<東大に勝つ>


これを読んでいる学生の皆さんに質問です!あなたは、“東大生に勝つ”
ことができると思いますか?「いやいや、東大って日本で1番すごい人達が行く大学でしょ?無理無理w」と思った人もいるでしょう。私も正直、普通の学生には無理!と思っていました。


この取材を終えるまでは…!!


今回、取材させて頂いた経営情報学部の福重ゼミの学生さん達は、「東大に勝つ」を目標に掲げています。でもどうやって勝つの?キーワードは、「社会人基礎力」です!!
「社会人基礎力」とは社会人として活躍するために必要な能力のこと、言い換えれば「生きる力」。それは知識や教養(リテラシー)だけでなく、コミュニケーション能力や行動力など、周りの人と協力して物事に取り組み、考え、実践していく力(コンピテンシー)も含まれます。この能力で東大に勝つのです!


しかし、最近の若者はこの「生きる力」が低下しているとも言われています。そこで、福重ゼミの先輩達は代々、この課題に挑むべく「社会人基礎力向上セミナー」を企画・運営してきました。自分達はもちろん、阪南大生も、他大学の学生も、参加者みんな、若者みーんなで社会人基礎力を向上させるぞ!というのが目的です。


そんな中、今回はなんと高校生のための社会人基礎力向上セミナーを開催するとのこと。 いったいどんなセミナーになるのでしょうか、取材してきました!!


<“高校生のための”社会人基礎力向上セミナー!>


セミナー受付開始直前。
会場に到着すると、スーツを着た人達が準備に走り回っていました。

彼らこそが、福重先生ゼミの先輩達!のハズなんですが…。

私に気づくと、みんな一斉に「こんにちは!」と元気な挨拶。 「取材の方ですね、お待ちしておりました。本日はどうぞよろしくお願い致します!」
爽やかな笑顔、ピンと伸びた背筋、美しく丁寧な言葉遣い…

君たち、本当に学生なのーっ?!

と、疑っちゃうほどの落ち着き(笑)
さすが社会人基礎力向上セミナーを運営するだけあって、社会人としてのマナーやおもてなしの心はばっちりですね!

さて、このセミナーでは参加者に「本物の社会人のすごさ」を実感してもらうため、多くの現役社会人に参加して頂きます。そんな皆様にセミナーの説明やお願い事を伝えるのも、もちろん先輩達のお仕事です。

私も1番後ろの席でメモメモ…。

事前の打ち合わせが終われば、いよいよセミナースタートです!

今回、高校生には「大学授業体験」として、大学で学ぶことを先取りして学びつつ、その中で社会人基礎力を身に付けてもらう予定。

高校生の皆さん、さすがに緊張している様子です…。


①まずは、お勉強♪
今回、高校生の皆さんには「マーケティング」の手法である「4C分析」をしてもらいます!


・・・・・・は?


って感じですよね~分かります分かります。
そう、それが今回のポイント!!


「マーケティング」や「4C分析」というのは、ビジネスの基本。でも、高校生には馴染みがないですよね。そこで先輩達、こういった勉強のため「高校生からでも取り組める教材の開発」を進めて来たのです!!

つまり…

先輩が行う「ミニ講義」の内容を考えたのも…

皆で取り組んだを 穴埋めシートや練習問題作成したのも…

練習問題の題材となった 動画をセレクトしたのも…


ぜーんぶ、先輩達なのです!!


セミナーの企画・運営と同時に、教材開発にも挑戦していたんですね!

そんな先輩達オリジナルの教材を使って、ゲスト講師・株式会社ECC人事部ゼネラルマネージャーの岡本剛史様が分かりやすく講義をして下さいました♪

岡本先生の講義と、先輩達の作った教材のおかげで、高校生の皆さんも楽しくお勉強できたようです♪
(ちなみに。「マーケティング」とは超簡単に言えば商品を売るためにはどうすれば良いかを考えることで、今回はそれを「お客様目線」に立って分析する方法を学んだ訳ですね!)


②続いては、グループディスカッションです!
今回のこの「社会人基礎力向上セミナー」をひとつの「商品」だとして、前半に勉強した方法を用いて分析していきます。 各自で分析した後は、グループディスカッション!
高校生、社会人、福重ゼミの先輩が1つのグループを組んで話し合います。


コミュニケーション能力も大切な社会人基礎力のひとつ。
とはいえ、高校生の皆さんは社会人の方に意見を言うなんて経験めったに無いハズ…大丈夫かな?(てか、先輩達も大丈夫かしら…。汗)


なーんて心配をよそに…

先輩達が中心となって、どんどん意見を引き出しているではないですか!
最初は戸惑っていた高校生も、徐々に発言できるようになってきました。


社会人の方から高校生への直接アドバイスも!貴重な体験ですね。


③最後はプレゼンテーション!
グループで話し合った結果を発表します。


ここでは 高校生、大活躍!!
グループで話し合った結果を発表します。


高校生とは思えないほど堂々と発表してくれる参加者もいれば、緊張のあまり言葉に詰まってしまう子も…。でもその全員から「伝えたい!」という気持ちがひしひしと伝わってきて…なんだか感動しました!みんな、良く頑張ったね~!!(感涙)


その後は、今日の感想や話したいことを自由にお喋りするお茶会♪

高校生の皆も、最初の緊張した面持ちが嘘のように積極的に先輩や社会人の方に話しかけています!
参加者の高校生・西谷満里菜さんに話を聞いてみました!

「今日はどうして参加したの?」

西谷さん
「オープンキャンパスで先輩にこのセミナーの話を聞き、他の大学ではやっていないことだし将来にも活かせそうだと思ったので、参加しました。」

「セミナーはどうだった?」

西谷さん
楽しかった!でも、発表で緊張して早口になってしまったのは反省です。それと、先輩達がすごく充実した表情をしてるなと感じました。私も阪南大に入学したら運営側になりたいと思います!」


おおー!憧れの先輩のようになりたいと思ってくれたのですね! 西谷さん、これからも頑張って下さいね!
皆さん、お疲れ様でした!!


<セミナーを終えて…>



後日、福重ゼミにお邪魔して先輩達にお話を聞いてみました!


Q.高校生向けの教材開発、高校生向けのセミナー運営で苦労したことは?


池田君(3年)
「作成途中、自分達では完璧だと思っていたのですが、ゲスト講師・岡本様との打ち合わせなどで色々ご指摘を頂き、自分達の勉強不足を痛感しました…。そこで、高校生には伝わらない可能性の高い難しい表現を、伝わりやすい表現に置き換えたり、最初からケーススタディーをやってもらうのではなく、穴埋め教材や練習問題を作成したりしました。」

「高校生がスムーズにグループディスカッションに入れたのは、そんな工夫があったからなんだね!白石くんは何が大変だった?」

白石君(2年)
「僕はとりあえず…、全部ボツになったことですかね…。」

「え、ぜんぶ?!

白石君(2年)
「はい。約2ヶ月かけて考えたケーススタディーの内容が、全部…。」

「うわぁ…その時どう思った?」

白石君(2年)
ボツにして頂いて良かったです。このセミナーは年々レベルアップしてるので、もし前より質の低いものを提供して社会人の方々に『レベル落ちたんちゃうか』と思われたら嫌なんで。」

「なんて前向き!で、本音は?w」

白石君(2年)
「そりゃ“悔しい”ですよね。中心になってやってた子達は日に日に顔色が悪くなっていって…(笑)」

「だよね!で、ボツにした張本人は誰?w」

本屋敷君(4年)
僕です。(笑)

「なんでそんなことしたのー?!」

本屋敷君(4年)
「勉強不足を感じたからですね。あと、実は僕達も以前、先生に、半年近くかけて作った196ページのスライドを20ページに削るよう言われて苦労した経験があるんですが、結果すごく良いものが完成したんです。その時に、『使われへんものを作っても意味がないな』と実感して…2年生にも早めにそういう経験をしてもらいたかったというのもあります。」

すごいプロ意識!

本屋敷君(4年)
「そうですね。“それっぽいもの”は出来てしまうんですけど、そこで調子に乗らないようお互いに叩き合わないと成長はしないので。

「なるほど!先生も、この成長のためにあえて試練を与えた訳ですね!」

福重先生
「そうですね。でも私は、乗り越えられる試練しか与えていません。『この子達なら出来る』というのが見えていたので。」

本屋敷君(4年)
「ま、乗り越えるためにかなり背伸びしないとダメな試練ですけどね~。」

かなり、ね(笑)」

白石君(2年)
「こうして苦労して作った教材なので有効に使うために、高校生にとって良い環境を作ろうと運営も工夫しました。

「例えば?」

白石君(2年)
「リラックスしてもらうため、待ち時間や案内中も笑顔で積極的に声掛けをするなどですね。バタバタしている時でも常に笑顔でいられるよう、お互い注意しあいましたね、『顔ひきつってんで』とか(笑)

「そうやって、あの“落ち着き”を保っていた訳だね。」


Q.1年生の中野君は昨年、高校時代にこのセミナーに参加したそうですが…

「その時のこと覚えてる?」

中野君(1年)
「はい。新入生歓迎会的な雰囲気かな~と思って参加したら、さっそく『こんにちは!』って元気に挨拶されて、ラーメン屋の朝礼かと思いました(笑)

「びしっとした雰囲気が伝わった訳だねwグループディスカッションはどうだったの?」

中野君(1年)
実は一言も喋れなかったんです。白石さんがファシリテーターだったんですが、何を振られてもずっと黙っていて…。プレゼンの時になってようやく喋れました。」

白石君(2年)
「そうそう、最初大人しい子やな~と思ってたのに、プレゼンで堂々と喋るから、『今までのは、なんだったんだ!』と思った記憶があります(笑)」

中野君(1年)
「いやそれは、ずっと白石さんが笑顔でサポートしてくれたんで、本番は頑張ろうという気持ちになれたんですよ!」

「白石先輩、良い仕事をした訳だね♪で、セミナー終わってどう思ったの?」

中野君(1年)
「今度は先輩みたいに、このセミナーを作る側で参加してみたいなと。

全員
『おお~!!』

本屋敷君(4年)
今の、ちゃんと録音してますよね?!(笑)

「ばっちり!今後何かあっても、証拠音声が残っちゃったから辞められないね(笑)でも本当に中野君、当日すごく良いサポートをしてたよね!」

自分から、笑顔で優しく話しかけてあげたり、


発表の時も、ホワイトボードの後ろに隠れて、陰ながらサポートしたり!


中野君(1年)
「去年の自分を見ているようで…。最後は自分から話しかけてくれて嬉しかったです!」

「そっか。『私も運営してみたい!』って参加者もいたし、こうやって良い連鎖が生まれていくんだね。」


Q.1年から4年まで一緒に活動していて、先輩から学んだことは?


池田君(3年)
「そうですね。僕は、真剣にやる楽しさを学びました。“真剣にやらないならやらない方がマシ”だと。あと、3年は今後みんなを引っ張っていかないといけないので、しんどくてもそれを見せず、後輩のことをちゃんとみてあげる、というのも先輩から教わりました。」

「そっか、辛いことがあっても楽しく、なんだね!」

本屋敷君(4年)
辛いことしかないですけどね(笑)

池田君(3年)
「でも、後輩の成長を見るとやりがいを感じますね。今回のセミナーも、2年生が運営の中心となって成功させてくれたのが嬉しかったです。」

「確かに、お茶会で池田君がお菓子を配りながら後輩達を見守ってる目が、まるでお母さんのようだったもん!(笑)」

本屋敷君(4年)
「それは同じですね。そして僕が最高学年として何よりも嬉しいのは、後輩達が運営しているこの組織が成果を出し、評価されていることです。組織が成長しているのを感じて、すごくやりがいを感じます。」


Q.「東大に勝つ」という目標について。


「それでは最後に。ずばり、ゼミの目標“東大に勝つ”は可能だと思いますか?」

全員
『はい!』

池田君(3年)
「みんな、それを信じて活動しています。」

本屋敷君(4年)
「実際に僕達4年生は、以前受けた社会人基礎力をはかるテストで、偏差値60以上の難関大学に圧勝しているんです。確かにリテラシーの面では負けます。でも僕は就職活動中、対話力などのコンピテンシーで勝ちに行こうという気持ちで取り組んで、結果、他大学に負けないということを証明できました。あとは今後、25歳、30歳になった時に、東大出身者よりも成果をあげられる社会人になって、後輩達に“東大に勝てる”ことを示していけたらと考えています。」



<結論!>

福重ゼミの先輩学生に密着してみたら

社会人としてもっと頑張ろうと思った!(私が)