三井アウトレットパーク マリンピア神戸を調査しました

 流通学部杉田ゼミ2回生は三井アウトレットパークマリンピア神戸(以下マリンピア神戸と略)を調査しました。今回の調査の目的は、まず(1)マリンピア神戸のターゲットを確認すること、次に(2)ライバルであるりんくうプレミアムアウトレット(以下りんくうと略)との競争力を比較すること、最後に(3)各テナントのアウトレット専売品比率を調べること、の3つでした。
 通常、アウトレットモールという業態の小売店は数百万人規模の大規模な商圏を抱えているため高速道路や幹線道路沿いの郊外や観光地に立地しています。そのためにアクセスには自家用車を用いる必要があり、どうしてもメインターゲットは30代から40代のファミリー層が中心になりがちで、大学生はそこから外れることが多いようです。
 今回訪問したマリンピア神戸は、そのようなアウトレットモールの中で、JRや山陽電車の駅から徒歩10分程度ということもあって大学生もメインターゲットにしています。杉田ゼミ2回生は、このマリンピア神戸と同じく駅からほど近い場所に立地するりんくうとを比較して、それぞれの強みと弱み、抱える課題とそれを克服するための対策について考えることを研究テーマとしています。

 実際に訪問してつぶさに来客者を観察したところ、平日の昼間ということもありましたが主婦層が大半を占めていましたが、そこに混じって20代前後のカップルも多く見うけられました。ただし、学生の視点から見て価格設定が高めのテナントが多く、その点でまだ学生層をターゲットとして捉えるにはまだ課題があるという意見がゼミ生から出されました。
 マリンピア神戸にとってライバルはりんくうだけではありません。同じ三井不動産(株)が経営する三井アウトレットパーク滋賀竜王、そして同じ神戸地区に立地する三菱地所グループの神戸三田プレミアム・アウトレットなど、近年ライバルモールが急速に増えており、各アウトレットが積極的に増床を行うなど競争が過剰気味になりつつあります。そのような中で、各アウトレットは顧客からの支持が強いブランドをテナントに迎えることが困難になりつつあります。

  マリンピア神戸とりんくうとの競争力の比較を行うために、杉田ゼミでは事前に各アウトレットに入店しているテナントのブランドを調べ、マリンピア神戸にあってりんくうには無いテナントをピックアップしました。そして学生自身が消費者のサンプルとなって、各ブランドをその魅力に従って1点から5点まで格付けを行い、実際に訪問した後その店数が変化するかどうか、訪問した後でマリンピア神戸独自のテナントの競争力はどの程度かについて検討するという計画を立てました。

 杉田ゼミの調査によると、神戸マリンピアにあってりんくうに無いブランドは、アパレル系のみで合計37店ありました。それらのブランド力を独自に数値化したところ、訪問前は平均2.2ポイントでしたが、訪問後は2.5ポイントに上昇しました。とはいえ、総体としてゼミ生にとって魅力のあるブランドは少なく、テナントの持つブランド力でマリンピアが競争力をもっているとはいえないという結論になりました。

  また、アウトレットモールの出店・増床は全国共通で見られる傾向で、アウトレットの店頭で販売する商品の品揃えや在庫も枯渇しつつあります。そのため、各ブランドではアウトレット専売品を用意して対応しようとしていますが、これが「高級ブランド店の商品を手ごろな価格で手に入れたい」というニーズを持った顧客からはがっかりされるという自体も招いているようです。そこで、杉田ゼミでは各テナントの商品全品に占めるアウトレット専売品の割合について聞き取り調査を行いました。
 その結果、聞き取り調査に応じていただいた22店舗のうち、全く専売品を置いていない店舗は8店だけで、それ以外の店舗は何らかの形でアウトレット専売品を置いていることが明らかになりました。中には、全アイテムのうち7割が専売品を占めるブランドもあり、その比率は店舗ごとにまちまちでした。ブランドごとの専売品比率の違いが何によって生じるのか、今後新たに調べるべき課題が明らかになりました。

 参加したゼミ生からは、「事前に調査した知識と、実際に訪問したことでわかった事実とは同じところも違うところもあり、考えさせられた。」「実際に行ってみると、思ったよりもレストランの数や休んだりすることが出来る場所が少なく、長時間買い物をするのが辛そうなことが分かった。」など、ビジネスの現場を訪問することで初めて分かることがかなり多いことを実感したようでした。

  杉田ゼミ2回生は、今回明らかになった点をふまえつつ、訪問することで新しく出てきた疑問を明らかにするために来年度も引き続きこのアウトレットモールのビジネスについて研究を進めていく予定です。