新今宮TICからのお知らせ:2011年の半期7ヶ月の運営を終えて

夏季休暇中の運営について

 阪南大学が夏季の長期休暇に入ったため,新今宮TICは例年通り,9時から16時までの毎日運営となりました。8月5日(金)から9月25日(日)の52日間は,毎日運営する予定です。8月中のボランティアスタッフはすでに確保できました。
 ただし,9月6日(火)から10日(土)にかけて,松村ゼミのほぼ全員が夏の海外フィールドワークで台北夜市調査に出かけるため,臨時休業するかもしれません。
 あと,夏季休暇中も松村ゼミは月2回のペースで大阪市立大学西成プラザにて,8月5日(金)・8月25日(木)・9月5日(月)・9月25日(日)に開催します。9月25日(日)は新今宮TIC毎日運営の打ち上げも兼ねて,外国人旅行者も誘い,恒例のすき焼きパーティを行う予定です。この記事を読んだOB・OGの「突撃!! 隣の晩ごはん」参加を歓迎します。

2011年の7ヶ月をふりかえって

 2009年の開設から3年目に突入した新今宮TIC,2011年は1月から7月末日までの7ヶ月間で,延べ335名のボランティアスタッフの力で81日間運営しました。仮集計ですが,利用者は381件610名,来訪者は少なくとも261名ありました。日々の新今宮TICの運営状況をイメージするならば,4名くらいのスタッフが新今宮TICに詰め,7名くらいの利用者に対応し,地域の方々やまち歩きで立ち寄る見学者などが3名くらい来訪する,という感じです。
 これはあくまでもイメージで,2011年の運営は,福島での原発事故の影響を大きく受けています。今までの利用者のピークは,東日本大震災発生直後の週末あたり,3月18日(金:18件28名)・19日(土:17件32名)・20日(日:15件22名),ちょうど阪南大学の卒業式前後でした。私は卒業式当日も含めて,震災以降はほぼ毎日,新今宮TICへ行き状況把握につとめました。この頃の利用者の多くは,震災と原発事故から逃れるため,関東や東北などから来られた方々でした(写真は安い宿を探す中国人留学生たち)。

やるせない想い…

 新今宮の主なゲストハウスや簡宿はどこも避難者で満杯,「安い宿はありませんか」「安い航空券を買いたい」という問い合わせから,「帰国しようかどうか迷っている…」というかなり深刻な相談もありました。その頃もう一方で,新今宮界隈のゲストハウスでは,海外から訪日予定だった外国人と関東方面からの日本人の宿泊予約キャンセルが続出。春から夏にかけての新今宮は,国際観光のハイシーズンですが,日本在住外国人の国外脱出とキャンセル続出から絶望的な状況が予想されました。
 その後の展開はまさに予想通り,3月21日以降の50日余りの運営で,利用者が10名を超えたのは,わずか6日間のみで,いずれの日も日本人利用者が中心でした。新今宮TICの前を通る外国人は激減…,東日本大震災の影響というよりも,明らかに,チェルノブイリ級の原発事故の影響で,夏のハイシーズンに入っても,新今宮に宿泊する外国人の数はなかなか回復していません。
 政治の迷走で震災復興は遅々として進まない…,原発事故は深刻な状況から脱したとはとても言えない…。加えて,とんでもない円高時代が到来してそれも長引く模様…,私もゼミ生たちも,ゲストハウス関係者も,地域の方々も,大阪国際ゲストハウス地域の創出を夢見るみんなが,本当にやるせない想いで一杯です。
 しかしながら,新今宮が逆境にある今こそ,決して歩みを止めることなくゆっくりと進みながら,次に来るであろう飛躍に向けて,みんなで知恵を出し合い,戦略を練り直したいと思う。新今宮TICが走り始めて3年目,大阪国際ゲストハウス地域創出委員会が結成されて6年目,これまでとても順調に来た。この逆境,試練の向こうに,新しい何かが待っているような気がする(写真は新今宮TICのマスコットのガジュマルの樹)。

大阪商工会議所との松村ゼミとの協働が始動!!

国際版グルメマップの作成に向けて

 大阪商工会議所(大商)の『千客万来都市OSAKAプラン』の一環として,大阪商工会議所大正・浪速・西成支部の『商店街・賑わいプロジェクト』が動き始め,松村ゼミとの協働で新今宮界隈の「国際版グルメマップ」(仮称)を作成することになりました。浪速区の新世界から西成区の今池本通商店街にかけては,安くて美味しい店がとても多く,老舗も少なくない。多言語表記で仕上げるグルメマップは,新今宮界隈の鉄道駅やゲストハウスで配布される予定です。
 松村ゼミの仕事は,日頃からの商店街や商店とのお付き合いをフル活用して,グルメマップに掲載すべきお店に参加を呼びかけ,マップに掲載するコンテンツを取材することです。大商の方々とは6月9日(木)と8月5日(金)に打ち合わせを行い,掲載店舗の選定ほか具体的な作業の進め方について話し合いました。大商のプランでは,掲載する店舗については,写真付きの多言語表記メニューの作成支援もするとのこと。これが実現すれば,大阪国際ゲストハウス地域の創出に向けた大きな一歩となります。
 松村ゼミは,新今宮TICの毎日運営を利用して,ボチボチとコンテンツ取材をこなして行きます。1・2回生の有志も参加するこの作業の進展状況は,随時,松ゼミWalkerで報告していきます。