2016年度海外インターンシップ ベトナムクラス 参加学生の感想・気付き④

 2016年度海外インターンシップ ベトナムクラスの6名の参加学生の感想・気付きを紹介します。今回はその第4回(最終回)となります。

経営情報学部 3年生 長尾 明日香 さん

 私は、経済発展中の国として、世界的から大変注目されているベトナムに強い関心がありました。
 自分で見て、聞いて、体験して、自身の世界を広げるために、ベトナムでのインターンシップに申込みました。私の研修先はALSOK(VIETNAM)Co., Ltd.でした。日本でもおなじみの、主にセキュリティサービスを取り扱う会社です。初日に、安立社長からベトナムの治安状況やセキュリティの現状を教えて頂きました。交通機関が大変混雑している事や、経済格差、ひったくり、盗難、薬物など様々な問題を抱えていることも知りました。会社はホーチミン市の中でも高所得者の住む別荘地に所在しているため、街の中心(ホテル)からタクシーで15分程でした。安立社長の奥様から市バスの乗り方を教わり、バスでの通勤もしました。日本の市バスとは違い、時間通りに来なかったり、手を挙げないと停まらなかったり、乗客が完全に乗っていないのに急発進したりと、朝の交通量の多さでスリルを感じることもありましたが、バスで少し高い位置から見る朝の街並みや、サイゴン川はまた違って見えました。
 私に任せて頂いた業務は、まずは機械警備の営業をするための顧客ターゲットリストの製作です。機械警備(アラームシステム)を簡単に説明すると、夜間や建物が無人の時に、侵入があるとセンサーが作動し、待機場所から警備員がバイクで駆けつけるシステムです。ベトナム人にはまだまだセキュリティに関する知識やニーズがないため、日系の店舗にテレフォンアポイントメントを始めました。奥村副社長にアドバイスして頂きながら、主に日系の飲食業の店舗や美容室、美容サロンにお電話させて頂きました。テレアポをする上で心がけたことは、言葉遣いはもちろんのこと、相手の方に興味を持って頂ける様に話すことや、スムーズに聞き取りやすく手短に話すことです。限られた時間なので、リストを製作しつつ、テレアポを続けました。軽犯罪が多く、侵入や窃盗などの重犯罪が比較的少ないので、危機感を持たれるお客様は少なく、お断りされる方が多かったです。一方、アポイントがとれた時はとても嬉しかったです。
 営業活動は、奥村さんに同行させて頂きました。世間話を交えつつ、お客様がお困りであることや求めていらっしゃるものを素早く察知しセールストークをされていて、私が想像していた営業活動よりも自然で柔らかい雰囲気でした。警備業務は、人(警備員)が商品となり、信用、安全が第一となります。見えないものを売ることに難しさを感じました。お客様にいかに分かり易くご説明できるか、イメージして頂けるかがポイントとなります。残念ながら、悪いことが起きてからの方がニーズの高まるものでもあるので、そこもまた難しい部分でした。最近になり、ホーチミンでは比較的少ない侵入・窃盗が少し目立ち始めたことにより、セキュリティの設備をご検討されるお客様もいらっしゃいます。建物の特徴を立ち寄った際に外から一度確認し、どこが危ないか、侵入しやすいかを一度確認してから中に入らせて頂きます。様々な情報の事前確認をすることにより、よりお客様のニーズに近いものをご提案することが出来ます。単独で営業に行かせて頂いた時は、自分から長々と話すのではなくお客様のお困りのことや、建物の状況を質問しつつ話を進めることを心がけました。そうすることによって、得られる情報が多いことに気づきました。同時に、自分で考えて行動・発言することの難しさを知りました。これは引継ぎ業務となりましたが、会社の今後の営業活動に活かしていただけたら幸いです。テレアポから始まり、テレアポでお話しした際からセキュリティ対策をご検討されていたお客様(日経飲食店)にご提案から店内の図面作製、見積もりなどを奥村さんと一緒にさせて頂きました。インターン最終週に再度ご訪問し、受注できた際はとても嬉しかったです。奥村さんのサポート、社員の皆さまの日頃のご尽力のおかげです。今まで感じたことのない達成感がありました。セキュリティサービスは受注で終わりではなく、これからのサービス・対応力で変わっていくものでもあります。ベトナム人警備員の教育や、24時間の監視、機械の点検など、やることはたくさんあります。本当に大変な仕事だと思います。
 営業する上で、お客様から多く質問されるのが、「他社との違い(メリット)は何か?」です。業界で勝ち残っていくには、常にお客様に満足していただく事が大切となります。料金等での比較もありますが、ALSOKにとってそれは、安心感・信頼度であると私は思います。
 営業だけでなく、現地で長期滞在されている企業者の方とお話しする機会も設けて頂き、日本で働くのとはまた違った、大変さや、面白さを知ることができました。日系企業が進出している、工業団地の視察に同行させて頂く事もありました。工場のセキュリティの問題点を改善するために日々努力されていました。日本人が指揮を執ってベトナム人を管理する大変さを目の当たりにしました。
  • 日系企業 常駐警備員

  • 警備員向けトレーニング

 インターンシップ後半はAEDの営業で、クリニックや大手企業にテレアポをしました。ホーチミンでの主な導入例は工場や大型アパートです。日本ではよくAEDを見かけますが、ベトナム人のAEDに関する知識はまだまだ少ないです。私もAEDの使い方を詳しく知らなかったので、社員の方に教えて頂きました。機械の音声で使い方の手順を誘導するので、とても分かり易いです。ベトナムでは、緊急の時に救急車が素早く来てくれるとは限りません。交通の関係や、治療費が払えるか定かではないという理由で、命が助からないケースが多いです。ALSOK VNではAEDを導入して終わりではなく、AEDの使い方や知識に関する講習会をベトナム人スタッフも交えて行っています。これから先まだまだ成長していく国なので、身の安全に対する意識をみんなが持つことで、より良い国になっていって欲しいです。
 会社では、休憩時間に女性スタッフの方々に日本人女性の一般的なメイクアップ講座をしたり、ベトナムの食べ物を紹介して頂いたり、情報交換するのがとても楽しかったです。フルーツに唐辛子と塩をつけて食べるのには驚きました。

 分からないことだらけで、ご迷惑をおかけすることが多かったと思いますが、いつも笑顔で接して下さった皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
 ベトナムの平均年齢は28歳なので、高齢化の日本とは違って、全体的にいきいきしていていました。私もそのような活気のある場所で働きたいと思うようになりました。これからも、積極的に自分の世界を広げていきたいです。まだまだ語学など、勉強不足なことが山積みなので、残りの学生生活でしっかり準備していきたいと思います。

 三回生の夏に海外でインターンシップする機会に巡り合えて本当によかったです。このような機会を設けて頂きました、三木先生、ALSOK VNの皆様、その他関係者の皆様に心から感謝致します。

<参考>