塩路ゼミ「フットパス作りで但東町の魅力を発見せよ!」

<歩くことを楽しむ!フットパス>

皆さん、歩いていますか?歩くのは好きですか?

私は近頃、ポ〇モンGOやドラ〇エウォークに歩かされていますが…(笑)

たまにはスマホから顔を上げて、周りの景色を見ながらゆっくりのんびり歩きたい♪

この「歩くこと」が今、観光・まちづくりの分野で注目されているのです!

最近、日本各地でフットパス活動が盛んになってきています。

フットパスとは、「森林や田園地帯、古い町並みなど、地域に昔からあるありのままの風景を楽しみながら歩くこと【Foot】ができる小径(こみち)【Path】」のこと。

このフットパスを整備する中で地域の魅力を再発見し、あるいは新たな魅力を創り出すこと。そして、観光客の方にも「歩きながら」その魅力を感じてもらうこと。これがフットパス活動なのです。

そんなフットパスの研究をしているのが、国際観光学部・塩路ゼミの先輩達!

今回のミッションは、兵庫県豊岡市但東町で、地元の方と町歩きをしながら地域の魅力を発見し、フットパスについての提案をすることです。

国際観光学部 塩路有子先生

「ゼミではここ但東町の他にも、大阪府吹田市などでも活動していますが、地域によってフットパスに求めるものは違います。また、現地の方に向けて発表することもあれば、学内で、学会で、『カレッジフットパスフォーラム』で、と発表する相手もバラバラです。地元の方と触れ合う中でそれぞれのニーズを汲み取り、相手に合わせた発表をできる力を身に付けて欲しいと考えています。」

果たしてどんな活動になるのか、密着して来ました!!

<自然と歴史と暮らしを感じる町歩き>

さっそく、2つのチームに分かれての町歩きです!

私が密着したのは「薬王寺区」を歩くチーム。

一緒に歩いて下さるのは、

但東町薬王寺区長 森 弘之さん

森さんの案内のもと、町歩きスタートです!!

集合場所の公民館から徒歩2分、いきなり現れたのが…

実はこれ、鹿や猪が田畑に入らないようにするための柵で、この地域一帯に張り巡らされているのです。

「まさか、2分で行き止まり?!」

いえいえ、こちら人間は開けて入って良いそうです。人間で良かった♪

柵の中へ入ると、農作業の方などが通る細い道が続きます。

周りに見えるものについて解説して頂き、

白地図や資料で場所を確認。

気付いたことはどんどんメモし、写真にもおさめていきます。

それにしても…

なんて、のどかなんでしょう!!

今回の活動はゼミ選択をして間もない2年生が中心。

まだ慣れない仲間との活動に緊張気味だったのですが、あまりの気持ちよさに、自然と笑顔がこぼれます♪

道中、2年の松川くんが超ちっちゃな栗を発見!

森さんによると、品種改良されていない天然の栗で、食べられるんだとか!!

こういう発見も、フットパスの醍醐味なんですね♪

しばらく行くと、今度は小さなお地蔵様を発見!

こっちには、何やら石造りの彫刻が…。

こちら「庚申さん」として親しまれており、この地域に多数存在します。

60日に1度、お供え物を持ってお参りする習慣があるんだとか♪

こういう地元の方の生活を感じられるのも、良いですね!

そうこうしているうちに、大生部兵主神社(おおいくべひょうずじんじゃ)に到着!

祭神として、あの素盞鳴尊(スサノオノミコト)をお祀りしており、牛馬の神様として親しまれてきた由緒正しき神社なのです!

神主さんに境内を案内して頂き、その歴史を聞かせて頂きました!

毎年出雲にお集りになる神々が、いったんこちらに立ち寄られるため、神々のお名前が刻まれている建物があったり…

樹齢400年といわれる立派なご神木には、かつて、ある女が呪いを込めて釘を打ち付けた跡が残っていたり…(怖)

と、たくさんの貴重なお話を聞かせて頂きました!

観光地として整備された神社ではなく、人々の暮らしの傍らにそっと佇む神社。こういった隠れた名所に出会えるのも、歩く旅の醍醐味なのでしょうか♪

町歩きの最後には、森さんに地域活性化に対する想いを聞きました。

但東町では今、農家民泊として中高生に農業体験をしてもらう活動や、個人の方に田んぼを貸して田植えや稲刈り体験をしてもらう取り組みをしているんだそう。それもこれも、但東町の魅力を知ってもらい、最終的には移住してもらうため。

「このフットパスも、まあそれが魂胆というわけ(笑)」

笑顔で語ってくれた森さん。その裏には切実な願いが込められているように感じました。先輩達も、この想いをしっかりと受け止めたようです♪

<ここからが本番!その前に…>

さあ、ここからは、町歩きで感じたこと・考えたことをまとめて、地元の方に向けて発表する準備!

と、その前に…ブレイクタイム☆

但東町と言えば…

行列ができる卵かけご飯専門店「但熊」!!

たくさん歩いて腹ペコ~!!いっただきまーす!!

卵かけご飯定食はお値打ち400円!なのに…

なんと!とれたて新鮮卵はいくつ食べてもOK!!

いろいろと衝撃的な美味しさでした…。

<発表準備の2年生、それを支える3年生>

今度こそ発表準備です!

明日の発表本番に向けて、今日は2チームそれぞれがお互いに向けて発表し、その意見をまとめるんだとか♪

まずは、町歩きで気づいた良かった点と課題点をそれぞれ付箋に書いて挙げ、改善策や提案などについて話し合います。

付箋の数が多いっ!!

みんな良く思いつくなぁ…いっぱいメモしてたもんね!

そして、フットパスのルートを模造紙に描いていきます♪

これは分かりやすい!!

そんな中、2年生達を影でサポートする3年生の先輩に、お話を聞いてみました!!

日根美咲さん山崎拓実くん

Q.2人はこれまで、どんな活動をして来たの?

山崎くん
「この間、イギリススペインドイツに行ってきました!」

「…え?」

山崎くん
ハワイカナダ台湾に行ったメンバーもいます。」

「ちょっと待って、どういうこと?!」

山崎くん
3年生は全員、夏休みに海外に行ったんです。僕も、フットパスを作るとしたらどんなルートが良いかなどを模索しながら歩いてきました。」

なんてグローバル!さすが国際観光学部やね!!」

日根さん
「私は、フットパス発祥の地・イギリスのコッツウォルズに行ってきました。イギリスでは昔からフットパスが整備されていて、例えば柵があっても“パブリック フットパス”と書かれた看板があれば、みんな開けて通って行くんですよ。」

「なんか冒険みたい!」

日根さん
「そうなんです!民家や小学校の真横を通ったり、羊に遭遇したり。」

山崎くん
「海外ではガイドブックに載っている観光地や大通りに注目しがちですが、皆が見落としてしまうところに気づきながら歩けるのがフットパスの魅力だと思います。

日根さん
「国内のフットパスも良いですよ。去年、私達の学年が但東町で活動した時、住民の方同士が『〇〇さん、元気?』と名前で呼び合ってて。私、そういう田舎のアットホームな雰囲気、好きなんです!地元の方との触れ合いも魅力です。

「2人も去年、ここで活動したんだね!」

山崎くん
「はい。今年とは違う地域で、同じように歩いて発表もしました。実はその時提案したルートが、今年開かれる『全国フットパスの集い2019 in 但馬』で歩くルートとして採用されたんです!

「すごい!全国から集まった人が、皆の提案したルートを歩くんだね!!」

日根さん
「私達もボランティアとして、参加する予定です♪」

Q.ゼミ活動で大変や成長したことは?

「フットパスの魅力は良く分かったけど、大変なこともあるんじゃない?」

日根さん
「うーん、答えがないのが大変ですね。こういうのって、何が正解とかないし、永遠に考え続けないといけないみたいな感じで…。」

山崎くん
「俺、逆やわ。答えがないから楽しい!

「なるほど。苦しくもやりがいがあるって感じだね!ゼミ活動を通して、成長したんじゃない?」

日根さん
「そうですね…少しは塩路先生の求めるレポートが書けるようになってきたかな?

山崎くん
「それマジですごいな!先生の求めるものが分かるってこと?!」

日根さん
いや、そんなに力強くは言えないんですけど……(小声)

山崎くん
「急に自信なくなってるやん!(笑)」

日根さん
「でも、たくさんレポートを書いて慣れて来たのか、良い成績がとれるようになってきました。」

山崎くん
「僕の成長は、発表後の質疑応答かな。発表までにちゃんと考えて、理解して話してるから、質問にも動じず対応できるようになりましたね。」

「2人ともすごい成長だね!」

今日ここで初めて活動する2年生も、1年後にはこんな風になってるのか~♪

頼もしい先輩達でした!!

<さいごに…>

本日の最後の活動。チームごとにまとめたことを発表です!

インスタ映えしそうなビュースポットなど、大学生視点で発見した「但東町の魅力」を堪能できるフットパスのルートを発表!

と同時に、空き家や放棄田の活用、ホームページやSNSの充実、自動販売機はないけれど小川の水は飲めることをPRするなど、様々な提案もありました!

そして、私は、発見してしまった……。

松川くんが拾ったを!!(笑)

ルートマップにちゃっかり貼り付けられてました♪(笑)

栗もそうだけど、発表全体を通して、実際に歩いた「経験」「実感」が込もった内容でした。ここからさらに意見を集約し、明日、いよいよ地元の方に向けての発表です!

頑張れ!!

最後に、今回中心となった2年生にお話を聞いてみました♪

松川拓真くん小野田伊吹さん

Q.今日の活動、どうだった?

2人
大変でした……。

「あ、そうなの?楽しく歩いてるように見えたけど…(笑)」

松川くん
「のんきに歩いてる分には楽しいですけど、『何か探さなあかん』『何かを想像して作らなあかん』と思いながら歩くのは結構しんどかったです…。」

「そっか~。でも、色々見つかったみたいだね!但東町のイチオシは?」

松川くん
「やっぱり、五感で自然を感じられるところですかね!」

「五感…視覚は緑とかでしょ?聴覚は?」

松川くん
「虫の声とか、風の音とか…」

「触覚は?」

松川くん
「…そよ風とか?」

「味覚は?」

松川くん
「卵かけご飯と…空気!美味しくないですか?」

「それ、味覚なん?!嗅覚は?」

松川くん
「…空気、澄んでません?」

小野田さん
『空気ばっかりやん!!』

「明日は説明できるようにね(笑)逆に、改善策の中でいちおしの案は?」

小野田さん
「私のいちおしは、フットパスイベントを開催することですね。今日は森さんの説明がありましたが、普通にフットパスをしに来る方は自分達だけで歩くので、分かりにくいんじゃないかって。だから、案内つきのイベントを開催すれば、分かりやすくて楽しくて、フットパスの面白さをよりわかってもらえると思うんです!

「なるほど!」

松川くん
「僕は個人的にBBQ推し!都会だと場所代だけでもお金がかかるけど、ここには土地がたくさんあるし、空き家を利用して民泊にするとかBBQ場を整備すれば…こんな自然の中でBBQできたら絶対、人来ると思う!

「なるほど、魅力を創り出すってことだね!」

小野田さん
「でも、HPや施設の整備などは、お金がかかってしまう…。すぐできる提案を考えるのは難しいですね。」

「そっかー。私的には、但東町でしか捕まえられないポ〇モンを誘致してもらえれば…。」

2人
「それが1番お金かかるっ!(笑)」

Q.そもそも、2人はなぜ塩路ゼミを選んだの?

小野田さん
「私は元々、観光パンフレットを作ってみたいなと思っていたところ、塩路先生にフットパスでルートを考えて作ってみたら?と言って頂いて。」

松川くん
「僕は、ヨーロッパが好きで。先生はヨーロッパにものすごく詳しいんです!」

「へぇ!なんでヨーロッパが好きなの?」

松川くん
ハリーポッターが好きなんです。

「なるほど、分かりやすい!(笑)」

松川くん
「だから来年も、イギリスに行って撮影地とか回りたいと思っています。」

Q.今後の塩路ゼミでの目標は?

松川くん
ヨーロッパで先生も知らないことを発見して、塩路先生に自慢すること!

小野田さん
「え~?そんなん、できる~??(笑)」

松川くん
「それくらい充実した旅をしたいってこと!」

小野田さん
私はもちろん、パンフレットの作成。それで人を呼べるようなものを作りたいです。

松川くん
「立派やなあ…。」

「2人とも、目標目指して頑張ってね!!」

今回、残念ながら、私の密着はここまで……(涙)

明日の発表本番、みんな頑張ってね~!!