宮崎恋旅モニターツアーへ参加

ある日突然,松村先生からモニターツアーへのお誘い

 6月中旬のある日,松村先生から私たちの携帯電話にゼミ連絡のメールが突然来ました。それは「宮崎へ行く無料のモニターツアーがある。怪しいものではなく,美味しい話。参加したい者はすぐ返信するよう。」という内容でした。松村先生によると,たくさんの参加希望者がいて選ぶのに苦労されたそうですが,なぜか1回生の増森千絵・岡村綾佳・小山明日香・弘田愛美の4人が選ばれました。
 次の入門ゼミの時,詳しいモニターツアーの内容が書かれた資料を松村先生から手渡されました。モニターツアーなので,旅費や宿泊費や食費は無料,本当に美味しい話でした。

日程: 2011年7月8日(金)から11日(月)の3泊4日(船中2泊含む)
モニターツアー名: 宮崎恋旅 「宮崎カーフェリーで行く宮崎恋旅3泊4日プラン」
主催: 宮崎カーフェリー株式会社
後援: みやざき観光コンベンション協会・宮崎市観光協会・宮崎交通株式会社・宮崎観光ホテル

宮崎恋旅の詳しいことは,下のウェブサイトを見てください。とても魅力的な恋旅の物語が紹介されいます。
http://www.kanko-miyazaki.jp/koitabi/main.html

他大学の学生らも参加するビックイベント!!

 松村先生から指令は,「とにかくしっかりと観察して,フィールドノートに記録をとり,しっかりと旅も楽しみ,入門ゼミで報告して,松ゼミWalkerの記事を書け!!」でした。
 ワクワクしながら迎えた7月8日(金),まずは授業を終わりに,阪南大学に4人で集合してから,全体の集合場所の大阪南港かもめフェリーターミナルに向かいました。そして,宮崎カーフェリーに乗り込み,19時に出港しました。
 この宮崎恋旅ツアーには,私たちのほか,和歌山大学・大阪観光大学・神戸夙川学院大学・ホスピタリティツーリズム専門学校・大阪外国語専門学校など,観光を学ぶ他校の学生たちも含め,30名ほどが参加。同じフェリーに乗り込みました。
 小山はフェリー初体験,テンションの上がった4人は,甲板に出て大はしゃぎしていました。ところが,そのうち弘田だけが船酔いでダウン。フェリーは翌日9日(土)の朝8時過ぎに宮崎港へ到着,13時間余りの船旅を弘田以外は楽しみました。

宮崎初日9日(土)の充実した1日間

宮崎港での大歓迎

 初日9日(土)は,クルスの海,高千穂峡,天岩戸神社を回り,スカイタワーホテルにて意見交換会が予定されていました。
 宮崎港に着くと,モニターツアー関係者の方々が古代衣装で,私たちを歓迎してくださいました。宮崎の空もカラッと晴れ,私たちを歓迎してくれているようでした。そこからずっと専用バスに乗っての移動。移動するバスのなかでは,宮崎恋旅のイメージキャラクター(テントウムシ)のグッズをいただきました。
 最初に向かったのがクルスの海で,11時少し前に到着しました。ここには鳴らすと願いが叶うという幸せの鐘があり,そこから見える青く透き通った海と島からなる風景は,漢字の「叶」という文字に見えるそうです。カップルで訪れるのにはぴったりの恋旅スポットです。ところが,残念ながらこの日は,霧がかかり,はっきりとは見えなかった。こんなことは本当に珍しいそうです。海のない奈良県出身の岡村は,綺麗な海を見て興奮して,幸せの鐘を鳴らしまくっていました。

パワースポット高千穂峡へ

 昼食は高千穂峡の中にある「千穂の家」で流しそうめんをいただきました。ここは流しそうめん発祥の地だそうで,クーラーが無くても,とても涼しかった。高千穂峡の神秘的で自然あふれる空間は,海とはまた違う静けさがただよい,私たちの心は不思議と落ち着き癒されました。高千穂峡は絶対にパワースポットだと思います。
 その後は,高千穂神社で夫婦杉のまわりを回り,天岩戸(あまのいわと)神社で日本神話の神髄を楽しみました。時間が押していたので,残念ながら,楽しみにしていた天安河原(あまのやすがわら)には行けませんでした。

意見交換会から懇親会へ

 意見交換会はスカイタワーホテルにて18時40分から始まり,宮崎観光のイメージについて,今回の恋旅ツアーの改善点についてなどが話し合われました。
 私たちは全員が1回生,他の大学や専門学校からの参加者たちは年上ばかりで,意見も鋭くみんなしっかりしていました。私たちはその場の雰囲気に圧倒されて,ほとんど発言できず残念な思いをしました。でも,同じ観光学を学ぶ者として,とても刺激を受けました。この意見交換会の模様は,翌日の新聞やテレビで紹介されました。
 意見交換会の後は懇親会があり,地元の方々から大歓迎していただき,楽しいひと時を過ごしました。その後は宮崎観光ホテルへ移動して一泊。ここは映画「海猿」の撮影が行われたホテルでもあり,露天風呂や食事が充実していて,快適で楽しい一夜が過ごせました。

恋旅2日目(日)

恋の三社参り,青島神社で古代衣装のコスプレ

 恋旅ツアーの二日目は,恋の三社参りということで,都萬(つま)神社・青島(あおしま)神社・鵜戸(うど)神宮を回りました。都萬神社は縁結びと安産の神様で,願い事をしながらくぐると「夢叶う,幸せ招く,願いが叶う」という,空洞の洞々木があり,みんな願いをかけました。境内にあるオオクスの木で作られた木目の綺麗なハートのお守りも買いました。
 次に向かった青島では,古代衣装を着るコスプレ体験をさせていただき,青島神社を参拝しました。青島神社は海に浮かぶ島全体が神社の境内になっていて,島の周囲は「鬼の洗濯板」と呼ばれる不思議な風景が広がり,周りの海はとても綺麗でした。熱帯のジャングルのような島,境内そのものが天然記念物で,貝殻が積もってできていると聞いて驚きました。ビロウの木が生い茂る青島はとても神秘的な空間で,不思議なほど涼しく,独特の雰囲気が漂うパワースポットでした。本殿前には投瓮所(とうかしょ)という皿を投げて恋占いする場所があり,ここでもみんな本気で皿を投げました。

モアイ像に抱きつきお願いすれば…

 この日の昼食は,海沿いの「えぷろん亭」にてチキン南蛮をいただきました。このチキン南蛮がとても美味しくご飯がすすみ,デザートには宮崎県産の極旨のマンゴーと初体験の日向夏(ひゅうがなつ)がでました。何よりも,このえぷろん亭の庭から見える宮崎の青く澄んだ綺麗な海が絶景で,奈良県出身の岡村さんでなくてもテンションがあがりました。
 次に向かった鵜戸神宮には,海に浮かぶ亀石と呼ばれる石の穴に,運玉が入ると願いが叶うという場所がありました。この手の身体を使った占いごと,女子は気合が入ります。ふと気づけばみんな必死,狙いを定めて投げていました。
 サンメッセ日南には,完全復刻された7体のモアイ像があり,それぞれが開運のジンクスを持っています。左から三番目が恋愛成就のモアイ像,みんなかわるがわる抱きつき,本気で祈っていました。暑い日でしたが心地よい風がモアイ像の間を抜け,過ごしやすく気持ちよかった。モアイ像が予想していたよりも大きく,おちゃめで,可愛らしく,癒されました。

楽しかったモニターツアー,別れの紙テープに感動

 その後は宮崎県庁へ向かい記念撮影してから,みやざき物産館でゼミのみんなへのお土産などを買い込み,いよいよモニターツアーの始発点かつ終着点,宮崎フェリーターミナルへと戻ってきました。
 フェリーで宮崎港を離れる時,みやざき観光コンベンション協会や宮崎カーフェリーなどツアー関係者の方々と,人生初の紙テープでの出航を経験しました。みなさん今回のモニターツアーでお世話になった方々ばかりで,ゆっくりと港を離れる船の甲板で,たくさんの感謝と別れの寂しさで胸がいっぱいになりました。この経験は船旅ならではだと思います。帰阪する船中では,宮崎港に沈みゆく素晴らしい夕日を眺め,フェリーの操舵室も見学させていただき,最後の最後まで楽しませていただきました。
 今回のモニターツアーでは,本当に色々な人たちのお世話になりました。旅で出会った人たちはみんな親切で,あったかく,ニコニコされていて,宮崎のホスピタリティ水準の高さを感じました。関係者のみなさん,ありがとうございました。

意見交換会のリベンジを松村ゼミで…

入門ゼミでふりかえりの発表

 大阪に帰って私たちは,入門ゼミのなかで,今回の宮崎恋旅モニターツアーでの経験を発表しました。参加した4人の共通の思いは,「意見交換会であまり意見が思い浮かばず,思い浮かんでもうまく話が出来ず,悔しかった…」でした。
 他大学からの参加者は年上ばかり,とてもしっかりと意見を述べられていて,プレッシャーがかかりました。宮崎日日新聞やテレビの取材陣も来られていて,初めての経験なのでとても緊張しました。翌日の宮崎日日新聞には阪南大学の名前を載せていただきました(右の「宮崎日日新聞」の記事参照)。テレビ報道では,増森がコメントしている後姿が流れ,岡村・小森の顔もしっかりと映っていました。
 そこで入門ゼミでは,松村先生とゼミの仲間を交えて,宮崎恋旅「宮崎カーフェリーで行く宮崎恋旅3泊4日プラン」について,もう一度話し合わせてもらいました。私たちにとっては,リベンジ意見交換会です。その結果,あの時は思い浮かばなかった面白い意見や提案が出てきたので,ここで少し紹介させていただきます。

カーフェリーでの船旅の魅力と便利さ

 フェリーはゆったりと手足を伸ばして熟睡でき,早朝に宮崎港に着くので観光にはとても便利。フェリーのなかで1泊するが,宿泊代がういて得した気分になれる。フェリーのなかでは,ゆったりとした空間でゆったりとした時間を過ごせるので,他の乗客と仲良くなり,話がはずみ,旅の楽しみが倍増します。私たちも宮崎へ帰る地元のおじさん・おばさんたちと仲良くなり,宮崎観光のお薦めなどを教えていただきました。
 「恋旅」というコンセプトと深く関わることですが,カーフェリーなので「愛車」を積み込めるというのも,大きなメリットです。新幹線や長距離バスにはこのような魅力や便利さはありません。旅費についても,カーフェリー利用の方が,飛行機・新幹線・長距離バスの利用よりもかなりお得です。
 ただし,デメリットも確かにあります。船酔いする人はとても大変なのと,天候の影響で旅の予定が狂う可能性が高いことです。

宮崎恋旅の魅力

 これまでの宮崎県のイメージは東国原知事とマンゴーくらいでしたが,実際にモニターツアーで回ってみて,「恋旅」の名にふさわしい観光スポットが数多く,恋にまつわる神話や物語があり,いずれも魅力的なところばかりで驚きました。
 宮崎はかつて,新婚旅行の聖地だったと聞きました。退職されたお年寄りのご夫婦などが,新婚当時を思い出しながら「宮崎恋旅」で再訪するのはおしゃれだし,そんな夫婦が理想だと思います。お年寄りのご夫婦に息子さんや娘さんが「宮崎恋旅」をプレゼントするのもおしゃれだと思います。九州は韓国からの旅行者が多く,新婚旅行でも人気なんだそうです。韓国の若者にも,「宮崎恋旅」をうまく宣伝できれば,流行るのではないでしょうか。
 宮崎恋旅の弱点は,宮崎県内での観光スポットが離れていて,公共交通機関での移動がとても不便で時間がかかること。今回のモニターツアーのコンセプトは,カーフェリーを利用して愛車で回る恋旅なので,この弱点をうまくカバーでき,逆にメリットにしている。新幹線や長距離バスで宮崎に来てレンタカーを借りて回るよりも,ゆったりとした船旅で出会いや会話を楽しみ,早朝から愛車で回る方が,恋旅にはふさわしい。愛車利用で大きな問題となるのが,観光スポットの駐車場だ。環境のことも考えながら,駐車場を整備しなければならない。また,道の駅などとの連携を深めれば,もっと恋旅が充実すると思います。

宮崎恋旅フォトギャラリー

  • 恋旅グッズ

  • クルスの海で鐘を乱れ打ち

  • 大自然のいたずら海に浮かぶ「叶」

  • 流しそうめんは涼しくて美味しい!!

  • 千年楠の洞々木をくぐれば…

  • 投瓮所で本気に皿を投げる岡村

松村先生からの一言

 このモニターツアーは大人気で,1年生から4年生までの20名余りのゼミ生たちが「行きたい!!」と手を挙げました。誰を宮崎へ行かすのか悩みましたが,最も反応が早かった1年4名を選びました。
 この4名は今年4月のフィールドワークで活躍した実績があり(松ゼミWalker vol.68参照),その後の入門ゼミでも良い発表をしていました。旅行やフィールドワークの経験値は少ないが,しっかりと現場を観察して考える素質はあります。ただ,仲が良すぎて悪ノリして,楽しみ過ぎる心配が…。入門ゼミで宮崎恋旅のことも発表してもらいましたが,とてもいい経験になったようです。
 この企画を持ちかけていただいた宮崎カーフェリーの皆様,現地でお世話していただいたみやざき観光コンベンション協会の皆様,どうもありがとうございました。