活動テーマ:競争力のある観光事業の発展による地域貢献~サービスマネジメントの視点から~
連携先:(株)阪急交通社教育旅行センター、一般財団法人福井県あわら市観光協会


 私たち李ゼミは(株)阪急交通社教育旅行センター、一般財団法人福井県あわら市観光協会と協力し、あわら温泉地域での宿泊者集客向上を目的に活動を行ってきた。
 そこで私たちのグループは20代前半の女性をターゲットとし、Instagramを活用した旅館滞在プランを提案した。集客素材として東尋坊でのリアルハイジ体験Iwaswingをはじめ、特産物の「越後のルビー」と、「とみつ金時」を使用した料理やデザートの工夫、日本酒女将を用いた館内での手作り化粧水体験、館内映えを狙った浴衣や季節ごとに異なる庭の提案などを盛り込んだプランである。
 この提案に向け、温泉・旅館滞在について旅行者のニーズに関するリアルな声を集める目的で、学内の大学生を対象にしたアンケート調査と、あわら温泉に訪れている宿泊客や観光客を対象にアンケート調査を実施した。あわら温泉の認知度や温泉旅行をする際に決め手となる要因、数ある温泉地・旅館の中で、あわら温泉・美松を選んだ理由、満足・不満足だった要因などについて調査した。その結果、あわら温泉の認知度は約6割と多く、また温泉地訪問の際に決め手となる要因は有名な温泉地なのか否か・露天風呂など、温泉施設や旅館料理が重視されていることが分かった。アンケート結果に加えて、文献資料のリサーチを通じて、あわら温泉や旅館には若者のニーズを満たす素材が多いということも分かった。
 このような研究を進めながら、2017年6月に滋賀県高島市にて小林・李ゼミと和歌山大学(廣岡ゼミ)が合同ゼミ合宿を行った。そこでは、研究の途中経過をプレゼンテーションし、意見交換を行うと共に、高島市の地域活性化の活動を見て学び、多くのヒントが得られた。更に、同年9月には韓国金泉で開かれた東北亜観光学会へ参加、取り組んでいる内容の発表を行うと共に、忠清北道清州市清州大学の学生とは、韓国地方都市での地域活性化についてフィールドワークを行うことや意見交換会を通じて新たな刺激を受けた。
 これらの取り組みを踏まえ、旅館滞在プランを作成し、2018年2月にあわら市にて最終報告を行った。

国際観光学部 3年生 大平 恵梨香

学生活動状況報告

 キャリアゼミの活動当初、温泉・旅館滞在について旅行者のニーズに関するリアルな声を集める必要があると考え、初めてのアンケート調査に挑戦しました。思った以上に難しく、少し戸惑いながら質問事項を考えました。その後活動が思いとおりに進まない時も多く、時間が長く感じていた時もありました。しかし、今振り返ると、活動を行ってきた1年間はとても短かったように感じます。私の考えつくものは出し切れたのではないかと思う反面、まだできることはあったのではないかという反省の気持ちもあります。この活動を通じて最も勉強になったのは、取り組む視点・姿勢の大切さです。今後はこれまでの経験で学んだことを大切に活かし、就職活動に取り組みます。

国際観光学部 3年生 大平 恵梨香
 (株)阪急交通社教育旅行センター、一般財団法人福井県あわら市観光協会と協力し、あわら温泉における旅館の活性化のための活動を行ってきました。その活動の間、3回に渡ってあわら温泉のフィル—ドワークを行いました。様々な出会いがあり、様々な体験と経験を味わえました。この活動を通じてあわら温泉は、私にとっては第二の故郷と思えるようになりました。しかし、私たち3回生は、まだやり残したこともあり、不完全燃焼に終えてしまった様に感じます。この私たちの経験をしっかりと後輩に伝えることが今後私たちの役割だと考えています。そして、後輩達がより良く飛躍することを願うともに、更に年を重ねることであわら温泉が活性化することを期待します。

国際観光学部 3年生 小川 柾樹

参加者名簿

板原 尊、内海 純、大平 恵梨香、小川 柾樹、妹尾 美帆、鍋島 海、西川 未涼、西村 直恭、福富 健、堀 聡那、三木 俊治

連携団体担当者からのコメント

一般社団法人あわら市観光協会
代表理事 会長 前田健二氏

 この度は、あわら市観光発展を題材に取組をいただき、誠に有難うございました。又、大 変お忙しい中あわら市までお越しいただき、重ねて御礼申し上げます。
 さて、今回の発表をお聞きした感想を代表して申し上げます。どのグループの提案も、誰に、何の為に買って欲しいのか。何を得られるのかが明確でしつかりとした内容でした。メディア商品は概ね「キラーコンテンツ」頼りであり、ユーザーが知らない日頃味わえないことを提供する使命を果たせていない現状を振り返ると、素晴らしい提案だと思いました。今後皆さんがどんなステージで活躍されるのか楽しみですが、この事はどの職種でも重要なポイントですので、忘れずにいて欲しいと思います。

①「ゲン担ぎ」は、ありがちな女子旅ではなく男子旅に着目した点が良かったですし、禅の心は近年世界のトップリーダーに着目されている日本の宝です。朝食にあわらむすびで良い結果を結び付ける等、将来の日本を支える若者に体験して欲しい内容でした。
②「高齢者ターゲット」は、健康志向→思考をどう取組むかと思う中、入浴方法の提案・成分表示健康カードは斬新でしたし、リピーターに繋げて行くことはとても重要な提案です。そして、地域住民とのふれあいは観光から感幸への転換になると思います。
③「インスタトリップ」は、感動の共友(共有)を地域食材を使った体験で得られることが素晴らしく、旅の提案には欠かせない要点だと思います。またIWA SWINGは思ってもみなかった発想で、打つ手は無限にあると教えられました。
④「創健彩生」は、北陸三県での広域観光が着眼点として良く、FIT が増加していく日本の中で、地方に呼寄せる手段として異論はないと思います。ヘルスツーリズムやスローフードはキーポイントであり、日本庭園の手入れ体験は、見る観光からことを体験する観光への素晴らしい手段だと思いました。
⑤「親への贈物」は、幸福から口福へをキーワードに、親を幸せにする行動のサポートが出来る意義ある提案ですし、親孝行しながらする方も幸せになれる、家族にお勧めしたい内容でした。
⑥「日本一幸せな家族」は、福井県の三世代同居が多い点に着目し、世代それぞれのメインがある点が素晴らしく、あわらオリジナルのカルタを作り貸出する地域性も考慮され、家族旅行の定番商品になるでしょう。

 私は今回皆さんの発表を受けて、「打つ手は無限にある」と確信しましたし、失敗の経験による問題解決力の重要性を再認識しました。大学で知識の蓄積と考える力を高め、あわら市との交流でいろんな経験を積んでいただき、大きく社会に羽ばたいて行って欲しいと願っています。
 有難うございました。

一般社団法人あわら市観光協会
事務局長 米由誠氏

 全体的に堂々とした発表内容で、「はつ」と気付かされることがいくつもありました。若い方の感性は素晴らしく敏感で、我々の発想には無いようなことがあります。
 今後の商品展開の参考に是非ともさせていただきたく思います。

①「ゲン担ぎ」は、温泉男子旅、座禅体験に着目した点が良かったです。あわら市観光協会では、1 人旅プランを充実させるべく、各旅館と研究を進めております。朝食にあわらむすびで良い結果を結び付けるプランも新鮮でした。
②「高齢者ターゲット」にした滞在プランは、旅館によって差があるバリアフリー化への取組みについて参考になり、入浴方法の提案・成分表示健康カードは健康志向のお客様に対して すぐにできる提案だと感じます。観光から感幸へ、素晴らしいですね。
③「インスタトリップ」は、女子目線ならではの発想で、これからなくてはならない販売のツールになると感じております。あわらの地域資源を生かした、夕食1品減のらしてのスイーツ提供も、女子に喜ばれる内容でしたね。地元の旬な食材を使ったスイーツの提供は食材費の原価アップが、宿泊料金に跳ね返って来ないかが心配です。
④「創健彩生」は、北陸で台湾客向けのヘルスツーリズムやスローフードは、今後展開できると思います。日本庭園の手入れ体験は、実際旅館の庭では難しく思います。しかし公民館などの公共施設の庭なら出来る可能性があると感じました。
⑤「親への贈物」は、あわらファミリー2デイパス家族3人で15,000円は実現性が高いと感じました。我々も二次交通会議に出席する機会が多く、いつも同様の事を議論しており ます。マスコミやS N Sで頻繁に取り上げられる日は近いと感じました。また、あわらオリジナルかるたも良かったですね。

 我々はこの成果発表会を通じて、いろいろな気づきに遭遇し今後の地域資源を使った商品造成に参考にさせていただきます。教授はじめ学生の皆様いろいろ有難うございました。
 今後ともよろしくお願いいたします。

株式会社 阪急交通社教育旅行センター
副所長 宍井 剛氏

 2年目となる一般財団法人福井県あわら市観光協会及び、阪急交通社との産学連携プロジェクト。今年度においては協会のご協力のもと、夏期インターンシップに加え、現地イベントの実行委員に参加し、お客様目線だけでなく、現場目線でも見ていただきました。
 そんな甲斐があってか、今年度の発表は地元の素材をどうアレンジしていくのか、またPRしていくのかという観点に広がりを感じました。
 今後は国内外の事例(成功例)も調査していただき、新しいトレンドを発掘していくことも課題になっていくことでしょう。学生様の新しい発想により、将来的にはあわら市とともに実際に取り組んでいき、観光客の誘致に繋がっていくことを期待しております。

教員のコメント

国際観光学部 李 貞順教授

 李ゼミでは、「体験型宿泊プランの提案によるあわら温泉の旅館活性化」をテーマに、小林ゼミとともに連携型キャリアゼミの活動を行いました。この活動を進めるにあたって、夏季休暇中にはあわら温泉の旅館でのインターシップを初め、現地の観光客を対象にしたアンケート調査、新たな観光資源を発掘するためのフィル—ドワーク、国内外の他大学大学生との意見交換会・研究発表会への参加など、多くの活動に取り組みました。これらの活動を通じて、学生自らが、旅館がより多くの顧客を集客するために取り組むべき課題を発見、そしてその課題解決に向けて新たな提案を行うという一連のキャリアゼミの目的を達成することが出来ました。このような経験は、学生の実践的行動力の向上に大いに役に立ち、今後の就職活動にとって大きなメリットとなり、卒業後、就職先での即戦力にもつながるのではないかと考えます。