新今宮TIC毎日運営の成果報告(レポーター:松村嘉久)

 8月5日(金)から始まった新今宮TICの毎日運営が,9月25日(日)で終わりました。2011年の夏季毎日運営は,ゼミで台北夜市調査に行った期間は休んだものの,のべ167名のスタッフで46日間運営しました。その間の新今宮TICの来訪者は150名以上,利用者は223組330名ありました。

 ゼミ生たちも新今宮TIC運営の合間をぬって,インドへ行くもの,タイへ行くもの,日本アルプスの山小屋で長期のバイトするもの,アメリカへ短期留学するもの,英語を学びにフィリピンのセブ島で長期滞在するもの,インターンシップに行くもの,各々が各々の夏を楽しみました(写真はインドへ行った坂田悠貴のベストショット)。新今宮TICのマスコットのガジュマルの樹も,毎日太陽の日差しを浴びて,ずいぶんとたくましくなりました。

 原発事故後の国際観光に対する影響は今なお甚大で,新今宮に滞在する外国人旅行者の絶対数が少なく,日本人も含めて利用者0組0名という日が2日間もありました。去年の夏は,1日の利用者が30名を超える日もあったのですが,今年は20名を超えることさえ1日もありませんでした。

 新今宮TICは2011年1月1日から9月25日まで,のべ502名のボランティアで127日運営して,利用者が604組940名,来訪者は400名を超えました。運営を始めてから3年目に入り,我々の活動や存在が各方面から認知されてきたのか,来訪者は顕著に増えました。

新今宮TIC毎日運営の最終日のゼミ(レポーター:劉沖・兪穎伶)

まずは台北調査のまとめ…次はグルメマップの打ち合わせ…次は…

 9月25日(日)はとても忙しい1日でした。大きく分けると,新今宮TICの運営,台北夜市調査のまとめ,大阪商工会議所とグルメマップ作成についての打ち合わせ,毎日運営最後の打ち上げパーティの四つがありました。

 まず台北夜市調査の参加者は10時半に新今宮TICに集合。大阪市立大学西成プラザに移動して,台北夜市調査のまとめ方,日本観光研究学会でのポスター発表などについて相談しました。お昼の休憩時間に,松村先生・小林志帆・高橋菜央・小路望・加藤宏実らが,天王寺の近鉄百貨店へ。打ち上げパーティのすき焼きの材料の買い出しに行き,どっさりと荷物を持って帰ってきました。13時半に昼から参加するゼミ生たちが合流,すき焼きの準備は仲田美穂8代目ゼミ長の仕切りで,主に1年生有志が担当しました。

 14時からは大阪商工会議所職員4名を迎えて,グルメマップの作業の進み具合,マップの具体的な印刷イメージ,今後の予定などについて話し合い,16時前に終了しました。その後は,みんなで手分けして,すき焼きパーティの準備をしました。そして,夕方17時前には,すき焼きの用意が整いました。

打ち上げパーティの目的もいっぱい

 この日のすき焼きパーティの目的もいっぱいありました。第一は,毎日運営の打ち上げで「お疲れ様」会,第二は,台湾・韓国から松村ゼミ入りする交換留学生の「いらっしゃい大歓迎」会,第三は,アメリカでの長期留学からの帰国者の「お帰りなさい」会でした。

 みんな長時間の会議で,とてもお腹がすいていました。堅苦しいあいさつや紹介などもなく,松村ゼミらしく,松村先生が牛肉を焼き始め,交換留学生らを呼び寄せ,「君らが最初に食べ。さあ,みんなも食べや!!」とパーティーが始まりました。

 左はその時の写真です。一番左が,松村ゼミの9代目ゼミ長の昌山志保,オレゴン大学での1年留学から帰ってきました。左から二番目が,シアトルのワシントン大学での1年留学から帰ってきた井上咲季,帰国後早速,新今宮TICの手伝いをしてくれ,英語ペラペラぶりを披露しました。真ん中が,台湾の国立高雄餐旅大学から松村ゼミ入りする范妍希さん,このパーティで「シーちゃん」という愛称に決まりました。右から二番目は,国立高雄餐旅大学から来た張珈綺さん,国際観光学部の来村ゼミ入りが決まっています。一番右が,韓国ソウルの慶煕大学校から来た崔睿恩さん,「イェウン」と呼ぶことに決まりました。交換留学生たちは,日本ですき焼きを食べるのは初めての経験でした。松村ゼミのすき焼きには歴史があり,学生中心の飲食には珍しく,「量よりも質」というこだわりがあります。感想は3名とも「美味しい!!」でした。

松村先生の司会で恒例の一言大会

 会場を見渡せば,30名を超える大人数。1年生・2年生で,新今宮TICのスタッフとして活躍してくれた学生らもいました。欠席する者もいたし,ゼミと会議だけ出て帰ったゼミ生もいたので,新今宮TICに関わった学生が全部集まると,いったい何人くらいになるのだろう…。このくらいの大人数が協力し合わなければ,新今宮TICの運営は成り立たない,と思いました。パーティ参加者たちは,三つのコンロを囲み,OGの佐藤有7代目ゼミ長にいただいたビールやジュースを片手に,話が盛り上がりました。

 食べ始めて1時間ほど経過した頃,松村先生の司会で,恒例の一言大会が始まりました。最初の指名は,アメリカでの短期留学から帰国した内田裕規。内田君が話している途中に,OBの丸市将平さんが,差し入れを手に,入って来られました。「マルは,相変わらずタイミング悪いな…,ちょっと近況報告せえ」と松村先生。4回生の先輩方は爆笑でした。マルは丸市さんの愛称です。丸市さんは大阪市立大学大学院に進学され,充実した生活を送られているそうです(写真は近況を語るOBの丸市さん)。交換留学生の3名も,椅子の上に立って挨拶をして,ゼミ生たちとも仲良くなりました。

 松村ゼミのパーティはいつも,早く始まり早く終わります。19時過ぎには,仲田美穂8代目ゼミ長が終わりの挨拶をして,後片付けが始まりました。最後に,残ったメンバーだけで記念撮影をして,19時半過ぎには解散しました。松村先生は,丸市さんと長期留学から帰国した昌山さんと井上さんを連れて,通天閣方面へ消えて行かれました。

打ち上げパーティでの記念撮影

松村先生からの長めの一言

いいチームになってきた…

 夏季の毎日運営が無事に終わりました。現3回生の9代目ゼミ生たちは,今春卒業した新今宮TIC立ち上げメンバーの7代目たちが抜けた大きな穴を,しっかりと埋めてくれました。1・2回生も大きく成長して,新今宮TICの運営に積極的に参加してくれました。就職活動しながら,運営を支えた4回生の頑張りも見逃せません。ゼミOBの濱中勝司さんも,新今宮TICを頻繁に来訪し,後輩たちを指導してくれました。

 利用者が少なく,暇をもてあました時期もありましたが,とにかくこの夏休みは新今宮TICに毎日詰めて,時間と空間を共有したことが,1・2回生も含めて,確実にゼミの結束力を高めました。

 さて,3回生の昌山志保と井上咲季が,ようやく長期留学から帰ってきました。二人とも新今宮TICの創成期から活躍したメンバーで,出国前にすでにTOEIC550点を超えていた逸材です。この二人を留学で欠いて,ここまで新今宮TICを運営できたのは,やはり現役3・4回生の頑張りの成果だと思います。思い起こせば,昌山は9代目ゼミ長,これまでゼミ長不在で乗り切ってきたのです!! 誰かが参加できない事情があったり,失敗したりすれば,誰かがそれをフォローする,フォローされたものは,それを恩義と感じてどこかで必ず返そうとする,それがチームワークの原点です。チームワークという点においては,6・7代目の頃よりも,現在の8・9代目の方が充実してきました。

 後期からは,シーちゃんとイェウンも9代目ゼミに所属して仲間に加わります。これで9代目のゼミ生は総勢19名となり,歴代で最多となり,大幅な戦力アップとなりました。10代目ゼミの核となるメンバーも集まりました。後期もこの勢いで乗り切りましょう!!