和泉ゼミ 泉南の観光街づくりプランを提案せよ!

<泉南市にやってきました!>


1月某日、大阪府・泉南市埋蔵文化財センター。

今日はここで、国際観光学部・和泉ゼミの先輩達がある発表を行うとのこと。


テーマは…
「“泉南らしい”地域資源を活かした観光まちづくりプラン」
泉南市へ観光客を呼び込むためのプランを発表するのですが、
ポイントは“泉南らしい”というところ。
実は泉南市にはもともと、様々な歴史的スポットが数多く存在するのです!
例えば…


登録有形文化財・山田家住宅

江戸時代の豪農・山田家のお屋敷。
一歩足を踏み入れると、江戸時代にタイムスリップしたような感覚に!


あじさいの寺・長慶寺

あじさいの季節になると、数多くのカメラマンが訪れる花の名所。
高台の本寺からは泉南市を一望でき、関西国際空港や淡路島ものぞめます!


紀州街道信達宿本陣跡 角谷家

参勤交代の際に紀州徳川家が泊まった本陣。
お侍さんが実際に泊まった場所が、残っているんですね!!


白砂岩のミニナイアガラ・砂川奇勝

200万年前の洪積期にできた砂岩が堆積し、地殻変動により隆起して丘陵となったもの。
戦前は一大行楽地だったんだって!


と、どれも貴重なものばかり!なんですが…。
私、ずっと関西に住んでいますが、正直、全然知りませんでした(汗)
きっとこういう人もいるハズ!!
そこで、これらを観光資源として活かし、観光客を増やすための新たなプランを、“若者目線で”提案することが、今回の先輩達のミッションなのです!!

今日この日のために、先輩達は泉南市について勉強して来ました。
9月には、実際に泉南市でフィールドワークを行いました。

連携先である泉南市教育委員会社会教育課の方々や、JR和泉砂川駅の駅長さん、さらには地元の方々にご案内頂き、泉南市にある歴史的スポットや街並みを自分達の目で直接見て回りました。

さあ、これらを元に、一体どんな提案が飛び出すのでしょうか?
楽しみです!!


<ドキドキ、発表スタート!>


さっそく発表会場に入ってみると…
なんか、人がたくさんいるっ!!

泉南市の職員さん達に向けて発表するのかと思いきや実は、「泉南市を良くしたい」という想いを持った市民の皆様も、発表を聞きに集まって下さっていたのです!!
これは、ゼッタイ緊張するよね…(汗)

発表の前に、まずは和泉先生より「観光のチカラで地域を元気にするには、どうすれば良いのか」についてのお話がありました。

私も皆さんと一緒にお話を聞いていたのですが、一番印象的だったのは「観光資源は作るもの」という言葉。
例えば、泉南市にはたくさんの素晴らしい「地域資源」があります。しかし、地元の方にとって大切な場所、歴史的価値のある場所が、必ずしも観光客にとって魅力的とは限りません。 そこで、その「地域資源」を観光客にとって魅力的に「デザイン」することで、「観光資源」へと変身させる。それが大切なのです。
つまり、今回の先輩達のミッションは、泉南市の地域資源をどうデザインするかを提案することなんですね!


さあ、それではいよいよ先輩達の発表です!!
まずは、和泉ゼミ3年生の発表。

3年生は、山田家住宅、和泉砂川駅、埋蔵文化財センター、長慶寺などに注目しました。 そして、それらの資源を活かした様々なプランを発表。
その数、なんと9つ!!


その中でも私が面白いなと思ったのは、山田家住宅での婚活イベント! この発想、すごくないですか?!笑)最近、婚活市場ってすごく発展してるし、江戸時代のお屋敷で婚活…“あり”ですよね!それにほら、やっぱり、非日常的な環境で出逢った方が人は恋に落ちやすいじゃないですか♪笑)特に歴史好きにはたまらないですね!


他に興味深かったのは埋蔵文化財センターでのナイトミュージアム!
まさにこの発表を行ったのが埋蔵文化財センター。私も初めて訪れましたが、とっても綺麗で立派な施設でした。でも、社会見学でもなければ、なかなか足を運ばないかもしれません。 そこで、例えば「夜、亡霊が出る」なんてストーリーでナイトミュージアムを開催し、楽しみながら歴史・文化を学んでもらおうというのです!これは、ファミリーやカップルにぴったりですよね。


この他にも、これまでにはない“若者目線”の提案であり、なおかつ頑張れば実現できそうなプランがたくさんあり、市民の皆様や職員の皆様も、興味深そうに聞き入っていらっしゃいました。


実は今回、和泉先生の入門ゼミに所属する1年生も特別にこのプロジェクトに参加しており、1年生の発表もありました!

1年生も、インスタ映えを狙った様々なアート企画、あの社会現象となった人気アプリにヒントを得た「泉南GO」、紀州街道を照らす灯篭を作るイベント、地元の名産を利用したスイーツ、観光バスの導入などなど、自由な発想で斬新なアイデアをたくさん発表していましたよ♪


皆さん、発表お疲れ様でした~!


<プラン実現に向けて…>

さて。発表を終えて、「良かったね~!」で終わってしまわないのが泉南市でのプロジェクトのすごいところ!
発表したプランの実現に向けて、市民の皆様とのディスカッションです。

まずは、どのプランを中心に話し合っていくか、それぞれの希望を書いて発表。

どのプランにするか決まったら、さらにやってみたいことや具体的な実行プランを話し合っていきます。

さすが3年生、市民の皆さんの声をきっちり模造紙にまとめています!!

ディスカッション中は、これから始まる新しい計画にワクワクする笑顔や…

現実的なことを話し合う真剣な表情、市民の方の地元愛に聞き入る熱い眼差しなど…

そんな生き生きとした表情がたくさん見られました。
「市民の方と一緒に考える」ってこういうことなんだな~。


そして最後には、グループごとに発表!

みんなが提案したプランがディスカッションを経てパワーアップしていました!!
そしてどのグループも、「いつか実現できたらいいね。」ではなく、
「いつ、誰が、どうやって実現する。絶対に実現する!」という強い想いがありました。 これってきっと、和泉ゼミだけでも、泉南市だけでも、市民の皆さんだけでも、できなかったこと。みんなが協力して知恵を出し合ったからこそ初めて、実現する未来が見えてきたんだな、と感じました。


皆さん、今日は1日お疲れ様でした~!!


<泉南市のプロジェクトを振り返って>

最後に、この泉南市でのプロジェクトを振り返って、3年生の先輩達にインタビューに答えてもらいました!


Q.和泉ゼミに入った理由や、このプロジェクトに参加した理由を教えて!

門前くん
「僕は岬町出身なんですが、和泉先生が担当されている地域に岬町も含まれているのを知って入りました。」

「へ~、地元での活動があったからなんだね。もともと“町おこし”みたいなものに興味があったの?」

門前くん
「そういう訳でもなかったんですが…、岬町ってすごく田舎なんですよ。」

「どのくらい?」

門前くん
「かなり。僕が卒業した小学校も、今や入学者数が1桁らしいです。」

え、意外!

門前くん
「僕が卒業した時は、30人くらいはいたんですが…。友達もみんな都会に出て行ってしまって、寂しいなとはずっと思っていました。そんな時に、観光で人を呼んで地域を元気にし、将来的に定住人口を増やすというやり方あることを、和泉先生の活動内容を聞いて知り、自分にも何か出来るんじゃないかと思って、和泉ゼミを選んだんです。」

「なるほど!門前くんの想いと、和泉ゼミの活動が見事にマッチした訳だね!」

門前くん
「はい。ちなみに、泉南市は岬町の隣で、祖母が泉南市に住んでいるので、今回のプロジェクトも地元みたいなものです。」



Q.今日の発表を迎えるまでに大変だったことは?

高田さん
「今回だけに限らずいつも一番苦労するのは、アイデアを出すことですね。」

「アイデア?」

高田さん
「はい。地元の資源をどうやって観光資源として活かすか、というアイデアを出すのにいつも苦労するんですよ。みんなで考えて、考えて、考えてるうちに、『あれ、いま何考えてるんやったっけ?』ってなるくらい(笑)」

「なるほど(笑)でも、そこが一番求められているところだよね。しかも“若者目線”のアイデアが。」

高田さん
「それでいうと例えば、今回フィールドワークで北庄司牛乳処理場に行った時、牛乳瓶の自動販売機があったんです。ちょっとレトロな雰囲気の。」

高田さん
「で、今の子って給食の牛乳もパックだし、牛乳を瓶で飲んだことがない子もいて、『牛乳を瓶で飲める!』というだけでワーッとなったんです。」

マジで?!うわ、給食の牛乳、めっちゃ瓶やった…ジェネレーションギャップ…(汗)でもそれ、大人は気付かないよね!」

高田さん
「そうなんです。それで、1年生はその牛乳でソフトクリームを作ろうとか、牛乳瓶でハーバリウムを作ろうとか、色々とアイデアを出していました。そういうのって、思いつきそうで思いつかないんですよね。」

「生みの苦しみがある訳だね。ちなみに、今回みんなが一番お気に入りのアイデアって何だったの?」

清水くん
「僕は、山田家さんの活用案ですね。今回提案した民泊や婚活の他にも多種多様に派生できますし。」

門前くん
「僕もそうですね。昔、この辺りが“信達の宿”という宿場町だったというところから民泊に繋げられたのが、ストーリー性があって良いなと思いました。」

高田さん
「私は、ステーションミュージアムですね。泉南市の歴史を駅構内にパネル展示する案ですが、私、個人的に同じ場所の昔と今の写真を比べて『あ、この建物は昔もあったのに、この建物は無くなってる!』とか発見するのが好きなんです。」

マニアックやな!(笑)



Q.実際に発表やディスカッションをしてみてどうだった?

清水くん
「こうして市民の皆様が集まる場で、実践可能な提案が発表できたことは、良い経験になりました。ここまで大きな場での発表という機会はあまりないので。」

「そうだよね。ディスカッションはどうだった?」

清水くん
皆さん、本当に熱かったです!でも泉南市を良くしたいという熱意のあまり、皆さんの『やりたい、やりたい』が重なって…爆発しました(笑)

「えー?!」

清水くん
「いやほんと、どうまとめて行ったらいいのか見えなくなってしまって…。でも、同じグループに和泉砂川駅の駅長さんがいらっしゃって、すごく助けて下さいました。本当にありがたかったです。」

「そっか、皆さんすごく協力して下さったんだね。」

清水くん
「そうなんです。しかも『学生さんが頑張ってるな』という感じじゃなく、『一緒に泉南市を良くしよう』という、お互い対等な立場で意見交換できた気がして、すごく良かったです。」

高田さん
「そうですね。私達は色々提案するけれど、やっぱり土地勘もないし、過去に似たようなイベントをやったことがあるのか、結果どうだったのかなどは、やっぱり地元の方たちでないと分からないので、それを教えて頂けるのはありがたかったです。」

門前くん
「それと、僕は地元に近い場所での活動だったので、『自分の身の回りにも、こんなに地域を良くしたいと思っている人がたくさんいるんだ』と身に染みて感じて、すごく感動しました。今回の経験を、地元岬町でも、他の地域での活動でも活かしていきたいです!」


皆の考えたプランが形になるのが楽しみです!
ありがとうございました!!

<結論!>

和泉ゼミの先輩学生に密着してみたら

地元の方々と二人三脚で、泉南の未来を描いていた!