ひらめき☆ときめきサイエンス〜ようこそ大学の研究室へ〜KAKENHI を開催しました。
テーマ 『 貿易ゲームで「地球市民」になろう〜国際協力について考える〜 』
阪南大学は、日本学術振興会との共催で実施する科学研究費補助金の研究成果の社会還元・普及事業に参画しています。3回目となる今回は、本学国際コミュニケーション学部段家誠教授を講師に、中高生を対象とした『貿易ゲームで「地球市民」になろう〜国際協力について考える』を8月29日(土)に開講しました。この講座を通して現実世界のモノの流れ(貿易)を疑似体験し、様々な問題を地球規模の視点で考えてみるとともに、国際協力ボランティアを学ぶきっかけになればと思っています。
講座プログラム
10:00〜 受付
10:30〜 開講式(挨拶、科研費と本事業の説明、オリエンテーション)
11:00〜 講義(国際協力、世界銀行、NGO、南北問題、開発と環境問題について)
12:00〜 昼食・休憩(フリートーク)
13:00〜 貿易ゲーム(1) フェアトレードについて理解を深めよう(休憩含む)
15:10〜 貿易ゲーム(2) 国際協力演習で深く学ぼう(休憩含む)
16:40〜 修了式(アンケート記入、「国際協力博士号」授与)
〜17:00 解散
10:30〜 開講式(挨拶、科研費と本事業の説明、オリエンテーション)
11:00〜 講義(国際協力、世界銀行、NGO、南北問題、開発と環境問題について)
12:00〜 昼食・休憩(フリートーク)
13:00〜 貿易ゲーム(1) フェアトレードについて理解を深めよう(休憩含む)
15:10〜 貿易ゲーム(2) 国際協力演習で深く学ぼう(休憩含む)
16:40〜 修了式(アンケート記入、「国際協力博士号」授与)
〜17:00 解散
実施の様子
午前の部 10:25−11:50
まず、科研費及びひらめき☆ときめきサイエンスの趣旨ならびにこれまで阪南大学で開かれたひらめき☆ときめきサイエンスについて説明しました。その後、導入で講師による国際社会の政治経済の現状について、講師が集めた国際開発現場のスライドを活用して講義を行いました。
次に、参加者にA4用紙を配布して、世界地図を描いてもらうプログラムを行いました。これは参加者自身に世界の地理をどのように捉えているかを自覚させる、開発教育の一手法です。世界地図を書いてもらった後、世界の所得格差、貿易等について記載された世界データマップを配布して解説しました。最初は緊張気味であった参加者も和やかな感じになり、明るい雰囲気で進めることができました。
午後の部(1) 12:45−14:50
休憩を挟んで昼食後は、貿易ゲーム(1)を行いました。貿易ゲームは、参加者を資源・工業技術力・労働力にそれぞれ格差のある先進工業国と開発途上国の4グループに分け、それらに規格に合った製品を生産してもらい、最終的に得た富を比べるものです。それによって、得られた富の差は何に起因するか、参加者に考えてもらうものです。貿易ゲーム後、講師によるゲーム中に出した意図について説明を行い、南北格差、自由貿易、市場価値の変化、移住労働者、国際分業、国際援助、環境問題、経済のグローバル化等について詳しい解説を行いました。この貿易ゲームは参加者の皆さんにとって新鮮だったようで、大いに盛り上がりました。
午後の部(2) 15:10−16:40 / 修了式・記念撮影 16:40−
貿易ゲーム(2)では、国際協力に伴う諸問題について、講師の専門である世界銀行と非政府組織(NGO)に関連して、インドのダムを事例に、講義、参加型シュミレーション、解説を行いました。参加者に対して、世界銀行の援助の仕組み事例について説明した後、ダム開発のメリットとデメリットについて考えてもらいました。その後、講師が科研費等による現地調査で集めた写真スライドを使い、参加者の皆さんにプレゼンテーションをしてもらいました。さらにダム開発援助にかかわるアクターを、当該政府高官、現地移住対象者、世界銀行担当者、米国議会議員、日本の主婦、マスメディア、現地建設業者等に分けて、それぞれ異なる立場を参加者に演じてもらいステートメントを読んでもらうことによって、当事者の心情を疑似体験してもらいました。最後に、市民として日常生活でどのような行動を取れるか、いくつかの選択肢を示したカードを各グループに渡してそれを自由に並べてもらいました。前の貿易ゲーム(1)よりも内容的に難しく感じた方も多く見えましたが、大学生のサポートもあり、滞りなく進めることができました。
国際協力のすべてを一日で語り尽くすことはできませんが、身近なことから国際協力に参加できるという思いが、この一日で芽生えたのでは、と思います。参加者にとっては有意義な一日になったことでしょう。修了者には「国際協力博士号」を授与し、締めくくりとしました。