2019.5.29

本学大学院生による奈良高専PBL科目の10回講義担当-Coaching skillの向上をめざす-

 阪南大学大学院企業情報研究科1年生の入江香奈美さんは,これまでのプロジェクションマッピングの映像作成の豊富な経験をもとに,映像作成のコーチング技術を身に着けるために,国立奈良高専のPBL(Project Based Learning)科目にて,10回シリーズ講義を実施しています.

 国立奈良高専は奈良県大和郡山市にある国立高専であり,15歳から5年間の高専とその後の2年間の専攻科から構成されます.偏差値は67と非常に優秀な理系の学生が集まる学校です.
 担当するPBL科目は3,4年生対象の通年科目であり,一般的には高校3年生と大学1年生が受講する科目となります.

PBL科目の受講生は数十人の大所帯となりますが,8人から10人のチームに分かれ,それぞれのチームが担当のプロジェクトを半年をかけて実施する科目です.
本科目の一つのチームのプロジェクションマッピングプロジェクトの講義担当を本学大学院生が担当することなりました.

 講義計画は以下のとおりです.
  • 第1回目 大和郡山城のプロジェクション映像の全体像
         プロジェクションマッピングの基本とマッピング体験(VJ,Mapper,を使う)
  • 第2回目 アドビ製品の使い方の初心者教育 &背景をもとにシーンの作り方
  • 第3回目 基本図形1 石垣の縁取り方法 テスト期間
  • 第4回目 基本図形2 石垣の縁取り方法2
  • 第5回目 エフェクトのかけ方 石垣の縁取りの光らせ方,色の変更の仕方
  • 第6回目 動きのある図形 石垣の縁取りに動きを追加する
  • 第7回目 3Dの素材 縁取り以外の素材の作り方,著作権フリー素材の使い方
  • 第8回目 印象的なシーンの構成方法 音楽にあわせる,暗転を利用する等
  • 第9回目 全体の映像を統合する.
  • 第10回目 マッピングの試行をする.
 本活動の目的は,大学院生が自ら映像を作成するだけでなく,それを他の人に教える技術を身に着けることです.自身の知識,技術のみならずコーチング技術も向上させることを大学院教育の目的としています.

 本科目で作成した映像は,本学の経営情報学部の花川ゼミで作成しています「大和郡山城のプロジェクションマッピング」の10分間の映像の一部に組み込まれます.12月21日(土)に奈良県大和郡山市の大和郡山城(雨天の場合は大和郡山城ホール)にて本番が実施されます.

 講義を担当し,すでに2回の講義が終了した入江さんは「とても優秀な学生さんたちで,教えやすいです.また,基礎的な知識の説明も重要ですが,実践にて基礎的知識を獲得するほうが重要であることもわかりました」と感想を述べています.奈良高専の担当の内田先生は「映像作成の方法をわかりやすく実践的に講義していただき,大変助かっています」とおっしゃっていただいています.大学院生としてのコーチング技術の向上をしっかり目指すと同時に,他大学や他学校の学生さんたちや先生たちとの交流も深めたいと考えています.

 今後は3回目以降の講義を7月まで継続的に実施すると同時に,9月から始まる後期の講義準備と12月のプロジェクションマッピング本番の準備を進めています.