<ヤマハの新製品開発に、実験で貢献!>


7月某日、PM12:00。今日は、経営情報学部・三好(みよし)先生ゼミの「とある実験」に密着せよとのこと。
文系学部なのに実験…?
何やら怪しげな雰囲気を感じながらも、恐る恐る訪れたのは、阪南大学GYC(ジック)ホール。
そこで目にしたのは…

な、なんじゃこりゃ~っ!?なに、この近未来的空間!!
広―い体育館に、番号が付いたたくさんの棒、張り巡らされたコード、
そしてどこからともなく聞こえてくる「ウィーン、ウィーン」というスイープ音…。

「み、三好せんせー!これ、いったい何なんですか?!」

三好先生
「実はこれ、全部スピーカーなんです。」

「スピーカー??え、でもどこに…?」

三好先生
「ほら、あそこ。」

な、なんと!あの白い紙と黒いスポンジがくっついただけの物体がスピーカー?!

三好先生
「ヤマハ株式会社が開発した『Flatone(フラットーン)』という紙製平面軽量スピーカーです。
今、この『Flatone(フラット―ン)』を災害時の非難誘導で使用できるかどうか、実験をしてデータを取っているんです。」

学生さんの真剣なまなざし…何やらパソコンを操作して次々にデータを記録していく姿…
す、すごい!!

三好先生
「これまでの避難誘導では、避難する出口にスピーカーを置いて、その一定方向に誘導するだけでした。しかし、この『Flatone(フラット―ン)』の特性を活かせば、L字型やジグザグに誘導することもできるかもしれません。通常のスピーカーは音が広がりますが、このスピーカーは音が真っ直ぐに飛ぶため方向認識しやすく、天井に一定間隔にこのスピーカーを設置し、避難経路に合わせて音を流せば、色々な制約、例えば火が出ている方向や、戸棚などがあって行き止まりの道などを避け、自由に安全に誘導できる可能性があるのです。そこで今、このスピーカーでどの程度方向認識できるかどうかを実験しているのです。」

「なるほど!でも、実験って、なんか理系っぽいですよね?経営情報学部なのに、何か関係があるんですか?

三好先生
「確かに、こういった安全工学は理系分野かもしれません。でも、経営やビジネスをする上で、アンケートを取ったりデータを集めたりすることは必須でしょう?そうやって集めた“情報”を分析してビジネスに活かす方法を学ぶのが経営情報学部なのです。この活動を通して学生は、膨大なデータを取って整理し、分析し、それが何を意味するのか発見し、ビジネスに活かして行くという過程を学んでいるのです。

「すごい、、授業で習ったことを即、実践している訳ですね!!」

三好先生
「そうなんです。そもそも私のゼミは、企業と連携してこういった新製品を“事業化”するプロセスを学び、その活動に貢献することを目的として活動しています。

「“事業化”ってなんですか?」

三好先生
「簡単に言えば、新製品を売り出す前に、それがどのような場所でどんな風に使われる可能性があるのか考え、実際に使用できるのか、問題点や改善点がないか調べ、製品が売れるようにすることです。」

「あ!今まさにこの『Flatone(フラットーン)』を避難誘導に使えないか実験しているのがそれですね!なるほど、実験することが目的ではなく、商品として利益を出せるようにするのが目的なのですね…そう思うと“経営”情報っぽい!」

三好先生
「そういうこと。まあ、こういった実験にチームで取り組むことで、、学生達がチームで協力して、自主的に活動する力も身に付けられるので、そこも大切なポイントですね。」

「確かに!だって、先生、今何もしてませんもんね☆」

三好先生
「ははは…(苦笑)」

<<私も実験にチャレンジ!するも…>
実験の目的や意味が分かったところで、私も実験に参加させてもらいましたー!

小野塚君
「被験者をやってもらいます。真ん中に立って音を聞いて、音が前後左右、どちらからどちらに流れたか、番号で伝えて下さい。これを24回繰り返します。」

「え、皆さらさら答えてたけど難しそう!」

小野塚君
「慣れるまでは確かに難しいですね。」

「(できるかな…。)」

「ちなみに、中村くんは何してるの?」

中村君
「音の大きさの平均値を測定して、記録してます。」

「え、毎回…?」

中村君
「はい、毎回全部です。」

(地味…。)実験、、楽しい…?」

中村君
「はい!楽しいです!」

「(笑顔が眩しい…!)」


いざ、被験者に挑戦!!したのですが…

(ん…???)

(全然分からん…!!(泣))

(とりあえず答えるも、結果は…)

三好先生
平均以下ですね…(苦笑)」

「・・・。」


…まあ、パニック状態でも、誰でも、方向を認識できるようにする必要があるので、私みたいなダメダメ被験者も実験には必要だと…思うっ!!(号泣)

<先輩学生にインタビュー!>
こんな社会に役立つ素晴らしい活動をしている三好ゼミの先輩学生に、
インタビューしてみました!!

経営情報学部3年生 佐々木 健太くん

「そもそも、どうして経営情報学部に入ったの?

佐々木君
「高校も文系だったんですけどパソコンが好きで、情報のことをやってみたいなと思い、文系で情報ができるところを探していて見つけたのがここでした。」

「へえー!パソコンが得意だったんだ!」

佐々木君
「得意じゃないんですけど、好きですね。このゼミでは、情報のデータ整理なども学べるし、やりたかったことが出来ていると思います。」

「じゃあ、こういう実験がしたくて、三好ゼミに入っただ?

佐々木君
「いや~…正直、何するゼミが知りませんでした…(苦笑)

「えー?!じゃあ、なんで入ったの??」

佐々木君
「1回生の入門ゼミの担当がたまたま三好先生で。先生で選んだって感じですね。

「三好先生がすごくいい先生だったんだね!」

佐々木君
「そうですね。堅苦しくなくて、気軽に話せます。まあ厳しいところもありますが。あと、企業さんと話をしながらゼミ活動できるチャンスってあんまりないので、それができるこのゼミを選んだというのもあります。」

「なるほど。実際、ヤマハさんとはやり取りしてるの?」

佐々木君
「はい。実際に静岡県浜松市の本社まで行って、研究成果や提案を発表しました。

「すごい!!緊張したでしょ?」

佐々木君
はい、めちゃくちゃ緊張しました…(汗)

「佐々木君がこのゼミに入って、一番成長したことって何?

佐々木君
「ん~…こうして喋れるようになったってことですかね?(笑)

「あれ、喋るの苦手だったの?意外にシャイボーイだったんだね!」

佐々木君
「はい…(照)」

「じゃあ最後に、今後の目標を聞かせて下さい!

佐々木君
「目標…現段階ではそこまで考える余裕がないですね。とりあえず今は、データを集めて整理して、という段階なのでそれをしっかりやりたいです。この1年ですぐに結果が出るものではないというのは理解したので。」

「気の長い話だな~!こういう地道な実験って、楽しい?

佐々木君
「まあ、、楽しみつつ…」

「ぶっちゃっけ言うと?」

佐々木君
…ま、作業ですよね…。(遠い目)

「(笑)やっぱり大変なんや。」

佐々木君
「そうですね。でも、この結果や提案したものが製品に活かされたら、その時は絶対嬉しいと思うし、やって良かったなと思うはず。それが目標ですかね。僕たちの代で出来るか分からないですけど。」

元シャイボーイとは思えない、しっかりした語り口で答えてくれました。(笑)佐々木君、ありがとう!!

経営情報学部3年生 西岡 由浩くん

「西岡くんは、どうして経営情報学部に入ったの?

西岡君
「元々は別の学校を目指していて、受験したんですけど落ちてしまって…。阪南は滑り止めでした。

「え、じゃあ第一志望じゃなかったんだ!」

西岡君
「ぶっちゃけそうですね。でも、大学は出たかったし、ここで別の道に進むのもいいかな、と思って。」

「ぶっちゃけるねー(笑)。で、実際入ってみてどう?」

西岡君
「学ぶことが多いですね。全く未知の世界だったので。」

「そっか。パソコンは得意だったの?

西岡君
全然!触れたこともなかったです。(笑)でも経営情報学部で学んで、もっと出来るようになりたいと思って、この夏は大学のパソコン資格講座を受けに行くつもりです。」

「向上心の塊やねー!」

西岡君
「いやいや、ちょっと遅かったかなと思ってるくらいです。」

このゼミに入ろうと思ったのはどうしてなの?

西岡君
「ヤマハさんと連携して活動するので、就職のために役立つかなと思って。

「確かに!学生時代から社会人の方と一緒に活動できるって滅多にないもんね。企業で働くイメージも掴めるし、就職活動の面接でも自信持って話せそう。他に、このゼミの良いところってどこ?」

西岡君
ゼミ全体での一体感は、多分みんな感じてますね。こういう実験って、みんなでやらないと出来ないので。全員同じ熱量を持って活動できてるのはいいなと思います。」

「じゃあ、この活動の難しいところってどこ?

西岡君
「実験して終わりではなく、この結果が最終的に何に繋がっていくのか考え、発見しないといけないのが難しいですね。」

「そっか、こんなに大変な実験をしてるのに、そこで終わりじゃないんだね…。」

西岡君
まだ、これは第一歩、序盤ですね。目的に繋がるためには、まだまだやらないといけないことがある。僕らが製品に対して良い提案を提供できればいいけど、僕らの代では難しいと思います。何年か積み重ねてたどり着けたら…後輩たちがたどり着いてくれたらいいなって。

「そんな長期ビジョンを持ってるんだね。まさに伝統!」

西岡君
「はい。ヤマハの方も積み重ねていかなくてはならないとおっしゃってたので。僕ひとりでは出来ない部分も多いけど、皆で上を目指して着々とやってます。とはいえ、直接製品に繋がらなくても、出来る限り僕らの代で結果を残したいとは思います。結果が残らないまま終わるのは嫌なので。何かデータを残すことが出来れば、後輩たちにもそのデータに基づいてやっていけますし。それが目標ですかね。」

第一志望じゃなかったけど、西岡君は阪南大学で確かな結果を残そうとしています!!


<「三好ゼミを阪南イチの人気ゼミに。」>
最後に、連携先のヤマハの方に、三好ゼミとの連携に掛ける想いを伺いました。


ヤマハ株式会社 新規事業開発部 吉永さん

吉永さん
「学生達にとって、自分が携わったものが5年10年先に世の中に出回った時、『あれは僕がやったんだ。』と言えるのはきっとすごい自信になります。だから、『僕がやった』と言えるよう、実になることをしたいというのが、私と三好先生の共通の想いです。別に人気取りのつもりはありませんが、こういった活動が繋がっていくことで、僕はこの三好ゼミを、今まで以上の人気ゼミにしたいんです。


この製品の開発を始めた当初、「磁石も使わず、ほとんど紙だけでスピーカーなんかできるか」とバカにされたこともあったそうです。でも、社内や協力会社の仲間と懸命に努力した結果、ここまでたどり着いたそう。そんな、モノ作りに掛ける想いも背負って、三好ゼミの先輩達はこの製品を世に送り出すお手伝いをしている訳ですね。そしていずれ、自分の携わったものが世の中を変えて行く…本当に意味のあることをしているんだな、としみじみ感じました。


がんばれ、三好ゼミ!!

<結論!>

三好ゼミの先輩学生に密着してみたら

“はるか未来を見据えていた!”