錦城護謨株式会社を訪問しました(経済学部三木ゼミ 3年生)

 2015年5月27日(水)、経済学部の三木ゼミ3年生は、八尾市にある錦城護謨(きんじょうごむ)株式会社を訪問し、代表取締役社長の太田泰造さん、工業品事業本部営業本部西日本営業部の義間智章さん(本学OB)、土木事業本部営業部開発営業課の前山歩さんにお話をうかがいました。
 錦城護謨株式会社は昭和11年(1936年)に錦城護謨製造所として創業。工業用ゴム部品の製造・販売を担当する「工業品事業本部」と、キャッスルボードドレーンという自社製品を軸にした土木事業を担当する「土木事業本部」の2つの事業を柱とする企業です。また、平成22年度に大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞 最優秀企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。

(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業振興機構、地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所で構成

意志貫徹の大切さを再認識しました
3年生 松本 光司

 今回私たちは錦城護謨を訪問しました。訪問前はゴムといえども、どのような製品を作っているのか、ゴム自体私たちの生活とはそこまで密接に関わっているものではないのではないかと思っていましたが、実際に訪問してその考えは180度変わりました。
 錦城護謨さんでは工業品事業と土木事業の二つを主に行っており、それぞれの事業でこれまで貢献してきたものが私たちの生活と身近なものばかりでした。例えば、工業品事業では、シェーバーの防水加工や携帯電話の防水加工、炊飯器の内側のゴムや、私が10年間競技者として携わっていた水泳の必需品であるスイミングキャップやゴーグルも作られていました。それらを聞いた時に、私の中でゴムというものがいかに身近で且つ快適な生活をおくるために必要不可欠なものであるかを思い知らされました。また土木事業では、建物地盤を固めるために使われるプラスチックボードドレーンが、例えば羽田空港や某有名テーマパークのお城の地盤を支えるために使われたりしているとのことでした。
 お話を伺った後に工場見学もさせていただいたのですが、その際に私は社員の方々の丁寧さと元気良さを持ち合わせた挨拶とシリコンゴムを使った製品の製造に興味を持ちました。通常のゴムよりも更に繊細さを追及されるシリコンゴムを使った製造は、離れたところからコンピュータを駆使しての正確無比な設計も含め、かなりの緻密な作業でした。別の素材の部分を傷つけることなく製品を確実に完成の形へと近づけていく工程は、自分たちだからこそ作ることのできるものだと、一人一人が自信と誇りを持ち、製造しているのだと挨拶の丁寧さと元気良さからも感じました。
錦城護謨さんは現在海外進出することが主になっている日本企業とは異なり、国内(八尾市)での製造にこだわり、八尾でしか作ることができないものを作るという技術力の高さを武器に高みを目指している企業です。私はグローバル人材になるべく、日々ゼミでの活動を頑張っていますが、そのような確固たる考えを持ち、なお貫くことの大切さは学ばせていただく部分だと感じました。訪問を経て、社会人になってからではなく、今から物事に対して目標をたてて、達成という意志を貫徹することができるような人物になろうと決意しました。

他の企業にはない技術と八尾で進化するという意思を貫く姿に心を打たれました
3年生 李章徳

 私たちは5月27日に錦城護謨株式会社を訪問しました。錦城護謨株式会社の主な事業内容は1)工業品関係(工業用ゴム・樹脂製品の製造・販売) 2)土木関係(自社ブランド土木資材・製品の生産・販売、軟弱地盤改良、水路弾性目地工事の設計・施工・管理、他) です。錦城護謨株式会社では上記の通り工業用のゴム部品事業、そして土木事業と、まったく異なる2つの事業分野を取り扱うことでリスク分散し、安定した売上を実現することによって新しいことにチャレンジする土台を作っています。
 私は今回の訪問で、私たちが普段何気なく利用している家庭用炊飯器のパッキンやスマートフォンの電池カバーのコネクターキャップ、さらには高速道路のETCゲートに設置されている車両識別センサーの踏み板などが製造されていることを初めて知りました。また、すべての事業においてナンバーワンの企業と組み世の中にないものを作るということを太田泰造代表取締役社長からお聞きした後、工場内を見学してそのことが本当であることを肌で感じることが出来ました。錦城護謨株式会社は八尾で進化しメードイン八尾にこだわり続けています。中国にも工場はありますが、難易度の高い製品などは八尾で製造していることをお話から知りました。お話が終わり、工場内を見学させていただくと一人一人の従業員全員があいさつをしっかりしてくださり、従業員教育が行き届き活気があふれるとともにいい企業だということが一目でわかりました。引き続き工場内を歩くと多くの成形機があり、従業員の方がゴムを並べ金型でプレスする工程を見た時はここでも金型が欠かせないのだと改めて感じることが出来ました。また、金型はすべてバーコードで管理しており、使用頻度の高いものはすぐに生産できるように準備していることも知ることが出来ました。ETCの車両識別用センサーの踏み板を製造する工程では1500トンのプレス成形機が目の前に現れ、その迫力に圧倒されました。この成形機はほかの中小企業ではほとんど見られないというくらい大きな成形機であることを知りました。錦城護謨のETCの車両識別用踏み板は名神高速をはじめ多くの高速道路で採用されていることも知ることができました。スイミングキャップやゴーグルの製造過程ではコンマ数ミリの薄さで作る技術というのがまさにほかの企業や中国の工場では出来ない技術であるということがわかりました。ほかの企業にない技術や設備が錦城護謨にはあるためナンバーワンの企業と組み独自の技術で勝負することが出来るのだということを見学で学ぶことが出来ました。
 グローバル時代の現代日本の大企業のみならず中小企業でも海外に進出していますが、日本とは文化や習慣なども違うなかで事業を行うことは簡単なことではありません。もちろん独自の技術力があれば海外に進出して事業を拡大していくことはできますし、それも1つの道だと思います。ただ、一度海外で事業を始めると撤退することは容易ではありません。錦城護謨ではこのことを理解して、海外事業展開するよりも自分たちがいま八尾で出来ることは何かと考えて、地元に貢献しようとする姿には感心させられました。
 錦城護謨のように自分たちの意思を貫く姿を見てそのことがいかに重要であるかを学ぶことが出来勉強になりました。

【ご参考】錦城護謨株式会社HP

錦城護謨株式会社HP

錦城護謨ウェブサイトより