再び,住吉大社・堺方面へ(レポーター:安達七菜)

淡々と

 長い夏休みが終わり,新今宮TICは毎日運営から土日のみの運営へと変わりました。一時的・イベント的取り組みではなく,地域社会とも深く関わるため,できる限りのことを淡々とやっていきます。
 土日のみの運営は,FITにとって不便なことでしょうが,平日は授業があるのでどうしようもありません。その代わりといっては何ですが,FIT向けの街歩き「Let’s walk around OSAKA!!」を,これも淡々と実施していくことになっています。
 夏休みの毎日運営の打ち上げパーティは,10月3日(土)にホテル中央「オアシス」の屋上をお借りして,すき焼きと焼き肉で盛大に行いました。ちょうどその日は中秋の名月。お肉は鶴橋で買った超美味しい国産牛。OBの濱中さんにキャンプ道具一式を持参していただいたので,本格的な料理ができました。資金はホテル中央グループの山田英範社長と松村先生からカンパをいただいたので,参加者負担は0円。ラッキー!! ごちそうさまでした。

今回参加のFITは男性ばっかり

 さて,10月4日(日),下半期初となる第6回Let’s walk around OSAKAが開催されました。今回の街歩きは以前実施したコースと全く同じ。住吉大社から堺にかけて,チンチン電車を利用して散策する鉄板ネタです。9月末,新今宮TIC運営の暇な時間を活用してポスターを作成,10月に入っていつもどおりホテルフロントに張り出しました。
 今回のFIT参加者は総勢9名で,何と全て男性。ブリスベン出身のオーストラリア人1名,休暇を利用し旅行に来たスウェーデン人2名,京都在住で英語を教えるアメリカ人2名,大学で1年半日本語を勉強したカナダ人1名,4年間日本語を勉強したフランス人1名,浜松のヤマハでインターンシップに参加したドイツ人学生1名,大阪訪問3度目の台湾人1名でした。新今宮でのFIT宿泊が少し減る時期にしては,多くの方々に参加していただきました。特に今回は日本語のできる人が多かったので,街歩きでは英語と日本語が飛びかいました。
 ボランティアは,松村先生,ゼミ生10名(窪堀・河嶌・茶谷・永野・藤井・松原・王穎・久保田・山岸・安達),2回生の橋本果奈とその友人で関西外大2回生の川北美希,1回生の井上咲季・昌山志保の総勢15名。FIT参加者を含めて24名,相変わらずの大移動となりました。

チンチン電車でGO!!

 街歩きの大まかなコースは,新今宮からチンチン電車で住吉大社へ行き,再びチンチン電車に乗り堺市綾ノ町へ。堺市では鳳翔館を訪問してから刃物ミュージアムへ向かい,チンチン電車に乗り天王寺か南霞町へ帰るというものでした。
 当初集合場所は新今宮TICにしていましたが,参加人数が多く手狭だったので,ホテル中央新館へ集合場所を変更。参加者登録と名札作成を済ませると,ちょうどツアー開始の13時くらいになりました。まずはゼミ生の松原歩美が,椅子の上に乗っかって,あいさつとツアー概要の説明をしました。そこから歩いて最寄り駅の南霞町へ。この駅のホームでは,河嶌友紀がチンチン電車と1日フリー乗車券「てくてくきっぷ」の使い方を説明。参加者もスタッフも,「てくてくきっぷ」のスクラッチを楽しみながらも慎重に削りました。
 南霞町駅からは約10分で住吉鳥居前に到着…。と思っていたら,ひとつ手前の住吉駅で下車してしまいました。一瞬あわてましたが,住吉大社はすぐ目と鼻の先。チンチン電車の1区間は想像以上に短く,バスと同じ感覚です。

太鼓橋が工事中?! でも期待を裏切らない住吉さん

 住吉大社の鳥居をくぐると,前回は渡れて皆で記念撮影した太鼓橋が,架け替えのため通行禁止であることが判明。今回は下見をしていなかったので,予想外の出来事でがっかり。しかし,太鼓橋のたもとで盆栽の競り市が開催されていて,参加者の皆さんは興味津々。さすがは大阪を代表する神社の「住吉さん」,期待は裏切りません。工事中の太鼓橋を迂回して本殿へ向かう途中,窪堀愛子が神社参拝の基本である手水の手順を説明しました。説明する窪堀とその横で実演する山岸枝里子のコンビがすこしギクシャク。もしかすると,FITの方が私たちよりも上手かったかも…。
 本殿を参拝した後,前回も好評だった「五大力」の方へ。永野健太が懸命に説明するなか,FITの皆さんは「五」・「大」・「力」の小石探しに必死。見つけた小石は皆なポケットにしまいこんでお持ち帰り。ご神木や校倉造を見て回り本殿に戻ると,偶然お宮参りに来た幸せそうな家族と出会いました。今回,結婚式とは出会えませんでしたが,また違う幸福感が味わえました。お守りを買う人,おみくじを買う人…。やはり「住吉さん」は期待を裏切りません。

鳳翔館で一息ついて

 住吉大社の次は鳳翔館へ向かいました。鳳翔館に到着すると,FIT参加者のほか,松村先生・茶谷・井上・昌山・私が2階へ上り,お茶と和菓子をいただきました。そこでお茶に興味を持ったフランス人が,「お茶はスーパーでも買えますか? どんなお茶がお薦めですか?」との質問。1年生ながらも英語の得意な井上さんが即座に返答。フランス人は,とても嬉しそうにうなずいていました。
 鳳翔館の次は堺鉄砲館へ向かいました。堺鉄砲館では金の屏風の前に何本もの火縄銃が飾られていました。館長の柏木さんが火縄銃の歴史・製造方法・打ち方などを説明してくださり,松村先生と茶谷が苦戦しながらも通訳を務めました。今回は堺鉄砲館の柏木さんのご紹介で,紀州街道沿いの町家にお邪魔することになりました。外から眺めると全く普通のお宅のようですが,一歩なかに入ると,高い天井に太い梁(ハリ)が通るとても風情のある建物でした。一般公開されていない現役の民家で,現在も持ち主の内田さんがお住まいとのこと。本当に住まわれている民家は,住まいのミュージアムで見学したのとは違い,やはり生きている,という感じがしました。日本通が多かったFITたちも,とても興味深そうに見ていました。今回も堺の底力というか,奥深さを感じました。

住吉大社・堺方面の街歩きの魅力

 柏木さんと内田さんに見送られるなか,チンチン電車の綾野町駅に戻り,二駅向こうの妙国寺前駅で降りて刃物ミュージアムへ。刃物ミュージアムでは皆さん思い思いに見学しました。とても大きなハサミ,マグロ解体用の大刀ほか,変わった形の包丁も多く,英語表示を見ながら何に使うのか話が弾みました。そして16時10分ごろ妙国寺前駅に戻り,茶谷がツアー終了の言葉を述べて解散しました。
 平野や生野の街歩きは地元神社の盛大なだんじり祭りが大きな見どころなので,なかなか普段に実施することは難しい。しかしながら,この住吉大社・堺方面の街歩きならば,大安吉日の土日を狙えば,まず期待が裏切られることはありません。今回は太鼓橋が工事中で結婚式とも遭遇しませんでしたが,盆栽市やお宮参りが見られました。臨機応変に英語で説明できれば,本当に見どころ多く,魅力もたっぷりのコースです。新今宮TICから出発するには最適のツアーコースだと再確認した1日でした。