パナソニックサイクルテック株式会社を訪問しました

 2014年8月29日(金)、経済学部大学入門演習Gクラス(1年生対象、三木担当)は、夏休みの校外学習プログラムとしてパナソニックサイクルテック株式会社(本社:柏原市、以下「PCT」と略)を訪問しました。
 PCTは、総合電機メーカーであるパナソニックグループの中で一般自転車、電動アシスト自転車(以下「EB」と略)、輸出用電動ユニット、自転車用パーツ等を事業領域とする、売上高267億円(2014年3月期)、従業員数は506人(2014年4月1日現在)の会社です(データはPCT社HPより)。
 経済学部1年生の全員履修科目である「大学入門演習」では、後期に特定のテーマに関する研究を行い、12月にその研究成果の報告を行う「課題学習成果発表会」を実施します。Gクラス(三木担当)は研究テーマを「電動アシスト自転車(EB)」と「和菓子」の2つに設定し、夏休みに2回の校外学習を予定しています。今回はその1回目にあたります。

当日の様子

 当日は冒頭、担当教員の三木から今回の校外学習及び後期課題研究の目的等の説明を行い、引き続きPCTの会社概要や自転車市場を取り巻く環境についてのご説明がありました。
 PCTは柏原市の本社で開発・生産の全てを行っています。現在国内で販売されている自転車の大半がコストを理由にほとんど中国製となっている現状でも「made in 柏原」にこだわり、高品質で時代に合った理想の自転車作りを追求しておられます。また市場環境については、2013年度の日本国内自転車需要は約890万台で、うちEBは約48万台と全体の5〜6%を占めるにすぎず、自転車需要全体が少子高齢化の影響により年率平均約2.5%のペースでダウンする中、EBの普及拡大がPCTの事業運営上の課題の1つとなっています。

 次にショールーム(商品)見学、試験室見学、工場見学を実施しました。ショールームでは年齢や利用シーンに合わせ、ショッピング用やビジネス用、子育て世代用(幼児2人同乗対応等)、オーダーメイドモデル、若者向け等のシリーズ商品展開を中心にご説明いただきました。また試験室では疲労強度試験、衝撃試験、振動試験等の過酷なテストが繰り返し徹底的に行われており、安全・安心へのこだわりが見てとれました。

 引き続きEB試乗会、意見交換会を実施しました。試乗会では全員が発進(踏み出し)時と上り坂でのペダリングの軽さに一様に驚いていました。意見交換会では、試乗してみてほしくなった(買いたくなった)というポジティブな意見が多数出た一方で、価格が高い、学内や友達の中にEBを持っている人がいない等の意見もありました。これらの意見を踏まえ「どうすればもっとEBを普及させることができるかを学生目線で検討しよう」という今回の校外学習及び後期課題研究の目的を再確認し、全体で約2時間のプログラムを終了しました。

学生の感想

 以下に今回の校外学習についての、学生たちの感想(一部)を紹介します。

匿名希望 さん(経済学部1年)

 今回の校外学習の感想は、自転車の試乗や工場見学などによって今まで私が知らなかったことを知ることができたり、電動自転車に対しての見方が変わったりしました。
 とても良い体験だと思いました。
 工場見学では自転車の部品の作り方や耐久力を調べる実験などを見ることができたし、大変な工程を踏んで自転車が作られていることを知ることができました。
 自転車の試乗ではエネモービルに乗せていただいて、電動自転車の実力というものをはっきりと体験することができました。
 特にどんな坂道であってもペダルが軽く、立ちこぎすることもなくなんなく登ることができました。とてもよかったです。

島袋 拓也 さん(経済学部1年)

 今回の校外学習の感想は、正直自分が思っていた以上に楽しかったです。工場見学等させていただいて、今までそんな経験があまりなかったのでいい経験になりました。工場現場で働いていた人たちを見ても一つ一つ丁寧に仕上げていて、それを見て大変だろうなと思ったし、自分の仕事に興味を持たないと続かないなと思いました。将来は自分の本当にしたい事をはっきり決めて就職しようと改めて思いました。試乗会では、実際に電動アシスト付き自転車に乗ってみて、楽しかったし、乗って始めてその良さが伝わったし、一般自転車より値段が高いだけの価値はあると感じました。今回の見学は本当に自分のためになりました。ありがとうございました。

下園 直登 さん(経済学部1年)

 パナソニックという大企業の工場見学なんてなかなか経験できることでは無いので、今回の校外学習はすごく自分の為になりました。
 企業が試行錯誤して商品を作っている姿を間近で見ることができてとても新鮮でした。また自分たちのような学生の意見も真剣に聞いて取り入れようとしている姿勢も嬉しかったですし、そのような仕事に対する姿勢も凄いと思いました。
 自転車事業は自分がやりたい仕事分野ではありませんが、本気で働いている人を見ることができてとてもやる気が出ました。

新 大夢 さん(経済学部1年)

 はじめに、Panasonicという大企業を工場見学する機会を作って頂き、本当にありがとうございました。
 今回の工場見学を通して、学んだ事が数多くあり書ききれないほどですが、驚きが大きい物をいくつか拾い、感想を書きたいとおもいます。
 一点目は、ショールームの見学の事です。昔から電動自転車があったということにびっくりでした。僕の中では、2000年代以降に出てきた乗り物だと思っていましたので、余計にびっくりでした。また、バッテリーの重さ(軽さ)にもびっくりでした。昔のバッテリーは鉛蓄電池を使用していたため、軽量化は難しくさらに形も大きいので、非常に重さとデザインの悪さを感じましたが、後から持たせていただいた最新の蓄電池は、リチウムイオン蓄電池を使用しているため、軽く非常にデザイン性もよかったので、Panasonicさんと世の中の技術の進化を感じさせて頂きました。
 二点目は、工場見学です。溶接工程や塗装工程、組立工程等を見学しましたが、僕個人の中では、安い自転車と同じように海外で全ての工程を行って、「Panasonic」のシールを日本で張っているだけなのかな、と思っていたので、日本でこれらを行っていることを知り、これまたビックリする内容でした。また、溶接工程のロボットの凄さにも技術の進歩を感じました。その後の組立では、逆に人手により組立を全て行っていたので、ここの工程ももしかしたら将来はロボットになるのだろうか? と思いながら、工場見学をしていました。
 今回の工場見学には、本当に感謝しています。試乗会をはじめ、工場見学、ショールーム見学、等々一般の人は見ることができない内容を、たくさん見させて頂きました。
 貴重な機会を作って頂き、本当にありがとうございました。