早乙女ゼミ「子ども達に運動の楽しさを伝えよ!」

<まつばら阪南"運動あそび"フェスへようこそ!>

5月、季節を先取りしすぎた暑さの日。

阪南大学のキャンパスに足を踏み入れると、

グラウンドに響き渡るのは……

子ども達の笑い声?!

え、大学のキャンパスに、なにゆえ子ども??

と思ったら、実はこの日、3歳から6歳くらいのお子さんが参加する

「まつばら阪南“運動あそび”フェス」が開催されていたのです!

このイベントを主催・運営しているのは、流通学部・早乙女ゼミの先輩達。

そして加藤ゼミ、臼谷ゼミの先輩達が、アンケート調査などの活動を行っています。

普段、スポーツに関する様々なことを勉強している先輩達が、松原市ミズノスポーツサービス株式会社様と協力して、子ども達に運動の楽しさを伝え、スポーツを楽しむための基本的な動作スキルを身に付けてもらうため開催したのがこのイベントなのです!

さっそく、早乙女先生にお話を伺いました!

「なぜ、こんな小さな子のためにイベントを開催したんですか?」

早乙女先生
「一般的に6歳までにいろんな動きを覚えさせてあげると、その先、特定の競技に進みやすくなると言われています。逆に、この年齢で様々な動作スキルを習得していないと、小学校に入っても『体育嫌い』『運動嫌い』ってなっちゃうんですよ。」

「一度嫌いになると、ずっと運動しないですもんね…。」

早乙女先生
「そう、それで運動しないで健康的な生活を送れなくて太っちゃうとか。それで、健康のためにも、一生スポーツを楽しめるよう、この年齢の子ども達に運動する機会を提供したいという想いからこの取り組みが始まりました。専門的な言葉を使うと“フィジカルリテラシーの向上”がこのイベントの一番の目的です。」

「“運動あそび”ってことは、何かのスポーツをやる訳ではないんですか?」

早乙女先生
「はい、今日は特定のスポーツではなく、いろんな遊びをやってもらいます。日本では単一化といって、小さいうちからすぐに“サッカーで頑張って” “野球で活躍して”と競技を特化しちゃうんですが、北米やヨーロッパでは小さいうちはいろんなものに挑戦して、中学生頃から好きな競技を選んで1種目に集中するという流れがあるんです。その方が選択肢も増えるし、途中で種目を転向することもできるので、スポーツ界全体としてもプラスになりますよね。」

「なるほど!将来どんなスポーツでも選べるよう、基本的なスキルを身に付けることが大切で、だから今日はいろんなコーナーがある訳ですね!」

  

では、この広い芝生のグラウンドで一体どんなことが行われているのか、

さっそく、先輩達の活躍ぶりに密着してみましょう!!

<楽しいコーナーがいっぱい!>

「へんしんバイク」

まずはペダルなしで遊び、コツを掴んだら自転車に挑戦!30分で自転車デビューを目指します!

参加者のママにお話を聞くと、最近は自転車の乗り入れが禁止されている公園も多く、安全に練習できる場所が少ないので、こういった機会はとても助かるんだそう♪

地域の皆さんのお役に立っている訳ですね!!

先輩達は、安全に楽しく遊べるようにサポートします。私も陰ながら応援!

「へんしんバイク」リーダー 井上幸涼くん(早乙女ゼミ4年生)

過去にもへんしんバイクのサポート経験がある井上くん。

「子どもによっては、人見知りだったり、わんぱくだったり。

そういうのを見極めて、気を遣って接するようにしていますね。」

段階ごとに少しずつハードルを上げて教える姿は、まさに名インストラクターです!

さて、元々スポーツに興味のあった井上くんですが、インターンシップ(就業体験)を通じてIT分野にも興味を持ったそう。

「将来はインターネットサービスを通じてスポーツの機会を提供することが目標です。」

「自由あそび」

大玉、チャンバラ、玉入れ、フリスビーなど、その名の通り「自由に」遊びます!!

先輩達は安全を見守りつつ、一緒になって遊ぶのみ!!

…って、このコーナーが一番体力使いそう(汗)

「自由あそび」リーダー 岡本翔太くん(早乙女ゼミ2年生)

「子どもが元気過ぎて、持っていかれますね、体力…(汗)

と言いつつも、ずっとバスケをやっていただけあって、バテた様子も見せず子ども達と遊ぶ岡本くん。

「僕は松原出身なので、松原の子ども達が今日の楽しさをきっかけに、大きくなって僕みたいに子どもと一緒にスポーツで遊んでくれるような、そんな人になってくれたらな。」

と、地元愛あふれるメッセージをくれました♪

「将来は指導者を目指しているんで、今後、中高生に指導できるようなイベントを企画・経験したいです。」と、今後のゼミ活動にも夢を膨らませています♪

受付&自由あそび担当内田優希さん(早乙女ゼミ2年生)

受付も担当する内田さんは、小・中はバスケ、高校はマネージャーと、ずっとスポーツと関わってきました。

「今日来ている子ども達には大人になっても、何かスポーツをやってて欲しいな。」

将来も何かスポーツに関わる仕事をしたいと思っている内田さんですが、早乙女ゼミでは他にも頑張りたいことが。

「3、4年ではプレゼンにも力を入れているので、私も2年生のうちにパワーポイント作りなどプレゼンの力を身に付けたいです!」

みんな、夢や目標があってすごいな~!!

「トランポリン」

全国レベルの選手が集う阪南大学・トランポリン部の部員がサポートします♪

スムーズに跳べるよう、まずお隣の芝生の上で柔軟体操や準備運動をするのですが…

生まれてこの方スポーツとは無縁だった私。

身体ガッチガチすぎて、みんなに呆れられるレベル…。

こんな風にならんよう、今からしっかり運動するんやでぇ~!!(涙)

とここで、アンケート調査をしている先輩にも遭遇!

山﨑勇輝くん(加藤ゼミ3年生)

「お子さんがどのように楽しんでいるのか、親御さんの満足度などをアンケート調査しています。後日、データを分析してプレゼン大会で結果を発表する予定です。」

アンケート調査は初めてという山﨑くん、緊張しているかと思いきや…

「いろんな方とお話できて良い経験です。皆さん楽しんでいるので、僕も笑顔でできます!」

と、すごく楽しそう。引き続き頑張ってね~!

<ちびっこ忍者の修行場に潜入!>

さて、いろんなコーナーがある中でも、ひと際目を引いたのが、

「ミズノ流忍者学校」

ミズノ流忍者学校とは、「走る」「投げる」「跳ぶ」などの動作を取り入れた忍者の修行を行うことによって、子どもの運動発育に必要な基本動作を習得しつつ、からだを動かす楽しさや気持ちよさを感じてもらう、ミズノが開発した「運動あそびプログラム」です。

さっそく行ってみると……

わーい、元気なちびっこ忍者たちがいっぱい!!

おでこには、自分達で色を塗った手作りの額当てを付けています。かわいい~!!

修行は、先生忍者(ミズノプレイリーダー)の指導のもと行われます。

ミズノプレイリーダーとはミズノが独自に養成している指導者のことで、子ども達が自ら考え工夫して遊ぶきっかけを作り、導いてあげる役割を担っています。

早乙女ゼミの先輩達はというと、

先輩忍者として、走り方や道具の使い方を教えたり…

敵忍者として、ちびっこ忍者を追いかけ回したりしていました!

大人の私から見ると、大変微笑ましい光景なのですが、中には、敵忍者が怖すぎて、泣き出してしまう子も…!

しかし、様々な修行を経て、強くなったちびっこ忍者たち。

油断している敵忍者を発見!!

そーっと近づいて…

ボコる。

…じゃなくてっ!!

巻物を取り返すことに成功♪

見事、みんな免許皆伝です!!

良かったね♪

このプログラムを開発・運用している担当の方にお話を伺いました!

ミズノスポーツサービス株式会社 植田有亮さん

Q ミズノ流忍者学校を始めたきっかけは?

植田さん
「私達は自治体さんが持っているスポーツ施設の運営管理をしているんですが、そこへ来るお子さん達の体力不足を感じていました。そこで、どんなスポーツをやったら良いかなと考える中で、“本来、外遊びに夢中になる中で体力を付けていく”という原点に立ち返ることにしたんです。夢中になって遊ぶ中で、跳んだり走ったり投げたりといった36種類の基本動作をできるよう考えた時、“忍者の修行”というのはいろいろ入ってるんじゃないかと思って。忍者はどんな時代も鉄板の人気ですしね。」

「ミズノオリジナルの道具や、手作り額当ても良いですね!」

植田さん
「そうですね、自分でお面を作って忍者の服を着ると、もうみんな忍者なんです。そういう“なりきってしまう”とか“のめりこんでしまう”というのを大切に、“本気で遊ぶ”というのをキーワードにしています。

Q 阪南大学の学生の忍者っぷりはいかがですか?

植田さん
めちゃくちゃ上手い!子どもさんの心を掴むのも上手ですし、何といってもなりきってくれる。そうやって本気でやってもらうと、子ども達にも伝わると思うんです。他のプログラムも手伝って欲しいくらい!」

「そんな学生達に望むことはありますか?」

植田さん
「そうですね、僕も早乙女先生と同じで、子どもの頃からいろんな経験をする中で体力も学力も考える力もついてくると思っています。そんな僕らの考えに共感してくれる学生さんが一人でも増えて、“挑戦するお子さんを応援する人”になって頂けるといいな。

植田さん、ありがとうございました!!

<先輩忍者にインタビュー!>

最後に、敵忍者役を見事に演じていた森島くんにお話を聞きました!

森島佑太くん(早乙女ゼミ3年生)

Q 忍者役をやる上で気を付けたことは?

「森島くんの敵忍者役、抜群だったね!」

森島くん
「はい。僕、忍者なんで。

「……ん?」

森島くん
「実は僕、地元が三重県伊賀市なんで、そもそも忍者の血を受け継いでるんですよ。きっと先祖をたどって行けば忍者です!(笑)

「どうりで上手い訳だ(笑)でも、それだけじゃないと思う。何かコツはあるの?」

森島くん
「自分自身が楽しんでいると、子どもも笑顔になったり動いてくれたりするんで、そこですかね。あと、最初は自分で動けない子も、一緒に動いてあげるとそこからは一人で動けたりするんで、そういうところは気にしていましたね。

「確かに、一緒に手を繋いで走ってあげたりしてたね!」

森島くん
「メインのインストラクターさんは全体の進行に集中しないといけないんで、全員が楽しめる空間を作るために僕たちが一人ひとりを見ようというのは意識しましたね。」

Q 今回のイベントで悩んだことは?

森島くん
自分達の企画がどの年代に当てはまるのか考えて、それに合わせてどんなコーナーを作るのか考えていくのが難しかったです。例えば小学校高学年を対象に今回のイベントをしたら、絶対にこんな風に遊んでくれなかったと思う。」

「確かに。おかげで子ども達みんな楽しそうだね!」

森島くん
「そうですね、日本ではスポーツといえば競技スポーツになっていますが、子どもは遊びって感じで体を動かすことが大事だと思うんです。でも今、公園とか遊ぶ場所が減ってきている。その中で、いかに子ども達に遊ぶ環境を作ってあげるか、というのがゼミで勉強している大きなテーマです。

「それは大切なテーマだね!」

Q 将来の目標は?

森島くん
サッカーの指導者になりたい。小学校から高校までサッカーをやってきたんですが、小・中の頃の監督にすごく影響を受けたんです。サッカーには人間性も大事だという部分を教えてくれて、やんちゃだった僕を正しい方向に導いてくれた。そんな監督が、僕が高2の時にがんで亡くなってしまったんです。だから監督の分まで僕がいろんな子どもと接して行こうと思って、指導者を目指しています。そのためにゼミ以外でも、サッカー部の運営に携わらせてもらったり、セレッソ大阪のスクールコーチのアルバイトをさせてもらったり、色々勉強しています。」

「す、すごすぎる!!どんな指導者になりたい?」

森島くん
「そうですね、育成年代の子ども達との関わりを大事にしたいので、サッカーだけじゃなく少しでも良い人生を送れるように、しっかり選手と向き合って、一緒に成長していきたいです。

Q 最後に、今日参加した子ども達にどうなってもらいたいですか?

森島くん
「例えば、敵忍者が出て来て怖くて泣いちゃう子もいるんです。でも、大切なのはその後かなって。泣いた後、もう一回笑って取り組む…そういう姿勢を今身に付けたら、将来もし何かで怖くなっても絶対また取り組んでいけると思うんです。あとは全力で楽しむことかな!楽しんで笑ってたら、いいことあると思うんで!」

スポーツを通して成長した子が、またスポーツを通して子どもの成長を見守っていく…。

こうやって繋がっていくんですね。

そういえば、早乙女先生がインタビューでおっしゃっていました。

「いつか学生達が卒業して、親御さんになって、自分の子どもを連れて帰ってきてくれたら理想ですよね。」

先輩達の話を聞いていると、そんな日もいつか来るかも!とわくわくしてきました♪