OFFICE ZETA(有限会社 ゼータ) 代表取締役 弓場 俊也様にお話をうかがいました

 2015年3月24日(火)、経済学部の三木ゼミ新3年生は、OFFICE ZETA(有限会社 ゼータ) 代表取締役 弓場 俊也(ゆば としや)様にあべのハルカスキャンパスまでお越しいただき、「国際ビジネスにおける異文化理解」というタイトルでお話をうかがいました。
 三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。
 なお今回は、2015年4月より三木ゼミに参加する新2年生も同席し、お話を一緒にうかがいました。

弓場俊也様プロフィール

【ご略歴】
 同志社大学商学部卒業後、総合商社においてヨーロッパからの高級アパレルの輸入、ロジスティックを担当、及びブランドライセンス管理に携わりイタリアミラノに8年半の駐在生活をおくる。
 帰国後イタリアファッションブランド事務局に勤め、2001年にイタリア貿易コンサルティング事務所OFFICE ZETAを設立する。

【資格・免許・所属など】
・通関士資格取得
・JETRO認定貿易アドバイザー試験合格
・日本商工会議所 商業英語検定試験(Aクラス)合格
・IATA公認国際航空貨物ディプロマ取得
・イタリア貿易振興会(ICE) 登録通訳
・大阪商工会議所中小企業応援センター専門家
・ジェトロ神戸貿易アドバイザー

【講 師】
・大阪市立大学 / 非常勤講師
・京都橘大学 / 非常勤講師
・追手門学院大学 / 非常勤講師
・(財)大阪国際経済振興センター(IBPC) / 講師

【所属協会 / 学会】
・貿易アドバイザー協会(AIBA) 会員
・日本貿易学会 会員
・国際ビジネスコミュニケーション学会 正会員

異文化を理解することが国際ビジネスにおいて重要なのだと分かりました/ 新2年生 松井 大輔

 今回のご講演で国際ビジネスを行うにあたって異文化理解がとても重要となることを知り、自国の常識は他国の非常識になりうること、また場合によっては無礼にあたることが分かりました。言語やコミュニケーション能力も必要となるが、それら以上に大きな役割となることから、今私たちが何を学ぶべきなのか考えさせられました。さらに、他国の異文化を知ることにより、その国の生活様式や社会システムも見えてくるため、他国とのやり取りや外交を行う上で自国の利益を得るためにも異文化理解が必要不可欠になるのだと分かりました。
 異文化を知るといっても沢山のジャンルがあり、食べ物などの食文化や宗教、地図上の位置、黙示的・明示的文化など他にも様々ありました。特に印象的だった文化の違いが、地図上の位置の違いによる文化の違いと宗教によって及ぼされた文化の違いでした。私たちが普段から目にしている世界地図は東アジアや太平洋が中心となった世界地図ですが、ヨーロッパの国が作成した世界地図は私たちが普段目にしている地図とは違い、大西洋が中心となっています。太平洋が中心となっている世界地図が当たり前だと思い込んでいた私にとっては大きな驚きであり、文化の違いに触れられた機会でした。宗教においては、一週間の始まりとする曜日が異なることに新たな発見がありました。特に決まり事のない仏教を信仰している我々にとっては常識を覆せられる思いになりました。また、宗教への信仰心が強い国の方と接する場合は、その国の宗教を侮辱するような行為にあたることを前もって知り、気をつけなければならないと感じました。
 また、これらの異文化が言語にも影響し、英語圏の国であっても表現に用いる英語が国によって異なっており、特にアメリカとイギリスでは日常生活で使われている表現の違いが明白でした。このことから、ただ英語力を身につければ良いということではなく、単語の意味あい一つ一つをしっかり理解出来ていなければ、国際ビジネスで活躍出来ないのだと分かりました。
 今回のご講演を聞き、文化の違いにより、社会システムや経済活動、生活様式、思考、モラルやルール、さらには言語まで異なるということを知り、これから学ぶグローバルビジネスに対する考え方が変わりました。これらの事を知り、他国の文化や実状を理解し出来る人材になりたいと思いました。

海外と日本の文化の違い/ 新2年生 阪上 優里菜

 今回、私たちはOFFICE ZETA社長の弓場俊也さんに異文化理解についてのお話を聴きました。私は、海外と日本の文化の違いに興味があるので今回このような講義が聴けると教えてもらった時からとても楽しみにしていました。
 私が聴いて印象に残った事をまとめていきます。
 1点目は、コミュニケーション能力です。その国の言葉を話すのはもちろんですが人とどういう風に接するか、接し方が大切ということを学びました。
 2点目は、今回のテーマでもある日本と他国の文化の違いです。日本では良いマナーでない事も海外では良いマナーに当たる事を弓場さんは、この2つを例に挙げていました。
1) 中国では食事に招待されたら食べ物を残す
2) イタリアで高級なワインをオーダーした時は、ソムリエの練習のために残す
これには、国々によって様々な意味が込められています。1) は、日本で食事はすべて食べると行儀がよいとされていますが中国では、少し食事を残すのがマナーとされています。2) は、ソムリエという仕事上ワインの味を把握しておかなければなりませんが、仕事をしている間は飲めないですし高級ワインを飲む機会も限られてしまうからです。
 3点目は、国によって特徴があるところです。例えば日本で夜に飛行機から見下ろすと明るいですがイタリアではほぼ、真っ暗です。また、日本は自動販売機がたくさんあり、24時間営業しているコンビニがたくさんあるため治安がよい国です。この話を聴くと、この国に生まれて良かったと、しみじみ感じます。
 私がお話を聴いた中で一番印象に残っているものは、黙示的文化と明示的文化です。対照的な言葉になるのですが、日本人に当てはまる黙示的文化は言葉にしなくても分かるというものです。例えば、日本のカフェでホットドリンクを頼んで出てきたコップを思い出してみて下さい。おそらく、コップに「とても熱いのでお気をつけてお飲み下さい」と、書かれていないはずです。しかし、海外のコップには書かれています。確かに、日本人は相手の気持ちを読み取ろうとする意志が高いと感じる時が多々あります。私もその1人です。友人とご飯を食べた時に「今回は和か洋どっちの食事にするか」という話になりました時どっちにするかで悩んだ挙句「この子洋風のご飯苦手やったやろうから和にしよ」と考えて行ったケースがあります。黙示的文化も大事ですが黙示ばかりにならず明示的文化な部分も入れていきたいと感じました。

語学力がすべてではないことを知ることができました/ 新3年生 李 章徳

 今回、私たちはOFFICE ZETAの弓場俊也さんから「国際ビジネスにおける異文化理解」というテーマでお話をしていただきました。弓場さんはかつて総合商社でファッション関係のお仕事を担当され、主にイタリアや欧州諸国と取引し、その中で重要だと感じたのが異文化理解であるとおっしゃっていました。
 なぜ異文化理解が必要なのかというと、私たちは外国で仕事や生活する場合、通常であれば誰もが日本の生活習慣が常識であると考えてしまいます。しかし、日本での常識が世界でも常識なのか?といったらそれは違って「フランスでは高級ワインは少し残しておく」「中国ではご馳走された料理は残さなければいけない」など、習慣は国によってさまざまです。また、日本の小学校や高校で頻繁に見かける世界地図は日本を中心に見た世界地図であり、それはイタリアや欧州諸国からみると違和感を覚えるに違いにないでしょう。このようにその国へ実際に行ったことによってわかることがたくさんあるということを弓場さんのお話から知ることが出来ました。当然、弓場さんのように外国を相手に取引をするには語学力や貿易で使われる用語について勉強しなければなりません。しかし、どれだけTOIECなどの点数が高かったとしても異文化理解がなければビジネスの現場ではまったく役に立たないことを知ることが出来ました。このことを知った私はその国々の文化や生活習慣を知ることがいかに重要であるかを感じました。日本とイタリアではいろんな面で違う点があります。また、その違いをどのように受け入れるかもビジネスでは重要であります。
 これからは日本もグローバル化がよりいっそう進展していく中、異文化理解は国際ビジネスをする上で大変重要な要素であり武器になると思いました。私も海外に赴任するといったことはまだ考えていませんが、このことを頭に入れておく必要があると感じました。

言語習得の過程で異文化理解の重要性を感じました/ 新3年生 松本光司

 今回は「国際ビジネスにおける異文化理解」という内容のお話を弓場社長よりご講演いただきました。これまで学んできた内容はアジアが中心だったのですが、今回のお話はヨーロッパをベースにした内容だったので、開始早々に聞き入ってしまいました。
 EU諸国の中で日本より面積が大きい国が、スウェーデン、スペイン、フランスの3国だけということや、日本とイタリアの比較の話の中では、イタリアの北と南の産業の発達が大きく違うことに比例して、失業率も違うこと。また、キリスト教の影響によりイタリアのカレンダーは月曜日から始まっているなど、自分の知らないヨーロッパの事情を知ることができました。
 そんなたくさんの興味を惹くお話の中で、私の心の中に最も響いたことは、英語(言語)を使ってコミュニケーションをとる際に文化や表現の仕方が違うことを理解し、学んだ上で使えるようにすることの重要性です。私は、去年ゼミで経験した海外研修旅行で、現地の学生と日常会話をした時に、コミュニケーションをとる上で言葉の壁以上に相手側の文化を理解しておくことの大切さを実感しました。海外旅行をするだけならば、少し言葉を交わせるレベルでよいのかもしれませんが、グローバル化が進んでいる現在、単に英語力だけに磨きをかけるのではなく、異文化も理解した上で伝えたい内容をお互いに分かりやすく説明できるようになることが、重要になってくるのだと改めて思い知らされました。
私自身、中学2年生の頃から英語を毛嫌いするようになりましたが、今になって英語の大切さに気付かされ必死に勉強しているところです。ただ、私がしていたのは言語力の勉強だけなので、これから将来的に関わることがあるかもしれない、経済の中心になるであろうアジアや東南アジアの国々の文化も一緒に勉強していきたいと思います。そして去年は苦手意識自体を中々克服できず、受けることができなかったTOEICを自身が立てた目標の点数に達することができるように精一杯頑張っていきたいです。

異文化に対しての理解が深まりました/新2年生 山田恭歌

 私たちは今回、OFFICE ZETAの弓場俊也様にご来校頂き「国際ビジネスにおける異文化理解」というタイトルでお話を伺いました。弓場様は総合商社にてイタリア駐在の後、独立されたということでヨーロッパ各国(主にイタリア)と日本の比較、異文化理解についての話を聞かせてくださいました。
 まず、外国人と取引や契約を交わす際に、「異文化理解」は語学が堪能であるということよりも重要なポイントであるということでした。例えば、我々日本人は用意された料理はすべて残さず食べることが礼儀ですが、隣の国である中国では逆に出された料理をすべて食べてしまうとおかわりを持って来られ、最後に量が少なかったと謝られます。さらに、フランスの高級レストランでもワインを少し残すのが気づかいだと言います。それは、高級なワインはソムリエといえども飲めないことが多いのでそのレストランの若いソムリエのためにわざと一杯だけ残しておくということです。この話を聞き、確かに今聞いて納得したけれども、知識もなくそういう場面に陥ってしまえば、私は常識で、礼を尽くしていると思っている行動が裏目にでるかもしれないと思いました。そして、これらを理解することが異文化理解なのだと気づきました。
 また、明示的文化(Low-context)、黙示的文化(High-context)の違いについてもご説明頂きました。明示的文化とは相手に伝えなければならない、言い手に責任の重さがある文化のことで、アメリカやドイツなどの国の人たちはこちら側です。対して黙示的文化とは黙っていてもわかる、つまり聞き手側に重い責任のある文化です。この文化に一番当てはまるのは日本人で、イタリア人やスペイン人なども比較的こちらの文化に当てはまるそうです。弓場さまは、言語の文化的に近いイタリア語のほうが英語より上達が早かったとおっしゃっていました。
 私は今まで日本という国は特に小国なのだというイメージが強くありました。しかし、ヨーロッパ各国と比べるとそんなことはなく、むしろEUに加盟している国で日本より面積の広い国はフランス、スペイン、スウェーデンの3国しかないと知りました。世界から見ても、日本という国は特に小さい国ではないと知り、驚きました。私たちが日本のことを狭く小さい国だと思っている理由は、人口が多く、都市部に密集し過ぎているからだとわかりました。
 今回のお話を聞いて、言語や、目に見えているものはまだまだ氷山の一角に過ぎないのだと気づかされました。最近はグローバル化が騒がれ、そのために目に見えてわかりやすい言語ばかりに意識が行きがちですが、お互いにとって快い意思疎通をするためには、こういった異文化理解をしるための機会が必要であると感じます。

【ご参考】