国際観光学部 国際観光学科 和泉 大樹

 阪南大学国際観光学部和泉研究室は「地域・観光の創造(地域資源や人的ネットワークなどを活用しながら、地域づくりや観光振興のための新たなデザインプランを思考・提案し、地域の方々と共創的に実践する)」を研究テーマとしています。
 2022年7月より、国際観光学部和泉研究室現3回生は、八尾市政策推進課とともに、観光・文化財課、広報・公民連携課の協力のもと、八尾市における市内外からの観光者の増加の一助となること、ひいては、地域経済の活性化へのきっかけづくりを目的とする「八尾市における地域魅力の見える化の促進」に取り組んでいます。具体的には、フィールドワーク(現地調査)を重ねながら八尾市にみられる人を惹きつけるさまざまな魅力(地域魅力)を整理・再発見し、その魅力が最大限に伝わる発信コンテンツ(VRコンテンツ・ストーリー性のある動画など)を制作し、効果的な方法で発信することで地域魅力の見える化を促進させ、観光者に選ばれる地域を目指し、八尾市における賑わいの創出に貢献したいと考えています。
 2023年11月13日、本学南キャンパスにおいて、八尾市役所のみなさん(政策推進課平井さん/中沢さん/甲斐さん、観光・文化財課西澤さん、広報・公民連携課藤木さん/杉谷さん)に来学いただき、これまでの活動の中間報告と今後の方向性などについての報告会を実施しました。
 
 現在、これまでのフィールドワークにおいて収集した八尾市内のさまざまな魅力について、1)Instagramに投稿するショート動画や2)Instagram・YouTubeなどに投稿する予定の2~3分のモデルプラン動画の2種類の発信コンテンツとしてまとめる作業に取りかかっており、その現状を以下のように報告させていただきました。
 
1)ショート動画
 現在、2本のショート動画を研究室のInstagramアカウントで投稿していること、また、年度内に10本の動画を作成することを報告させていただきました。
 
2)モデルプラン動画
 モデルプラン動画に関しては、これまでのフィールドワークや教室における学びから、以下のようなコンセプトを見出し、モデルプランを創造し、動画コンテンツとしてまとめようとしていること。また、コンセプトを踏まえて4本のモデルプランを作成中であることを報告させていただきました。
 
観光という言葉と八尾を結びつけて思考すると・・・。
観光は、ちょっと気合い入れてお出かけするイメージ。京都や奈良で抹茶や紅葉、神戸で夜景
 など。はたして、大阪府内の方々に「八尾で観光」がイメージできるか?「観光」という言葉
 で「八尾」に着目してもらえるか? 「今日どうする?」に対応できるまちならイメージしやすい
 か?
とは言え、八尾における観光者を増加させたい。八尾の観光に着目してもらうための「リード」
 が必要。
そこで、八尾での観光のイメージをキャッチーな言葉で表現、目につくことを意識し、普及性
 を高めたい。コロナ禍に聞かれるようになったマイクロ・ツーリズム(近隣での観光)は表現
 が硬い。そもそも「ツーリズム」という言葉は、専門家・観光事業者     
 以外は使わない。普及性には欠ける。 
 
   
コンセプト「今日どうする? ちょこっと八尾で身近観光(みじかんこう)。」 八尾には、食魅力、歴史魅力、景色・公園魅力、まち魅力などがいっぱい! 気軽にお出かけするにはもってこい。普段着観光のまち。
 上記を踏まえて、現在、4本のモデルプランの作成に着手しています。なお、これらは、内容によっては、大阪に来た外国人向けの新たな「大阪観光メニュー」としての展開の可能性もあるのではないかとも考えています。

①スイーツをちょこちょこ食べながら、八尾の歴史魅力も味わえる。八尾のオカシトレキシ
 観光(美味しいスイーツをお供に、文化財の宝庫である八尾のまちをめぐります)
②八尾、和菓子の小径(八尾には、和菓子屋さんめぐりができるぐらい多くの和菓子屋さんがあります。その魅力をご紹介します)
③自転車で、走って、食べて、走って、食べて。お持ち帰り店舗をめぐる。八尾のカロリーゼロ観光(レンタサイクルを活用しながら、八尾のまちを食べ走る。体も心も満たされるプランです)
④一度は経験して欲しい「八尾の銭湯」(近年その数が激減している銭湯。温泉とは異なる独特の魅力があります。何とか残って欲しい、残したいという想いのもと、八尾の銭湯魅力を紹介します。また、浴場を併設していない市内のビジネスホテルの宿泊者に銭湯を紹介するしくみの検討なども視野に入れたいです)
 また、この取り組みを発信・周知するために、作成した4つのモデルプランの中から1つを選択し、2024年3月頃に、実際に参加者を募り、「身近観光ツアーのイベント」としてパイロット的に実施する予定です。乞うご期待!
そして、これまでの研究活動の中で抽出することができた「今後の展望」についても、以下のように報告させていただきました。この取り組みを拡充させていきたいと考えています。
 
・発見した八尾の魅力をエリアごとにまとめるのではなく、ストーリー性のあるモデルプラ
 ンとして整理し、発信していく。
・モデルプランをさらに作成、「身近観光(みじかんこう)」のシリーズ化を進め、普及性の
 向上に努めたい。
・動画に出演してくださる市民モデル(ファミリーや外国人など)を公募したい。
・事業者への周知機会を設け、賛同してくださる事業者、出演してくださる事業者をつくり
 たい。また、事業者と事業者をつなげるなどにも発展させたい。
 ショート動画やモデルプラン動画の作成はもちろんですが、地域のさまざまな方々を巻き込みながら一緒に動画を作成し、地域に刺激を与え、地域に動きが生じるきっかけを提供することも目的としたいと考えています。この取り組みは、八尾が観光者に選ばれるためのしくみを作るアクションであると同時に、観光者を受け入れる側の意識醸造などにもつながるような取り組みに昇華させることができればと考えています。
 八尾のみなさま、引き続き、ご教示・ご指導をよろしくお願いいたします。

研究活動の風景

 研究室では、フィールドワークを重ねながら、教室で考える。現地と大学を往復することにより研究活動を進めています。また、観光地域づくりにおける実践的な研究においては、自分たちが地域の観光魅力などを体験し、楽しむことも大事です。ということで?久宝寺緑地でBBQもしっかり楽しみました!

中間報告会

少し緊張していたようですが、無事に報告できたのではないでしょうか。
引き続き、よろしくお願いいたします。