【松ゼミWalker vol.109】松村ゼミがJTB交流文化賞優秀賞を受賞しました!!

京王プラザホテルでの授賞式に参加して(3回生 吉田あゆこ)

 このたび松村嘉久研究室が,「学生ボランティアが運営する新今宮観光インフォメーションセンター」という作品で,第8回JTB交流文化賞で優秀賞を獲得しました。その授賞式が2013年1月17日(木),東京の新宿都庁前にある京王プラザホテルで行われ,松村先生,小路望(4回生),谷河里香(3回生),吉田あゆこ(3回生)の4名が参加しました。

 私たち4名は授賞式当日14時半,京王プラザホテル4階の交流文化賞控え室に集合,他の受賞者の方々や選考委員の先生方も続々と集まられました。控え室では交流文化賞事務局の方から授賞式についての説明があり,その後は他の受賞者や選考委員の先生方と談笑しながら,授賞式本番を待ちました。

 16時少し過ぎ,係りの方の案内で授賞式会場へと移動したのですが,そこは軽く500名くらいは収容できそうな大きな空間。授賞式が始まる頃になると,JTBグループの関係者のほか,全国各地から集まった観光関連の企業や団体の方々で満席状態でした。

 授賞式は個人対象の交流文化体験賞のジュニア部門から一般個人部門へと進み,組織・団体対象の交流文化賞の表彰へと移りました。交流文化賞を受賞した3作品の概要が,司会者による説明のもと舞台の大スクリーンで紹介され,各団体から代表者2名の名前が呼ばれて壇上にあがりました。松村研究室からは松村先生と小路さんが壇上へ。

 表彰状と記念品の贈呈は,最優秀賞の「一本杉町町会(石川県七尾市)」,優秀賞の「株式会社南都(沖縄県南城市)」の順に行われ,贈呈式の最後が,私たち松村嘉久研究室(大阪府松原市)でした。

 まずJTB田川博己社長から小路さんへ表彰状が贈呈され,続いて,松村先生へガラス製の花瓶が記念品として贈呈されました。ガラス製の花瓶は壇上の全ての受賞者に贈呈されたのですが,これが北海道小樽市の北一硝子が製作した手作りの貴重品。各受賞作品のイメージに応じて異なるデザインが花瓶に描かれています。

 私たちの花瓶には,通天閣をバックに学生が外国人旅行者を案内している,という構図が描かれていました。松村先生はとても嬉しそうにこの花瓶を見ておられました。

 受賞コメントで松村先生は,あいりん地域が地域社会と学生たちとの協働で大きく変わりつつあることを強調され,「国際観光学を学び観光まちづくりを志す学生にとって,JTB交流文化賞は最高の栄誉です。ゼミ生たちは卒業した者も含めて,これからも胸を張って誇りを持って,社会で活躍してくれると思います。ありがとうございました。」と締めくくられました。

 選考委員の政所利子先生からいただいた講評でも,「民設学営」という運営形態の斬新さ,地域との連携と地域への働きかけ,若い学生ボランティアの発想と活躍などを褒めていただきました。JTB田川社長や選考委員の先生方との記念撮影では,フロアにいた谷河と吉田も壇上にあがり加えていただきました。1時間くらいの授賞式でしたが,あっという間に終わった気がしました。

 居心地の良かった控え室,控え室から授賞式会場への誘導,ひとつひとつデザインが異なる花瓶…。JTBのブランドスローガンは「感動のそばに,いつも。」ですが,色々な場面で随所に細やかな心配りが感じられました。授賞式に参加して,感動すると同時に,プロフェショナルなおもてなしの現場を学びました。

授賞式後の懇親会に出席して(3回生 谷河里香)

 授賞式の後は,京王プラザホテル5階のコンコードボールルームに場所を移して,懇親会がありました。JTBスタッフの誘導で懇親会会場に入ると,まず規模の大きさに驚きました。正面の壇上には「2013年新春経営講演会懇親会」の看板がかかり,立食パーティでしたが,出席者は軽く500名を超えるくらいいたと思います。私たち受賞者にも,専用のテーブルが用意されていました。料理も豪華で美味しく,コックがその場で最終的に仕上げて提供する本格的なものでした。

 出席されていたのは,JTBグループの関係者はもちろん,全国各地の有名なホテル,集客施設,観光行政などの方々でした。食事をしながらも,あちらこちらで名刺交換が始まり,私も先生のアドバイスで名刺を大量に持参していたので,人生初の名刺交換を経験しました。懇親会出席者の多くが授賞式も見られていたので,松村先生の所へ多くの方々が名刺交換に来られ,私たちも話の輪のなかに入らせていただきました。
懇親会が終わる頃,松村先生のポケットには分厚い名刺のたばが…。後で私たちも見せていただいたのですが,いずれも日本を代表する観光関係のVIPばかり…。学生の世界とは全く違う,最先端の社会人の世界にふれることができました。

JTB交流文化賞を受賞して(4回生 小路望)

 私は授賞式の当日まで,JTB交流文化賞優秀賞を受賞した意味をよく理解できていませんでした。当日になり,京王プラザホテルにチェックインして豪華な部屋に驚き,控え室で他の受賞団体の素晴らしい活動を知り,授賞式会場に入ってその雰囲気に圧倒されました。
 そしてようやく,松村先生と一緒に,ゼミ生を代表して壇上で表彰状をいただく重みを実感し,緊張が一気に高まりました。

 私たちの活動は,決して私たちの力だけでできることではありません。松村先生やゼミの先輩方が地域の方々と協力して活動を続け,その活動を通して地域の方々から信頼を得てきたからこそ,いま私たちが活躍できています。ゲストハウスのスタッフ,地域の商店の方々,西成LOVEフェスを応援していただいた方々,協力し合い頑張ったゼミの仲間や後輩たち…。みんなに感謝したいと思います。素敵な授賞式を経験させてくださったJTBの方々,優秀賞に選んでくださった選考委員の先生方にも感謝いたします。

 私たちにとって地域で活動するやりがいは,日々変わり行くまちの様子を現場で見て,その変化に貢献できていると実感できること,そして,それを地域のなかの人にも外の人にも知ってもらい,私たちの活動の意義を理解していただくことです。私たちのゼミでは,地域の将来のためにも,自分たちの活動を振り返るためにも,活動してきたことや地域の変容を,外に向かって積極的に発信するよう心がけています。今回の授賞式は全国から観光関係の企業や団体が集まるなか行われ,JTBのウェブサイトでも私たちの活動を紹介していただけるので,地域にとっても必ず追い風になると信じています。

 今回のJTB交流文化賞の受賞式で,みんなが憧れるJTBの方々や日本の観光業界を代表するような方々から,たくさん褒めていただきました。その喜びを仲間や後輩たちとだけでなく,卒業した先輩方や地域の方々とも分かち合うとともに,後輩たちには,これからもこの受賞を励みに,より良い活動を目指して頑張っていって欲しいと願います。

 私たち松村ゼミ9代目は,卒業式まであと2ヶ月を残すのみ。大学生活の最後にこのような素晴らしい賞をいただけたことを,みんな心から喜んでいます。そして,松村ゼミで楽しく充実した日々を送れたことを,みんな心から感謝しています。

松村先生からの長めのひと言

 JTB交流文化賞の存在を知ったのは,たしか2010年3月,観光庁主催の会議後の懇親会でのことだったと記憶しています。基調講演のためJTB佐々木隆会長が来られていて,懇親会で名刺交換する機会をいただきました。その際,新今宮TICでの活動をご紹介させていただいたところ,佐々木会長からJTB交流文化賞のことを教えていただき,「ぜひ応募されてはいかがですか」,とその場でお薦めいただきました。

 大阪へ帰ってから調べてみると,既存のマスツーリズムとは異なる「交流文化」という概念や,「一過性のイベントではなく持続可能な観光の創造」という趣旨は,まさに私たちの活動とピッタリ合うものでした。過去の受賞作品を見ても,観光学や観光まちづくりの模範となるような取り組みばかり。

 それ以来,新今宮地域で淡々と活動を続けながら,私たちの活動がそのうちいつか,JTB交流文化賞で評価されるようなものになればいいな…と,究極の目標というか,励みとしてきました。ですから,このたびのJTB交流文化賞優秀賞の受賞はとても嬉しく,新今宮TICの運営を支えてきてくださった全ての方々に感謝し,ともに誇りたいと思います。ありがとうございました。

 2012年秋から2013年春にかけて,松村研究室ではこれまでの新今宮地域での活動を,もう一度しっかりと振り返り,次へのステップを考える糧にしよう,と議論を深めてきました。そのなかから見えてきたのは,新今宮TICはやはり【現場共育】の場であり,第一に教育研究の現場であり,第二に社会貢献の現場であり,第三に観光まちづくりの現場である,という特色でした。

 2012年秋から研究室内で役割分担して,社会人基礎力育成グランプリ,CB・CSOアワード,JTB交流文化賞へ挑戦してきましたが,これは三つ特色を持つ現場での成果をそれぞれ個別に問う,かなり欲張りな試みでした。そして,そのいずれでも高い評価を得られたことで,新今宮TICが歩んできた方向性は,決して間違っていなかったと証明されました。これからも,歩むべき方向性は見失わず,色々な人たちの力を借りて,進化と深化を模索しながら,学生たちとともに,淡々と歩んでいきたいと思います。関係する皆さん,今後ともどうかよろしくお願いいたします。