【新今宮TIC報告 vol.27】 2013年7月の新今宮TIC報告

2013年7月6日(土) 新今宮TIC報告 (3回生 キム・テギョン)

【スタッフ】キム・テギョン(3),山中彩帆里(3),大宅和佳(4)
【利用者】5組7名。この全てが外国人で,コロンビア,オーストラリア,インドネシア,マレーシア,アメリカからの方々でした。このうちアメリカ人はリピーターでした。
【来訪者】松村先生
 今日の天気はとても良く,晴れで暑い1日でした。松村先生が訪ねて来られ,7月13日(土)開催予定の外国人向け平野郷街歩きツアーの準備を色々とご指導いただきました。

 コロンビアから来られた20代男性の利用者は,大阪周遊パスの2daysを買いたいとのことでした。山中さんがこの男性に同行して,地下鉄動物園前駅の駅長室まで行ったのですが,駅長室で2daysは販売しておらず,この男性は地下鉄天王寺駅へ買いに行かれました。
 次にアメリカのニューヨークから来られた30代くらいの男性は,6月末から新今宮TICをよく利用されている常連リピーターの方でした。安くて美味しいレストランを知りたいということで,私たちはレストラン「タカラ」のランチをお薦めしました。この方は観光情報を得たいというよりも,私たちとおしゃべりして楽しみたいという感じがしました。
 昼前にオーストラリアのメルボルンから来られた20代男性は,今日どこかで何かイベントはありませんか,ということでした。今日は七夕の前日,四天王寺にて七夕イベントがあり,夜間に建物をライトアップして夜店なども出ているそうなので,それを紹介しました。この方は,「Cool!」というのが口癖でした。
 シカゴのカレッジを卒業して阪南大学へ編入学した英語の得意な山中さんによると,Coolを翻訳すると「いかしているね!」という感じの意味なのだそうです。このCoolな方にお願いして,Hotな屋外に出て,記念撮影させていただきました。

 もう1組,昼前に来られたインドネシア人のグループは,とても珍しい問い合わせをしました。お菓子のキットカットKit Kat,それもPowdered tea tasteのもの,つまり抹茶味のが欲しい,Q’s MALLに行かれたそうですが見つけられず,どこかに売っていないか,ということでした。スタッフ一同は「見たことあるけど,どこで売っているのか意識したことはない…」との反応。ネットで調べても,具体的にどの店でという情報は出てきませんでした。誰も確信はなかったのですが,外国人向けのお土産物屋さんならば,売っている可能性が高いだろうと,お伝えしました。
 本日,昼からの利用者はマレーシア人女性ひとりだったので,その時間的な余裕を利用して,山中さんが平野郷街歩きツアーの英語チラシを作成してくれました。松村先生がそれをチェックされ,新今宮TIC内のプリンターで大量印刷。16時で新今宮TICを閉めた後,山中さんと大宅先輩の二人で,8軒のゲストハウスを回り,フロントスタッフにチラシの配布と集客の依頼をしてくれました。

松村先生からのひと言

 抹茶味のKit Katは,道頓堀リバークルーズの乗船場所にあるドン・キホーテで見ました。おおよそベタな量販型のお土産は,道頓堀のドン・キホーテで揃います。
 さて,地下鉄動物園前の駅長室には,「大阪周遊パス2daysを買いたい」という外国人が少なからず訪れているはずです。私たちが2daysパスも置いてくださいと要望しても,現場での苦情くらいにしか捉えられていないようです。そうした声や要望が各駅から大阪市の交通局や観光局へおそらく上がっていないのでは…と感じています。それならば組織上の構造的な問題です。もう何年もそのまま放置状態なので,これからもそのまま放置されることでしょう。
 チラシの配布が終わってから,大宅と山中を誘い,西成ライブエンターテイメントフェスティバルの打ち合せも兼ね,西成警察署近くの『音呑庵』というお店に西成ジャズを聴きに行きました。
 ボーカルは私の大好きな臼井優子さん。西成ジャズのボスである松田順司さんとごく手短に打ち合わせたら仕事は終わり。後は,臼井さんの憂いを帯びた歌声を楽しみました。

2013年7月7日(日) 新今宮TIC報告 (3回生 松川和矢)

【スタッフ】濱中勝司(OB)
【報告係(本日のみ)】松川和矢
【利用者】2組6名。このうち1組2名が外国人で,フランスからの方々でした。

 七夕で快晴の本日,阪南大学国際観光学部のゼミ対抗ソフトボール大会が,本キャンパスで朝から開催されました。松村ゼミもこれに参加したため,本日は究極の人材不足。新今宮TICは臨時休業しようという意見も出るなか,経験豊富なOBの濱中勝司さんが,スタッフ入りを申し出てくださったので,「無理しない程度でお願いします」と1人で運営していただくことになりました。濱中さんは携帯メールをあまり使用されないので,報告メールは松川が濱中さんより運営の様子を伺い書いて,みんなに回しました。

 新今宮TICの外は快晴で猛暑,アスファルトの照り返しも強く,風があっても息をするのがつらいような熱風。さすがの猛暑のなか,新今宮TIC前の人通りは少なく,旅行者が歩く姿もあまり見かけなかったそうです。
 濱中さん曰く,外国人個人旅行者は旅程がタイトでないので,猛暑のなかでの行動はよほどのイベントがない限り無理はせず,昼間は冷房のきいた室内でのんびりと過ごし,日が暮れて涼しくなってから動き出す,とのことでした。
 最初の利用者は昨日大阪へ到着したフランス人男性2名で,大阪城や難波への行き方,その他にお薦めのスポットはありませんか,という問い合わせでした。まだ新世界へ行っていないということだったので,『新世界・西成食べ歩きマップ』を渡して,新世界方面へ行くことをお薦めしました。
 次は東京から来られた日本人の中年グループ4名で,このあたりのホテルは1泊いくらくらいですか,という問い合わせでした。『大阪の安い宿』を見ていただきながら,1泊1,500円から3,500円くらい,部屋は狭いけれども清潔。1,500円くらいの部屋でも寝るだけなら十分です,と答えたところ,「本当に安いのね」という反応が返って来ました。

 正午が近づくと日差しがさらに強くなり,気温が益々上昇し,道行く人の数もさらにぐっと減りました。この調子で行くと,経験上,午後からはほとんど利用者が無いと見込まれるので,「無理しない程度で」の言葉通り,午後からの運営はとりやめて新今宮TICを閉めました。
 写真は新今宮TICの道路向うの最近の風景です。黒い壁が特徴的な「ホテル来山」の手前,谷間になった建物の屋上に,路上を見張るプールの監視人のような姿を確認できるでしょうか。当初,新今宮TICのスタッフたちは「あの人,暑いなか頑張るなあ…」と感心していたのですが,これは本当の人間ではなくてオブジェでした。あいりん地区は監視カメラの多い地域ですが,このオブジェは太子交差点の方向を見張る芸術作品のようです。

松村先生からのひと言

身体を動かすのは大好きなのですが,炎天下でのソフトボールは大変。身体中の水分が2回くらい入れ替わったような1日でした。

7月13日(土) 新今宮TIC報告 (4回生 大宅和佳)

【スタッフ】関伽緒里(3),袁麗萍(3),谷河里香(4),大宅和佳(4)
【利用者】5組5名。このうち2組2名が外国人で,ポーランド,フィリピンからの方々でした。
【来訪者】松村先生,小澤美夏さん(阪南大学職員・ゼミOG),阪南大学入試広報のカメラマン2名,大阪歴史博物館職員,街歩きツアー開催日のため松村ゼミ生多数。

 本日は松村ゼミ毎年夏恒例の平野郷だんじり祭り街歩きツアーの開催日でした。この機会に阪南大学の入試広報用のビデオを撮影するということで,松村ゼミのOGでもある阪南大学職員の小澤美夏さんが,カメラマンほか3名を連れて新今宮TICへ来訪されました。
 小澤先輩は松村ゼミ4代目,私は10代目なので,さすがに現役学生時代の接点は全くありません。しかしながら,ゼミ主催のすき焼きパーティほかに,何度かお越しいただき,お話しさせていただく機会があり,お顔はよく知っていました。
 松村先生によると,小澤先輩はショートトラックの選手として,3度も冬季オリンピックに出場されたそうで,自慢のゼミ生のひとりなのだそうです。つい最近,小澤先輩は同じ阪南大学職員の方とご結婚されたそうです。おめでとうございます。
 本日の利用者からの問い合わせは簡単なものばかりで,特に情報共有すべき価値のあるものはありませんでした。私たちスタッフは,新今宮TIC運営の合間を縫って,街歩きツアーのポスターを貼り出していただいている8軒のホテルを何度か回り,ツアー参加者申込書を回収して,何名かの外国人を勧誘しました。
 この日のツアーの集合時間は16時半。新今宮TICの運営終了時には,少なくとも10名くらいの外国人がツアーに参加してくれそうな状態でした。外国人向けのツアー開催日の新今宮TICスタッフは,ツアー参加の勧誘を行い,人数を常にチェックして先生やゼミ生らに伝えるのも大きな仕事のひとつ。そのノウハウを関さんと袁さんに伝えました。

 ちなみに,松村ゼミとして外国人旅行者向けの街歩きツアーを初めて行ったのは,小澤先輩が3回生の時,2006年夏で,この記念すべき第1回街歩きツアーの模様は,NHK大阪から密着取材を受け,夕方のニュースで放映されました。私たちはゼミでその映像を見てツアー主催の方法を学ぶのですが,その映像に小澤先輩もしっかりと映っていて,松村ゼミの確かな伝統を感じました。
 さて,入試広報の取材の方ですが,松村先生は落ち着いたところでインタビューでも…ということで,ホテルセレーネのロビーをお借りして,照明器具までセッティングして本格的な撮影をされていました。新今宮TIC内でも,私と谷河の2名が松村ゼミの学生を代表して,色々とインタビュー取材を受けました。質問されるのが小澤先輩なので,全く緊張することなく受け答えできました。どのような映像ができあがるのか,楽しみにしています。
 さて,大阪歴史博物館職員は,7月3日(水)から9月16日(月)まで行う特別展,『エヴァンゲリヲンと日本刀展 EVANGELION and Japanese Swords』の宣伝を依頼に来られました。エヴァンゲリヲンの知名度はアジアでも高く,それを日本刀と組み合わせるという企画はとても面白く,新今宮界隈に宿泊する外国人にも必ず受けると思いました。早速,立て看板の空きスペースにポスターを貼り出しました。

松村先生からのひと言

 この日は複数の予定が重なったとても忙しい1日でしたが,OG小澤からの依頼を最優先しました。大宅と谷河のインタビュー取材の様子を横で見ていましたが,さすがに4回生になると,そう物怖じすることもなく,なかなかいい受け答えをするようになるな,と感心しました。

7月14日(日) 新今宮TIC報告 (3回生 松川和矢)

【スタッフ】山中彩帆里(3),松川和矢(3)
【利用者】5組5名。このうち4組4名が外国人で,イギリス,フィリピン,ポーランドからの方々でした。
【来訪者】濱中勝司さん(OB),ホテルセレーネの福本マネージャーの計2名。
 本日の利用者でただ1人の日本人男性は,朝9時過ぎ,新今宮TICの前を通りがかった際,雑談がてら声をかけて来られました。新今宮TICでは外国人旅行者への案内だけでなく,この街で暮らす方々とも,何かと交流する機会があり,それもひとつの魅力となっています。たまに酔っ払った方が特に何の用もなく来られて,本当に困ることもありますが,たいていの場合は,私たち大学生が何をしているのか興味を持ち,暖かい励ましの言葉をいただきます。
 今日から京都で祇園祭が始まり,新今宮界隈に宿泊している外国人旅行者の多くが,この蒸し暑いなか早朝から京都へと向かったと思われます。その影響からか,新今宮TIC前を歩く外国人はほとんど見かけませんでした。毎年夏になると,関西では,7月中旬の京都の祇園祭から7月下旬の大阪の天神祭と,日本を代表する大きなお祭りがあり,PL花火大会,なにわ淀川花火大会と,大きな花火イベントが続きます。

 このお祭り・イベントシーズンが夏休みと重なるので,新今宮界隈のゲストハウスは,外国人旅行者のみならず日本人観光客も含めて連日満室状態が続き,泊まりたくても泊まれない外国人からの問い合わせが増える,とゼミで学びました。今日はホテルセレーネの福本マネージャーが来訪され雑談する機会があったのですが,ホテル中央グループでは観光ローシーズンの6月でも稼働率が80%を超えるのは当たり前,7月・8月の夏休み期間は月平均稼働率90%以上が目標,とおっしゃっていました。
 さて,本日の外国人旅行者からの問い合わせなかで,今まで私が経験したことのないものが1件ありました。その問い合わせは,「身体を動かしたいので,スポーツジムへ行きたいが,近くにビジターで行けるところはないのか。」というものでした。高級ホテルならばホテル内にスポーツジムがついている場合もありますが,新今宮界隈の国際ゲストハウスでそのようなところはありません。
私と山中さんはパソコンで天王寺・阿倍野エリアのスポーツジムを調べ,1日限定の飛び込みビジター利用ができ,ウェアやシューズもレンタルしてもらえるところを見つけました。そのスポーツジムのウェブサイトから地図を印刷して,重要なところを英語で書き添えて手渡し,口頭でも説明しました。大変時間がかかりましたが,利用者の方はとても喜んでおられました。
 新今宮TICではこのように,何かを探して見つけたり調べて分からなければ答えられない,という外国人旅行者からの問い合わせがよくあります。このような初めての問い合わせがあった場合は,どの答えが最適かわからないので,新今宮TIC報告で情報共有して議論することになっています。

松村先生からのひと言

 新今宮界隈に宿泊していて最も使い勝手のいいスポーツジムは,意外でしょうが「スパワールド」です。スパワールドには本格的なウェートトレーニングもできる空間があって,普段ならば1,000円の入館料でそのジムも利用でき,温泉やプールも楽しめるので,ぜひスパワールドを薦めてください。ホテル中央グループに宿泊している人ならば,900円の割引入館料で利用できます。旅行者が身体を動かしたいという程度のニーズならば,スパワールドで必要十分,絶対にお薦めです。ただし,刺青Tattooのある人は入館を拒否されるので注意が必要です。

7月20日(土) 新今宮TIC報告 (1回生 平山あかね)

【スタッフ】山下彩帆里(3),平山あかね(2),大宅和佳(4),栃原智美(2)
【利用者】3組6名。このうち1組2名が外国人で,韓国からの方々でした。
【来訪者】濱中勝司さん(OB),ホテル太洋スタッフの計2名。

 朝に来られた韓国からの利用者は訪日リピーターの方で,4回生の大宅先輩のよると,新今宮TICでよくある訪日リピーター客からの問い合わせパターンだったそうなので,少し詳しく紹介したいと思います。
 最初の問い合わせは「天王寺動物園へはどう行けばいいのですか?」でした。簡単な問い合わせなので即答すると,次に「梅田の空中庭園へはどう行けばいいのですか?」と重ねて尋ねられました。これも簡単なので即答して,こちらから「『大阪周遊パス』をご利用ですか?」と確認すると,「はい,そうです。」とのこと。最後に「大阪城と道頓堀とHEPファイブの観覧車には行ったのですが,他にお薦めのところはありますか?」とのこと。
 通天閣も以前に登ったそうで,残るところは天保山とUSJくらいしかない…。最近リニューアルした海遊館やUSJはお薦めなのですが,『大阪周遊パス』では無料で入場できない…。私たちは天神橋筋六丁目の「大阪くらしの今昔館」と天保山の「観光船サンタマリア」をお薦めしました。『大阪周遊パス』は1度の利用では回り切れませんが,2度目の利用になると少し物足りなさを感じ,お得感も薄れることでしょう。大阪市営の地下鉄やバスを利用して主な集客施設をめぐるような,定番のベタな大阪観光は2日間が限界なのかもしれません。

 次の利用者は新今宮に泊まり就職活動されている日本人大学生で,「この辺にクリーニング屋はありますか?」とのことでした。新今宮界隈にはコインランドリーはあちらこちらにあるのですが,クリーニング屋はほとんど見かけません。ホテル中央グループなどではフロントでクリーニング依頼を受け付けているのですが,この方が泊まっているホテルにそのサービスはないとのこと。ネットで調べても,かなり離れたところばかりで,預けるのも取りに行くのも大変…。私たちは事情を説明して,そのうちの何軒かを紹介しました。
 ふと思い起こせば,新今宮界隈では,作業着やジャージ姿の人は見かけても,スーツ姿の人はほとんど見かけません。しかしながら,リクルートスーツ姿の大学生は,最近かなり見かけるようになりました。私たちからアドバイスできるとするならば,次からは,クリーニングサービスをしているホテルを調べて選んでください,ということくらいでした。
 お昼過ぎ,ホテル太洋のスタッフが,「『新世界・西成 食べ歩きMAP』の英語版をください」と来られたので,250部お渡ししました。ホテル太洋は宿泊客の8割くらいが外国人旅行者で,外国人の宿泊が年間のべ2万泊を超えるという驚異的なホテルです。写真は,ホテル太洋のフロントの様子です。さて,この機会に,新今宮TICの資料の在庫を確認しました。このMAPの在庫はあと段ボール1箱,今年作成した『大阪・新今宮ガイドブック』の在庫はもう段ボール3箱に減っていました。『大阪の安い宿』はまだ十分あります。

松村先生からのひと言

 大阪周遊パスの存在は,外国人旅行者にもかなり浸透してきました。比較的滞在が長く行動範囲も大きな新今宮界隈の外国人旅行者,とりわけ訪日リピーター客なら,大阪周遊パスは物足りなく感じることでしょう。だからこそ,新今宮界隈の外国人旅行者は,新しい観光資源を発見してくれる存在であり,とても貴重であり重要なのです。

7月21日(日) 新今宮TIC報告 (3回生 橋田翔子)

【スタッフ】橋田翔子(3)
【利用者】2組3名。全て外国人で,イギリスとポーランドからの方々でした。
【来訪者】ホテルみかどのスタッフ1名。

本日の運営は異例中の異例,当初3名のスタッフを予定していたのですが,1名からは体調不良で参加できないと当日に連絡が入り,もう1名は連絡もなく来ない状態でした。松村先生に緊急連絡を入れたのですが,この日は阪南大学のオープンキャンパス実施日で,松村先生はもちろん,他のゼミ生たちも急には応援に来られない状態でした。松村先生と相談のうえ,連絡のない1名が来るのを無理しないで待ち,もし来なければ昼までで閉めることになりました。新今宮TICは最低でも2名体制で運営する原則なので,異例の事態でした。
 イギリスから来られた利用者は,「このあたりに大きなショッピングモールはないか?」と問い合わせました。『OSAKA・SHIN-IMAMIYA GUIDE BOOK』を使い,迷わずQ’s MALLを紹介しました。この方はガイドブックそのものにも興味を持たれ,「これをいただいてもいいですか?」と持ち帰られました。
ポーランドからのカップルは,練馬ナンバーの乗用車で新今宮TIC前まで来られ,三つの質問をされました。日本語は全く分からない方々でしたので,日本在住ではなく旅行者だと思われ,レンタカーを借りて旅行されているようでした。
 最初の質問はピンポイントで三重県鳥羽市のキャンプ場の電話番号を知りたい,というものでした。これはネットで調べればすぐにわかりました。次に,大阪の地図が欲しい,とのこと。在庫が少なくなりつつあるのですが,OSAKA City Mapをお渡ししました。乗用車で利用するならば,使いにくいだろうと思いましたが,大阪の地図はそれくらいしか見当たりません。新今宮TIC備え付けの道路地図をコピーしようかと思ったのですが,「これで十分」とのことでした。最後に,この周辺にベーカリーはないか,とのこと。自動車道路沿いのベーカリーは思い浮かばず,確実な案として,天王寺のMIOか阿倍野の百貨店へ行けば,駐車場もあるしベーカリーも確実にある,と伝えました。
 ホテルみかどのスタッフは,『新世界・西成 食べ歩きMAP』を補充したいと来られました。ホテルみかどは日本人宿泊者も多く客室稼働率が高いので有名なところ。MAPの類がなくなるスピードも速いようです。写真はホテルみかどのコミュニティスペースの様子。MAPもガイドブックも印刷するのにはコストがかかり,なかなか簡単には増刷できないので,広告効果の高い宿泊客に手渡したいところです。
昼前になってももう1名のスタッフが来なかったので,松村先生と連絡をとって,この日の運営は昼までで終わりました。

松村先生からのひと言

 最近,スタッフの遅刻や欠席がたまにあります。信頼を失うのは一瞬,信頼を回復するには長い時間がかかります。自分のスケジュールは自分でコントロールできるようになってください。

7月27日(土) 新今宮TIC報告 (3回生 橋田翔子)

【スタッフ】関伽緒里(3),橋田翔子(3)
【利用者】3組4名。このうち2組2名が外国人で,ブラジルと韓国からの方々でした。
【来訪者】松村先生,阪南大学総務課広報担当職員の井上敦友さん,読売テレビの取材班3名,ホテル中央グループの山田英範社長の計6名。

 今日は運営開始から何かと賑やかでバタバタした1日でした。読売テレビ『朝生ワイド す・またん!』の取材班3名が朝から来られ,取材対応のため,松村先生と総務課広報担当の井上さんも来られました。明日7月28日(日)は「なにわ」の日で,毎年この日に「なにわ大賞」が発表されるそうです。松村先生がその「なにわ大賞」のどれかを受賞されたらしく,「普段どのような活動をされていて受賞されるに至ったのか?」という趣旨で取材に来られていました。
 私たちスタッフは淡々と利用者を待ち受けていたのですが,この日は猛暑で,新今宮TIC前の人通りがほぼない状態でした。読売テレビの取材班は,やはり外国人が新今宮TICを利用している様子を撮影したいとのこと…。
 ようやく来られたのがブラジルからの男性で,「京都の祇園へ行くにはどうしたらいいのか?」という問い合わせでした。松村先生が『大阪の安い宿』のAccess from Shin-Imamiyaの箇所を利用して,地下鉄堺筋線に乗り淡路駅経由で阪急京都線乗り換え河原町駅到着,という方法をお薦めされました。京都祇園行きの方法としては,この方法が安くて徒歩での移動が最も少ないため,今日のような猛暑の日は最適だそうです。
 ただし,切符の買い方が少し難しいので,私と関さんが地下鉄堺筋線動物園前駅の改札まで同行案内しました。その途中でこのブラジル人男性は,読売テレビの取材にも応じてくださいました。
ところがこれ以降,利用者はバッタリと来なくなり,来られても,取材して面白いような問い合わせ内容ではなく,読売テレビ取材班はとても困っておられました。利用者のいない合間は,私や松村先生のインタビューを録画したり,外国人旅行者が街なかを歩く姿などを撮影しに行かれていましたが,実に利用者が少なく変化や動きに乏しい1日でした。

 取材班の方々は朝9時から16時の運営終了時まで粘られましたが,結局その後も,画像で紹介して面白いような外国人利用者は来られませんでした。私たちはせっかく取材に来ていただいたのに「何かすまないなあ…」という気持ちで一杯でしたが,利用者が来ないのだけはどうしようもありません…。
 ディレクターの方は「松村先生や橋田さんのインタビューをつないで何とか仕上げます」とおっしゃっていました。オンエアー予定は「なにわ大賞」発表の翌7月29日(月)の早朝,「何か大事件や大事故などがおきたら,すいませんが,放送されない場合もあります…」とのことでした。オンエアーを楽しみに待ちたいと思います。

松村先生からのひと言

 この日は私もずっと取材対応していましたが,7月末にしては不思議なほど,とても暇な1日でした。暇だったこともあり,新今宮TIC内で橋田さんや私がインタビュー取材を受けたので,そちらが使われるかもしれません。いつものことですが,取材を受けた後は,どのように編集されてオンエアーされるのか,私も楽しみにしています。

7月28日(日) 新今宮TIC報告 (3回生 松川和矢)

【スタッフ】袁麗萍(3),松川和矢(3),山下喜央(3),許善美(3)
【利用者】1組1名。日本人の方でした。
【来訪者】松村先生,村上恵美さん(4),濱中勝司(OB),山田六郎さんの計4名。

 本日の利用者は日本人男性1名のみでした。それも新今宮TICに何か情報を求めて来られた訳ではなく,新今宮TIC前で宣伝している大衆演劇のポスターの一部に間違いがある,とわざわざご指摘していただきました。
 今日は7月最後の運営日でもあり,スタッフも4名と充実していたので,私と山下君の男性2名が昼14時過ぎから自転車で,8月公演のポスターをいただきに大衆演劇の劇場を回りました。いずれの劇場もお忙しいなか快く対応していただき,オーエス劇場,鈴成座,梅南座,朝日劇場,浪速クラブと,全ての劇場の8月公演のポスターが揃いました。利用者が少なく暇な1日でしたので,ポスターの貼り替え作業もたっぷり時間をとって行いました。

 本日の運営報告はこれくらい。その他としては,8月9日(金)から8月14日(水)まで,西成ライブエンターテイメントフェスティバル2013が行われるので,大衆演劇や動楽亭,西成ジャズのスケジュールなどを確認したくらいでした。
 しかしながら,本日はとても充実した1日でもありました。10時半過ぎ,松村先生と村上恵美さんが新今宮TICへ来訪されました。今日は7月28日で「なにわの日」,12時から「なにわ大賞」各賞の贈呈式(もーてー式)が住吉大社吉祥殿にて開催されるとのこと。松村先生のところには,「何か賞を受賞されましたので,もーてー式に来てー」と事前連絡があったそうで,ゼミ生代表として出席する村上さんと新今宮TICで待ち合わせされていました。
 そこで思いもかけず松村先生から,「ソンミ(許善美・韓国慶熙大学からの交換留学生)に住吉さんを見せてあげたいし,街歩きツアーの下見にもなるし,ランチブレイク利用して,みんなで来るか?」とお誘いいただきました。私たちは喜んでご一緒させていただくことになり,阪堺電車の南霞町駅からチンチン電車に乗って,住吉大社へと向かいました。住吉大社到着は11時過ぎ,贈呈式は12時からということで,私たちは松村先生のご案内で,住吉大社のなかをゆっくりと参拝して回り,吉祥殿へ。

 吉祥殿へ入ると,そこは予想を遥かに超えた本格的な贈呈式が準備されていました。関係者のなかにはスーツ姿はもちろん,蝶ネクタイ姿や和服で正装されている方もおられました。私たち学生はもちろん普段着,松村先生もいつもと全く変わらない服装,かなり場違いな雰囲気が漂いました。
 本年度の「なにわ大賞」入賞者は9件で,特別賞6件の発表から始まりましたが,松村先生の名前は呼ばれませんでした。残るは大賞1件と準大賞2件の発表のみ。私たちもドキドキしながら見ていたのですが,結果は「大賞」。選考委員長の難波利三先生は「あんたはえらい!」と松村先生に表彰状をお渡しされました。さすが面白いことをアドリブでおっしゃるなと感心していたのですが,後で松村先生に表彰状を見せていただくと,本当に「あんたはえらい!」と書いてありました。
 私たちは贈呈式にだけ参加して,昼からは新今宮TICの運営に戻りましたが,大阪を代表するような方々が集うなか,松村先生が「なにわ大賞」に選ばれたことをとても嬉しく誇らしく思いました。

松村先生からのひと言

 この7月は,新今宮TIC利用者がとても少なかった,という印象です。猛暑が続いたこともあるでしょうが,新今宮界隈のホテルの外国人宿泊実績は好調のようなので,各ホテルのフロントの対応能力が強化されたのかもしれません。
 なにわ大賞の受賞は,本当に意外で光栄でした。これからもこれを励みに,いちびりたおします。