は、何度も遠回りな研究をしましたがそれも無駄ではなかったと感じ、達成感でいっぱいになりました。今回リーダーをやらせていただき、うまくいかなかったこと、そこからどう改善していくのかを考え、学ぶことができ、自分自身成長することができました。

堺の観光と七まち町家会のかかわりに関する調査

仲井直生さん

清水ゼミ 3年 仲井直生

私たちのチームは、堺市と七まちについての調査について発表しました。きっかけは二回の時に基礎演習で参加した「七まち」の街歩きで、堺市にこんな魅力ある地域が今でも残っていること、またその存続は地域住民が主体となって行っていることをたくさんの人に知ってもらおうと思ったからです。

実際に自分たちだけでのフィールドワーク、堺観光ボランティア協会のガイドを利用しての街歩きを行いました。調査を続けていくと、この七まちと行政が大きく関わっていることを知りました。そこで「堺コンベンションビューロー」へのヒアリング調査を行い、行政の七まちに対する思いやこれからの計画を知りました。行政の考える将来像と七まちの考える将来像にはすれ違いがあり、これは堺市が七まちを取り入れた観光政策の成功があったからこそ生じた現状だと考え、行政側、地域側と比較し、今回のポスターセッションで発表しました。

説明を聞きに来てくださった、実際に「七まち」のことを知る他大学の先生からは、「行政は、堺市全体のことを考えなければいけないし、七まちは地域主体での活動なので、そこの相違は仕方がない結果」、また、「まちづくりには正解や間違いという答えがないからこそ難しいテーマだね」というコメントをいただきました。だからこそ、そこから私たちにもできる、この地域の守り方を見つけ、実践したいと改めて思いました。

このポスターセッションに参加するために調査していくうえで、当初のきっかけ、目的とは方向性が違っていくことに正直とても戸惑いました。またみんなでひとつのポスターを作ること、それまでの分担作業には他の授業とは違う、ゼミ活動ならではの「みんなでの作業」という経過があり、このポスターセッションに参加したからこその体験ができたと思いました。
  • ポスターセッションの様子
  • ポスターセッションの様子