フィールドワークは習うよりも慣れろ!!(レポーター:松村嘉久)

習うより慣れろ!! 教わる側から教える側へ!!

 フィールドワークって,いったい何なんだろう。難しい定義はたくさんあるでしょうが,「教室から外に出て,現場へ入り,何か目的を持ってじっくりと観察し,時には現場で体験し,徹底的に記録する」,私はそんな感じでイメージしています。では,フィールドワークはどのようにして学ぶのでしょうか。私は人文地理学のフィールドワークを学びましたが,教室で学んだ記憶はありません。色々な先生や先輩らに現場に連れて行ってもらい,自然と覚えました。右写真は松村のチベット調査時のフィールドノート,ベタな土地利用調査の記録。
 そもそも,色々なフィールド(現場)が存在するので,「これさえ覚えれば絶対に大丈夫」というような原則や法則なんかはありません。フィールドワークの上手い先生や先輩にフィールドに連れて行ってもらい,そこで見て経験して習い,たくさんの経験を積んで慣れるのが,達人への近道だと思います。これは武道の上達方法と一緒。自分よりもずっと上手い人と練習していれば,練習は大変でも,ふと気が付くと,とても上達しているものです。
 2011年4月23日(土)・24日(日)に実施した新今宮TICのスタッフ養成企画「大阪をフィールドワークする!!」では,松村ゼミの9代目3年生が,1・2年生のフィールドワークの指導を担当しました。私はゼミ生たちが,後輩を指導できる人材に育って欲しいと願っています。人を指導することで,自分に足らないものもたくさん見つかります。とても不思議なのですが,教わる側から教える側に回ると,学生たちは急成長します。その前提条件として,先輩から教わった経験がとても重要だと考えています。

今回のフィールドワーク参加者は若くてもベテラン揃い?!

 今回各チームで指導を担当した松村ゼミ9代目,小林志帆・和田昂之ほか多くが,2009年のオアシスモニター宿泊兼関西圏フィールドワーク(松ゼミWalker vol.21/22参照),2010年のセレーネモニター宿泊兼新今宮TICボランティアスタッフ養成講座(松ゼミWalker vol.39参照)の両方かどちらかを経験しています。その時,9代目は7・8代目から教わり,次は教える側へと回りました。
 23日のフィールドワークに参加した1年生21名は,全てAO入試か地域特別推薦入試で入学してきた新入生でした。実は,この21名のうち7名は,2010年8月29日阪南大学オープンキャンパスの際の国際観光学部開設記念事業,「観光まちあるき・まちづくりを体験しよう」に参加し,高校3年生の時に,同じく大阪周遊パスを利用して,私の案内で新世界から大阪ミナミを歩いた経験があります(https://www.hannan-u.ac.jp/news/2010/fqpvga0000002y8a.html参照)。左写真はその時の記念撮影です。当時は高校生だったから名前は出せませんでしたが,傍士莉菜子,喜多真子,小山明日香,橋田翔子,柴田ひかる,高田直裕,山崎祐貴がそうです。今回参加した2年生の大宅和佳も,同じく高校生の時に,私の案内でまち歩きを経験しています。

心配なのは雨,誰や雨女は…雨男か…??

 これまで松村ゼミでフィールドワークやイベントを行う際は,不思議なことに,晴ればかり続きました。降りそうでも降らない,降っていても陽が差し始める…などなど。しかし,今回の23日のフィールドワークは,雨だけでなく風も強く,とても天候の悪い一日でした。9代目か新入生に雨女か雨男がいるはず…。1年生にとっては,不運なデビュー戦となりましたが,これも思い出になります。
 とにかく何よりもフィールドワークの経験を積み重ねることが大事です。今回のフィールドワークで1年に与えられた任務はとてもシンプル。とにかく,自分たちの行動を克明に記録すること。次に,日本語が読めない話せない外国人になったつもりで行動すること。この二点のみ。
 AチームからFチームまでの6チームが,どのようなフィールドワークを行ったのか,その記録をご覧ください。フィールドワーク自体の総括,大阪周遊パスについての評価や提言などは,改めて学会などの場で,きちんと行う予定です。

コース別フィールドワーク紹介

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