• (出発前の伊丹空港にて)

 2018年9月10日(月)~13日(木)、経済学部の三木ゼミ2年生(5期生)は夏季海外研修(訪問地:シンガポール)を実施しました。当初予定は9月10日(月)~15日(土)で、当初訪問予定地はシンガポール・香港・マカオでしたが、関西空港が9月4日に台風21号直撃により被災し、利用予定の航空便が欠航となったため、急きょ日程を短縮の上航空券を再予約し、目的地もシンガポールのみに変更して実施しました。
 三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。

今回視察研修の実施目的

① シンガポールのIR(統合リゾート)を見学・訪問し、IRに対する正しい理解を深め、若者目線で大阪のIR誘致に対する提言を行う
② 日本語が通じない環境に身を置くことにより、語学の重要性を身にしみて感じてもらう
  • (シンガポールのホテルにようやく到着。予定変更の長旅お疲れさまでした)

全体スケジュール

2018年9月10日(月)

<午後> 伊丹→羽田 NH26便 1300発 1415着
羽田→成田移動(電車)
成田→シンガポール NH801便 1805発 0015着(翌日)

9月11日(火)

<午前> セントーサ島IR視察
<午後> マリーナベイサンズIR視察
Singapore Flyer見学

9月12日(水)

<午前> マーライオン公園見学
<午後> グループ別自由行動
<夜> シンガポール→羽田 NH844便 2215発 0630着(翌日)

9月13日(木)

<午前> 羽田→伊丹 NH15便 0800発 0910着

 経済学部三木ゼミ2年生(4期生)は10名で、今回のシンガポール研修は阪南大学キャリアゼミ活動「IR(統合型リゾート)に関する若者目線での提言」の一環として実施しています。2回に分けて学生が実際に見たIRについての感想・気づきを報告します。
  • (朝、シンガポールのホテル前で。全員白Tシャツで統一)

  • (シンガポールのIRの1つ「ワールドリゾートセントーサ」のカジノの前で)

小谷 彩斗 さん(経済学部2年生)

 結論から言うと、セントーサ島のIRのようなクオリティなら日本にわざわざ強引に作る必要はないなと確信を持った。
 今回の海外研修で、日本がIRを成功させることもイメージがついた。日本と他国にはサービスの質の違いに大きな差がある。私はIR、特にカジノを目の前にして非現実的な気持ちになった。その気持ちにはビジネスチャンスがある。日本の素晴らしいサービスを追求することで、多くの人が入り込める環境を作れる。まるでテーマパークのような高揚感がある。例え華やかさで他国に負けていてもサービスでカバーすることによって、他国に引けを取らないのではないだろうか。
 IRを成功させるためには、高所得者向けのカジノ以外の条件を整えるが大切だ。カジノで人を吸引して観光業に繋げることが大切であることが分かった。また、これまではいかに外国人を集めるかが課題だと私は考えていたが、いかに日本人を集客しIRを繁盛させるかが重要であると感じた。現に韓国では唯一韓国人が入れるカジノが最も売上が高いという実例がある。
 次に必要なのはどの顧客をターゲットにするかだ。セレブ層のみをターゲットにすれば人が集まらずいずれは廃れる。しかし、セレブ層が来ることによってより多大な収益が見込める。セントーサ島のようにターゲットにばらつきがあるとIRだけで楽しむには無理がある。ターゲットをどこに当てるか。それが今後私が気になる問題だ。

森 梓 さん(経済学部2年生)

 今回私たちはシンガポールで2つのIR(統合型リゾート施設)を訪れた。IRとはカジノ、ショッピングモール、ホテルなどが集まった複合施設の事である。
 先に訪れたのは「セントーサ島(ワールドリゾートセントーサ)」というIRである。セントーサ島では、カジノやホテル、ショッピングモールはもちろんユニバーサルスタジオや水族館などが入っており、家族連れやカップルなどたくさんの客層が見受けられた。大きい敷地面積にも関わらずカジノは意外にも端の方でこじんまりしていた。入口には黒いスーツを着た男性が並んでおり、特に安全面も問題はないように感じられた。施設内には大きな木や植物がありその横には水が流れているような場所もあり、そこで自然を楽しみながらゆったりと休憩している人も多く、施設内にはこういった安らげる場所も必要だなと実感した。
 次に訪れたのは「マリーナベイサンズ」というIRである。こちらのIRも、ホテルやカジノ、ショッピングモール、そしてプールやシンガポールの景色を一望できる展望台、施設内をゆっくり見渡すことができるボートなどがあった。こちらもセントーサのカジノと同様に入口にはしっかり従業員が並んでおり安全面に問題はなさそうであった。しかし、マリーナベイサンズは思い切って遊べるような施設がなく、ショッピングモールもハイブランドばかりだしレストランも高級レストランばかりで学生の私には少し圧倒された場所であった。とは言え、ハイブランドや高級レストランが集結している施設なだけあってお金持ちの人が多く見受けられ、治安面からいうととても客層が良いと感じた。
 二つのIRを訪れた結果、どちらの施設もメリットとデメリットがあった。まずセントーサのメリットはユニバーサルスタジオや水族館がある為学生の私でも楽しく時間を過ごせた。しかし、施設内にモノレールが通っているほど広い為いつ迷子になってもおかしくないし、ユニバーサルスタジオや水族館、カジノを訪れない人には、ハイブランドか日本人が知らない様なお店がただただ並んでいるだけで退屈になってしまう所が私はデメリットだと感じた。
 マリーナベイサンズは先ほども述べた通り、お金持ちの人がたくさん見受けられた為、治安面はとてもよかった。しかし、高級レストランやハイブランドが多い為、学生や子供には少し退屈な場所であるところがデメリットに感じた。
 これらのデメリット、メリットから日本でIRを作るとなるとカジノをしない人でも退屈しないような施設があり、尚且つ治安の良いIRづくりを目指していくべきだと分かった。そして、一番問題視していたカジノはどちらの施設も安全面はきっちりしている感じだったし、カジノがメインとおもいきやカジノは意外にも敷地面積的に大きくはなかったし、カジノがあるからといってそのせいで客層や治安面が悪いという風にも見受けられなかったので、その点を日本でIRを作るにあたってしっかり伝えていくべきだと今回の現地調査で実感した。

松本 華歩 さん(経済学部2年生)

□ セントーサ島
 セントーサ島には、水族館、昆虫館、博物館、ユニバーサル・スタジオ・シンガポール、ホテル、飲食店、ショッピングエリアなどが入っている。当然カジノも入っており、セントーサ島のカジノは2010年に作られたシンガポール初のカジノである。カジノを初めて見た感想としては、エントランスしか見てはいないが、思ったよりも規模が小さく、派手ではなかったことだ。また、全体的に人が少ない。エントランスの前でしばらく滞在していても中へ入っていった人を一人も見かけなかった。しかし、エントランス前には6人ほどの警備員が常駐していて、近づくだけでパスポートの提示を促された。
 私たちの班はユニバーサル・スタジオ・シンガポール(USS)へ向かった。USSもユニユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に比べると断然に人が少なかった。ただ、カジノ前では見られなかった日本人の姿や多種の国籍の人々を見かけた。USSを回った感想としては、楽しかったが、正直しょぼい。USJのほうが圧倒的にインパクトのある空間で世界的にみてもUSJはレベルの高い施設だと感じた。
 飲食店街では日本食店が印象的だった。しかしお店の中を覗いてみるとあまり客は入っておらず、人気店はマクドナルドや辛めな料理が置いてあるお店だった。

□ マリーナベイサンズ
 マリーナベイサンズは単独としては世界最大のカジノを中心に、ホテル、コンベンションセンター、ショッピングモール、美術館、映画館などを含んだ施設だ。
 外観だけで圧倒された。写真で見ていたがやはり実際見てみると興奮を覚えるほど、すごかった。内観も高級感が漂っていてセントーサ島よりも客層的にはレベルが高い印象をもった。世界最大のカジノというだけありセントーサ島のカジノとは違い大規模でたくさんの人が利用していた。また、カジノ以外の施設も充実していて、一日かけてまわっても存分に楽しめるだろう。
 しかし、やはり感じてしまったのは人の少なさだ。これはセントーサ島でも感じたことだが、平日ということを差し引いても少なすぎると思う。莫大なお金をかけてIRを作り上げ、世界中に話題は呼んだが集客率やカジノでの収入は予測通り上がっているのか、と考えざるをえなかった。このようなことから、仮に大阪にカジノを含んだIRができてもセントーサ島やマリーナベイサンズ以上の結果が出るのか、不安になるばかりだ。

桑山 楓香 さん(経済学部2年)

 2泊4日という過密スケジュールではあったが、セントーサ島とマリーナベイサンズを見学した。IR(統合型リゾート)を2カ所見学できIRというものがどういうものなのか、日本のメディアではカジノばかりが取り上げられているのでIRはカジノと思われがちだがカジノがIRのどのくらいを占めているのかを実際に見学したのでこれらに焦点を当てて論じていきたい。
 セントーサ島ではユニバーサル・スタジオ・シンガポール、水族館、ショッピング、ホテル、そしてカジノなどというように決して規模は大きくないがここだけで十分楽しめる施設がたくさんあった。もちろん飲食店があり日本食やファストフード、カップケーキ屋というように広くあるので食事に困ることはないだろう。ショッピング面ではハイブランドが中心的であった。ユニバーサル・スタジオ・シンガポールではUSJにはないアトラクション体験ができる。個々の問題点は接客であると感じた。最後にカジノは表面からしか見ていないがかなり小さいものであった。セントーサ島全体でみると本当にごく一部に当たる。
 マリーナベイサンズには展望デッキ、ブール、シアターショー、ショッピング、ホテル、ミュージアム、カジノなどがあった。こちらにも飲食店がありフランス料理、日本食などというように幅広くある。ショッピング面ではこちらもハイブランド中心ではあるがお手頃な価格で購入できるショップもある。マリーナベイサンズ内を流れる運河をサンパンというものに乗って楽しむこともできる。ビュッフェを食べたがこちらも幅広く食事が用意されているので食事を楽しむことができる。マリーナベイサンズ内のカジノは上から見学したがやはりコンパクトなものであった。こちらもマリーナベイサンズ全体から比べてみるとごく一部であった。
 現地で見学して感じたのはカジノがあることを知らなければ見つからないこともあるくらいにカジノはコンパクトであること、IRの中だけでかなり楽しめるということだ。IRと言えばカジノがメインといったように日本のメディアだけを見ていると感じるが、IR全体を見るとカジノはほんの一部でそのほかの施設でも十分楽しめる。日本にIRができたとき他国のIRに確実に勝るのは接客であると強く感じた。おもてなしの心でお迎えすることで必ず他国より優れた統合型リゾートになるだろう。

岩根 仁志 さん(経済学部2年)

1.はじめに
 9月10日~13日の間シンガポールに行き、現地のIRを見学した。現地ではリゾートワールドセントーサとマリーナベイサンズの2つのIRを見学した。実物を見る前に持っていたイメージが実物と全然違うものだった。
2.リゾートワールドセントーサ
 まずセントーサ島内のモノレールやバスが無料で乗れることに驚いた。これはカジノやUSS、水族館などの収益によるものではないかと考える。また、USSや水族館があることにより、子供たちでも楽しめ、家族でも楽しく過ごせる場所だと感じた。しかし、少し物足りないような印象も持った。USSや水族館以外に推せるものがなく、大人からすれば少し退屈なのではないかと感じた。
 リゾートワールドセントーサの周りにはショッピングモールやアトラクション施設などがあった。IRの集客効果により、周辺にも影響があるのではないかと感じた。USSや水族館、アトラクション施設の一つ一つの利用料が高く、複数の施設を利用するのは厳しいように感じた。
3.マリーナベイサンズ
 マリーナベイサンズは規模が大きく、有名なブランドが数多く出店しているショッピングセンターがあり、セントーサ島とは違い、客層が高いように感じた。また、博物館や植物園などはあるがセントーサ島に比べると子どもや家族が一緒になって楽しめる施設は少ないように感じた。一つ一つの施設の入園料はリゾートワールドセントーサより安く、展望台や近くには観覧車もあり、夜景なども楽しめる。マリーナベイサンズは多くの施設があり、様々な楽しみ方ができ、複数の施設を利用しやすい点ではセントーサ島より良いと感じた。
4.まとめ
 シンガポールのIRを見学してみて感じたことは、セントーサ島ぐらいのクオリティなら日本に作る必要はないということと、日本の技術や接客の良さを活かすことができればシンガポールにも負けないようなIRを作ることができると感じた。日本にIRを作る上でどこにポイントを絞り、客層をどこに持っていくのが重要だということも感じた。IR見学の中でカジノがほんの一部分でカジノがメインではないということが分かったので、その事をどう伝え、IR誘致を認めてもらうかも重要であると感じた。
  • (シンガポールフライヤー)

ご参考

参加学生名簿

松本 華歩、桑山 楓香、山下 拓人、岩根 仁志、西野 有咲、森 梓、小谷 彩斗、杉岡 舞、仲村 優輝、松本 幸