快晴!! 絶好のお花見日和!!

 桜の開花予想も上々の快晴のなか,2012年の第1回目の外国人向けまち歩きツアーが,2012年4月8日(日)に行われました。春といえば桜,桜といえばお花見!! 最初のまち歩きツアーは,大川沿いでのお花見です。
 お花見の先乗り班は,朝9時過ぎに新今宮TICに集合,松村先生から2万円の軍資金を預かり,場所取りと買い出しのため,9時半過ぎにはJR桜ノ宮へ向かいました(写真:出発前の先乗り班と新今宮TIC運営居残り班)。何名かの先乗り班は現地でも合流したそうです。

 今回のまち歩きのゲストは15名,外国人が11名,日本人が4名。外国人参加者は,ドイツ人2名,フランス人1名,ニュージーランド人1名,中国系カナダ人1名,中国系アメリカ人2名,タイ人1名,中国人3名でした。中国人のうち2名は,ゼミOGのキキの友人と国際観光学部の他ゼミの留学生だったので,外国人旅行者の参加者は実質9名ということになります。中国語の話せる外国人が多かったので,今回も中国人留学生は大活躍しました。
日本人の4名は,同志社大学グローバルコミュニケーション学部の竹田宗継先生と新入生3名。松村ゼミによる外国人旅行者との交流活動に興味を持たれ,私たちの活動実態がどのようなものなのか知りたい,とわざわざ体験に来られました。松村ゼミの活動を参考にして,学生たちと一緒になって,京都で色々な取り組みをやろうと考えておられ,これからのまち歩きにも参加されるそうです。
 竹田先生によると,松村ゼミの活動は,とてもユニークで意義深く,大学の先生の間でもよく知られているのだそうです。外国人旅行者も喜び学生も喜び学ぶWIN-WINの関係が築けているのが,とても参考になるとおっしゃっていました。同行していた3名の女子学生は,もう英語がかなり上手く,外国人参加者にも積極的に話しかけるなど,さすが同志社大学の学生,と驚きました。後で,竹田先生から,私たちよりも年下,入学式を済ませたばかりで,まだ大学で一回も授業を受けたことのない新入生と聞いて,もっと驚きました。
 さて,今回の花見の参加者は,松村先生や先乗りしたゼミ生らも含めると,総勢36名,実に賑やかなまち歩きとなりました。出発前の打合せでは,9代目幹事長の小林志帆さんが中心となって,色々な役割分担や動き方が確認されました。まち歩きには色々と細かい役割分担やノウハウがあります。今回レポートする私たち3名は記録係りで,2回生の橋田と津村が松村先生と一緒に先頭を歩き,3回生の大宅が一番後ろを歩くことになりました。

大川沿いは花見客で一杯!!

 13時半にホテルセレーネを出てJR新今宮駅へ。ここから環状線内回りの先頭車両に乗り,JR桜ノ宮駅へ向かいました。JR森ノ宮駅を過ぎると,環状線沿いにも桜が見事に咲いていて,私たちのワクワク感は高まりました。JR桜ノ宮駅で降りると,駅のホームから桜並木が見えたため,みんなのテンションは一挙にあがりました。
 造幣局の桜の通り抜けで有名な大川沿いは,関西有数のお花見スポットです。JR桜ノ宮駅界隈は花見客で溢れかえっていました。改札を出るまでも,改札を出てから大川沿いの桜並木までも,とにかく人,人,人…で溢れかえっていました。昨年のお花見では,はぐれてしまった外国人参加者もいた,と小林志帆先輩から聞きました。私たちははぐれないよう,先頭と最後尾でお互い確認し合いながら,外国人参加者を誘導しました。

今年もだんじり囃子と遭遇!!

 大川沿いの桜並木に降りると,そこはまさに期間限定の別世界。7分咲くらいの桜でしたが,その素晴らしさは日本に住んでいる私たちも「わあ,綺麗なあ…」,と見とれるほどでした。外国人参加者も,表情が穏やかに和らぎ,自然と微笑まれていたので,間違いなく満足されていたと思います。
 まち歩きツアーは大川東岸,桜並木の遊歩道を南へ向かい,造幣局を目標にゆっくりと歩きました。10数分ほど歩いて,桜ノ宮野球場が見えた頃,遠くの方から,かすかにだんじり囃子が聞こえてきました。最初に反応されたのは,やはり松村先生でした。昨年もだんじり囃子に遭遇したので,今年もたぶんどこかで出会えるだろう,と探されていたようです。
 今回のまち歩きの先頭を歩いたのは,松村先生と私たち(橋田と津村)の三名。私たちの役割は,まち歩きの記録をとりながら,松村先生の指示で連絡や使い走りをすることです。松村先生から私たち(橋田と津村)に早速指示がでました。「せっかくやから,だんじり囃子を見に行くで!! 翔子と明衣で,先に走って,どこでやってはるのか確認して誘導してくれ!! 時間稼いどくから,はやく!!」とのことでした。

 だんじり囃子の音色に向かって走ること2,3分,桜宮神社の境内に入ると,大勢の大人や子供たちが,花見を楽しみながら,だんじり囃子のお稽古をされていました。場所を確認してまち歩きツアーに戻ると,「よっしゃー君らで先導してや,だんじり囃子を見せてもらおう」と松村先生。予定のルートを急きょ変更して,桜宮神社へ向かいました。
 私たちが境内に到着した頃,だんじり囃子のみなさんは休憩されていました。ところが,まち歩きツアー一行が続々と到着するのを見るなり,「おー,団体さんや!! 外人さんもおるで!!」との声。松村先生がすかさず「ご休憩中にすいませんけど,見せていただけますか?!」と声をかけると,「よっしゃーわかった!! 若いもん,気張っていかんかい!!」と応じていただきました。
 子供たちが楽器の前にスタンバイし,ビートの効いた見事なだんじり囃子と,くねくねと身体をよじる不思議な踊りを披露してくれました。外国人参加者も興味津々,夢中でカメラのシャッターを押されていました。松村先生からは,天神祭と講の話,だんじり囃子と独特な龍踊りなどについて説明がありました。外国人参加者も含めて,みんなで「おーきに」と感謝して,そこを離れました。先頭集団で竹田先生が松村先生に「お知り合いの方たちですか?!」と尋ねると,「いやー全く知りません。ハプニングです。お祭りですから。」とのお答え。竹田先生は感心されていました。

造幣局博物館前で花見の宴を楽しむ!!

 楽しい寄り道の後,本日のメインのお花見の場所へと再び歩き始めました。先乗り班が確保してくれていたのは,造幣局博物館のちょうど前,桜の木の下の絶好の場所でした。そこに特大のブルーシートを敷き,大きなスペースを確保して,缶ビールやジュース,スナック菓子などを買い込み用意して,まち歩きツアーを待ち受けてくれていました。みんな靴を脱いで上がりリラックス…,松村先生が乾杯の音頭をとり,楽しい宴会が始まりました。
 ブルーシートのあちらこちらで外国人参加者を囲んで会話の輪ができ,桜の花の下で,色々なコミュニケーションの花が咲きました。ニュージーランドから来た高齢の男性は,松村先生とラグビーの話で盛り上がっていました。フランス留学体験のある小路望先輩は,フランス人男性の横で,フランス語も交えて会話されていました。私たち(橋田と津村)はドイツ人男性を囲み,一生懸命,英語でコミュニケーションしようと試みました。見かねた竹田先生が,何度も助けてくださいました。

いざ大阪城へ!!

 桜の木の下での宴会は,まる1時間ほど楽しみ,名残惜しかったのですが,次の目的地の大阪城へ向かうことにしました。その前に,恒例の記念写真を撮影。私たちにとっては何でもないことなのですが,外国人参加者の方は,あぐらや正座で長時間座っているのが少し苦痛のようで,1時間くらいがちょうどいい感じでした。
 大川沿いを再び,桜とお花見客を眺めながら歩き,大阪城の真下に着いたのは,16時半過ぎ。大阪城も桜の名所なので,多くの外国人とすれ違いました。先輩方の話によると,昨年は東日本大震災の影響で,これほどの人出はなかったそうです。外国人参加者は終始笑顔で,楽しまれていたようです。同志社大学の竹田先生も,「本当に楽しくて,学びにつながるし,いい活動だね」と褒めてくださいました。
 大阪城前の広場で,9代目ゼミ長の昌山志保先輩が終わりのあいさつをされ,再び記念撮影。この日のツアーは無事終了,17時少し前に現地で解散しました。その後,松村先生は何名かのゼミ生と外国人参加者を連れて新今宮TIC帰り,新今宮TICの居残り運営で頑張ったスタッフも誘って,「新世界・西成 食べ歩きMAP」掲載のすし寛(寿司),西成わだ(お好み焼き)と,反省会でハシゴされたそうです。

松村先生からのひと言

 今年の花見ツアーの外国人参加者募集は,当日の午前中で止めました。その後も続々と外国人旅行者が新今宮地域のゲストハウスにチェックイン,あのまま本気で募集していたら,外国人参加者は軽く20名を超えたことでしょう。
 やはり花見の魅力は偉大,何よりも説明などが要りません。みんなで集まって,歩いて見て飲んで語るだけ。それだけでみんなが幸せになります。大川沿いを歩いていると,日本人が花見する様子を,ひとりで寂しく見ている外国人をたくさん見かけました。ひとり旅で外国人が日本に来て,日本人の若者と一緒に花見をするチャンスには,なかなか恵まれません。そのチャンスをもうけるだけで,とても意義があります。
ゲストハウスと大学が協働すれば,外国人と国際交流しつつ学生の能力を高める可能性が広がり,観光立国の確かな戦力ともなります。同志社大学の竹田先生も学生さんたちも,その点は経験から理解されたかと思います。外国人旅行者の多い京都でも,まさに待望されている取り組みではないでしょうか。
 今回参加した同志社大学の新入生3名は,全く物怖じする様子もなく積極的に外国人と会話していて,これからどんどん成長するだろう,という大いなる可能性を感じました。新入生をここへ連れてきた竹田先生もすごいと思います。私の横を歩いた2回生の橋田と津村も,その様子を見て,とても刺激を受けたようで何よりです。

記念写真

※画像をクリックすると大きく表示されます。

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