【松ゼミWalker vol.107】 2012年後期,松村ゼミの挑戦

さあ,何しよう…何か面白いことはないか!! (レポーター:4回生 昌山志保)

 阪南大学国際観光学部松村嘉久研究室は,谷河里香・村上恵美・吉田あゆこ(全て3回生)をプレゼン発表者として,「社会人基礎力育成グランプリ2013(社会人GP)」の近畿地区予選大会に出場しました。その結果,準優秀賞を獲得できたことは,すでにウェブサイト記事で紹介されました。

 社会人基礎力育成グランプリ2013へ松村ゼミで応募することが決まったのは,9月末の後期授業に入ってから,谷河さん・村上さん・吉田さんの3名が発表者に決まったのは,同グランプリ応募締め切り間際の10月中旬でした。
 というのも,2012年後期,松村ゼミは実にたくさんの課題を抱えていました。大前提として,新今宮TICを淡々と運営する,これは絶対に変わりません。そのうえでまず,11月中旬から,「西成ライブエンターテイメントフェスティバル2012(西成LOVEフェス)」を開催することが,9月末早々に決まりました。
さて,そのうえで,松村ゼミの基本方針は,外へ向かってゼミや新今宮TICでの活動を発信すること。この他に何をやろうか…,何かやりがいがあって面白いことはないか…みんなで探そう…という話になりました。そこでみんなで手分けして,ネットで面白そうな挑戦がないのか調べました。その結果,面白い話がいくつかあって,さてどれに取り組もうかと,真剣に議論することになりました。

誰が何を担当する…?! (レポーター:4回生 井上咲季)

 西成LOVEフェスに向けての準備計画を立てた後,ゼミで議題にあがった主な興味深い取り組みは,以下の四つでした。
1:「キャンパスベンチャーグランプリ2012」への応募
2:「社会人基礎力育成グランプリ2013」への応募
3:「CB・CSOアワード2012」への応募
4:「第8回JTB交流文化賞」への応募
 このうち,1は昨年,4回生の小林志帆さんらが優秀賞を獲得したものです。今年は「新今宮観光インフォメーションセンターの独立採算事業化」をテーマに,ビジネスプランを立案することになり,4回生の昌山志保・兪穎伶さんが中心となり,留学生たちが支援することになりました。
 3はCB(Community Business)やCSO(Civil Society Organization:市民社会組織)の活動に関するプレゼン大会で,松村ゼミの活動とぴったりと合致するので応募することになり,4回生の高橋菜央さんと3回生の大宅和佳が担当することになりました。4も松村ゼミの活動と合致する賞でしたが,観光まちづくりを行うプロの団体が集まるので,さすがに学生では荷が重く,松村先生がゼミを代表して担当することになりました。
 そんななか,最後に残り,「さて…,どうしようか…」となったのが,2の「社会人基礎力育成グランプリ2013」でした。一番の問題は,このグランプリの開催時期でした。

出るからには決勝へ行きたい,でも決勝へ行ったら…来年に… (レポート:4回生 小路望)

 社会人GPの日程は,近畿地区予選大会が11月27日(火),全国決勝大会が来年の3月4日(月)と決まっていました。このGPでは2010年に,松村ゼミ7代目の先輩方が全国大会で準グランプリを獲得されました。その偉業を継承するためにも,中途半端な気持ちでは参加できません。そんななか,松村先生より「あの頃のゼミ生よりも,今のゼミ生の方が,地域にとって,役立つ仕事ができている。」とのお言葉をいただき,エントリーする決心はできました。
 問題は誰がこのグランプリでプレゼンするのかでした。予選大会と決勝大会のメンバーは入れ替えられないため,来年3月初旬に決勝大会があることから,就職決定先企業での研修ほかとの関係から,4回生を中心にメンバーを組むことは断念。
 残り少ないゼミ生のなかで,松村先生がプレゼン担当の意志を確認したのは,3回生の谷河さん・村上さん・吉田さんの3名でした。「たいがい大変や,みんなの代表やから覚悟いるで,やるか?」との松村先生の問いかけに,3名ともうなずきました。

パワーポイント作成は大変でした!! (レポーター:3回生プレゼン担当 村上恵美)

 プレゼンテーションはパワーポイントで行うということで,10月中旬からその準備に取り組みました。松村先生からのアドバイスは,「パワーポイントを安易に作りにかかると,深みにはまって時間がなくなる。だから先に映画の絵コンテのようなものを作り込みなさい。」でした。
 ところが,この絵コンテ作りの作業がとても大変。どのタイミングでどんな図や写真を入れ,どのような文章を書き込むのか,三人で分担して持ち帰り,大学へ持ち寄っては松村先生からアドバイスをいただく,という日々でした。
 プレゼンのパワーポイント資料の提出締切りは11月9日(金),このプレゼンの中心のひとつとなる西成LOVEフェスは,11月16日(金)から25日(日)までの開催,近畿地区予選大会が11月27日(火)。西成LOVEフェスについては,準備のプロセスは何とか盛り込めましたが,その結果については,当然ながら間に合いませんでした。

 私たち発表者も西成フェスの準備を手伝いましたが,先輩たちや仲間が私たちの負担を減らすよう配慮してくれたので,この予選大会のプレゼンの作成と練習に集中させてもらいました。印象に残っているのは,西成LOVEフェスの最終日11月25日(日),フィナーレとなる西成ジャズのライブを新今宮TICで待ちながら,松村先生や先輩方に実際にプレゼンを見ていただき,多くのアドバイスをいただいたことです。
 プレゼン大会前日の11月26日(月)にも,松村先生と発表者3名が揃って,プレゼンの最終チェックを行いました。発表内容をかなり削ったので,時間的には余裕があり,落ち着いて対応さえすれば,プレゼンは全く問題ない状態になりました。26日は質疑応答の対策も考え,プレゼン当日を迎えました。
 私たちのプレゼンは午後からの2組目ということもあり,全く緊張はしませんでした。実際に発表が始まっても特に緊張はせず,練習通りにプレゼンできました。質疑応答は発表当日の朝に,私が答えて谷河と吉田がフォローするということに決まったので,少し戸惑いましたが,質疑応答の時間がそう長くはなく,質問も三つくらいだったので,そう大きな問題なく答えられたかと思います。
 結果発表の時,私たちはドキドキしながら待っていましたが,結果は準優秀賞。優秀賞をもらって全国大会へ行くことを狙っていたので,少し悔しかったのですが,自分たちのやってきたことを発表して,その評価を確認できたので,良かったと思いました。

いくつかの苦労を乗り越えて!! (レポーター:3回生 谷河里香)

 私はこのグランプリに出場を決めてから,いくつかの苦労を乗り越えました。ひとつは絵コンテの作成です。パワーポイントを作る前段階の作業で,文字や画像がどのタイミングでどのように出てくるのか,その効果や聴衆の反応をひとつひとつ考えながら書き出していきました。途中,何度も何度も先生に添削してもらっては書き直す,その繰り返しで,本当に提出期限ギリギリで完成しました。
 もうひとつの苦労は,私がプレゼンする言葉やしゃべり方の問題でした。プレゼンの練習で何度も松村先生や先輩方に見ていただいたのですが,とても厳しい現実を突きつけられました。私は聴き手に自分の想いを分かりやすく伝えようと,ゆっくり,はっきり話すように意識していました。ところが,それを意識するあまり,言葉や文章の終わり際で語尾が上がり,先輩方から「幼稚っぽく聴こえる」との指摘を受けました。

 また,プレゼンの途中で大阪弁の部分があり,「イントネーションが少しおかしい」,「もっとはっきりと元気よく言い切るべき」,「ここがプレゼンの大事なところやから…」などのアドバイスをいただきました。帰宅してからも,家族を相手に練習を重ねました。
 プレゼン前日の予行演習では,トータル14分以内のプレゼンが,みんなで何度か試したところ,おおよそ13分で終わりました。松村先生からの最後のアドバイスは,「普通にプレゼンして,1分余るくらいやから,たいがいのことがあっても大丈夫。上手くプレゼンすることも大切やけど,何をやってきたんか,その内容の方が大事や。その点でうちのゼミは絶対に負けへん。それに,賞なんかもらえんでも,かまへんねん。賞をもらうため,活動しとるんちゃうねんから。」という趣旨でした。
 近畿地区予選大会の当日,応援に駆けつけてくれた先輩方からは,「練習よりも本番の方がずっと良かった」,ポイントとなる大阪弁のところも,「今までで一番できてたよ」と言っていただき,とても嬉しく思いました。結果は準優秀賞で近畿地区予選大会突破はなりませんでしたが,私は満足しています。
 松村先生が日頃からおっしゃっているよう,私たちの活動の目的は,地域の発展に役立ち,地域イメージの改善に向けて情報発信することです。その目的は充分達成できました。私個人としては,この大会に出て,これまで苦手だったのですが,人前に出て緊張感のあるなかでプレゼンする経験をできたのが,大きな収穫となりました。

社会人基礎力グランプリ2013に参加して!! (レポーター:3回生 吉田あゆこ)

 プレゼン当日までの私たちの作業は,松村ゼミが2012年4月から行ってきた様々な活動のなかから,この大会に適したものを厳選し,それを上手くパワーポイントのなかに盛り込み,限られた時間内でそれを伝える練習でした。プレゼンの微調整は,大会前日のギリギリまで行いました。
 プレゼン大会の当日,他の大学の活動内容などを聴いて,改めて,松村ゼミの活動の量と質,内容の豊富さと濃さを実感し,それを当たり前のようにこなしている先輩や仲間や後輩が,自分の周りに存在していることを誇りに思いました。
 プレゼンの内容をシェイプアップしている時,松村先生はよく,「プレゼンの時間が短すぎるねん。1時間のプレゼン大会やったら,うちのゼミは圧勝や。」と嘆いておられました。このグランプリに出場して,他の大学のプレゼンを聴いて,その意味が良く理解できました。

 私たちは,これまで先輩方が積み上げてくださった経験と,地域との良好な関係性を引き継いで,活動を行ってきました。私たちの先頭を走る松村先生は,最先端,最前線の状況を正確に把握して,惜しみなく私たちに伝え,「この先,どうしたらええと思う」,と相談してくれます。松村先生の活動力が私たちのゼミ活動を支え,私たちのゼミ活動が松村先生の活動力を支えている,そんな一心同体のような良い関係性が,今後もずっと受け継がれていくと感じました。
 「社会人基礎力育成グランプリに出場して,自分自身で一番成長できたと思うところはどこか?」,大学広報担当の取材のなかで私はそう尋ねられました。プレゼンした3名の想いは違いますが,私はあえて,「このグランプリ出場を通して得られた成長はあまり感じない」,と答えました。
 そう答えた理由はこうです。新今宮TICの日々の運営,外国人旅行者とのまち歩きツアー,地域社会との日常的で密接な関わり,年間何件もある取材依頼とその対応,色々な来訪者が持ち込む協働などなど,松村ゼミの一員として,TICで活動していると,関わるべきことが次から次へと起こり,それに対応してやり抜くだけで日々成長できるからです。私が経験した日々の成長と,社会人基礎力育成グランプリへの出場で得られた成長を比べるならば,圧倒的に日々の成長の方が頻度も多く質も高く,グランプリへの出場はほんの小さな単発の出来事に過ぎません。
 東京で行われる全国大会へは進出できませんでしたが,そんなこととは全く関係なく,私たち松村ゼミの活動は,これからも当たり前のように続き,日々成長できる機会に恵まれています。

グランプリでの発表を見学して…(レポーター:3回生 大宅和佳)

 私は今回のグランプリで,同期の仲間が発表する姿をムービーで撮影しようと思いました。もし,全国大会に進出できたら,ムービー撮影したプレゼンを見直して洗練できたらいいな,との想いからでした。
 しかし,私が持参した三脚が思いのほか小さく,どうしようか困っていたところ,私たちの前に発表する京都産業大学の学生さんから,三脚を貸していただき,無事撮影できました。
 プレゼンをした三名のゼミ代表は,よく頑張っていました。私はビデオを構えて見ているだけでしたが,自分がプレゼンしているかのように,緊張してしまいました。
 プレゼン担当の三名は,絵コンテを作り,発表文章を考え,何度も何度も練習して,先生や先輩方にアドバイスを受け,そのアドバイスに対応して練習し直す,という繰り返しでした。
 他の大学のプレゼンを聴いていると,「それだけ…?」と思うこともありました。松村ゼミは本当に色々な活動を行ってきたので,プレゼンに盛り込みたいことがいっぱい。そのなかでシェイプアップにシェイプアップを重ねたプレゼンでした。他の大学が制限時間をいっぱいに使い語っているような活動を,松村ゼミは一枚のスライドのなかでサラッと1分ほどで流している,そんな印象を受けました。
 準優秀賞を獲得したプレゼン発表者3名には,本当に感謝しています。何度も何度も練習し,色々な方の意見を伺い,プレゼンを磨き上げた成果が出たと思います。

松村先生からのひと言

 社会人基礎力育成GPで発表した3名は,良く頑張ったと思います。この11月,ゼミとしては,GP参加よりも西成LOVEフェスを重視して動いていたので,私が3名に割ける時間は少なく,3名とも西成LOVEフェスの準備を手伝いながらの挑戦でした。

 結果は準優秀賞でしたが,大事なのはプロセス。あの11月なかばの異常な状況のなかで,色々な活動をこなして乗り越えながら,みんなで時間を調整して集まり,プレゼンを作り上げたことに意味があります。
 3名とも普段から喜怒哀楽をあまり表に出そうとしないクールな性格。加えて,村上さんは鹿児島県出身,吉田さんは神奈川県出身で,大阪でのプレゼンはアウェイ戦。みんな頑張ってテンションをあげて,アツく語っていたと思います。谷河さんの大阪弁での微妙な言い回しも,上手く言えていました。GP後の懇親会は,新3回生11代目ゼミ生の歓迎会も兼ねて行いました。
さて,その他の挑戦について。「キャンパスベンチャーグランプリ2012」は書類審査で落ちた,との報告が学生からありました。とても良いプランだったのに残念です。やはり,国際観光の現場に造詣の深い方が審査に加わっていないと,なかなか高くは評価してもらえないのが現状だと思います。
 「CB・CSOアワード2012」は一次選考を通過して,12月15日(土)開催のプレゼン大会への出場が決まりました。この日,松村は日本都市計画学会主催の座談会とフィールドワークで終日予定が詰まっているので,プレゼン担当の高橋菜央・昌山志保・小林志帆・大宅和佳に任せました。ゼミ生は応援も含めて,よろしくお願いします。
 「第8回JTB交流文化賞」は,松村が研究室を代表して,11月末に東京へプレゼンに行ってきました。学会発表は慣れているのですが,この手のプレゼンをする機会は稀で,さすがに私も緊張しました。結果は来年早々には発表されるそうです。