理事長からのご挨拶

理事長  加藤 清孝

 学校法人阪南大学は、1939年(昭和14年)、小林菊治郎・奥田政三によって創立された私立大鉄工学校に始まります。この大鉄工学校を祖とする阪南大学高校は本年で創立85年、また、阪南大学は創立59年となり、これまで順調に発展を遂げてきました。学校経営は、なにより、持続可能であることが求められます。当学園は一貫して借入金に依存しない経営を続けてきました。学納金収入を柱とするこの経営方針を今後も堅持しつつ、さらに学納金以外の収入確保への取組も一層促進してまいります。
 先に述べたとおり、1939年創立の本学園は2039年に100周年を迎えます。そして、2040年は大学創立75周年となります。しかし、少子化による急激な人口減少局面に入った日本社会においては、私たちが創立100周年を無事に迎えることは、もはや約束されたことではありません。例えば、2023年112万人だった18才人口は2040年には77万人と3割以上も減り、その後も減少は続くのです。
 我々は、教育機関としてよりよく100周年を迎えるために、2020年に始まった現在の中期計画を第1期として様々な取り組みを行っておりますが、来年からの第2期中期計画を前に、次の通り、改めて学園の存在意義を定義し、学園ビジョンを策定しました:
【存在意義】
私たち学校法人阪南大学は、人間個々の能力を信じその伸長を追求し、人生の幸せへとつながる
学びの機会を提供することで、生徒・学生、保護者、そして社会に貢献するために存在します。

【ビジョン】
生徒・学生に「阪南に来てよかった」と思われる、
保護者・先生に「阪南に行かせてよかった」と思われる、
地域に「阪南があってよかった」と思われる、
『生徒・学生・教職員、保護者、そして地域に、“歓び”を生み出す学園となります。』


 私たちの掲げるビジョンは、ごく当たり前の平凡なものに感じられるかもしれません。しかしこれは「もっとより多くの生徒・学生に、もっとより大きな歓びを生み出す存在に我々はならなければならない。」「より地域との係わりを深めなければならない。」との、反省と決意から生まれた、私たちの目指すべきありたい姿です。阪南大学高校、そして阪南大学で学んだ生徒・学生に、本学園で学ぶことを通して大きな歓びを生み出し(それは「満足感」と置き換えることもできます)、そして、保護者も含めて熱狂的なファンになっていただく。この循環をより大きくしていくことこそが、100周年を目指す私たちの学園に最も必要なことだと考えます。このビジョンの達成のために、より一層、教育と研究の質の向上に努めて参ります。

 さて、2024年度、阪南大学は1122名(女子360名)、阪南大学高校は494名(女子203名)の新入生を迎えることができました。入学される生徒・学生の皆様そして保護者の皆様、本学園が設置する学校を選んでいただき心より感謝いたします。そして、心より歓迎申し上げます。生徒・学生の皆様に、本学園で学ぶことに大きな歓びを感じていただけるよう、教職員一丸となり、生徒・学生一人ひとり、それぞれの“Challenge”をしっかりとサポートしてまいります。

学校法人阪南大学 理事長 加藤 清孝