関西 機械要素技術展を見学しました(経済学部三木ゼミ2年生)

 2015年10月7日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、大阪南港のインテックス大阪で開催された「第18回 関西 機械要素技術展」を見学しました。
 三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。
 なお、三木担当の授業では「特別研究」受講者の2名も10月9日(金)に同展示会を見学しました。

関西 機械要素技術展とは

関西 機械要素技術展は、軸受、ベアリング、ねじ、ばねなどの機械要素や、金属、樹脂に関する加工技術を一堂に集めた西日本最大の専門技術展であり、毎年設計・開発、製造・生産技術部門を中心とした製造業ユーザーが多数来場し、出展企業と商談を行っています。この展示会は、ものづくりの最先端技術が一堂に集まる展示会として、西日本ユーザーにとっては欠かせない場として定着しており、今年度は2015年10月7日(水)〜9日(金)の3日間開催(主催:リード エグジビション ジャパン株式会社)され、1310社(同時開催展を含む)が出展、約42,000名の専門家・ユーザー・行政担当者が来場しました。

参加学生の気づき、感想

経済学部 2年生 山田 恭歌

 今回、私はインテックス大阪で開催された関西ものづくりワールド2015(機械要素技術展)を見学させて頂きました。この機械要素技術展はたくさんの企業が集まってブースを出し、来場者と商談をするための展示会です。
 私はこの機械要素技術展に出展されている企業から2社お話を伺いました。1社目は田中技研株式会社の田中さんと久保さんでした。田中技研株式会社は愛媛県西条市にある機械部品メーカーです。この会社で一番初めに目に留まったのが細い針をアップにしている映像でした。お話を聞いてみるとこれは注射針で、0.5mmの細さの注射針の中に0.1mmの大きさの穴を開けている、ということでした。今まで注射針を間近にじっくりと見る機会などはなかったため、こんな技術があることも知りませんでしたのでとても驚きました。さらに、AMTC200というペット用のがん治療器もこの田中技研株式会社さんが生産しているそうです。このがん治療器は皮膚や舌など、表面的ながんにしか使えないそうなのですが、現在の腫瘍治療の主流である手術や放射線治療、抗がん剤治療とは違い、放射線による被曝もなく、薬剤等を使用しないため、副作用が軽減でき、ペットへの負担も小さくて済むという画期的な治療装置です。現在飼われているペットは人間が食べるものと同じような原料の食品を食べているためがんになりやすくなっているそうです。わたしも家で2匹犬を飼っているため、ペットの健康には十分気を使っていますがもし将来自分のペットががんなどに罹ってしまった場合、このような装置があればとても心強いだろうな、と思いました。現在、実際に導入されているのは東京や大阪など都心部だけだそうですが、今後全国に流通していく予定だそうです。少しでも早くこの装置が全国の動物病院に導入され、苦しんでいるペットたちが助かることを祈っています。
 2社目は長野県岡谷市のミクナスファインエンジニアリング株式会社さんにお話を伺いました。こちらの会社はもともと腕時計用の精密部品加工の企業で、現在は電子・情報・通信分野へと活動の幅を広げておられます。ここで初めに目に留まったのは、小さな部品を均等に並べていく機械でした。お話を伺ってみると、これはパーツを画像登録することによりヘッドの交換と設定のみで微細部品の搬送・整列・供給を可能にした機械だそうです。精度が高く微細な差まで判別できるため、違う部品が混入されていても完全に選別します。この話を聞いていたときは機械ってすごい、進化しているなと思っていましたが、もっと驚いたのはこの後の話を聞いた時でした。スプリングテストプローブという0.08mmの髪の毛より細い部品があるのですが、この中にばねを入れる仕事は人が手作業でしているそうです。実際部品を拝見させて頂いたのですが、これを人間が扱っているのかと思うと気が遠くなる作業だな、と感じました。
 今回お話を伺ったのは授業の時間の都合もあり2社だけでしたが、それでも中小企業がそれぞれオンリーワンの技術を持っていることがわかりました。わたしたちに見えない企業はたくさんあって、しかしわたしたちはそういった企業があるからこそ今の生活が出来ていることをこれから意識してみようと思いました。

経済学部 2年生 阪上 優里菜

 今回、私たちはインテックス大阪で開催されていた関西機械要素技術展を見学しました。様々な地域から企業が集まる大きい展示会でした。
 初めに、愛媛県の田中技研株式会社に伺いました。この企業は、注射針や動物が皮膚病になった時に治す機械を製造している会社であり、医療以外の飛行機の部品なども製造しています。この企業で2つ印象に残ったことがありました。1つ目は、注射針の細さが0.5mmで外側に顕微鏡で見ないと見えない無数の穴が開いていました。これを見た時は、顕微鏡で映し出しているだけだったので何かが分かりませんでした。しかし、説明を聴いた時は注射針の外側に無数に穴が開いていると思っていなかったので衝撃を受けました。2つ目は、ペットの病気を治すAMTC200という機械です。この機械は、皮膚がんやその他皮膚病が見つかった時に使う機械です。皮膚がんになった部分に機械をあて、低温やけど状態にし、かさぶたにします。そして、かさぶたと一緒にがん細胞が取れるという仕組みになっています。今は、あまり出回っていないですがこれから増えていって、のちのち人間にも使われるようになるようです。
 次に、長野県のミクナスファインエンジニアリング株式会社に伺いました。この企業は、電子・情報・通信分野の部品を製造する会社です。マイクロ・パーツ・フィーダという機械を見せてもらいました。これは円盤の上にすごく小さくて細い金属があり、円盤に振動を起こし小さい金属を分散させ、それを傷がつかないように空気で1つずつ機械が取って型にはめていく機械です。また、この機械が終わった後の工程には人間の手によって作業を行う過程もあり聴いた時はこんな小さいものを手作業でするなんて信じられませんでした。しかし、機械ばかりで作業するのではなく人間の手を加えることで、また少しだけ修正した時や機械とは違った細かい作業が出来るのかなと感じました。
 様々な企業を見ることができる展示会に行って、今まで知らなかった事や私が普通に暮らしている中にあるものが作られているのを間近で見るころが出来ました。間近で見て直接話を聴いたことにより、どういう気持ちで製造しているのかなどといったことを知ることができて貴重な経験が出来ました。

経済学部 2年生 椎葉 昌也

 10月7日、今回私はインテックス大阪で3日間開催されていた「関西 機械要素技術展」に行ってまいりました。想像していたよりも規模の大きいイベントで、これまでに18回も開催されていたことに内心驚きました。インテックス大阪には過去に何度か来たことがありましたがスーツ姿の人間があんなにもわらわらと集まっているのは初めて見ました。今回の技術展はそれほど注目されており、多くの企業にとって大事なイベントなのだろうと思います。
 日本全国、または中国から、中には県や市の公共団体のブースもあり、数多くの地方から来られた企業が出展されており自社の製品を大きくアピールしていました。各企業独自のカラーでブースを造っており、キャンペンガールらによる積極的な商品の紹介・ブースの見学の勧誘、マグカップや消しゴム等、自社の製品またはその製品で作ったものの配布を行っていました。ブース内の見学、配布物を頂く見返りに名刺が必要とされるところもあれば、アンケート・商談を求められもしたので学生である私は場違い感が凄く、ビジネスをしようと話しかけて来られた相手の最も求めている答えを持っていないので罪悪感がありました。このようなイベントによってメーカーが出展社を知り、商談次第では受注され、大きな成果が互いに上げられるとなるとあんなにも多くの企業や人が集まるのも納得のとても良い展示会だと思えます。
 昼から別の講義がありましたので1〜2時間程しか会場にいることができませんでしたが、それでも多くの企業を見て回ることはできました。特に私が目を引いたのは岡山県美作市のブースです。こちらは周囲のブースが製品を展示、紹介している中で美作市の作東産業団地を企業の立地に是非、と紹介されており、技術展でまさか土地を紹介しているとは思ってもいませんでしたので印象的でした。作東産業団地は小さめの工業用地ですが緑が豊かで特別高圧に隣接していること、すぐ近くにある中国自動車道で近畿、中国、四国、九州と直結していること、土地代最高55%の補助・移設費用2分の1の補助等の多くの補助制度があることから企業立地にもってこいの土地だとのことでした。お陰様で人気のようで既に団地の8割近くは埋まっており、分譲区画は残りわずかでした。このような方法で地元の活性を行うこともできるのだなと一つ勉強になりました。
 今回の見学で私はもっとこのような企業が集まるイベントが行われ、中小企業が外へ進出できる機会が増えて発展していってほしいなと感じました。

経済学部 2年生 松井 大輔

 今回、私たちはインテックス大阪で行われた関西機械要素技術展へ行き、日本を支える大阪のものづくり企業にはどのような企業があり、また、それら企業の製品が私たちの日常生活のどのような場面で活躍しているのか、などを中心に見学しました。
 私は今までに、大阪、特に東大阪にはものづくり企業が多く、高度な技術を用いている企業があることを耳にしてきました。また、大学の学びの中で中小企業の部品や材料が大企業の製品を支えていること、そして、海外進出していることも学び、以前よりものづくり企業に魅力を感じていました。しかし、実際にものづくり企業を目の当たりにする機会はあまり無く、どのような規模なのか、どれだけ凄いのか、正直分かっていませんでした。今回、関西機械要素技術展へ行き、私自身、まず、企業の数、そして種類の多様さに驚かせられました。広い会場がいくつもあり、ほぼ埋め尽くされていました。私は会場内で様々な企業の展示を見ていくなかで興味をもった企業がいくつかあり、それらの企業の方にお話をうかがいました。その中の1社がモーターを扱うオリエンタルモーター株式会社(本社:東京)さんです。興味を抱いた理由は、展示場で披露されていたモーターの技術の高さです。モーターが2つあり、お互いが細いシャープペンシルの芯でつながれていました。回転速度など少しでもズレが生じるとシャープペンシルの芯は折れてしまいます。しかし、どれだけ回転しても折れませんでした。細部まで極めた技術の高さにとても驚き、私自身今まで知らなかった企業にこれまで高い技術を持った企業があることを実感し、ものづくり企業のレベルの高さを肌で感じた体験となりました。もう1社興味を持った企業に、株式会社イマダ(本社:愛知県豊橋市)という様々な測定器を製造している企業があります。今まで私の中で、ものづくり企業とは、生活のまわりで使用されているモノ、また、その部品となっているモノを製造していると思っていました。株式会社イマダさんが製造している測定器は、自動車、飛行機、鉄道、電気製品など、産業用機器の中で使用されている測定器で、日常生活では、あまり見ることのできないモノであり、ものづくり企業における視野が広がった体験となりました。株式会社イマダさんの測定器は、あらゆる「力」を測定するものであり、このことから、私たちの身の安全を守るための企業であることが分かり、私の身の周りにもあらゆる企業が間接的に関わっているのだと思いました。
 今回の関西機械要素技術展の見学で、改めてものづくり中小企業の技術の高さ、多様さを知ることができ、より多くの企業について調べていきたいと思いました。また、日常生活するにおいて、あまり見かけなくとも、間接的に様々な企業が携わっている。という発見もあり、視野が広がった良い体験となりました。また、高い技術力、細部まで徹底した機械の製造を見て、日本のものづくり企業が海外進出している、また、出来ていることが理解でき、身の回りの機器などをもっと注意して見るようにしようと思いました。

ご参考