経済学部3年生:藤井寿人、篠原大輝、谷向萌

 経済学部豆本ゼミでは、例年、フィールドワークを中心に据えたゼミ活動を行っており、3年生では学生自身で研究テーマを決めて企業訪問を行っています。今回私達は関西における美容師の人材派遣業について調査を行いました。
 12月20日に株式会社セイファート関西ブランチ(大阪市西区)を訪問し、キャリアデザイン事業部の岩永冬季氏にお話しを伺いました。株式会社セイファートではメインである美容業界向けのWebを中心とした広告求人サービスの他に、美容師の紹介・派遣事業も行っています。同社によると、美容師の派遣業界の市場規模はまだ小さく、美容師全体が56万人いるのに対し派遣で働く人は1.8%程しかなく、地域的に見ると関東を10とすると関西は2程度しかありませんが、関西は美容師派遣の認知度がまだ低く、将来的には伸びしろがあると見ているそうです。
 株式会社セイファートで派遣登録されている美容師としては、ママさん美容師やブランクがある人等が多く、30代~40代の女性が5割以上を占めるとのことです。美容師業界は長時間労働など労働条件が厳しいところが多く、正社員よりも派遣の方がむしろ労働時間などで待遇が良いこともあり、あえて派遣を選ぶ方もおられるそうで、美容師側でもシフトの自由性や時短勤務を希望する方が多いそうです。カットができる、シャンプーができる等の美容師の技術・技能については、専用の項目を基にチェックをしており、ダッカール、ハサミ、コーム等の道具は美容師側で用意し、ドライヤーやヘアアイロン等はサロン側で用意するとのことでした。
 ヘアメイク業界では、成人式や七五三、撮影現場など単発での美容師の需要も多いそうでうが、法律で日雇い派遣は禁止されているので、同社では派遣ではなく人材紹介によって対応しているとのことです。
 今回の取材を通して美容師の派遣業界は予想よりも小規模であることがわかりました。しかし、労働条件などの待遇面では一般的なサロンの正社員よりも良いこともあるとのことなので、さらなる発展に期待したいと思います。
(今回の調査では、阪南大学学会の補助を受けて実施しました)