水野巧基くんが観光学術学会でポスター発表に挑みました

観光を活用した伝統産業振興の可能性について発表しました

 7月5〜6日、京都文教大学で行われた観光学術学会第3回大会の学生ポスターセッションで、森重ゼミ4年の水野巧基くんが「観光を活用した伝統産業振興の可能性」について発表しました。水野くんは1年生の時からゼミ活動だけでなく、奈良県の伝統産業振興に関心を持ち、個人研究を行っています。これまで日本観光研究学会の学生ポスターセッションで成果を発表したり、「ビジコン奈良2014」で優秀賞を獲得したりするなど、積極的に努力を続けています。今回は観光学術学会第3回大会で得た経験について、水野くんに報告してもらいます。(森重昌之)

今後の研究の課題に気づいたポスターセッション発表
国際観光学部4年
水野巧基

 7月5日に京都文教大学にて開催された観光学術学会第3回大会学生ポスターセッションに参加しました。今までは日本観光研究学会の学生ポスターセッションに参加してきたので、観光学術学会での発表は初めての経験となりました。今回は「観光を活用した伝統産業振興の可能性」について、奈良県内の伝統産業振興政策を事例に発表しました。
 高校生の頃から、奈良県の伝統産業である奈良墨の観光資源としての活用の可能性について研究を進めてきましたが、今回は生産者への聞き取り調査を実施し、奈良県内の伝統産業従事者は観光に対してマイナスのイメージを抱いていることがわかりました。その要因として、過去の行政の観光イベントでの生産者への一方的な参加の依頼や、イベントにおける観光客誘致の失敗などがあったこともわかりました。それ以来、奈良墨を含む県内の伝統産業従事者は、観光客を対象に販売しても十分な利益が見込めないと考えるようになり、伝統的工芸品の観光資源化に対し、積極的でなくなったという背景を明らかにすることができました。そこで、今回は行政に視点を当てて、奈良県内で伝統産業振興に向けてどのような政策が行われているか、また観光を活用しているかどうかについて、奈良県庁と奈良市役所に聞き取り調査を実施し、伝統産業振興に向けて観光を活用することの必要性を示すことを目的に研究を進めました。
 今回のポスターセッションに参加して、他大学の学生の発表を聞き、データや色の使い方、レイアウトなど、わかりやすいポスターにすることの必要性を感じました。たんに研究内容を伝えるだけでなく、ポスターやプレゼンで発表するうえで、データの使い方やレイアウトの工夫も課題になってくると考えさせられました。また、研究者の方のアドバイスを受けて、観光というテーマを前提に聞き取り調査を実施するだけではなく、伝統産業従事者に現状などをお聞きしながらデータをまとめ、伝統産業の課題を生産者の立場から見つけることで、今後の研究の幅が広がるのではないかと感じました。今までは伝統産業の中でも奈良県内の奈良墨の生産者にしか聞き取り調査を実施してこなかったので、今後は観光という枠組みに捉われず、県内の他の伝統産業の現状について聞き取り調査を通じて把握する必要があると感じました。また、伝統産業振興に向けた他の行政の振興政策についても調べる必要があると思いました。
 今回のポスター発表を経て、今後の個人研究を進めていく上で、他地域の事例研究や対象地域での聞き取り調査、先行研究の整理など、多くの課題があることに気づくことができました。今後も、学会発表など外部での研究発表経験を積み重ねて、研究内容を深めていきたいと強く感じました。