2012年12月15日(土) 新今宮TIC報告(レポーター:2回生 橋田翔子・2回生 関伽緒里)

【スタッフ】関伽緒里(2),橋田翔子(2),平山あかね(1)
【利用者】9組12名。このうち8組11名が外国人で,韓国,オーストラリア,香港,台湾,プエルトリコからの方々でした。
【来訪者】西成区役所職員,ホテルMIKADOスタッフ,松村先生と日本都市計画学会のフィールドワーク参加者14名,松村先生のいとこの計18名。
 今日は利用者も来訪者も多い1日でした。冬の国際観光ローシーズンのこの時期,新今宮に宿泊する外国人旅行者は,アジアからの旅行者かオーストラリア人で,LCCで訪日された方が多いのが特徴です。この日の利用者はまさにその特徴を物語っています。

 朝イチで来られた韓国人女性は,難波まで自転車で行きたい,阪神電車に乗って神戸へ行きたい,との問い合わせで,おそらく訪日リピーター客の方だと思いました。

 その後に来られたオーストラリア人男性は,この寒いなか汗だくのランニング姿でした。昨日に四天王寺,一心寺,通天閣に行ったので,それ以外のところで大阪でお薦めの観光スポットはありませんか,という問い合わせでした。大阪城,OSAKA光のルネッサンスなどをお薦めしたところ,「大阪城まではどのくらいの距離?」という意外な質問。新今宮から大阪城までは8キロくらいなのですが,そのまま走って大阪城へ行かれました。

 今日の利用者のほぼ半分がオーストラリア人,ぼちぼちとオーストラリアからのスキー客が増えて来る頃です。新今宮に宿泊されるオーストラリアからのスキーヤーは,冬季オリンピックが開催された長野県のゲレンデへ行かれることが多いそうです。長野県のスキー場情報や移動方法を調べておく必要を感じました。(以上,橋田翔子)

 本日の来訪者,西成区役所の職員さんは,「西成区のイベントで配布するので,『新世界・西成 食べ歩きMAP』をいただきに来ました」との用件でした。松村先生から事前に連絡を受けていたので,中国語版200部をお渡ししました。ホテルMIKADOスタッフも,「『新世界・西成 食べ歩きMAP』の英語版をください」と来られました。ところが,英語版に関しては,「在庫がもうあまりなく,50部ほどしかお渡しできません」と伝えると,「それは困る! 英語版は人気なのでぜひ増刷してください!」とのことでした。先輩方の作成したMAPが必要とされていて,たくさんの方々に利用していただけているのを実感するとともに,英語版を早く増刷しなければならないと思いました。

 13時半過ぎ,写真のように,松村先生が日本都市計画学会関西支部主催のフィールドワーク参加者たちを引き連れて,新今宮TICへ来られました。人数が多くてTIC内に入れなかったので,外で私たちスタッフがTICについての簡単な説明を行い,松村先生がその説明を補足され,色々と質問も受けました。今日は午前中に6組の利用者があり,その全てが外国人で,この時期ならではの特徴があります,と私たちが具体的に記録ノートを見せながら説明すると,何度もうなずいておられました。TICでの滞在はわずか5分くらい,その後は,地域の外国人受入れ事情の視察に行かれました。(以上,関伽緒里)

松村先生からのひと言

 12月15日(土),この日何と私は五つの予定が重なりました。残念ながら身体は一つなので,私が行かなければどうしようもない予定を優先。そこで,日本都市計画学会関西支部主催の「観光都市のブランディングによる経済効果と公共投資─大阪に持続可能な賑わいと経済効果を生み出す国際観光都市のあり方─」という集まりに参加しました。私の役割は新世界から西成にかけての地域のフィールドワーク案内,座談会での話題提供でした。座談会では「西成特区構想と天王寺あべののまちづくりの現場から」というタイトルで,まさにまちづくりの今を語りました。

 TICでどのような活動をしているのか,この日のスタッフに説明してもらいましたが,フィールドワーク参加者は後になってから,彼女らが2回生や1回生であることを知り,驚いてらっしゃいました。

2012年12月16日(日) 新今宮TIC報告(レポーター:4回生 清水翔平・2回生 関伽緒里)

【スタッフ】清水翔平(4),関伽緒里(2),谷口真帆(1),濱中勝司さん(OB)
【利用者】4組4名。このうち3組3名が外国人で,香港,プエルトリコ,韓国からの方々でした。
【来訪者】産経新聞記者,松村先生,いつもパンフレットを持って来てくれるおじさん,大阪市立大学3回生の女子学生の計4名。
 今日は新聞取材があったり,大阪市立大学の学生が来訪したりで,質問に答えることの多い1日でした。朝10時過ぎから,産経新聞の記者がTICに来られ,スタッフ全員に松村先生も加わり,TICの活動やそれに参加して自分がどう変わったのか,TIC活動のやりがいなどなど,色々と質問を受けました。その後に来訪した大阪市立大学の学生も同じような質問をしていました。私にとっては,TIC活動と関わったこれまでの経験を振り返るいい機会になりました。関さんも谷口さんもスタッフとしての経験は長くないのですが,TIC活動の意義をしっかりと理解して,自分の意志から積極的に参加しているので,とてもしっかりと受け答えしていました。

 今日来られた利用者は全員,リピーターの方々でした。朝イチの香港人女性は,大阪城ホールへの行き方を教えて欲しいと来られたのですが,お話ししていると,堂本剛さんのファンで,そのコンサートへ行くとのことがわかりました。スタッフの関さんが大のジャニーズファンで,ファン同士の会話が弾みました。

 プエルトリコ人女性は,四天王寺,大阪城,天神橋筋商店街,道頓堀への行き方を教えて欲しいと来られたのですが,それを1日で回られるのならば,大阪周遊パスが便利で安く楽しい,とお薦めしました。大阪周遊パスは,韓国や台湾からの観光客にはかなり浸透していますが,欧米やそれ以外の地域の方々はご存知ないことが多い気がします。

 空いた時間を利用して,写真のように看板のWelcomeボードを作成し張り替え,TIC内の資料を整理しました。Welcomeボードは関さんと谷口さんがデザインを考え作成してくれました。

松村先生からのひと言

 松村ゼミの取材対応,特に新聞取材の場合は,基本的にいつも通りの普段通り。記者が取材に来られた日に,たまたまスタッフ入りしていた学生が対応します。他人に向かって自分のことや仲間との活動のことを語って理解してもらうのは,なかなか大変な作業です。私でも「ああ,こう言っておけばよかった」と,後になってから思いつくことがよくあります。取材を受けた今日のスタッフも,おそらくそう思っていることでしょう。

 普段から,自分の関わる活動がどのような意味を持っているのか,どのように役立っているのか,そのあたりを意識して参加する姿勢が重要です。ただ単に動いているだけではダメ,活動の意味や意義を意識して理解して動いていれば,動くのが楽しくなり動きも変わります。私もしっかりとゼミ生たちに,意味や意義を語り続けたいと思います。
※この教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。